突然夜中に子どもが泣き叫びだす「夜驚症(やきょうしょう)」という症状があります。
今回のテーマは「夜驚症」です。子どもの睡眠で気になる夜驚症は、夜泣きとは違い手足を激しく動かして暴れることもあります。
夜泣きほど知られていない夜驚症について、医師に詳しい話を聞きました。
「夜驚症」ってどういうもの?
夜驚症とは、寝ている子どもが急に起きだして、まるで恐ろしいことが起きているかのように、大声で叫ぶなどの症状があわられるものです。
足をバタバタさせたりする子どももいます。この叫び声などの症状は数分〜10分を超えるくらい続くことが多いです。
夜泣きと同じく眠ってから2時間以内に突然起こります。睡眠障害としてとらえられている点が夜泣きと異なります。
本人は大声をあげたことをまったく覚えていないことも多いです。
夜中に突然叫ぶことがあれば、起きてから理由を尋ねてみるといいです。叫んだことを覚えていない場合は、夜驚症の可能性もあります。
成長するにつれ自然に消えていくことがほとんどです。
年齢的には3歳〜小学校低学年位に見られやすく、小学校5〜6年生になると、症状はほとんど見られなくなります。
夜驚症の原因は?
気になる夜驚症の原因は、はっきりとはわかっていません。
脳にある睡眠中枢が発達している途中で起きる現象ではないかといわれています。
ほかにも、生まれつきの体質がかかわっているのではないかと考えられています。
夜驚症が現れると「自分の育て方が悪かったのではないか」「子どもが知らず知らずのうちにストレスを感じているのではないか」と親は心配になりますが、必ずしも原因がストレスとは言えません。
3人に1人は何らかのきっかけがあって、夜驚症の症状が現れるともいわれています。
もし近くに起こったできごとなど心当たりがあれば、そのことに対するサポートを考えてみると、症状の解消に役に立つかもしれません。
夜驚症への対応は?
子どもに夜驚症の症状が現れたとき、周りの人はできるだけどっしり構えて、落ち着いて対処することがいいと考えられています。
夜驚症が出たからといって特に子どもに対する接し方を変えたりする必要もない、という意見が主流です。
一方で、一部では何らかの神経症が関与しているのではないかという意見もあります。
夜驚症が現れたときは、少し注意して子どもさんの日常の生活の様子を観察してみる価値はあるかもしれません。
なお、症状が続く場合や心配な場合は、小児科に相談してもいいかもしれません。
夜驚症はまだわかっていない部分も多い症状ですが、発達に大きな影響を及ぼすことはないものと考えていいでしょう。
親子ともあまり気にしすぎず、いつものように生活したいですね。