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2020年05月01日

インドの大英雄・カルナ(FGO)とは2


マハーバーラタのカルナさんの解説が終わったところで、Fate及びFGO内での解説を行っていきたいと思う。

カルナさんは以前も述べたように、その性格はぐう聖の一言に尽きる。相手がいかなる強敵で瀕死の状態であろうと、マスターを守るためならば戦うことに臆することなく挑む果敢さ。強きを挫き弱気を助けるだけでなく、相手の全てを現場猫よろしく良しとし、受け入れるなどの懐の大きさ。アルジュナや父であるスーリヤ神などの例外はあるが、基本的に誰に対しても素直かつ順々でありつつも、余計な一言が多く、肝心な一声が足りない朴念仁である。表情の乏しさと寡黙、そうしてビジュアル系みたいな強面が更に拍車を掛けている。そして何より、マイペースで天然であった。端的に述べると、富岡義勇やゴブリンスレイヤーみたいな人。違いがあるなら、超絶ポジティブ。
カルナさんは、人は好いものの自他ともに認めるほどコミュニケーションが苦手らしく、相手を賞賛しつつもその褒め言葉は煽っているようにしか聞こえないほど。最早、ほんにゃくこんにゃくが必要なほどであり、その点をジナコやナイチンゲールに指摘されつつも、まだまだ改善の余地がある。

(例:つまらんな。
 訳:俺のような人よりも他の人を相手にした方が良いかもしれませんね)

その他にFate/EXTELLAにおいて玉藻の前に副官として迎え入れながらも「詐欺当然」などと言及しているが、一応協力する姿勢を見せている。左記の発言をメデューサに指摘されたとき、「自分もかなり口下手だが」とかなり彼女から困惑されていた。言葉選びのチョイスの最悪さの他に、「貧者の見識」なるスキルを有しており、相手の本質を見抜いて、ズケズケと発言してしまうことも関係しているが、逆に自分の悪い部分などを指摘された場合、かなり狼狽する様子を見せ、「そうだったのか。そうだった……のか……そう……だったのか」と、同じセリフを何度も繰り返すほどショックを受けている。

なお、カルナさんはあのギルガメッシュ(弓)と比肩するほどの実力を持っており、かなり魔力消費のコスパは悪いものの、戦闘力は確かなもので、FGOの第五特異点『北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム』ではロマニ曰く「神話大戦を再現している」と慌てながら言われるほどである。実際、TVCMでは槍の一振りで山を爆散させた。
アポクリファでのジークフリート(ジーク)との最終決戦では眼から高威力のビームを出したり、出鱈目っぷりな圧倒的な強さを見せたが、三人掛かり(ジークフリート・アストルフォ・アキレウスの盾)で、ようやくやっと倒せるレベルである。大体、最終決戦前の次元を高速移動するアストルフォのピポグリフに追い付くとか、そこからしておかしいんだよな……。
ちなみにアルジュナの幕間の物語で宝具であるパーシュパタで森を一瞬で更地にする他にイベント「アイアイエー」ではブレーキ役ではなくアクセル全開脳筋タイプであるなどオリオンに指摘されており、双方生真面目でマスターに配慮が出来る性格でありながらも、天然ボケで力加減の出来ないタイプだと思われる。やっぱ兄弟なんだな……。
好きなものは、「友情・和解・努力」であり、カルナさんはジャンプ愛読者になる可能性が十二分に存在している。関係ないが、イベントではカニが横歩き出来ない様子に難儀を覚えていた。なんでさ。
Fate/EXTELLAでは役目を終えた後、定期的に陣地を見回りながらも、食べ歩きをするなどの様子を見せている。
なお、カルナを召喚して聖杯戦争で勝利できないマスターはトップクラスで戦いに向いていないダメ人間だと公式で明言されている。
また、カルナさんはバレンタイン返礼激重四天王の一角であり、FGOのマスターが渡した手作りチョコに対して、お返しとして渡したモノは鎧のパーツの一部分を材料にして、ダヴィンチの協力を得ながらも打ち直した黄金のピアスである。カルナさん曰く「そのまま渡そうと思ったが、お前をイメージして打ち直した。俺も気が利く男ということだ」とドヤ顔で語っている。アルジュナの場合は「カルナの首を落とした弓」を渡す、パールヴァーティは物理的に思い等身大のスケールのナンディチョコなど、基本的にインド人は加減を知らないようである。だからなんでさ。

カルナさんは那須きのこをはじめに多くの開発スタッフから愛され、FGOの宝具の新モーション改定されたのだが、その演出はかっこよすぎるの一言に尽きる。何かと風俗店に行く銀魂の東城歩と同じ声優とは思えねえな。
ぐう聖ぐう聖とカルナさんを神聖視することを述べてきたが、カルナさんは神の血が混じれども『人間』であることを忘れてはいけない。理不尽な目にあえば憤るなど、人並みの感性は持っている模様。

【関係者】


・ジークフリート(黒のセイバー)
自分と似たような人生と性格を持った幸薄の相手こと、すまないさん。カルナさんは好敵手(アルジュナ)と似たような気配を感じており、ジークフリートと戦うことを聖杯戦争中、唯一希望した。

・ジャンヌダルク
アポクリファでマスター(天草)の命令で襲撃するように命じられた。FGO内ではジャンヌからは「マスター運がない」と言及されているが、カルナさんは全くそう思っていない。むしろ絶え間ない幸運に満ちていると思ってさえいる。

・ヴラド三世(黒のランサー)
彼の本質(杭が攻撃であり防御でありつつも、畏怖の対象)を見破った上で、好戦。カルナさんは彼を賞賛していたが、持ち前の言葉足らずで全ての言葉が挑発に受け取られていた。わけあって、ヴラド三世は自身が最も嫌うドラキュラだとマスターになじられた際は珍しく、むっとした表情をしている。

・ジナコ=カリギリ(大いなるガネーシャ神)
CCCにおけるマスター。怠惰な様子に苦言を呈しているものの、自ら動かないと意味がないと考え、生活態度の改善を矯正することはなかった。ジナコ曰く「小言を言うオカン」と言われ、仲は険悪のことであるがでこぼこコンビ感は否めない。荒ぶる鷹のポーズを一緒にしてくれる。CCC内での別れ際の会話はカルナさんが、どれぐらいぐう聖なのか分かるので必見。FGO内ではBBの命令で二部インド異聞帯に登場し、「放っておけない存在」と発言している。声優である悠木碧はカルナさんを大変気に入っており、カルナさんがジナコのことを覚えていると聞き、FGOを始めたほどである。その他に新章・インド異聞帯の発表において、その熱愛っぷりを見せている。

・玉藻の前
CCC、FGO、Fate/EXTELLAで何かと関係のある存在。同じ太陽属性ゆえか、ちょくちょく話し掛けてもらってうれしいのだとか。ちなみに、ガヴェインもそうであるが、FGOでオジマンのガバガバファラオ判定を食らっている。ファラオ判定は太陽に関わりがあれば、それだけでファラオらしい。

・ギルガメッシュ
ギルガメッシュが所持していないカルナさんの黄金の鎧を狙っている。CCCではあるワケあって諦めたが、機会があれば奪う算段。カルナさんからすればギルガメッシュは少し羨ましい存在であるらしいが、性格および「施し」の異名を持つ肩書からしてソリが合うことはないだろう。

・パッションリップ
同じく無意識で煽り体質を持つ、被虐体質のアルターエゴ。ギルガメッシュと同様に、カルナさんは苦手であるらしい。

・エジソン
1部第五章で出会った存在。最初は助けを乞われ助力する形になったが、ドゥリーヨダナと似た性格であるがゆえか、ジナコ同様放っておけない存在らしい。身体能力強化の際はヤバそうな薬を摂取しようとしたとき、エジソンの身を心配し止めに入っている。ナイチンゲールの容赦のない言葉に「そこは手加減してほしかった」と頭の中で嘆くなど、CCCから幾分心配りの成長した姿が見られる。

・エレナ=ブラヴァツキー
ハイアラキやアカシックレコードで有名なブラヴァツキー夫人。彼女はインドの生まれではないが、インドの英霊であるカルナさんに会えて嬉しいとのこと。

・ナイチンゲール
クリミアの天使。当時、看護師の仕事をするのは身分の低い人間ばかりで、貴族などの人間が行うものではなかった。献身的な姿はどこかカルナさんに似ているのかもしれない。「あなたは分かり易いんです」と彼女にきっぱり言われたとき、長い沈黙の末、「そうか」とだけ返事をした。

・ラーマ
同じくインドの英霊。カルナさんは本来、弓の名手であり、競技を競い合いたいと願われている。ちなみにラーマも弓の名手だが、クラスはセイバー。どうやって競い合うのだろうか?

・アルジュナ(アルジュナオルタ)
一部五章で、カルナさんがエジソン側についたのに対して、彼と戦いたいがためだけにケルト側につき、全力でぶつかり合うもクーフーリン・オルタに邪魔されて、勝敗が付くことはなかった。
二部のユガシェートラでは、オルタの中にわずかに残った人間性を刺激して、アルジュナを神から人へ戻した。長年の願いである全力同士のぶつかり合いが叶うことになる。カルナさんは兄として、人としてアルジュナを導いた。
お互いを宿痾と認め、カルナさんは「母がかつて望んだものがカルデアにある。その行く末を見守ろう」と、戸惑いながらも好意的な反応。
二次創作などでは何かとプリキュアの格好をさせられたり、高難易度イベントのネロ際で共闘したり、チャリチョコのダンスを完コピしたり、概念礼装(フォンダンショコラ)などでイメージカラーが反転していたりなど、営業不仲が囁かれている。サバフェスでは、カレー×ライスの薄い本が水着ジャンヌオルタ(バーサーカー)により、作られた。内容はバトルアクションモノ。

怒リング アシュヴァッターマン
二部のユガシェートラで登場。初登場時、怒リングの名に恥じないようにカルナさんが先に戦死したことに憤っていた。カルナさん曰く「アシュヴァッターマンは本来冷静な性格」と称されている通り、バラモンの僧侶であるがゆえに知的であり、インド英霊の中ではかなりの常識人。二部のアルジュナオルタとの決戦前、精神と時の部屋で訓練に付き合ってくれた。
パールヴァーティの幕間クエストではバトルマニアの様子を見せ、カルナさんもワクワクしながら待機待ちしている様子が見られる。続きを読む...

