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2020年06月24日
ゾンビの作法 もしもゾンビになったら 3
これまで『ゾンビの歴史』、『ゾンビの種類や襲撃法』などについて二度に渡って説明を行ってきたが、今回は具体的な脳味噌の特定や襲撃法などについて、記載していきたいと思う。
本書の内容をそのまま記載するのは、ちょっと面白みに欠けるし██████████という衝撃的なオチを考慮して、個人的見解を交えながら、脳味噌たちの生態について記載していきたいと思う。
さて、祝福すべきゾンビの仲間になりたての頃、熱に浮かされ朦朧とする意識・寒気と怖気を訴える悪寒からの死体特有の冷たさと、緩慢ながらも身体の痛みをモノとしない徐々に腐っていくゾンビの腐乱死体を手に入れた。
しかし、耐え難い飢餓感と知性が低下したことにより、胃の中に何かを摂取しないといけない衝動的な本能が絶え間なく訴えて来る。一部ゾンビの主張によれば、脳味噌の姿が豆腐(後の報告では、プリン・杏仁豆腐・蒟蒻・ういろう)などに見え、バケツプリンならぬ存在に食欲を刺激されて、食べずにはいられなかったと述べられている。
上記報告は極一部のゾンビの主張であるため信憑性の方について新たに確かめる必要があり、見識のあるゾンビからは『本来死体であるゾンビが食欲を有している理由が豆腐などのように見えることが要因である可能性』、『有史以前から存在しているゾンビは食欲の本能以外にも、脳シナプスの発達により独自の発達を遂げたのではないか』との意見がある。
知能が低下していくゾンビの主張だけでは埒が明かないので、知性ある若々しい新造の我ら有志あるゾンビに脳味噌(豆腐・蒟蒻・プリン・ういろう・杏仁豆腐)に、捕食される事実についてヨダレを垂らしながら質問したところ、全員から「しばくぞ!」との回答が得られた。
さて、まずゾンビが行わなくてはいけない行動は、人間の住処の特定である。一部地域では半ば廃屋と化しながらも、サバイバルをするにあたってやたら設備の整ったがっこうぐらしをしている女子生徒がいるものの、大まかに脳味噌の巣は家屋かデパートなどの分類に分けられる。例外として、人から離れた山の中や、ゾンビの追跡から逃れるためにクルマ丸々一台を住居変わりにしている脳味噌もいる。
家屋型脳味噌は、夜な夜な涙ぐましい努力をしてシャッターの改造や、窓・玄関口などの強化が施されている。中には交代制で夜間複数名の人間が深夜用心棒として振舞うだけではなく、嗅覚と聴覚に優れた番犬を備えている可能性がある。
中には犬(後にゾンビ化して自ら絞殺した)がゾンビ化した研究員男性の中で、主に夜間行動するゾンビたちを人間に戻すべく、
家屋型脳味噌は食料品なる備蓄をため込み、中々外に出ることはないが、自身が生存するにあたって必要不可欠な食べ物を調達するため定期的に外出しなくてはいけないので、チャンスといったらそこが狙い目であろう。
デパート型脳味噌は大勢の脳味噌が滞在しており、入り口を開きディナーにありつくのは非常に困難でありながらも、全く隙がないわけではない。『食料品の配分を主にした喧嘩』、『過酷な状況がいつまで続くのか分からないストレス』、『警備や設備などの武力や技術を持たず役割のない脳味噌に対する無意識下の差別』、『感染を恐れて避難してきた人を招き入れない対応を疑問に思いその判断に不審を抱く』など、色々な弊害が生じる。
大勢の脳味噌がいることは一種の強みであることは否定できないが、逆にデパート型の脳味噌の一人が歓迎すべき――もしくは食い損ねた脳味噌が建物内で発生した場合、不均衡ながらもどうにかバランスが取れていた天秤が崩れ、一気に瓦解していく。一度、混乱が生じれば協調性もクソもないのである。
そもそもデパートなどといった建物は食料品を外に出る間も無く、ある程度の期間は安全に確保できるものの、家屋型脳味噌同様に弾丸などの主武装・医療品をはじめとして、それらをかき集めなくてはならない。
その他に脳味噌の群れの中でデパートの設計者が存在しない場合が多く、隅から隅まで建物のことを脳味噌が把握しているわけではないので、ダクトや調理場のゴミ捨て場・ダクト・下水道などを経由して中に侵入することが可能である。
たった数匹でも、一度デパートに侵入できれば内部から外部へ開き、脳味噌を求めてやまないゾンビたちと一緒になってビッフェ式に舌鼓を打つことが出来るだろう。
警備警護している人間がいるとしても、心のどこかではここは安全な場所であると武装派脳味噌は甘い認識を抱いている他、施設内で排泄などのタイミングを狙えば計らずとも奇襲が成功する。
脳味噌は、入眠状態以上にトイレで用を足している瞬間が一番油断している時であり、いくら訓練を重ねた戦歴の傭兵とはいえども咄嗟の判断ができない内に、ガブリとやってしまえば良い。
クルマ型脳味噌は、ノロノロと追跡する我々をクルマ特有の驚異的な速度で距離を隔てることが可能なだけではなく、道路でうろつくゾンビを微々たる努力でありながらも轢き殺すことなどの独自の生態を見せている。
しかし、移動した距離の分だけ枯渇したガソリンの供給・食糧問題、そして多くは単独であるためにゾンビではなく、脳味噌に襲われ財産を奪取される可能性がある。ゾンビ・脳味噌が敵であると常に想定しておかなければならず、生き長らえるには相当な強さ――もしくはゾンビが横溢する状況を打破するために強い信念と使命が必要とされる。まさに選ばれし脳味噌にしか出来ない、果敢にして孤高の単独行動である。
脳味噌を食らう隙があるとするならば、排泄行為中は周囲の見回りが用意周到に行われているためあまり期待できないが、こちらも御馳走になる可能性が低率でありながらも、誰も住んでいない家屋や教会などの廃屋で休憩・入眠している間の襲撃が比較的、成功率が高い。
中には隠し通路などを把握し、知能の低下した我々ゾンビでは到底発見することが出来ない場所に隠れているか、海を渡って島国などに移動しようと海路を目指す剛の者もいる。船の旅路の場合、ガソリンのエンジンもそうであるが向かう先がゾンビパンデミックになっているリスクがあるため、よほどの切羽詰まらない状況にならないと実行する脳味噌はいないだろう。
極稀にゾンビに仲間入りする以前の脳味噌が、大型車で我々の群れに神風特攻よろしくぶつかり、煙草を吸いながら爆散したことがある。
「正義の味方になりたい」と宣いながら、滑空機をミサイルで打ち落とした脳味噌までいる始末だ。
隠居型脳味噌は、大量生産で排出された食料品が奪い合いになることを早々に判断して、独自の知識で山菜や木の実などで生活の糧を得る、山の中で生活する隠居した脳味噌である。猟銃で健康体の野生動物を狩ることも。
そもそもゾンビは、時折動物の肉や同胞食らいをするものの、脳味噌の肉を主な食糧供給源としているため、野菜などを食することはないので、食料の供給はある程度安定している。
山中で生活するため、図書館やインターネットなどで知識の見聞を独自に会得したり、元々農家や山育ちだった少数派の脳味噌が隠居型として適切とされている。
ゾンビの中で都会から離れ、山中にウロウロと移動することがあるが、飢餓感のため耐え難い空腹にグルグル唸っているため、野生の動物とは明確に異なると半ば野生児になった隠居型に遠距離から発見されるが、こちらは脳味噌の存在を察知することは殆ど出来ない。
もしも、何らかの間違いや発覚の遅延でゾンビが家に邪魔しても、地下通路や様々な隠し部屋を構築している可能性があり、クルマ型・家屋型の良点を兼ね備えた優秀な存在であるが、人間の敵襲には若干弱く、年齢が年配ならば容易くねじ伏せられ家屋ごと乗っ取られてしまうことだろう。いずれの型にしても一長一短なのである。
さて、これまで長々と『ゾンビの作法』について語ってきたが、三つの記事に全ての内容が記載されているわけではない。
ゾンビの虎の巻ともいえるこの白書は基本的に脳味噌の手に渡ることが禁忌とされている。本書の随所随所に血糊が付着しているが、もしも健康体の脳味噌が少しでも触れれば……。
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2020年06月23日
ゾンビの作法 もしもゾンビになったら 2
舞踏会に出席するためガラスの靴を履いた絶世の美女であるシンデレラでも自らガラスの靴を砕き、即席の主武装にしなくてはならないほどの危険性のあるゾンビだが、怪我をしても、もうすでに死んでいるので医者に罹る必要性はない。
むしろゾンビになったことを一枚購入した宝籤に当選した、或いは隕石の衝突により頭蓋粉砕――四肢爆裂するなどの幸運性を喜ばなくてはならない。
ゾンビはホモサピエンスと比較して非常に顕著な狩猟民族なので、文明・文化を保持しない、搾取者である奪う者。ゾンビ変容後は「かゆうま」などの手記を記す知性はあるものの、新陳代謝の爆発的な促進のためか、大脳や海馬を含めた知能が急激に衰退していく。だが、ファッション・テレビドラマや脳味噌同士で行われる話題に参加するための協調性が皆無になる。ただ、低音で唸っていれば良く、小難しい議論や気乗りしない話題に合わせる必要はない。
ゲームなどの娯楽に興じる人間は多大なる苦痛を支払ってゾンビになる脳味噌が一定数いることだろうが、アンデットたる死体には人権がない。人権がない=滅多打ちにされても告訴されることはないが、逆に脳味噌をむしゃぶり尽くして訴えられることがないので、プラス思考で御相子になったと考えた方が幸せであろう。対戦ゲームで煽られたら、家を特定し食らい付きに行けば良い。
最近では脳のリミッターをぶっち切った(火事場のクソ力)かの如く俊敏な動きを見せるゾンビが一定数確認されているが、往来にして始祖のゾンビたるノッロノロとしたゾンビは多くを占めている。
歩行速度や知能低下以外にも、脳味噌にはまず見られない咥内の可動範囲(口を開ける大きさ)に変化が伴う。具体的に述べるなら顎が外れたように大きな柔軟性を伴い、脳味噌の人肉及び骨をかみ砕くことが可能なように咬筋が強化し、捕食活動が可能だろう。
しかしゾンビは空腹を満たすために捕食活動を行っているので、味やら風味やら感じ取れているかどうかは不明。聞いたところで呻き声しかあげず、食レポはまず無理だからだ。どこぞの鬼滅の刃では栄養価値の高いものとして、「家族・女性」を優先的に襲うことが報告されているが、アンデットはアンデットでもあちらの方は(本人の賢さに依存するもの)知性はあり、ドラキュラとしての特性を多く有している。
脳味噌たちの捕食活動で特に気を付けてもらいたいのは、頭部・手足・眼球がどれほど長い時間温存できるかに掛かっている。両腕を伸ばしながら、不衛生極めわりない長い爪で獲物の素肌(該当箇所は問わない。擦り傷を負わせたら勝ち)をひっかき、ゾンビウイルスを付与させ完全にゾンビ化しないうちに、じわじわ追い詰めて食事にありつくのも有りである。
脚部の方は、両腕を使って無様に全身で地面を舐めるように這いずり回るよりも、遥かに機動力が高まるため、腕以上に気を使った方が無難である。大統領の娘を助けに行った警察官は重点的に膝を狙い、ナイフでめった刺しにしてくるので要注意。
頭部の重要性はわざわざ説明する必要はないだろうが、知能の低下した我々ゾンビたちに説明するならば、脳は肉体の全ての司令塔。脳から電気信号を送る頭部は、哺乳類をはじめとした脊椎動物には絶対的に必要なものなので、脳の損傷は一等気を使う必要性がある。
でも頭半分ぶっ飛んでも活動可能な個体もいるので、無傷を維持するよりも『どれだけ長期間保持できるか』に、意識を置いた方が良いだろう。
なお、頭部を完全破壊された際にミミズともムカデともつかない生々しい奇声物や、二本足だけではなく、頭からも足を生やしているナースの存在も確認されている。霧深き町でナースを目撃し敵対行動を取られた場合、聖剣・ヒカキホルグと黄金の右足シュートで対処できるので、知性のあるうちは落ち着いて対処しよう。
眼球は涙腺および水晶体を主軸にした感覚器であり、腐りきった眼で標的を見定めるのに重要だが、筋肉以上に腐敗の傾向が早い。中には血涙を流しながら、ゾンビ化する生前の行動を無限ループの如く繰り返しながら、親切心で脳味噌を捕食せず単純に殺そうとする日本製のゾンビがいる。日本製ゾンビの敵対者として、日光を極力避けライトの明かりで怯むなどドラキュラとしての傾向が強いが、日本製ゾンビは脳味噌の肉体を殻と評して憑依しているので、日本製は何かと色々特殊な存在である。
ゾンビの狩りの優先順位として重要なのは、人間が科学を基にして発展した分類の中で、どの特定の脳味噌の職種が激少することにより、混乱が生じるかである。
脳味噌たちの中で最も狙い目なのは、医療機関に属する医療従事者であろう。ゾンビ化のパンデミックの初期の初期、意識が朦朧とし興奮状態になった患者(ゾンビ)を人類史に多大なる衰退を及ぼす始祖的な存在とは知らず、親切な脳味噌の功労で病院に搬送されることになる。
未知の症状と死後硬直にも似た、未だかつてみたことのない症例に医者は戸惑いながらも、看護師と共にトリアージ的に最優先されることになる。一瞬、狂犬病と思わしき症状から身体拘束されるのが主だが、勘の良い脳味噌は結核などの感染症を疑って肉体が拘束されたまま隔離封鎖されるも、安心してほしい。