2020年04月30日

インドの大英雄・カルナ(FGO)とは


『カルナ』とはFateシリーズに登場するランチャーランサーのサーヴァントである。
何かと幸薄かつ不幸がちなランサーであるが、礼呪を以て自害を命じられたディムルッドやクー・フーリン、そうしてヴラド三世とは異なり充実した最後を迎えたサーヴァント……かもしれない。ちなみに本人の性格も合わさって、ほぼ死亡し易い聖杯戦争において、マスターの生存率はほぼ100%であるが、難ありつつも基本的にぐう聖であり、その生き様に思わず「さん」を付けずにはいられない存在である。

【伝承上のカルナさん】


カルナさんは神話的な要素を含んだ世界三大叙事詩の一つであるマハーバーラタに登場する、アルジュナ(主役)のライバルであり、立ち位置的には悪役。FGO内ではお互い宿痾と呼び合いつつも、バレンタインイベントではチャリチョコのちっこいおっさんのダンスを競い合った末、完コピするなどの激闘を行うなど、自己主張の少ないカルナさんには珍しくアルジュナが相手だと積極的に闘争心をむき出しにし、戦士(クシャトリア)としての一面を持っている。
マハーバーラタの分量は聖書よりも遥かに長く、読破するのにかなりの時間を要する。内容は曼陀羅式に似たような要点を踏まえた内容が続き、他の者が他者の物語や経験を教訓として諭す場面が多い。

カルナさんのマハーバーラタの一生を簡潔に纏めるならば、誤解や呪いに満ちた『不幸』の一言に尽きる。
まず生い立ちからして不憫なものであり、好奇心でインドの太陽神であるスーリヤを呼び出した母親に、Fate内におけるあらゆる伝説の武器の原点を貯蔵しているギルガメッシュの宝物庫にない光で出来た鎧を身に纏うも、生まれた直後、箱の中に入れられ川に流された挙句、本来の身分階級において王族であるにも関わらず、下層階級として貧しい暮らしを余儀なくされる。
光で構築された鎧には何物の攻撃を弾き飛ばす力があり、この武具を身に纏っている限りカルナさんはほぼ不死身であるが、アポクリファでヴラド三世が『杭を刺す概念』によって身体の内側から刺殺されるも、持ち前のタフさで耐えるなどの根性がある。Fateのカルナさんは意思の力のみで、既に死亡している状態にも関わらず、マスターを生存させるためならば、意地で生き長らえ主命を全うするなど、規格外のド根性を持っている。

カルナさんは御者の義理の親子に育てられるも、ある日、王族のみ参加できる弓の競技会に参加し、優れた弓の腕前を披露する。その武勇を賞賛され、身分を問われたところ御者の息子であるなど言えず返答に窮していたところ、カウラヴァ百兄弟の長兄であるドゥルヨーダナに見込まれたのか「強さに出自など関係ない」と、ぽんと一国を貸し与え、アンガ国の王とさせるも、義理の父親がカルナさんを讃えた為、出自が露見してしまう。
カルナさんは「王族に挑むものは同等の階級、もしくはそれ以上」というカースト制度による身分違いだと嘲笑されてしまうが、カルナさんはドゥルヨーダナに感謝の意を示し、永遠の友情を約束するのであった。
ちなみにドゥルヨーダナとは、何かとパーンダヴァ兄弟(アルジュナ側)と比較され、不吉だの冷遇されていた存在であり、双方には根強い確執さが拭えない関係であった。ドゥルヨーダナとしては、力強い戦力としてカルナさんを招き入れたのかもしれないが、クルクシェートラ戦争開始から二十日経たずして死亡したカルナさんの死を非常に嘆いたことから、当初は戦略的な意味合いもあったかもしれないが、本当の友情を築いていた可能性がある。

カルナさんと、パーンダヴァ(アルジュナ)との因縁はそれだけに終わらず、ドルパタ国の姫を夫に決める弓の競技会において、アルジュナにしか引けないだろうと言われた強弓を放つも、姫は身分違いを理由にカルナさんを花婿として迎え入れることを拒否。
その直後、アルジュナが現れ強弓を放ち、ドルパタ国の姫は正式にパーンダヴァの人間になるのであった。ちなみにアルジュナは姫(戦利品)をカルナの実母にどうすべきか相談したところ、忙しかった母は「兄弟仲良く分け合いなさい」と答え、兄弟全員の妻となってしまう(アルジュナとしては、兄弟同士の争いをなくすため、分け合った可能性がある)。その事実を踏まえて後のサイコロの博打においてドルパタ国の姫をカルナさんは罵り、呪いを受けることになってしまう。
カルナさんの不幸はそれだけで終わらず、アルジュナと共に師として仰いでいた人物から秘儀を授かることなく、業を煮やしたカルナさんは他の人物の元へ秘儀を授かるも、昼寝中、師を起こすまいと蛇に咬まれながら苦痛の声を一切出すことのなかった献身を顧みてもらえず、肝心な時に秘儀を忘れてしまうという呪いを受けてしまうことになった(その他にバラモンの飼牛を誤射で殺し、戦車が動かなくなる呪いも)。

賭博の賭けで勝利したドゥルヨーダナであるが、禍根が深いのか、森の中でみすぼらしい生活を送る羽目になったパーンダヴァ兄弟に追い打ちをかけるべく襲いかかるが、偶然不幸にも居合わせたガンダルヴァ族に壊滅の危機に陥られるならまだしも、パーンダヴァ兄弟に助けられてしまうという失態を犯す。
後述になったが、賭博の件で国から離れ森の中で暮らすことを約束されたパーンダヴァ兄弟であるが、賭けの内容が「森の中で十二年」、最後の一年は匿名として過ごす事をアルジュナが「女装」という形で乗り切っている。

クルクシェートラの戦いの前、カルナさんは日課である沐浴を行っていた。この沐浴にはカルナさんなりの流儀があり、沐浴後、バラモンの願いを断らないというものである。
弱味に付け込む形で、息子を大戦争に勝利させるためアルジュナの実父であるインドラがバラモンに化けて現れ、不死身の呪いを寄越すよう要求する。カルナさんは「黄金の鎧は皮膚と一体化しており脱ぐことは出来ない、別の要求にしてくれ」と頼むも、バラモンに扮したインドラは意見を変えることはなかった。
押し問答の中、カルナさんはバラモンの正体を見破り、ナイフで黄金の鎧を自らの肉体と切り離して渡した。全身の皮を剥がす苦痛だけでなく、相手の正体(インドラであり、アルジュナを勝利させるためアルジュナとその親友であるクリシュナでは勝利できないことに姦計を働いた)ことを承知の上で、微笑みながら不死身を手放したカルナさんに、インドラはその高潔さに恥じ入り、黄金の鎧の代わりに一度だけ相手を必ず殺せる槍を授かることになる。
不死とさえ言われる鎧と、一度だけ必ず殺せる鎧のその比較は到底、釣り合うものではないのは自明の理である。ちなみにスーリヤの最後はカルナの末期に酷似しており、そのことも関係して必殺の槍を渡したのかもしれない……。

カルナさんの制約はそれだけに留まらず、大戦直後にカルナさんの実母とアルジュナの親友・クリシュナが現れ、「パーンダヴァ側の人間だから、こちらの陣営に入って欲しい」と願われるも、カルナさんは以前よりドゥルヨーダナと交わした約束である「永遠の友情」のため、拒否。更に言えば「私は母に捨てられ、本来得られるべきであった名誉を貴女(母)の身勝手な行いで得られなかった」と非難している。
しかし、母親を慮ってか、それともアルジュナ以外のパーンダヴァ兄弟に興味がなかったのか不明だが、「アルジュナ以外の兄弟は殺さない」と母親に約束する。実際その契りは非常に忠実なものであり、パーンダヴァ兄弟を確実に殺される場面であったにも関わらずアルジュナ以外の兄弟を意図的に見逃した。

カルナさんの大決戦中の最後は、戦意を殺ぐ御者の言葉だけに留まらず、前以て受けていた呪いが悉く発動するというものであった。必殺の槍はすでに大戦前に使用しており、弓術におけるマントラを使用しようにも二番目の師による忘却と、バラモンの飼牛を殺してしまったことによる車輪の陥没。
戦争には身動きの取れなくなった相手には攻撃してはならないという一定のルールがあったが、ドゥルヨーダナ側の違反行為、クリシュナの唆しがあったにせよ、戦う術のなくなったカルナさんをアルジュナが弓で首を切り落とすという最後を迎え、カルナさんは死後、スーリヤに迎え入れられ太陽神と一体化し昇天したと言われている。
ちなみにカルナさんには息子がおり、その聖人っぷりはもしかすると父親以上かもしれないと思われるほどのものである。そして、何かとアルジュナと競い合っているが、年齢差は18歳ほどである。傍から見ればおっさんが青年に突っ掛かっているようなもんだったんだろうな……。

カルナさんはインド内においては絶大な知名度を誇っており、悲劇的な人生であるがゆえかその人気は非常に高く、マハーバーラタ自体が国民的に愛されているほどである。日本でいうところの牛若丸と似たようなものだろうか?