あなたはゾンビ初期とは言えども、公的登録と一般的な常識や倫理観から言えば、世間的には『まだ人間』である。そのため、医療機関に搬送されたのにも関わらず、治療を放置するなど脳味噌としてはあってはならないことなので、自然と医者や看護師などの物理的接触が可能だ。
慌ただしく治療や投薬が行われる中、本能に従ってタイミングを狙い一人の人間にでもかみつくことさえできれば、肉を食いちぎり腹を満たすと同時に、我々ゾンビ族の仲間を増やす可能性が増すことだろう。
また、力士の如く裕福な恰幅を持つものは市街地の街道で飲み過ぎて嘔吐するサラリーマンの如く、ゾンビウイルス塗れの吐瀉物を脳味噌の群れに放ち方法も十全である。
見目麗しい(とはいっても経年劣化に従い腐敗するけど)扇情的な姿をした女性型ゾンビは、淫靡な所作で色気に囚われた男性を暗がりに誘い込み、悲鳴を上げる暇など与えず喉笛に食らいついて、捕食する方法も可能である。
ゾンビは俊敏を売りとした痩躯の外肺葉・屈強な肉体を保持する中肺葉・肥満系統の内肺葉型のソレゾレがあり、ゾンビウイルスが脳味噌たちに跋扈する世の中が安定し保持できる秩序が確立したら、それぞれの体系に見合った狩りを行うと良いだろう。
脳味噌は自分が捕食される恐怖及び、ゾンビ化する現実を恐れて、精神的に著しい負荷がかかる。そのため、食料品や雑貨やトイレなどのライフラインが整ったデパートなどで籠城しつつも、一部人間の冒頭や扇情・現実逃避にカルト宗教的な意味不明な行動を起こし、ちょっとした失態で金城鉄壁の安全圏内に突入することが可能だ。
どういった混乱でも構わないが反乱なる無意味でしかない、ヒエアルキーに則ったカースト制度が自然と出来上がるのだが、チャンスとみなしたらすかさず狙い、外肺葉・中肺葉・内肺葉型の皆が各々の特技を活かして、大量の脳味噌を食らい尽くそう。
三人寄れば文殊の知恵という俗諺があるが、実際は凶器を片手で背中に隠して握手する三者三様の格付け合いでしかないことを、農耕民族と狩猟民族の象徴とも言われている、カインとアベルの原始の殺し合いがその事実を半ば物語っている。彼ら兄弟は二人であれば、そういったことは起きなかっただろうが、神という第三者の存在によって、亀裂が生じたのだ。
さて、人間引き籠る建物を目の前に、興奮して鉄線や檻を揺さぶるチンパンのように、ショーウインドウのケーキを見る観察期間は終わった。
数の暴力こそがゾンビの強みであり、銃弾など恐れず獰猛なる食欲の本能のまま突入しよう。
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2020年06月22日
ゾンビの作法 もしもゾンビになったら
『ゾンビの作法 もしもゾンビになったら』とは、著:ジョン・オースティン、訳: 兼光ダニエル真による、ゾンビライフ白書である。
内容としては手形を押し付けるハンコのような手形の身分証明から始まり、食事の作法はないものの『脳味噌満喫ライフを目指す』ことを本書の目的に、知能が著しく低下したゾンビ達により作成された内容である。ゾンビの生態や狩猟行動を機密内容のためか、人間の手に渡ることを堅く禁じている。人生を棒に振ってまで幾多のゾンビたちから研鑽された知識の集約なので、当然といえば当然か。
【内容】
本文は大まかに述べて、人間を食料供給源としたサバイバル内容となっている。いかに生きて新鮮な人間の血肉や脳味噌を食らう手法、自分が本物のゾンビになったのか判別するための症例が事細かく記されている。以下はめんどいので、脳味噌(=人間)と表記することにする。
本書によれば、人間によるゾンビ対策は旧来のものでしかなく、時代遅れも甚だしいらしい。脳味噌はゾンビを恐れるあまり、(感染症と不死性を危惧して)その肉体を解体することがないので、その組成・組織などについてハッキリとした究明が進んでいないとか。確かに、ゾンビに対する脳味噌の防衛術は拳銃などによる一方的な殺戮が主で、ゾンビの元になるウイルスの開発を行っていても、被験者の調査は行われない傾向があるようだ。
第一章では「私はダレ」といった内容がタイトルされている。
人間からゾンビ化に伴う現象で、著しい知能の低下がみられるが、その原因はウイルス性痴呆症が原因だと力説されている。ヨダレをまき散らすなどのスキルが付与されるが、新鮮な脳味噌にありつく条件として、脳味噌は絶えず警戒心を以て武器を保有しているが、たどたどしい肉体動作でありながらもすでにリビングデッドとなった肉体には、ほぼ一撃必殺たる即死に至る方法がかなり限定されてるため、緩慢な動きの隙をついて攻撃が行われても痛覚がなく、脳味噌にありつくことが可能。
ゾンビとは社会から情報抹殺された存在しない存在であるため、「セキニン」とかいう負債はなく、思うように行動が可能。
税金を払わなくて良い、仕事・貯金・ダイエット・衛生管理なんぞ、ゾンビにとってはカンケーのない話である。
ゾンビ史上では、尻からクソを垂れ流しながら未来に邁進しなくてはならないと力説されている。これまで人類社会の滅亡に(知能が低下している所為か)達成できていないが、堂々とゾンビライフを満喫しなくてはいけない。
先史時代では、ゾモ・サピエンスがよろよろとした感じで約20万前に登場し、腐乱臭をまき散らし、コミュニケーション能力が欠如しているため、共食いを繰り返しながらゴキブリのようにしぶとく生存していた。
ゾモ・サピエンスの進化の傾向としては人間の集落へ突入する中で、
260万前には「ソミノッド・ブラメイト」
230万前には「ゾモ・ハビネス」
180万前には「ゾモ・エレクトゥス」
20万前には「ゾモ・サピエンス」
が登場し、現代でよく知られる既知のゾンビへ進化したという推移が表記されている。
ゾンビの歴史は常にホモサピエンスの脅威に晒されており、意味不明なレベルで石器道具による駆逐などの憂き目にあっている。武装した脳味噌たちは快楽目的でゾンビをジェノサイドしてきた。
この過酷な環境ゆえ、のろのっろとするだけのゾンビは進化を余儀なくされ2000代の現代社会に明確な脅威として、進化・発展するものだと当時の脳味噌たるホモサピエンスは予想すらしていなかった模様。脳味噌がチンパンジーではなく、温厚なボノボの系統遺伝子を色濃く引き継いでいれば、斯様な惨劇を招くことはなかったであろう。
脳味噌たちに虐げられてきたゾンビたちは脳味噌に対抗すべく、アドレナリンの過剰分泌(後に苦痛の鈍化につながる要素)、吐瀉物の排出距離の飛躍など、脳味噌たちにはみられない独自の進化を知性を捨てる代償として、本能(主に食欲と攻撃性)を会得したのであった。