インドの大英雄・カルナ(FGO)とはその2へ続く
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2020年04月28日

今回は、『自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性』で優勝していくことにするわ


『自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性』とは、Twitter上で大蛇丸をはじめとして、友情出演なのかハリポタのスネイプ先生やリヴァイ兵長の声真似が度々入り混じる、嘗め回すようなアングルで作った料理を撮影した後に、金色の奴(ビール)と共に晩酌するだけの内容である。名前?の元ネタは「自分を野原ひろしだと思っている一般男性」だと推測される。
当初はTwitter上のみで料理動画をアップしていたが、ニコ動及びYouTubeの方にも投稿が行われている。当初はTwitterでの投稿であった所為か内容は二、三分程度で終わるほどの短いものであるが、短時間で動画内容を楽しみたい多忙の人にとっては非常に嬉しい適度なボリュームになっている。
なお、弟に褒められて、大蛇丸の声真似を極めたのだとか。
そして非常に有名な話なのであるが、声優である大蛇丸の声優であるくじらからTwitter上において、自分を大蛇丸と信じて止まない一般男性にファロバ・リプライなどの反応を貰っている。
どうでも良いが大蛇丸だと信じてやまない一般男性本人は、「研ぎたての包丁で白髪ネギを切っている時が安らぐ」らしい。

【内容】


・セブルス・スネイプ(声真似)
初期の頃、ハンバーグを作る際などに主に出ていた。気まぐれというかほとんど、八つ当たりに近い形でグリフィンドールに対して、ハリポタの寮対抗の優勝戦で大どんでん返し的にダンブルドアでさえ決して覆ることが出来ないほどのマイナス点を理不尽ながらに加算している。

・リヴァイ兵長(声真似)
個人的には、あまり声真似は似ていないと思う。大蛇丸だと信じてやまない一般男性に「デブ」だの何だの結構辛辣な口調である。

・「ウマ過ぎてウマになったわ」
自分の料理を賞賛する際に使用される言葉。ウマと言っているわりには、字幕の絵文字にウマが出てきたことは一度もなく、クジラやヘビなどの動物が使用されている。パリにもなった☪

・AJIHEN KUNG-FU GENERATION(アジヘンカンフージェネレーション)
酢や柚子胡椒などで、味付けを変更する際に多発されるコレ(木の葉丸)。「福岡はとんこつの街ではなく全ての料理に柚子胡椒を味付けとして使用する国」であるらしい。ちなみに調味料四天王は、「酒・醤油・味醂・蜂蜜」だとか。ちなみに本人は埼玉県出身。

・「理由は知らないけどね〜」
料理のワンポイントアドバイスを教えてくれたあと、ほぼ高確率で発せられる言葉。類似物として、「まあ私帰る里がないんですけどね」などの抜け忍ジョークもある。

・Now Loading…
動画内で1秒程度の間の中、瞬間的に表示される文字。

・猪うりぼう
ゴメンネカラシニヨワクテ。
鬼滅の刃ネタ。
最近ではどこぞの人気声優とコラボした。一体どこの炭治郎なのだろうか。

・暇すぎてひまわりになった鼻
??????????????
大蛇丸繋がりでナギニもパーセルタングで発言。

・潜影蛇手(せんえいじゃしゅ)
NARUTO本編においては、中忍試験の時にアンコが大蛇丸を差し違える覚悟で使用した術。初期で使用された非常にマイナーな技であるが、大蛇丸だと信じてやまない一般男性本人は下拵えを終えた食材をフライパンや電子レンジなどにビャッとぶち込む際に、多く使用されている。

・写輪眼
うちは一族に遺伝する血継限界のひとつ。全ての血継限界の大本は日向一族の白眼であるが、大蛇丸だと信じてやまない一般男性は写輪眼の話を料理の比喩表現として多く使用しており、「あら〜、この餃子サスケくんの万華鏡写輪眼並みに綺麗」だの基本的に赤系統やいい焼き加減の料理に述べている。ちなみにうちは一族は、酒に弱い体質であるらしく、すぐ目を真っ赤にするとか。日向一族は木の葉において最強なので、酒に強い。

・「あらぁ〜ハート(トランプ)美味しそう〜ハート(トランプ)やだぁ〜ハート(トランプ)
料理が完成した直後、もしくはテーブルに並べて嘗め回すようなローアングルから撮影する時に多々使用されている台詞。色々なヴァリエーションがあり、Y(やだ〜)、O(美味しそう)、Y(やだ〜)と字幕で略される場合がある。最近ではエコーがかかっている。

・「〇〇の奴」
晩飯のお供であるアルコール。金色・銀色の奴など多数あるが、中にはコーラや、休肝日の際には麦から離れていないが麦茶をイッキキしているときもある。飲酒後、砂漠葬送でアルコールの缶を握り潰すが飲み足りなかった場合、写輪眼の無限ループ技である、「イザナミ(イザナギ)」で明らかにテーブルに一回目に飲酒した握りつぶされた缶があるにも関わらず、二缶目はまるで初めて飲むような態度を装う。大蛇丸ほどの忍になれば、容易くビールや餃子などを口寄せの術で召喚できるらしい。最近ではサントリーから、黄金の奴を貰っている。元ネタ……というより、気まぐれクック(同じ事務所のYouTuber)のリスペクトだとか。

・はい、エドテン(穢土転生)
「イタダキャス」の挨拶の後、全ての食事を間食し終えた、大蛇丸だと信じてやまない一般男性が、「ごちそうさま」の意味を込めて、両手を合わせて動画の締めに言う言葉。NARUTO作中において穢土転生は死者を復活させ傀儡的に操る術であり、薬師カブトが過去に本編で死亡したキャラを敵側として使用する外道術である。


【余談】


大蛇丸と信じて止まない一般男性は、料理の動画投稿以外にもゲーム実況など、様々な活躍の場が広がっている。
しかし、大蛇丸と信じて止まない一般男性の動画が大勢にウケたのは、一般男性の料理技術の巧さが関係しており、他の声優の声真似が得意なユーチューバーが似たような料理動画を投稿しているが『コミュニティの一生』のように、

1,面白い人が面白いことをする
2,面白いから凡人が集まる
3,すみ着いた凡人が居場所を守るため主張を始める
5,面白い人が見切りをつける
6,残った凡人が面白くないことをする
7.面白くないので誰もいなくなる

といった状態を迎えつつあるのではないかと一種の危惧心を抱いている。
個人的には第2段階まで「〇〇だと思っている一般男性」の『コミュニティの一生』は進行しており、そう遠くないうちに第3段階に突入しないか、非常に不安である。
「〇〇だと思っている一般男性」シリーズに、新しい風が吹くか、新機軸で斬新な内容を期待するより他にない。
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2020年04月27日

マダオの観察日記


マダオの観察日記とは、俺の印税収入の糧となってくれてありがとうございました。アニメ銀魂 君達のことは忘れても通帳に刻まれた数字は忘れないからの名言で有名な空知英秋の銀魂、32巻の第1話目「観察日記は最後までやりきろう」内に出てくる、北大路大五郎が寺小屋の夏休みの宿題として、提出した日記のタイトルである。
銀魂はパロディパクリだけではなく、使用されたモザイクトーンの量を考えれば単行本が何本分になるのか分からないぐらい多く、漫画よりもアニメの方がやらかしが多い(終わる終わる詐欺・プリキュア・ドラクエのBGM・ガンダムなど)。
でも漫画の方でも終わる終わる詐欺をやったし、実写映画化したが小栗旬と思しき人物が柳生九兵衛の誕生日パーティに登場していたりと、原作も原作である。

【内容】


明日から夏休みだからと思いワクワクして眠れなかった大五郎が、朝のラジオ体操に遅れながらも、公園に行くとそこには酒を渇望するマダオ(長谷川泰三)がいた。


7月21日、『公園の主でゴロゴロして何もせず、酒を持ってきたら喋るようになった。
マダオはいつになったら、咲くのだろう』


7月22日、『酒をやっているのにまだ咲かない。動きも働きもしないのを聞くと、
「一度枯れた花は二度咲かねーんだよ」と悲しそうな目で答えられた』


7月23日、『マダオはまだ芽が咲かない。お酒をあげても全部、目から流してしまう。
せっかくあげたのにどうして流すのと尋ねると、
「ごめんね。もう流さないから。もう泣かないからごめんね」
と謝罪。日が暮れるまで酒を飲んでいた』


7月24日、『マダオはまだ芽が咲かない。ケガをしているようなので様子を聞くと、首吊り用のブランコを作ろうとしていたらしく、失敗してケガをしてしまったらしい。
どうして、公園にブランコがあるのに作ろうとしたんだろう』


7月25日、『マダオはまだ芽が出ない。
ラジオ体操に行く途中、線路で寝ているマダオを目撃した。
線路上で寝ているのかと尋ねると、寝苦しくなってここまで転がってきたと答えている』


この時点で、職を失いホームレスと化したおっさんが二度も自殺未遂を起こしていることを察した先生が、大五郎の観察日記の内容を発表中止させるのだが、寺小屋の子供たちから「もっとマダオの話を聞きたい」とマダオコール。先生はマダオがどうして子供達の心を掴んだのか疑問に思いながらも、大五郎に要点だけ掻い摘んで観察日記の内容を発表するように指示する。