約150年万前、ゾンビたちは昼の時間帯を主な活動時間としている連中に夜襲攻撃行ったところ、夜間という暗がりが幸いしてか、一時期脳味噌は存続の危機に危ぶまれることになるが、旧来のゾンビは本能を優先し、知性がないために野心といったものがなく、脳味噌が行っているように、ウシやヒツジなどの家畜化などは行えなかった模様。
脳味噌はこれ以上ゾンビの蹂躙と我が種族の子孫繁栄のため、住処していた区域から大幅に距離取るをという行動を行う。そもそも人類は他の動物類とは異なり、氷河期マンモスを食料としていた事実から、類稀なる驚異的な体力を保持していた。そのため、クソ愚鈍なゾンビたちから逃れることに成功したものの、脳味噌の中にすでにゾンビ仲間入りとなるウイルスに侵されていたためか、同士討ちのような惨状になるだけに留まらない。
アフリカ大陸を定住としていた第一民族はナイル川を隔てて北上し、アジア南部へ移動。無論ゾンビたちも追いかけようとするが、持ち前の腐敗による運動機能能力の筋力低下により置いてけぼりにされてしまい、アジア方面へ逃亡した脳味噌を追撃したゾンビたちがどうなったか、歴史の闇に葬られてしまうことになる。
第二の脳味噌は紅海を渡り、東へ移動。やがてインド付近に到達した脳味噌はゾンビに常に追随されており、北方アジアのベーリング地にまで追い込まれることになる。しかし北極大陸というツンドラ地域でゾンビの活動は、脳味噌よりも非常に過酷なものであり、自滅する結果となった。脳味噌たちは、ゾンビを置き去りに北アメリカへ逃亡した模様。
そして第三の脳味噌の逃亡方向である南は、ゾンビたちにとってごちそう溢れる豊満なテーブルであった様子。ゾンビの群れは指数関数的にその数を増加させ、旧人類を食いつくし、唯一ながらも大勝利を収める結果となったのである。
脳味噌たちのアフリカからの大規模移動により、ゾンビがストーカーの如く追跡して回ったことから、秘かにパンデミックが根強く蔓延るゾンビウイルスであるが、その正体が明らかになったのは比較的近代であり、これまで迷信といった空想上の産物としか見られていなかった。
ゾンビの存在が明らかになったのはおよそ五百年まえの16世紀の西部アフリカからコロンブスたちや幾多の奴隷承認によって拉致された奴隷たちにより、白日の元、明らかになった。
コーヒーやたばこなどの栽培などによって疲労困憊とした奴隷たちは、ゾンビたちからすれば恰好の餌食であった(とはいっても、職務内容だけは日本のブラック企業に比べればかなりホワイトだが)。
脳味噌たちの虐待などは日常茶飯事であった為、ゾンビに食い荒らされる奴隷たちの悲鳴など注目されるわけもなく、問題は無問題となる。しかしアンデットの食い倒れ謝肉祭を目撃した生き残りの密告により、ゾンビの存在が再発見され、奴隷たちは農具を武器に立ち振る舞うことになる。
しかし、奴隷の支配階級であった脳味噌は野生動物により仕業だと判断するも、酩酊したかのような足跡を元にゾンビの存在を認めなくてはいけなくなったのである。
ゾンビは泥酔状態の人間や薬物依存症、病人、中二病などのなんちゃってゾンビがいるもの、おろかにもゾンビの存在を認めない脳味噌がいるお陰で、復刻再臨を狙うように虎視眈々と地球の支配者としての地位を狙っている。
人類には人間と異なり知性と知恵があり、化学や薬品、兵器などの開発を絶え間なく行っている所為で、ろくに文化を持たない本能のみで動くゾンビと比較して、所持している力に大きな隔たりがあるものの、決して覆すことのできないものではないことを忘れてはいけない。
ゾンビの歴史として、
紀元前20万―ゾモ・サピエンス(ゾンビ属ヒト科ヒト系ゾンビ)の誕生。
紀元前4万年―アフリカから、初アンデットの移住活動開始。
紀元前9600年―アトランティスの滅亡に成功。
紀元前3000年―ストーンヘンジの征服。
紀元前480年―テルモピュライの戦争。
紀元前250年―万里の長城突破。
西暦717〜728年―ゾンビ第二次コンスタンチノーブル攻防戦。
西暦1340年―黒死病(欧州ゾンビ・パンデミック)。
西暦1527年―インカ帝国殲滅。
西暦1871年―イースター島攻略。
西暦1920年―失われた神秘の街「Z」を発見するも、後に捕食される。
西暦1942〜1944年―レニングラード・ゾンビ包囲網。
西暦2009年―豚インフルエンザ(ゾンビの疫病、即発に向けての第一段階目)。
など、脳味噌たちとはゾンビとは無関係と思える社会的事象に秘密裏に潜伏しているのであり、その歴史は有史以前から続いていたものであるため、油断して良いものではないのだ。
アポトーシスとしてゾンビでもない脳味噌が、ゾンビウイルスの発明を行っているなどの行動が散見される。
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2020年06月20日
エクストリーム・クリスマスイベント
クリスマス。
純粋だった子供の頃は、朝起きたら枕元にゲームなどのプレゼントが置かれている毎年恒例のイベントである。クソどうでも良いが、私はサンタを信じるか信じないかの前に、25日になると親から直接プレゼントを渡されていたため、真の正体が露見するとかそういった衝撃の追加要素はなかった。
今回紹介する記事は、純粋無垢にプレゼントを心待ちにする子供時代を過ぎ、大人になった人たちによるエクストリーム・クリスマスイベントについて、紹介していきたいと思う。
【内容】
サンタ捕獲及び追跡
文字通り。
リア充の性の時間に固執することなく、ただただサンタを捕獲することだけに無駄な時間を費やす暇人の集まりである。モラトリアムであるが、この人たちは未だにサンタの存在を信じているかもしれない。
寒空の中、双眼鏡やモデルガン片手にサバゲ―のような装備をした人たちが『ごっこ遊び』をしているのであるが、こんな生産性のないことに興じている人種は、基本的に恋人に相当する人物がいないケースが多くみられる。
そのため、カップルを目撃した際、心理的負荷が相当なものなのか、ぶっ倒れるなどの症状を引き起こしている。アナフィラキシーによって、過呼吸になって全身が痙攣していないか心配である。恐らく、バレンタインでも似たような症状が発生していることであろう。
誰でも参加可能なスポーツだが、サンタ捕獲に際してカップルが参加しようものなら喧々諤々の罵倒冷罵の末、闇討ちが行われ東京湾に沈められる可能性があるので、リア充は大人しく家でケーキでも食べて、爛れたねんごろの関係になってどうぞ。帰れ!