8月1日、『家族(マダオ)が増えました』


先生から「掻い摘み過ぎだろおおお!」などと大声でツッコミを入れられている。

『寝床は用意してやったが、相も変わらずマダオは芽が出なかった。
じっと虚空を見つめるだけのその乾いた双眸からは何も窺い知ることはできない。
地に墜ちた堕天使ルシファーの意を神が介することが出来なかったように。
一体何が不満だと言うのだ……。
そんな問いにマダオは答えることもなく苦い顔でウィスキーをなめるばかりだった』


そして寝床と記載されているが、用意されたモノは犬小屋であり、「何が不満なのか一目瞭然だよね!家族が増えたってそういう意味で!?いきなり文章が達筆になってるし、お前の成長が見たかったわ!大人の階段じゃなくエスカレータ!」と、先生。
しかも、日記内容には舞台が江戸なのにコンドルが上空を舞っていた。

それから10日ほどしてもマダオの芽が咲くことはなく、頑なに無造作にウィスキーの瓶を投げつける日々が続く。母親の方も犬ではなくマダオを飼っていることに勘付き始めていた。大五郎の母親は、女手一つで育ててくれており、母親がいつの頃からか男を信用しなくなったと家庭内の事情がつらつらと書かれているが、先生から「母のことはもう良いから締めて」と言われるも、まさかまさかの観察日記で過去編に突入する。

『3年前の8月10日、あの日もうだるように暑い日だったのを覚えている。
お袋の旦那、つまり俺の父親もマダオだった』


内容を要約すると、腕の良い大工であったが事故で腕が使えなくなり、家族に暴力を振るい酒浸りの日々であった。母親を馬車馬の如く夜遅くまで働かせながらも、優しかった父親のことを知っている大五郎親子は、父親が元に戻ってくれると、まだ救いはあると信じていた。しかしある日、大五郎は母親と一緒に帰宅し、そこで目撃したのは父親の浮気現場であり、希望は粉々に打ち砕かれることになる。
大五郎は柄にもなくマダオ(長谷川)に話すも、マダオからは「俺を見せるなんて、かーちゃん苦しめるだけなんじゃないのか」と犬小屋の中から指摘されている。大五郎は後悔の念を覚え、いつしかマダオと父親を重ねてみていたのかもしれないと、心中で独白している。
母親を苦しめてまで何がしたかったのか、あの時の忘れ物を今さらになって取り戻すことが出来るのかと思う中、その日マダオはバーボンに口を付けることはなかった。

8月11日、江戸に台風が直撃する。犬小屋に住むマダオを家に避難させるために外に出る大五郎であったが、小屋の中にはマダオの姿はなく、酒浸りで弱り切った彼を救うために大嵐の中、外に出ようとした。当然のことながら母親から止められるも、どういった経緯で友情が芽生えたのか不明だが、マダオと言いかけた大五郎に母親は「やっぱりあれはマダオだったんだね」と言われるも、啖呵を切って友達だと断言する。

翌日、大五郎はマダオを見つけることが出来ず、風邪の所為か文章が巧く書けなくなっていた。そんな大五郎の元へ、マスクを付けた母親が現れ「マダオを飼うなら恥ずかしいから、家にしなさい」と言われる。
マダオは泣きながら大五郎の涙をハンカチでふき取るも、彼も同じように泣いていた。「酒を飲んだの?」と尋ねるが、

「いや……もう酒は飲まねーさ」


と答え、それからマダオの自堕落的であった生活は一変することになる。母親が仕事にいっている間、掃除・洗濯などの仕事を率先してやるだけではなく、買い物の帰りの途中で再就職先を探すために求人書を読み漁るなどの積極的な姿を見せた。
いつしか母親の方はマダオではなく長谷川さんと呼ぶようになり、彼はマダオではなくなった。その内、母親の方から「お父さん欲しくない?」と恥ずかしそうに尋ねられ、よく意味の分からなかった大五郎はマダオに尋ねるも「知らねーよ」とそっけない態度を取られる。

8月26日、いよいよマダオの芽が出る日が来ることになる。
マダオは大五郎の母にどん底からここまで這い上がることが出来たと述べ、面接のためにスーツを着用したマトモな姿であった。ところでセクハラ疑惑で裁判所に行くことになり、正妻のハツさんから渡されたボロボロのスーツとかそういった関連は大丈夫なの?
面接のため会社にいくマダオであるが、そこでは「真人間になった」長谷川と同じマダオがそこにいた。第二の元マダオは「何度も寄りを戻そうと妻と連絡を取っていたが考え直してくれと言われていた。散々迷惑かけていたし」と言っている。長谷川は気になって、第二の元マダオに息子を聞いたところ……。

一方、長谷川は大五郎の家に帰ることはなく、行方不明となっていた。マダオを心配する母親に「就職に落ちて合わせる顔がないだけ」と語るうちに、実親からの復縁の話が持ちかかり、元夫と出会った母親は嬉しそうな様子で接していた。
復縁相談の食事の帰りに、元の自堕落的な状態となったマダオに再開する大五郎であるが、母親からは「もうあの人に関わるのはやめなさい!」と言われている。しかし大五郎はマダオのことを「立派な侍」と述べたところで、二人は別れることになる。
公園のベンチでワンカップ片手に酔漢の様子を見せていたマダオであるが、カップの中身はただの水であり、実はマダオは酔ってなどいなかったのである。

日記はここで終わり先生含めて子供達が涙する中、観察日記ではなく小説と称される中、映画の如くエンドロールが流れる。
「いや素晴らしかった、みんな、大五郎くんに拍手!」

と先生が絶賛する中、エンドロールの最後に出てきたのは、



監督・脚本:



という衝撃的なオチが待っていた。
実はこれ、途中で文章が下手になったのは母が台風の中、マダオを探して風邪を引いただけである上に、「お父さん欲しくない?」はマダオ(長谷川)ではなく元夫との再婚を意味していたものだと思われる。
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2020年04月25日

映画版・ミスト2


物語は、ノームやブレントの死を筆頭に町でも有名な狂信者の発言力が増していく。彼女いわく「ハルマゲドンのはじまり」などと述べ、今後自分が化け物に襲われる明日が我が身のマーケット内の人間は、心が不安定で弱い人間をはじめに教信者の女性を教祖として祀り上げていくことになる。

夜間になると、霧内の化け物の襲撃がないか見張りを行っていた人物の眼前にイナゴとサソリを足して二で割ったような、巨大な虫が集まってくる。蛾が電光の光に集まるように、虫の化け物はランプの光源に引き寄せられていただけではなく、虫の捕食者であるプテラノドンのような見た目をした異世界の化け物の襲撃の追い打ち。
幸いなことに虫と鳥含め拳銃で倒せる程度の強さなので適切に対処すれば、さほど問題なく倒せるが、パニック状態になった人間には冷静な判断などできるはずもなく、全身火達磨になるなどの人災を引き起こす結果となった。
スーパーの若い女性は虫の化け物に毒針を刺され無残に死亡してしまうも、狂信者の女は身体に虫がくっついても大人しくじっとしていた所為か刺されて死ぬことはなく生き残り、ますます店内で権力を増していくのであった。

翌日、全滅こそ免れたものの全身に火傷を負った人物を助けるため、マーケット付近にある薬局に薬を手に入れる必要があった。デヴィッドは「苦しい。殺してくれ」と訴える火傷の怪我人に「諦めるな」との希望の声をかけ、複数の同行者と一緒に霧の中に出ようとするも、狂信者の女をはじめ複数の人間に止めに入られる。
しかし、デヴィッドらは危険を承知の上で近隣の薬局に赴くことになるのだが、行きはよいよい帰りは怖いというべきか、慎重に進んだことが幸いしてか『行き』は襲われることはなかったが、薬局内は蜘蛛の巣だらけの状態になっていた。
老婆の指示の元、様々な薬品を入手する最中、技師はとあるものを発見する。それは蜘蛛の巣にグルグル巻きにされ、親蜘蛛の苗床になったMPの姿であった。
MPはしきりに謝罪の言葉を述べるも、その意図は不明。やがて間も無く、MPの体内で育ち切った蜘蛛たちが孵化し、大量の子蜘蛛が出現する。皆が一目散に、それこそ蜘蛛の子を散らすように薬局から逃亡しようとするも、MP同様他の犠牲者がいたのか、それとも最初から複数体いたのか、親蜘蛛に囲まれていることに気付く。蜘蛛は強酸性の糸を吐き、皆を苗床にするため攻撃をしかけるも老婆の即席の火炎放射器などの奮闘により、犠牲者を出しつつも逃亡することに成功。逃げ足でマーケットに戻り、倉庫裏に安置されていた大火傷を負った男性に決死の覚悟で入手した薬を投与しようとするも、既に死亡していた。

遣る瀬無い気持ちの中、恋人を失った若い軍人が「同僚を見なかったか」とデヴィッドらに尋ねるも「分からない」と答える。それほど広くはない店内で皆が探し回るも、倉庫内で首吊り自殺した状態で発見される。
デヴィッドは町でも噂になっていた謎の計画について軍人に尋ねるが、何も知らないと述べる。この主張は二等兵の下っ端であるがゆえ、軍上部の詳細は知らなかったが、「異次元へ干渉するためのアローヘッド計画」が行われていたと発言したところで、正気を失い狂信者の女の教徒となっていた技師が倉庫にデヴィッドらが入るところを目撃し、隠れて聞き耳を立てていた。
それから技師の男は、軍人に全ての責任があると大声で主張。それに乗っかる形で狂信者の女は軍人の男に責任を取らせようとする。彼はナイフなどで腹部をめった刺しにされた挙句、店外に放り出された。中に入れてくれと懇願するも、誰も聞き入れることなく触手に捕食され死亡することになる。