ちなみにGoogleの方でもサンタ追跡システムを搭載しており、人類はサンタに対する執念に余念がない。
Googleではないが『サンタ追跡特定会』には無駄に長い歴史があり、1955年から北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)により開催されている。60年以上もの歴史が紡がれているが、サンタ追跡が行われた時代は冷戦真っ只中である。せめて憩いが欲しいと、クリスマスに休戦を申し込んだ松永久秀のように一種の現実逃避をしたかったのだろうか?
サンタ追跡は最初期、子供の科学相談室よろしく電話での受付けが主であったが、時代がIT化するのに適合し、「レーザー」、「衛星」、「スマホアプリ」まである始末である。人によってはドローンを使っているかもしれない。
ロシアでサンタの孫こと、雪姫であるスネグーラチカに追跡対象であった場合、その可憐な響きから日本のオタク共が、別の楽しみ方をしていたことだろう。
海外では本格的にサンタを捕獲するつもりなのか、日本では銃刀法違反のため本物の拳銃などは使用できないが、手榴弾や防弾チョッキをはじめとした本格的なセットがあるとかないとか。「もうそれ捕獲じゃなく捕縛じゃね?」は禁句。
・正拳突き
こちらは日本の2ちゃんねる発祥。
性の6時間なる邪念を吹き飛ばすために、寒空の中、ひたすら正拳付きを延々と繰り返す祭事である。真冬の最中、海の中に入る行事があるからそれに連なったものであろう(適当)。
感謝の一突きによる動作の一々は強固な意志と、「性や!(誤字ではない)」の一喝するが如く放たれる大声には言葉に出来ないほどの威厳がある。
この催事の発祥地は大阪のアメ村中央広場の三角公園で、神主は即身仏の痩躯であり、服装はサングラスにノースリーブのサンタ服が正しい服装。掛け声は「死ねッ。死ねッ。リア充死ねッ」が正式な祝詞である。開催時間は6時間。
クリスマスに催される正拳突きは細々と続き、今から六か月後の真冬の空の下、催事に興じる人を目撃できるかもしれない。
・クリスマスのキャロル
クリスマスの変え歌である冒涜的な旧支配者を呼び出す内容。
歌詞内容はラヴクラフトの古き支配者を讃える歌である。街中に溢れ返すクリスマスのテーマソングを耳にして、インマス顔になった輩の総数は不明。
内容としては、
There in the night stars are now right
(天仰げ 空高く 今宵 星来る)
Eons have passed: now then at last Prison walls break, Old Ones awake!
(目覚めよ 我が主よ 封印は すでになく)
They will return: mankind will learnNew kinds of fear when they are here
(主が来たる 人よ知れ 新しき 恐怖を)
They will reclaim all in their name; Hopes turn to black when they come back
(真の名を 主は示す 闇を望め 希望はない)
Ignorant fools, mankind now rules Where they ruled then: it's theirs again
(無垢なる人から 主は取り戻す)
Stars brightly burning, boiling and churning Bode a returning season of doom
(星々が破却する 定めの時が今)
Scary scary scary scary solstice Very very very scary solstice
(至上の星辰と 至高の恐怖よ)
Up from the sea, from underground Down from the sky, they're all around
(遍く 全てより 海からも 空からも)
They will return: mankind will learn New kinds of fear when they are here
(主は来たり 人は知る 新しき 恐怖を)
Look to the sky, way up on high There in the night stars are now right
(天仰げ 空高く 今宵 星戻る)
Eons have passed: now then at last Prison walls break, Old Ones awake!
(永劫は 終わった 我らの 主の目覚め)
Madness will reign, terror and pain
(狂気と 恐怖と 苦痛と 悲痛と)
Woes without end where they extend
(終わきない災禍)
Ignorant fools, mankind now rules Where they ruled then: it's theirs again
(無垢なる人から 主は取り戻す)
Stars brightly burning, boiling and churning Bode a returning season of doom
(星々が破滅する 定めの時が今)
Scary scary scary scary solstice Very very very scary solstice
(至上の星辰と 至高の恐怖よ)
Up from the sea, from underground Down from the sky, they're all around Fear
(遍く 全てより 海からも 空からも 恐怖せよ)
Look to the sky, way up on high There in the night stars now are right)
(天仰げ 空高く 今宵 星戻る)
They will return
(主は来たる)
といったような内容である。
リア充を呪う連中としては完璧なものがもしれないが、ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん いあ! いあ! いえ いえ しゅぶ・にぐらす 千匹の仔を孕みし森の黒山羊よ! いあーる むなーる うが なぐる となろろ よらならーく しらーりー! いむろくなるのいくろむ! のいくろむ らじゃにー! いえ いえ しゅぶ・にぐらす! となるろ よらなるか! 山羊よ! 森の山羊よ! 我が生け贄を受取り給え!
普通のクリスマス
性の6時間の真夜中にわざわざ生殖活動を行う輩。6の数字は獣の数字。
メロス並みに激怒する人たちによれば邪知暴虐の災いかつ建前としてケーキやプレゼント・酒なんかを提供し、髑髏本山を主軸にした淫祠邪教、カン・ディグラックを超過し統一言語を崩壊させた、現代版・大淫婦バビロン。
現代人により十本の角をへし折ろうと躍起になっているが、目立った行動はあまり確認されない。おのれぇ……。
毒麦の悪しき目は雑草の如く、生い茂るバフォメット。
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2020年06月19日
ナニモノナンデス、エドモンダンテス2
『空の境界性』
エドモンの初登場。第一部の黒幕である魔術王に召喚され、オガワハイムに赴くことになるも、空虚さを感じるマスターたる魔術王に離反し、独自の行動を始め、ムーミンの谷を犯罪だらけにするかのように、マンションを屍や幽霊が跋扈する魔境と化した。
このイベントでは配布サーヴァントである両儀式(☆4アサシン)を入手できるほか、復刻版では浅上藤野(☆4アーチャー)がガチャに加わった。浅上は両儀式とは異なり、配布キャラではない。
主人公は、両儀式と共に死を蒐集したオガワハイムを攻略していくのであるが、エドモンの出番は短い。
マシュに「存在してはならないサーヴァント」といわれた時は、「舌を焼かれるぞ、デミサーヴァント」と言い返している。マシュとしてはほぼ本能的にエドモンが黒幕に召喚されたことから反射的に失言してしまったものだと推測されるが、カルデアの非人道的な実験の末、生まれたデミサーヴァントに、エドモンは反英霊ではないにせよ悪しき存在であるが、そういわれるのは思うところがあった模様。
後に、両儀式により始末されているが、エドモンは元々雇い主の命令を聞くつもりがなかったので、恨みなどは抱いていない。むしろ万々歳。しかしエドモンに対峙した両儀式いわく「人間好き」、「味方になれば強力」だと、本質を見抜かれていた。
『復讐鬼は監獄島で哭く』
境界線イベントは正体不明の状態であったエドモンであったが、このイベントで本格登場をし、ようやく素性が割れた。ちなみに高難易度クエストである。
こちらの方も再び黒幕により人類最後のマスターである主人公を殺せとの直々の命令を下されているが、またしても離反している。それどころか、黒幕を陥れ、主人公を明確に助けているといった具合。
主人公は無理矢理夢の中に引きずり込まれ、七日以内にクリアしないと死ぬ条件であった。しかしエドモンは主人公の導き手として、七つの大罪を元にした難関を突破していく。
道中のエドモンは記憶喪失状態になったナイチンゲールを、恋人であったメルセデスと呼んでいる(しかし、この発言が元で後々本物のナイチンゲールに病人扱いされ追い回される破目になる)。
悪夢の中ではジャンヌダルクや天草四郎時貞といった聖人が危機を察知して、夢の中に介入しているが悉く追っ払っている。エドモン以外のサーヴァントは既知の顔を被った敵であるため、エドモンが黒幕を失脚させるために追い散らすのは当然のことだったりする。
敵対するサーヴァントは、嫉妬(ファントム)・色欲(フェルグス)・怠惰(ジル・ド・レェ)・憤怒(ジャンヌダルク)・暴食(カルギュラ)・強欲(天草四郎)・傲慢(ナイチンゲール)といった七名だが、最後に真の憤怒の象徴として「エドモン・ダンテス」が主人公の敵側に回る。
最終的に敵になってしまうエドモンであるが、彼の行動は別に主人公を裏切るなどの思惑はなく、むしろ逆である。エドモンの立場は黒幕から離反しているものの、根っこのところは敵であることに違いなく、『空の境界線』と同じように自分自身が打ち倒される必要が必然的にあったためである。
主人公に敗れたエドモンは勝利の高笑いと共に黒幕に向けて
廃棄孔で悪性情報(簡単に言えば呪いのようなもの)を定期的に殲滅しており、第二部では二度ほど主人公の危機に訪れ、導くなどの行動を起こしている。
『冠位時間神殿ソロモン』
上記二つのイベントを経験していないと、問題の「ナニモノ・ナンデス」事象が発生する例のアレ。
内容は10の座を任された、魔神柱・廃棄孔アンドロマリウスに主人公が襲われるとき、マシュぐらいしか味方のない状態だった。しかし、颯爽と限定イベントクエストで本編に登場しなかった英霊(風魔小太郎や酒吞童子、両儀式)が駆けつける中で、エドモンも恩讐の彼方から登場する。
この時の彼は「その程度で彼/彼女が足を止めるとでも?」といった挑発的な姿勢を見せながらも、主人公に信頼した態度を見せている。
時間神殿終局後、その場にあらゆる特異点の敵・味方関係なくサーヴァントがこぞって登場したが、その場所は存在するだけで霊基が消滅する場所であることが明かされている。
ちなみに、何故か第一特異点である炎上汚染都市冬木で出てきたクーフーリン(キャスター)が出てきていないなど、ちょっと疑わしい点がある。
ちなみに魔神柱は素材を求めるマスターたちによって、マッハで即死した。詳しくは「採集決戦」、「殺したかっただけで死んでほしくはなかった」、「断末魔が長い」などを参照。
亜種特異点『悪性隔絶魔境 新宿』
冒頭から出てくるが、一人称が「私」だったりと不自然な面が目立つ。早速ネタバレするなら、『この』エドモンはシャーロックホームズが変装したものであり、要は偽物。エドモンのことを知っている人からすれば、彼の一人称は「俺(もしくはオレ)」。そのため、初見で見破ったプレイヤーも多いと思われる。実際、新宿のアサシン(燕青)に攫われ助けに来た際は、主人公の方も容易に看破していた。
新宿のアヴェンジャー(ヘシアンロボ)に襲われた際、ジャンヌダルクオルタが足止めを引き受け焼失したように思えるが、実はここで本物が登場してコッソリ彼女を助けている。
メタ的に言えば(FGO内ではファリア神父同様、エドモンは実物する人間)生みの親であるデュマが主人公たちに助力するよう指示していたと推測される。ちなみに本命である依頼は、新宿のアーチャー(ジェームズ・モリアーティ)に囚われていた、シェイクスピアを救出することが目的。
CMではエドモンは燕青と真正面から殴り合っている姿が見える。
モリアーティから興味を持たれているものの、フルシカトされていることが新茶のマイルームボイスから確認できる。
亜種並行世界『屍山血河舞台 下総国』
ストーリー冒頭で、いきなり主人公がレムレムの睡眠に陥る。この昏睡はイベントなどでいつものことであるが、実態は主人公が基底現実とは異なる平行世界に強制的に連れていかれているという異常事態であった。
このまま眠った状態が続けばマスターがやばいと判断したホームズは、エドモンにけしかける形で助けに入るよう促す。恐らく、シャドーディフの悪夢同様、彼ならば夢の中に介入できるのではないかと思っての判断。
エドモンは宣教師という形で異世界に赴くことが出来たが、彼と出会う前に風魔小太郎が自力で主人公の元に訪れている。
下総国では二部でも因縁の相手となっているリンボ(道満)が登場しており、亜種特異点の中でもかなり重要なものだと考えられる。実際、二部オリュンポスではリンボだけではなく、武蔵および村正まで登場している。
特異点のオチとしてはカルデア内で主人公にお礼を言われているものの、「知らんな」といった素知らぬ態度でいた。
二部『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』
オフィリアに囚われた際に、意識を失った主人公の前に訪れる。主人公の落ちた先に在った意識は淀みが蓄積している廃棄孔で、ここで出会うエドモンはシャドーディフ内で縁を結んだ存在(同一のサーヴァントでも一度消滅し、再召喚しても以前の記憶はなく微妙に別人になる)。
主人公の廃棄孔を絶え間なく整理し続けていた所為か、監獄塔とは異なり弱体化している。これは恐らく、『白紙になった自分の世界を守るために、他の世界を滅ぼさなくてはならない』というストレスにより呪いが顕著になったものだと推測される。
実際、ゲッテルデメルングのラストでは、道中主人公と出会った少女がスカディの「寝ていなさい」の言い付けを守らず外に出て、ジャンプと共に消失するなど何とも言い難いエンドを迎えている。