その夜、たった二日で、マーケット内は女性狂信者を信仰する異常な場になっており、いつ暴徒化するか分からない状況となっていた。副店長は「社会性がない孤立した場ではこのようなことが容易く起きる」と、人間の善性を信じていたアマンダに主張し、「次もあの女は生贄の要求を行うだろう」と危険性を指摘して、食料品などをできるだけ集めレジの内側に隠し、早朝マーケットを脱出する計画を立てる。
しかし翌朝、隠したはずの食料品がなくなっており困惑する一行に、狸寝入りしていたのか、脱出を計画する皆の周囲に集まる。デヴィッドは「あなた達の邪魔はしない。だが、食料品は譲渡してくれ」と頼むも、女教祖は要求を拒絶。そして「子供を生贄にしろ」と言い、デヴィッドの息子が標的になるも、副店長の手によって女教祖は眉間に弾丸を食らう形で死亡。
狼狽する教徒たちの隙をついて、デヴィッドらはマーケットを脱出するのだが、一人の男性は視界の悪い霧で彷徨い、副店長はクルマの一歩手前で触手に捕食され、その拳銃はクルマのボンネットに落ちた状態で、形見を残した。デヴィッドは危険を承知で命からがら拳銃を手に入れるも、後のことを考えればこれが決定的な悪手である。
ちなみにデヴィッドらに同行していた店長は店内の安全地帯に戻っており、マーケットの皆が凝視する中、クルマが発進していくのだが、一番最初にデヴィッドが目指したところは自宅。だが、家は蜘蛛の巣に覆われ妻はMPと同じく、蜘蛛の苗床になっていた。

他に安全なところはないか町内を走り回るのだが、スクールの送迎バスをはじめに町は廃墟と化していた。車内が絶望的な雰囲気になる中、とうとうガソリンが底を尽いたところで、皆の前で山のように巨大な異次元の化け物を目撃することになる。
これが希望を失う決定打となり、食料品などの生き延びるための道具や手段がないことを悟った全員は、「どうすべきか」を考えるようになる。
デヴィッドの手には拳銃があり、化け物に襲われたり、餓死するよりも安楽死を選ぶことになるのだが、弾丸数は4発しか入っていない。車内には、二人の老人、アマンダ、そうして息子であるビリーとデヴィッドの5名であり、1発、弾丸が少ない。
デヴィッドはマーケットを出る前、息子に「ぼくを化け物に殺させないで」と約束していた事実が後押ししてか「俺がやる」と述べ、車内の皆を撃ち殺すことにする。
射殺後、デヴィッドは車外に出て「殺せ!」と叫びながら怒りと悲しみに身を任せるも、彼の背後から現れたのは火炎放射器などの近代武器で化け物を駆逐する軍隊の姿であった。
しかもミストの凄いところはそれだけでは終わらず、デヴィッドの目の前に護送車が現れるのだが、そこに乗っていたのは物語冒頭、「地獄に落ちろ」と言い、子供達を助けるため、一番最初にマーケットを飛び出した短髪の女性が茫然とする彼を見下ろしていたのであった。


総論としてミストは、最良を尽くしたのに最悪の結果を迎える鬱エンドの映画である。
デヴィッドが短髪の女性と共に行動していれば助かったなどの意見があるが、これは彼女が単独行動で家に帰還したことによる結果である。
もしも一緒に行動してデヴィッドが息子と共に自宅に帰れたとしても、異世界の化け物は閉ざされた空間に入ることが出来ない習性があり、アトリエの窓ガラスが割れた家での生存は難しい。

一択として救済エンドを迎えることができるなら、あと少し、もう少しだけ射殺時間を引き延ばす、ただそれだけの一言に尽きるだろう。デヴィッドとしては決断を先延ばしにすれば決意が緩むと思い最善を尽くしたのかもしれないが、何もかもが最悪の結末を迎えてしまったのである。

2020年04月24日

映画版・ミスト1



『ミスト』とはスティーヴン・エドウィン・キングが執筆した小説に、映画監督であるフランク・ダラボンがラストに独自のアレンジを加え、作者であるキングが嫉妬するほどの衝撃的なエンドを迎えた、その親子愛に涙なしでは語れない傑作である。
ダークタワーシリーズと一部関係があり、主人公のデヴィッドが描いていた宣伝ポスターだけでなく、霧の中にいる異世界の化け物もダークタワーで登場するモンスターである。
ところでミストとは関係ないが、グリーンマイルやスタンドバイミー、IT(ベニーワイズ)、ミザリー、シャイニングなど名立たるヒット作品を飛ばしているキングは何者なのだろうか……。どうでもいいが、個人的にはグリーンマイルがミストの次に好きである。

【内容】


冒頭はデヴィッドが、ハリウッド映画用のポスターを描くところから始まる。順調にポスター作製をしていたデヴィッドであるが、突然の悪天候に地下に避難。アメリカなどのハリケーンの多い地域において、一般家庭でも地下室があることはそう珍しくない。
翌朝、デヴィッド一家は地下室から出るのだが、彼が仕事場として使っていたアトリエに向かうと、窓辺近くにあった木が倒れ窓硝子を直撃しているだけでなく、もう少しで完成目前であったポスターも破壊されていた。
デヴィッドは「ポスターなんてフォトショなんかで簡単に作れる」などの悪態をつきながら、家の外の様子を見るのだが、祖父が植えた木が倒れているのを目撃。若干の悲しみに包まれる夫婦であったが、息子であるビリーの能天気な言葉で、湖の方に向かうことになるのだが、遠方から気象予報士でなくとも不自然さを感じる霧の発生を確認。

その後、ほどなくしてデヴィッドと幾度となく公論を繰り返していた黒人男性のブレントと保険などについて話すも、境界線などについて険悪な仲であったが、ブレントのクルマが木々に押し倒され潰されており同情的な態度を見せ、多少和解したような雰囲気になった。
その後、デヴィッドは修理品や日用品などを求めて、クルマで息子・ブレントと共にマーケットに行くことになる。道中、やたら軍関連のクルマが多いことと、単なる噂話であるが「軍は何かの開発をしている」などブレントの冗談めいた話を聞いている内にマーケットに到着。
買い物途中、息子からお隣さんとは仲良くなったのかと尋ねられるも「仲直りからまだ遠いかな」と答え、修理や電気の止まった状況下、必要なものを購入していくのであった。
買い物途中、デヴィッドが様々な知り合いと出会う中、三名ほどの軍人が来店。彼らはバスが来るまでまだ時間があったので軽食を買うために立ち寄ったのだが、MP(上官)の指示により、休暇が取り消しになった。
田舎かつ町から最寄りのマーケットがこの店しかなかった所為か、町内の人々がごった返す店内に、突然血塗れの老人が恐慌状態で入店。何があったのかと皆が尋ねる中、男性老人は「霧の中に化け物がいる」と訴える。当初はデヴィッド含め、冗談か何かだろうと思いながらも、老人は至って真面目でそして本気(正気)である。
その内、マーケット周辺が『霧』に包まれていくのだが、子供を家に残してきた短髪の女性が我が子を心配して、誰か一緒に同行してほしいと願い出るも、誰も志願する者はいなかった。
理屈が分からないながらも『霧』の異様さに本能的に気付いているのか、皆、マーケットの外に出るのは危険だと判断。子持ちゆえ、短髪の女性に乞われるような視線を向けられたデヴィッドであるが、「自分にも子供がいる」とハッキリと否定。彼女は涙ながらにマーケットの皆に向けて「地獄に落ちろ」と言い、単身で『霧』の中に身を投じていくのであった。

マーケット内で待機することを余儀なくされた皆は、徐々にその親睦を深めていく。『霧』の異様さと、店に駆け込んできた老人の言葉が合わさって、何かやらないと落ち着かない不安な状態であった。
そんな中、デヴィッドの元へ店内の電力はせめて回復させたいと倉庫の方へ行くよう願われる。デヴィッド単身で店の倉庫に行き機器の動力を止めた時、閉じられたシャッターから何かがぶつかるような音が響いてくる。
人間がぶつかっているような音とは思えない……それどころか、堅牢なシャッターを外側からへこませる異常な力を持った存在は、副店長をはじめとした数名の技師の到着と同時に、鳴り止む。デヴィッドは「何か聞いたか?」と尋ねるが、さほど相手にされず半ば蔑ろにされ、店外の排気口の様子を見るために倉庫のシャッターを開けようとする。
異音を耳にしていたデヴィッドは「危険だ」と述べ、外に出ることを阻止するも誰も聞き入れることはなく、僅かに開けられた隙間からノームが外に出ようとしたところで、シャッターにぶつかっていたと思わしき存在、タコのような吸盤を持った化け物がノームを捕食しようと外へと引きずりだそうとする。
先ほどまでデヴィッドを小馬鹿にしていた技師たちはうろたえ腰を抜かして何もできず、即座に反応して迅速な行動を起こしたのは副店長であった。ノームが倉庫から完全に引きずりだされた後、中に侵入した触手はペットフードを漁ったりする化け物にマスターキー(斧)をデヴィッドに手渡して、触手を切断し即座にシャッターを閉じる。
数名の技師たちは「何も知らなかったんだ」と忠告をしたデヴィッドに自己弁明じみた言い訳をするも、「何も知らないでは済まされない。ノームは死んだ!」と叱責の言葉を出し、倉庫で一人になった時、もう少し激しく止めておけばよかったと後悔があるのか自責の念に駆られた態度を出していた。