エドモンの活躍は危険極まりない廃棄孔内で戦闘員となり、シトナイ(と、彼女を守るヘラクレス)の元まで案内した。
二部『星間都市山脈オリュンポス』
主人公がカリギュラ(正気に戻っている)と共に戦う最中、ほぼ洗脳に等しいアフロディーテの歌声による精神汚染攻撃を受けていた時に、登場。こちらもゲッテルデメルング同様、シャドーディフのエドモンだと推測される。ちなみに洗脳の効果は仲間同士での殺し合い。
これまでの過去が思い出される中、主人公の意識を覚醒させ、「美を司る女神の歌声なんぞ機械仕掛けのオルゴール」など、何かと辛辣な発言をしている。
今回の彼は、主人公を諦めるかあがらうか、行動の選択肢を完全に任せている点が引っかかる。これまではやけに小難しい言動で、主人公を奮闘させようと言葉を向けていた。
結局、進むことを選んだ主人公を激励しているが、かつて一部の黒幕であった魔術王に二度召喚された事実から、将来的に何かよくないことを知っているのかもしれない。
実際、未登場であった人類悪がオリュンポスで二体も出てきたし、苛烈な戦いになるのは容易に想像できる。
・イベント『バレンタイン』
主人公がロックオン・ランダムチョコの初チョコを誰に渡したのか関係なく、時系列を無視して、何故か一番最初に渡したことになっている。時空の歪みさえ発生させる彼氏面であった。
チョコのお礼は、朝一番の淹れたてコーヒーであるが、砂糖やミルクを淹れても構わないらしい。ちなみに生みの親であるデュマには悪態をついているものの、作家系サーヴァントによくコーヒーを振舞っている姿が、マイルームのボイスから確認できる。
イベント『サーヴァント・サマー・フィスティバル』
恒例の夏イベント。
ルルハワに訪れた主人公一行であるが、そこで行われるのは観光などではなく、同人誌を作るという内容である。
このイベントで髭ことエドワード・テーチェが登場するのだが、同人誌即売会などについて、複数の名言を残している。まあ、元々Fateは「東方」、「ひぐらし」に並ぶ三大コミケサークルの一つだしね。男性向けのエロゲーだけど。その所為で、バビロニアのアニメ化では「偉人デリヘルバトル」とか蔑称されていた……。
ルルハワでのエドモンの活躍はループする七日間で、復讐者という『恨みを忘れないスキル』を所持しているため、一週間が繰り返されていることに恐らく一度目のループで気付いていたものだと推測される。
エドモンの協力を得るため彼を探す過程で、『自分を姉だとイルカ(鮫)と共に洗脳してやまないジャンヌダルク(水着)』と遭遇し、居場所が特定するが、何と夜の浜辺で、子供系サーヴァントに海の生き物を教えていたことが発覚する。しかも、人気者らしい。
エドモンは水着姿(ナイチンゲールの非常に強い押しにより普段の暑苦しい恰好を着替えさせられた)になっている。
エドモンと出会った時、バトルが発生するのだが、うっかりサポーターに選ぼうものなら、何故か「クハハハ笑い」スキルが強制的に発動し、敵ではなく味方にデバフが掛かる。なんでさ。
ちなみにどうでも良いがルルハワでの髭のグラフィックが新調されていたのだが、そのTシャツは爆速で売れたとか。続きを読む...
2020年06月18日
ナニモノナンデス、エドモン・ダンテス
巌窟王こと『エドモン・ダンテス』とはFGO内に登場する、リアリティ☆5のサーヴァントである。エドモンは恒常ガチャでは排出されない、ピックアップ系のレアキャラクターであり、エドモン所持者はスカサハ・スカディと共に超快速周回に選抜される準過労死枠である。スカディのお供としてはバーサーカーのランスロット(☆4)が選ばれる傾向にある。
エドモンのクラスは特殊クラスである、アヴェンジャー。
綽名はスナフキン・オルタや、彼氏面。
【内容】
そもそも巌窟王(モンテ・クリスト伯)って何って人のために軽く説明するならば、アレクサンドル・デュマ作の小説であり、事実を元に作られた作品である。内容は大変長い。FGOとは無関係にアニメ化や漫画家もされている。
モンテ・クリスト伯のストーリーの構成としては、結婚式当日、自分を陥れた人物に復讐を果たすも、復讐の対象とは無関係の人物を殺してしまったことを悔やみながらも幸福になる……といった内容が大まかな粗筋。
有能ながらも一介の船乗りであったエドモンは恋人と引き裂かれた上、奪われるという結末を迎えている。その上、愛してやまない父親は餓死により死亡しており、終身刑が約束されているシャドーディフ内で数十年以上も幽閉される破目になった。
本来ダンテスは将来有望といわれるまでの好青年であり、二十歳ほどの年齢であるにも関わらず、船乗りの船長として抜擢されるほどの人物。シャドーディフに投獄された当時、「何かの間違い」、「助けは来る」と無垢ながらにも信じていたが、不運か幸運か脱獄を企てていたファリア神父と出会い、彼の言葉で貶められたことを悟り、時の権力者になりのうのうと暮らす連中を地獄に貶める決心を固める。
本来、人の好い性格であったにも関わらず絶望により白髪になる、救いとなるファリア神父と出会う前のダンテスは飢え死にしようと食事を窓から投げ捨てたり、絶望に呑まれないためか看守との会話を羨望していた。
だが、穴掘りを行っていたファリア神父と出会い、様々な知識を授かり、神父死後、死体袋と入れ替わる形で脱獄に成功した(エドモンの部屋とファリア神父の部屋は繋がっていた)。
命からがら偶然出会った船に乗せてもらう形で、財宝があると言うエドモンの偽名の元になったモンテクリスト島には莫大な財宝があり、それを元に社交界に躍り出るのであった。
FGO内では(恐らく)上記の流れや経験を体感したダンテスだと思っても良いだろうが、自身のクラスは、復讐者であるアヴェンジャー。船乗り専属といわれるライダークラスではない。
彼の言うところ、「復讐の果てに幸福となったエドモン」ではないとのことから、年代としては若々しい外見をしているものの、未だ復讐に囚われている身であると主張している模様。
FGO内でのゲームでの強さとしては、Q主体の人物でありカード配分はQ2、B2、A1といった具合。
黄金律(A)のNP回収と、微々たる量であるが自己回復(D)のNP自然回復を有しているため、気付いたら宝具展開できる状態になっているだけではなく、アヴェンジャーの弱点属性はムーンキャンサー(実質BBとガネーシャ神)ぐらいしかいないので、基本的に全体攻撃高アタッカーであることから、恒常クエストでも難なく連れ回すことが可能。ムーンキャンサー以外に万遍なく高威力を与えられる上に、呪厄というスリップダメージ&防御力ダウン効果を持ち、追加攻撃にも余念がない。
欠点があるとするならば、攻撃力が高いわりに防御面に関して脆く割と落ちるが、宝具からの黄金律のスキルを使い、スカディによるNP配分して貰えば(カード運もあるけど)、クハハハ!!と高笑いしながら、宝具二連発もそう難しくない。カレイドスコープ持ちなら、三連発できる。
しかも相手が回避や無敵を使おうが、無敵貫通スキルである鋼鉄の決意(EX)でダメージを付与できるだけではなく、有利属性は何かと厄介なルーラーであるため、非常にありがたい。