やがて倉庫から出るデヴィッドと化け物を目の当たりにした副店長と数名の技師は、今後どうすべきか話し合う。最初に「霧の中に化け物がいる」と店内に入った老人の言葉は真実であり、今後どうなるのか分からない。パニックに陥らないために、マーケット内の人間を先導するリーダー役が必要であった。それゆえ筆頭にあがったのが、弁護士であるブレントであるが、副店長らと共に霧の中の状況を説明するも信じてもらえなかった。
ブレントと共に店長もデヴィッドらを小馬鹿にするも、いつもは弱気な態度である副店長であるがこの時ばかりは強気で、店長を強引に倉庫で切り落とした触手を直接見せ、ようやく霧の化け物についての話を信じさせることに成功し、マーケットの外は危険であることが皆に通達される。
しかし、ブレントはその話について懐疑的であるだけでなく、「田舎者は排他的で新参者を除け者にする!」と、日頃鬱憤が溜まっていたのか感情的になる。デヴィッドと仲良くなりかけつつも、元々険悪な仲であったことから、二人の関係はここで決定的に決裂。店を出ると訴えるブレントにデヴィッドは最終確認をするも、
「それは俺が愚かだっただけだ」
と、返答。
それならばと、デヴィッドはどこまで霧の中を行けるのかロープを肉体に巻くことを提案する。救援を呼ぶためにブレンド数名が霧の中を進んでいくのだが、ロープを巻き戻して帰ってきたのは上半身を失った――明らかに短時間で人間では出来ない肉体の切断――下半身のみの帰還であった。

大勢の前で少数ながらも、直接目撃していないとは言え、明らかに霧の中に化け物がいること、そうして襲われた事実を認めた皆はマーケット内に留まることになる。店にある販売品が食料品だけではなく雑貨品が混じっていたことが幸いし、様々なものを使って入り口などにバリゲートを設置するも、それは非常に心許ない防壁で万全の状態とは、とても言えない。
そんな中、アマンダはハティが深夜トイレで用を足すためにビリーの様子を見てくれるよう頼むも、戻った時には大量のクスリを飲んで自殺していた。アマンダは当初寝ているだけだと思っていたと訴える中、自殺者が出た状況で場が混乱しないように倉庫に遺体がひそかに移されることになる。

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2020年04月23日

グラブルのベリアル



『ベリアル』とは、グランブルファンタジーの敵キャラであり、初登場はサンダルフォンが敵役として登場した『どうして空は蒼いのか』の続編にあたる、『失楽園 どうして空は蒼いのかPart2』と更にその続編にあたる『000 どうして空は蒼いのかPart3』で出てくる主役級のボスキャラである。
現在、グランブルファンタジーで『000 どうして空は蒼いのかPart3』の復刻版が開始されているが、パティシエであり手品師(嘘ではない。本人が嘘をついているだけ)のベリアルは、過去『失楽園 どうして空は蒼いのかPart2』の復刻開催時期がFGOのイベントの『深海電脳楽土 SE.RA.PH』と二度も被る他に、諸悪の根源と言っても過言ではない殺生院キアラと同じく性欲の権化で何かと縁がある。だが、キアラとベリアルの危険度の度合いは人類悪である彼女の方が上回り、性癖の方も男女の性差もしくは性格ゆえ正反対である。

完全に余談であるが、刀剣乱舞においてメカクレの刀剣男士が新しく実装されるたびに、FGOのサーヴァントであるバーソロミュー・ローバーツがTwitterでトレンド入りするなど、ソーシャルゲームの垣根を超えた、俗に異文化交流なるものが疑似的に催されている。
刀剣乱舞の七割方はメカクレ属性がやたら多く、もしもバーソロミュー・ローバーツが審神者に就任できれば狂喜乱舞していることだろう。非常にどうでも良い話だが、私が刀剣乱舞で一番好きなの刀剣男士は鶯丸です。個人的にマスター・騎空士・審神者を兼用している人はかなり多いものだと確信している。

さて、グラブル内で「仲間になってほしいが同じぐらい仲間になってほしくない」との意見が散見されるベリアルであるが、結構性格はフランクである。主人公を特異点と称しているものの、空が蒼いPart1のクリア後、味方になったサンダルフォンに対してサンディと呼んだり、ベルゼバブはバブさんなど様々な愛称を付けている。

空が蒼いPart3で判明するのだが、天使や悪魔・堕天使を自身が司る「狡知」を遺憾なく発揮させ、協力を仰いだほとんど全ての者たちを騙しているが、ルシファーだけには忠犬の如く忠実であり、彼が主人公たちの奮闘により異次元の穴に飛ばされた際は、救出するため自ら助けに行くなど意外な面を見せている(だがベリアル曰く「ルシファーが際どいぐらい偏っていた」から忠実であり、敬愛などの感情はあるものの服従しているとは考えづらい。もしもルシファーが日和るようなことがあればベリアルは裏切ることが予想される)。

ベリアルの意外なところはそれだけではなく、天司時代は部下などに誠実な人物を装いながらも、ルシファーの手によって必要以上に知性に制御が科せられ言動が幼く、感情の起伏の少なくなったサリエリに、ルシファーとは別ベクトルで興味があったのか、物語終盤騙し討ちする形で瀕死の重傷を負わせるも、核(心臓)を完全に破壊することはなかった。
ベリアルがなぜ、容易く殺せたはずなのに意図的に生かしたのかその本心は不明だが、過去の天司時代、サリエリが「兵器に感情など不要。兵隊蟻のように無感情で戦いたい」と述べており、その点を利用するなら中途半端に生かす必要はないように思われる。むしろ、核を破壊しなかった行いは、サリエルがこの先、時間を過ごす中で感情を取り戻す可能性があり、逆効果だと思われる。ベリアル持ち前の残虐性でサリエルを利用する算段なのだろうか? しかし、ベリアルはサリエルの意見にどこか同調している節があるので、本心は分からない。


さて肝心のベリアルの性格だが上記で述べた、複雑さゆえ心境を読み取れない以上に際立っているのは、その変態性である。初対面の人間に男女問わず処女か聞くだけではなく、アヘ顔で「ハハハッ!なんてこった、完全なる黄金比かよ!ヤバイ、達する達する!」など、これまでグラブルのストーリーの中でR指定になるようなものはなく、良くも悪くも勧善懲悪。小学生でも問題なくプレイできるが、大人ではちょっと満足できないモノが大半を占めていた。
だが、ソレを一変するかのように際どいセリフを皮切りにメインストーリーの方でも、甘いだけでは終わらないストーリー展開を見せるようになった。ちなみにベリアルの「達する」云々のセリフはそのまんまである。
空が蒼いのかPart2は無論、Twitterの方で話題になりベリアルがきっかけでグラブルをはじめた人も多い。初心者ゆえボスであるベリアルを倒すことはできないが、他の騎空士を応援に来てもらうことが出来るため、一部では初心者育成も手伝って「ベリアル幼稚園」と呼ばれている。
二度目の復刻では幼稚園の先生に、一年ほどの歳月を隔ててどれほど成長したのか高難易度をソロで挑む猛者もいる。ランクレベルが150〜200になったプレイヤーたちはすでにグラブルの勝手がわかっており、その結果は推して知るべし。

ベリアルはグラブル内でもかなりの人気キャラクターであり、2019年の大晦日、召喚石として実装されるだけでなく、ガキ使で賑わっていたTwitter内で、グラブル公式からの突然の報告で、ランキング上位に上がったほどである。
召喚石にはベリアル専用の戦闘曲「Parade's Lust」が流れるだけでなく、日本語で翻訳するとその内容は……察してください。

グラブルの中で大人気キャラであるベリアルだが、彼の他に「グリームニル」、「パーシヴァル」、「ローアイン」、「ゼタ」、「イルザ」など多数いる。

その他に、アルバハなどのかっこいい戦闘BGM、休む暇などないほど連発するイベント、腰が痛いなら立ってやれ・黙って走り続ける古戦場、破格の大サービス「ガチャピンモード」など、話題に事欠けない。運営はユーザーの一日の時間が50時間ぐらいあると勘違いしている。続きを読む...

2020年04月22日

非道・外道・陳宮!A



【FGO内での活躍】


人智統国真国シンで初登場。とある理由によってご当地サーヴァントが召喚できない状況解決後、はぐれサーヴァントとして物語中盤、汎人類史側の英霊として赤兎馬と共に召喚された。主人公をマスターとして自分が仕えるのに相応しい人物か判断するために、赤兎馬を使って試すことになる。陳宮がマスターとして仕える条件は「殺そうとしても死なない人物」が理想であるらしく、彼らしい対応である。
無事、赤兎馬に勝利できると、実装前ゆえ直接戦闘に出ることはないが、敵側にデバフをまき散らすなどの支援を送ってくれる。

満を期して2019年8月にフレポでの実装がなされたが、その性能や宝具については割愛。あまりにも尖り過ぎた能力から、みんな大好きロリンチちゃんを差し置いて、Twitterで話題になった。
蘭陵王の幕間のイベントでは、黒ひげ(エドワード・ティーチ)の背後に立ち、彼を自爆させている。
黒ひげに対する仕打ちはそれだけにとどまらず、期間限定イベント『アマゾネスドットコム』では彼を洗脳し社畜と化しただけではなく、洗脳させた卒業生をライバル社に就職させ、自爆テロを引き起こすなどの計画を立てていた。
アゾネスドットコムのでは社員が全員行方不明になり、ペンテシレイアから黒幕と疑われたが、本人は否定。マスターも「嘘をつくようなタイプではない」と発言しており、実際のところ、本当に黒幕ではなかった。

俺たちの課金でボイスが付いたことで有名な、清少納言主催の『いみじかりしバレンタイン〜紫式部と5人のパリピギャル軍団〜』で、正式に陳宮にチョコレートを渡すことが出来る。何かと必要なマナプリズムが入手可能なフレチョコなる新要素を含んだ、恒例のイベント。
チョコ返礼激重四天王(カルナ・アルジュナ・ロビンフット・ヘクトールが代表的)などが有名であるが、ここでもやっぱり軍師殿は通常運転であった。そしてちなみに、バーソロミュー・ローバーツもいつも通りであった。チョコ返礼はあらかじめ予想できていたものの内容が想像の斜め上であり、オタク特有の熱弁早口が終わり「いかがだろうか?」と尋ねられるが、「いかがわしい」の一言に尽きる。

さて、陳宮がチョコの返礼として渡されるものは「万年筆」と「木簡」。
陳宮いわく「日本の成人式では万年筆を送るのが通例」だと、聖杯知識かそれとも図書館の司書である紫式部本人、もしくは図書館の本で知ったのか不明だが、あの爆発霧散人間ロケット鉛筆にしてはまともな品だと思いきや、その万年筆の機能がまともではなかった。

返礼に渡された万年筆は通常通り使用することができるが、隠し要素……というより、文字が書けるのが隠し要素と断言して良いほどぶっ飛んでいる。
主な万年筆の効果をもったいぶらずに述べるなら、精密機械破壊機。
マスターの身に万が一精密機器が暴走状態になったときのセーフティが施されているだけではなく、ペン先からは閃光弾の如く非常に強い光源を発射でき、目眩まし用に使用できると述べるが、陳宮の口から直々に説明を聞いてこっちの方が目眩がする。その他に特許出願中であるが、自由自在に爆破爆散する機能までついた超テクノロジーの結晶だったのである。ペンは剣よりも強しってこういうこと?
さすがにマスターから隠せようもない渋い反応に、「改良の余地があるか」と述べているが、違うそうじゃない。
思ったよりも満足の得られない反応に「おまけだから」といって、木簡を渡されることになる。本人いわく木簡の内容は「すぐに内容が身につくわけでもなし、自分には必要のないもの」とゴミ処理をなされたような対応をされているが、これは別に陳宮がご自慢の爆発する万年筆に対して喜んでくれなかったから不機嫌になったというわけではなく、マスター(推定年齢15〜18歳)が、『万年筆を使える年齢(成人)になるまで生きて欲しい』という、ツンデレというよりも、非常に分かり難い臣下としての信頼表現だった……と深読みすることが出来る。
もっと言えば、万年筆の主武装は趣味に走り過ぎているきらいがあるが、ペンの方が建前で木簡の方が本命だったのではないだろうか? なお、陳宮が常に所持している木簡は古代夏王朝の魔術竹簡(ゲステラカモフラージュ)ではなく、マスターに渡したモノとは別物である可能性がある。木簡に記載された内容は兵法の心得。焦土作戦じゃないだろうな?
なお、陳宮の登場は一番最初のバレンタインイベント(チョコレート・レディの空騒ぎ-Valentine)で、すでに存在が示唆されており、呂布にチョコを渡すと基本雄叫びしか発さないバーサーカーの言葉を翻訳していた。

ちなみに声優は真殿光昭だが、これは那須きのこ直々の名指しである。彼?彼女?いわく、陳宮の声は「真殿光昭以外考えられなかった」とのこと。


【人間関係】


・葛飾孔明
一方的に毛嫌い(?)している。陳宮いわく「戦場に恵まれただけ。人を見る目がない。内政の化け物」と述べている。葛飾孔明の依り代であるウェイバー・ベルベット(ロード・エルメロイU世)に対してどう思っているかは不明。

・呂布奉先
史実では険悪な関係性であるが、FGO内では信頼し合っているなどそれなりに仲は良好。妻もしくは貂蝉のどちらか、もしくは両方に似ているとのこと。生前の軍師としての命令は「敵陣に突っ込んで暴れて自爆」オンリーだった模様。

・司馬懿
諸葛孔明とは異なり、それなりに評価している様子。しかし、司馬懿は疑似サーヴァントであり見た目は金髪の美少女であるライネスであるため、教えを乞うのは気恥ずかしいらしい。ちなみにライネスは、陳宮が毛嫌いする葛飾孔明の義妹である。しかも葛飾孔明と司馬懿は、史実では仇敵の関係。まあこういったことはFGO内ではインド兄弟みたいにそれほど珍しくないし、どうでもいいか。

・赤兎馬
色々フリーダムなUMAに突っ込みを入れたり、対処しきれない場合は放置している。名馬としての評価はしているが、なぜ馬が自分のことを主君である呂布だと思い込んでいるのか疑問に思っている。ペガサスみたいにヒヒィンと飛びたいのか、飛行能力を付けてもらえるよう頼まれている。
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2020年04月21日

非道・外道・陳宮!@



『陳宮』とはFGO内に出てくる、☆2キャスターのサーヴァントである。見た目は色黒で薄紫色の髪の毛に、額から延びるアホ毛が特徴で眼鏡をかけている。

初登場は異聞帯『人智統国真国シン』であるが、異聞帯クリア後、ちゃっかりカルデアに赤兎馬と共に紫式部のバレンタインイベントでちゃっかり在籍していることが判明。2020年の清少納言のバレンタインイベントで陳宮にチョコを渡すことができる。

彼は生前、冷徹な策略家で呂布に仕えていた。呂布の功績の中で同じサーヴァントである赤兎馬たる名馬の活躍も無視できないと評価する一方、自分のことを呂布と思い込んでいる赤兎馬に冷静なツッコミを入れていたりしている。
しかし、期限限定イベント『三蔵ちゃん、天竺へ行く』では白馬役になったり、『鬼楽百重塔』で呂布が、インスカンダルのブケパラスやアルトリアのドォン・スタリオンと共に温泉に入るなど、呂布と赤兎馬の中身が入違っているのではないかとの疑惑がある。その要因の一要素として、陳宮の攻撃モーションで呂布奉先に「そこで自爆です」と粗々過ぎる命令をし、狂化するだけじゃいざ知らず、馬と中身が入れ替わる形で逃れたのではないかと推測されている。

陳宮は呂布との主従関係の良さを強調させるかのように、呂布(及びバーサーカー)だけではなく、ガッツ持ちのサーヴァントと相性が良いが、基本的にプレイヤーからそのような使われることない。
フレンドポイント(無料)で低率ながらにも召喚できる他、リアリティ詐欺と言えるほど非常に有用な攻撃型宝具を有しており、全体宝具なのに素の威力が強化補正なく、23万を超えるほどの高威力を発する。フォウ君で強化させたり、他人のスキルアップや聖杯による強化を行えば、気軽に宝具を連発して最低50万もの威力が易々と出るほどである。
しかも、周回などにおいてゲーム環境を一変させるほどの革新的な能力を持っており、予想外の仲間の死を最も嫌い、様々な愛称で呼ばれており陳宮の有名な綽名として、

  • ラフム
  • ゲステラ
  • カムランの丘で大爆笑する男
  • 鬼畜眼鏡
  • カタパルトタートル
  • FGOでTRGしている男/FGOで遊戯王をする男
  • フレンドポイントから出てくるのに友情を否定する男
  • 人権無視サーヴァント
  • キアラに次ぐ最低最悪宝具
  • 労災ではなく人災


など、様々ある。でも一番最悪なのは陳宮のスペックを見て一週間もしない内に『陳宮システム』を考案したプレイヤーなんだよなぁ。

ちなみに「流星一条(ステラ)」とは弓の名手であるアーラシュが自分の命と引き換えに打ち、マンドリカルドに関しては自己犠牲系のスキルであるのに対して、陳宮に限って言うなら、他者の命を「掎角一陣(きかくいちじん)」により弾丸として射出し生贄にしているならいざしらず、宝具演出は真実ともに『演出』である。宝具モーションでは陳宮が弓を放つ表現がなされているが、これはただの幻影のようなもので、実際は爆発物のようなものを前方および後方の味方に取り付け、アーラシュよろしく強制ステラさせているのだ。

宝具終了後、「これも必要な犠牲です。分かりますね」などと度し難いことを平然と述べているあたり、(自他ともに認めてはいるが)乱暴者として有名な呂布ですら目を丸くするほどのサディストである。
あと、「命に価値に区別なく」と戦闘中、述べているがこれは恐らく言うまでもなく……。

陳宮の最低にして最高の使い方は、葛飾孔明などによる強化およびNPとデバフ付与が終了した途端、前方もしくは後方の仲間を生贄にして宝具を放ち、後方からフレンドの葛飾孔明を呼び出して、前述の戦法を行うといったものである。
葛飾孔明に限らず、Arts強化・NP配布・ガッツスキルさえあれば、陳宮の弾丸として利用され、Artsスキル及び宝具(双方、他者・全体)が強化されるたびに実質陳宮が強化されているといっても過言ではなく、多くのマスターたちによって高速周回のために生贄の屍の山が出来上がるのである。
陳宮にとってW孔明や玉藻前、キャスギル・スカサハスカディを筆頭にしたArts強化NP配布環境の御膳立ては必要なものの、キャスタークラスのサーヴァントであるのにも関わらず、ダメージが倍等であろうが、効果がイマイチなライダーやルーラーだろうが、相性や耐久性に関係なく高威力の宝具を発揮することができるのである。
唯一、難点があるとすれば、アビポチの回数が自然と多くなるため、面倒といったところだろうか。


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2020年04月20日

本田鹿の子の本棚

『本田鹿の子の本棚』とは、佐藤将により連載されている漫画である。全体的なストーリーは、一話毎で終わる話が多い中、たまに二話連載など続くモノもある。
そんな『本田鹿の子の本棚』であるが、物語の事の発端は思春期がゆえに、ろくに娘と会話することが極端に少なくなった父親が、鹿の子と再び関係を持つために奮闘するという話である。左記の説明を聞けば、アットホームで心温まる話であるように思えるが、実際の内容はそうではない。
父親に限らず鹿の子は、どちらかと言えば無口な方で異様に山に詳しい友達はいるものの、基本的にかなりの読書家。彼女の自室には父親の身の丈以上の、天井に届くほどの高さを有した巨大な本棚が置かれており、本と本の隙間さえないほどにぎゅうぎゅう詰めに一冊一冊が押し込まれている。
かつて父親は鹿の子の誕生日に『星新一のショートショート集』をプレゼントし喜ばれた思い出があるがゆえか、その過去を基軸に無断で娘の部屋に侵入することになる。
父親いわく、彼の目の前で漫画すら読むことのなくなった、自室に引きこもりがちの彼女の本の趣向を把握するために、本棚に並べられた書物の傾向を把握するために犯罪者におけるプロファイリングよろしく、娘との関係性を冷え切ったものから仲睦まじいものとするため、娘より早く帰宅した彼は膨大な書物のある本棚の中からランダムに一冊選び、特技である『速読』を使って、趣味を合わせて中を取り持とうとするのであるが……。


【第1話】


一番はじめのストーリ。冒頭で述べたように、父親が娘よりちょっと早く帰宅して、無断で部屋に侵入し、巨大な本棚の中から一冊選び、速読するというものである。
全ての本にブックカバーが施されタイトル選びをできずに父親は適当に本棚の中から一冊選ぶのだが、運が良かったのか、それとも鹿の子の趣向を把握する上において引きが良かったのか全く以て不明だが、奇抜な内容の小説を選択することになる。

記念すべき第一冊の本の内容は、生まれ変わり出会うことを約束した男女が、再び来世で巡り合う内容。隕石の衝突で地球は滅亡したのであるが、死後、男女は閻魔大王に出会うことになる。二人は虫でも獣でも構わないから一緒の生物にしてくれと頼むのであったが、地球滅亡後、隕石に微生物か何か付着していたのか、往来の生態系を破壊して地表で唯一の生命体として存命しているのは、エイリアンの一種のみであった。このエイリアンはあらゆる環境へ高い順応性と、そうして放射線などの抗体及び単一で繁殖可能であり、同胞食いさえもする凶悪性の高いモンスターである。
閻魔大王はそれでも同じ生物として転生するのかと問い掛けるも、男女はそれを承諾するが、一度述べた通り、地球滅亡後、地表を跋扈するのは仲間さえも容赦なく食い殺すモンスター。運命的に来世での逢瀬を約束した男女はもはや人間ではないエイリアンであるがゆえに、殺し合う結末となるのであった。

読破した当然のことながら父親は「えらいもんを引き当ててしまった」と困惑の表情を表す。偶然この本の最初のストーリーが相当な内容だったと思いながら、全ページを網羅するも各短編集の内容全てが奇抜であった。
父親は自身でさえも、筒井康隆やクトゥルフなどを読んでいた時期があるが、さすがに娘の趣向に動揺を隠せなかった。鹿の子が帰宅した玄関の音を耳にした父親は、「ここまでか!」と判断し、娘の部屋から速足で脱出することになるのである。ところで鹿の子ちゃん家畜人ヤプーとか好きそうだよね。


【第44話】


物語はクリスマス前夜のイブ。暗所に監禁された彼らは「寒い」、「助けて」、「暗い」と訴える中、監禁所の室内が開きそこから顔を覗かせるのは凶悪な表情をした人間の女性であった。
人間は「あまりものの野菜炒めでいっか」と言いながら、キャベツ・モヤシ・ピーマン・ニンジンといった食材を手に取る。「寒い」、「助けて」の声を出していたのは、冷蔵庫に入れられた野菜たちの救済を求める悲鳴だったのである。
まず最初に犠牲になるのは、キャベツ。まるで頭部を真っ二つにされながらも辛うじて息絶え、苦悶の表情を示す。野菜たちが「何てこんなひどいことを!」と女性を非難する中、ニンジンはピーラーで皮膚(生皮)を剥がされ、ピーマンにあたっては身体を真っ二つにされた挙句、内臓(白いワタ)を包丁で抜き取られる。
その後、野菜の下準備を終えた人間はガスコンロに火を点け、油で炒めていくことになるのであるが、その時唯一生き残った男女のモヤシたちが悲痛と共に憤慨することになる。そして最後の犠牲者となったもやしは恋人の今生のような別れの言葉を交わした後、フライパンの中に投下され、地獄の釜の中の炎熱地獄のようにグルグルとかき混ぜられ炒められていくことになるのであった。
男性モヤシが人間に殺意を抱く中、フライパンから皿の中に入れられるのだが、その後も(食材たちにとって)凄惨な光景を目の当たりにすることになる。まず、炊き殺された白米と、腐乱死体と称された納豆。野菜炒めに納豆と白米のセットはそんなに変わりない献立内容であるが、絶望に苛まれる男性モヤシが激しい憎悪の感情を抱く中、素知らぬ顔で人間はテレビをつけるのであった。放映されている内容は料理番組であり、そこからも食材たちの阿鼻叫喚の絶叫が聞こえ、男性モヤシが人間に食べられたところで話は終わる。

父親は「ホラーか!」と至極真っ当な感想を抱きながら、あとがきを見ることになるのだが、この小説の作者はアンパンマンを見て着想を得たなど、作家でなければ危険思想極まりないサイコパスな内容が記載されているのであった。


【第54話】


話は毛利元就で有名な三本の矢。
父親は三人の息子たちに「一本の矢なら容易く折れてしまうが、三本合わせると強靭になる」と言い、息子三人協力し合うことを直々に示すも、長男は全く空気を読まず三本の矢を容易くへし折り、「やりましたぞ、父上―! 矢を折ることなど容易い!」と喜々としてはしゃぐ始末。長男のその様子に次男と三男は「いきってる」、「はしゃいでいる」など好戦的な様子を見せていた。
ムキというより自棄になった父親は、家臣たちにありったけの矢を集めてくるように命令する(これも血筋か…)。
毛利の元に三百本もの矢が集まったのであるが、「協調性を」といった趣旨からまたしてしてもズレ、元春は容易くもその矢をへし折るのであった。次男と三男は「三百本程度でおごるものではない!」と非難の言葉を向ける。
そのうち、息子たちから三千本持ってこいと挑発され、これがきっかけで完全に父親の目的と手段が逆転し、三人の息子たちの集められたのは六千本もの矢だが、念のためと称して近隣の木々を伐採する中、国が滅びかけているのにも関わらず、最終的に集まった矢の数は百万本の矢。
さすがにこれでは息子一人では矢をへし折ることができず、目的と手段が逆転したものの、兄弟三人が力を合わせることによって、ついには百万本もの矢を折ることに成功。父親が息子たちの力を合わせる姿に喜びながら死没するも、直後、他国により敵襲が行われることになる。

「毛利はこれで終わりではない!」とのラストエンディングを迎えるのであるが、このストーリを読み終えた父親は「史実無視も良いところだろう」と非常に冷徹な判断を下している。そもそも『三本の矢』におけるエピソードは作り話である可能性が高いと父親が説明するのであったが、素直にうなずく鹿の子はイマジナリーなる幻影であった。とうとう娘のおかしすぎる本棚に父親の精神がキていたのだろう。


【第59話】


話は小泉八雲(パトリック・ラフカディオ・ハーン)が執筆した小説を元ネタにした、バトルアクション風に描かれた耳なし芳一の後日談の話である。
内容は耳なし芳一が平家の亡霊たちに、復讐するところから始まる。いきなり苛烈な攻撃を受ける亡霊たちであるが、その攻撃は目に見えることができない。なぜなら、元ネタである耳なし芳一の話において、耳以外の全身のあますところなく般若心経が描かれていたように、その不可視性を利用した襲撃であったのである。
猛烈な攻撃を受ける亡霊たちであるが、そのうちにこの攻撃の仕業は芳一であると気付く。
芳一は両耳を奪われたことによる報復ではなく、「耳を失ったことにより以前と同じ音楽を奏でられているのか不安で、精神的に病んだ」ことが原因であった。耳を失ったことにより、芳一は心底共に自覚したのである……「音楽を愛していた」ことに。
芳一は三節棍を用いた攻撃を行うも、「見えていればわけはない」と亡霊は回避するも一番先端の部分にのみ般若心経が描かれ、直撃。実は三ではなく四節棍であったのである。
亡霊は一旦距離を保とうとするも、見えない壁に邪魔され一定距離を取ることはできなかった。なぜなら敷地内にあるあらゆる岩にも般若心経が描かれており、四節棍の巧妙なギミックだけでなく、徹底的なワナが仕掛けられたトラップ塗れの場所だったのである。
しかし、般若心経が弱点とは言えども平家の武士。復讐心を糧に邁進する芳一に泥をまき散らして可視化できるように対策するも和尚によって講じられた、

火薬による爆裂する般若心経


そして念入りに火薬の中に仕込まれた破片による、

刺さる般若心経


などで、平家の武士たちは追い込まれていく。

劣勢であることを悟ったのか、「後日再戦で」とタジタジながらに申し込むも――完全に、聴く耳なし芳一であった。


作品はこちらから http://leedcafe.com/webcomicinfo/hondakanoko/続きを読む...
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