ランサーというよりもアサシン適正の素質があるのか、自身で生み出したスターを自己吸収しないため、サポート面の方もわりと可能だったりとするが、マーリン(バスター向き)と比肩するスカディ双方、両方とも入手難易度が高いのがネック。しかも強化の際に要求される素材が貴重だったりする。スカディじゃなくても、ボイジャーくんの強化バフも期待できるが、あちらも☆5な上、入手期間を超過したので当分待機が予想される。
レアプリズムにより、エドモン主体の「監獄塔」がいつでもチャレンジできるようになったものの、FGO初めたての初心者には容易に挑めず、空の境界線コラボを経験していない人は、冠位神殿ソロモンで『いきなり出会うことになるであろうエドモン』に困惑が隠せなかった人が、多くいたことだろう。ユーザーの反応としては、「誰お前?」、「フレンドによくいる人」、「お前誰?」、「超高校級の正体不明」。
エドモンは主人公のことをいかにも深く知っている風に接してくる挙句に、葉巻に火を点けろと命令される事態に戸惑いながら、ビーストTを倒すために動揺が隠せないままストーリーを進行させたと思われる。
しかし、エドモンはビジュアル・ダークヒーロー・キャラクター共に非常に人気の強いキャラである。特に女性人気が高い。
エドモン主体のドラマCDを聴き、個人的に抱いた印象は「神頼み、偶像や他人におもねくことは良しとしないものの、アーカード並みの人類賛歌を謳う謙虚なクリスチャン」といった感じであった。
FGOに対する主人公の入れ込みようからして、苦難に挑む人間好きな人物だと推測される。
そんな強い人気を誇るナニモノナンデスことエドモン・ダンテスだが「俺を呼んだな!」のクソデカ初登場ボイスを願って、ピックアップを願おう。
まあ、わたしエドモン持っているんですけどネ〜(マウント)。
ちなみに無課金で宝具3、ボイジャーくんも持っています(人類悪並みの煽り)。
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2020年06月17日
アンサイクロペディア
『アンサイクロペディア』とは、情報収集として一度は世話になったことがあるであろうウィキペディアのパロディサイトである。アンサイクロペディアはウィキペディアの正式な情報(内容に偏りがあったり芸能人が炎上すると内容が改変されるが)とは異なり、ジョーク内容が多くを占めている。嘘八百の中でたまに真実が混じっていることもある。
だが、コミュニティの一生のように、面白さが売りであった記事内容がどんどん劣化していっているような印象が……。正直、玉石混交。
今回は、アンサイクロペディアで個人的に面白いと思った記事を紹介していきたいと思う。似たようなサイトでアニヲタwiki(仮)があるが、あちらの方は趣味の傾向が強く、真実を元に勇士たちにより日夜、記事が作られている。私はアニヲタwikiでいらん知識が増えた。
アニヲタwikiでは「対岸の火事」は一見の価値あり。
【内容】
・盥回し
最早、伝説。「〇〇を参照のこと」のリンクをクリックして、永遠に巡回し続ける文字通りの盥回し。
下手な説明は不要。再帰は似たような……というか、ほぼ同じ構造をしている。
・鉛筆の取り扱い説明書
鉛筆に扱い方もクソもあるわけねえじゃんと思いながらも、記事の概要としては「トンボ鉛筆が鉛筆をアメリカ合衆国に輸出する際に添付した取り扱い説明書。訴訟大国であるアメリカで訴えられないように細心の注意を払った結果、説明書は500ページもの厚さとなり、現在も改訂が進められている」と冒頭に書かれている。
アメリカは自由の権利を主張(し過ぎて逆に不自由になっている)国らしいけど……。
内容としては「血液型(ソレいる?)や、「トンボ鉛筆に羽根を付けても飛ばない」、「化学兵器の可能性。もしくはアナフィラキシーショック」、「UFO、その他国家機密に関する情報を記載すると、物理法則に反する自殺をする可能性があります」などといった注意点が記載されている。
内容は少し長いのが、少しネック。
・読みにくい文章
不特定多数の閲覧者に配慮して、分かり易いように記載すべきと明記されている内容。
読みにくいとあるが、内容は非常に完結……っていうか、『読みにくい文章』や『見えない文字』のリンク先が表示されているだけであり、記事自体は読みにくいわけではない。
・ウィキペディア
ユーモアを売りにしているアンサイクロペディアの人たちにとって、正確な情報が閲覧できるウィキペディアは「体調が崩れるほど面白くない」らしい。その他にもオタクが作ったオタクのための記事だの、ウィキペディアを存続するにあたって必要な募金の応募を振り込め詐欺だの色々と書かれている。
しかしウィキペディアもウィキペディアの方で、「需要の少なさそうなこの記事そこまで詳しく書く必要ある?」、「公然の場で無修正の性器の画像を堂々と張り付けてあるってどうよ?」、「とりあえず作ってみたみたいな文章の少ない記事」など、あっちの方も大概だったりする。
・小倉の百人一首
その文は 仮想表記の 雅和歌 塩嘗め指ぞ 動かし給う
鼠右 堵列長押し 勾引かし 刮目あれば 莞爾浮かべて
気になれば 迷いなさるな 心儘 益者三楽 進み開いて
(訳: 百人一首の記事内容から一部コピペ抜粋するけど、他にも一杯あるから、気になった人は見に行った方がいいよ)
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいずこに 月やどるらむ(清原深養父)
(夜明け前からキャベツ(メロン?)のような月に向かってライフルを撃っていたが、見えなくなっちまった。一体何処に逃げたんだ。早く出て来い。)
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは(清原元輔)
(愛媛県の松山市では蛇口を捻るとしぼりたてのポンジュースが出るのってのは本当なのか?)
難波潟 みじかきあしの ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや(伊勢)
(難波潟は地面が柔らかいので、足の短い奴がハマッてこの世を過ぎ去ってしまう事故が後を絶たない。)
・hyde
本人いわく身長が161pであることだが、ひたすら156cmなのではないかと疑問に思ったネット民のネタを引用した記事。数値の何もかもが156に固執している。156なら何でも良いらしく、ポケモンのナンバーにまで及んでいる。
Hydeの正体を探った人は粛清された。
ちなみにアンサイクロペディアとは関係のない話になってしまうが、低身長関連として「彼氏がシークレットブーツをなくして竹馬を買ったんだがwwwwwww」と、その続編(?)にあたる内容も面白い。投稿者による絵が絶妙にうまいが建て主の正体はおっさんである。
・ああああああああ!
色々な「あ」がある。というかむしろ「あ」しかなく、画像とアスキーアートは「あ」の現代アート。しかも文字なのに「あ」の数式があるなど意味不明。
ためしに「お」が混じっていないか探してみたが、ゲシュタルト崩壊を引き起こして、「あああああああああ!」ってなるだけではなく、「あ」が「め」に見え始めた。
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2020年06月16日
クソデカ羅生門
『クソデカ羅生門』とは近日、突如SNS上で発生したインターネットミームである。その内容は芥川龍之介の短編名作である『羅生門』が、何かとスケールクソデカ目に描写されている内容であり、ストーリー内容は改変されていないものの、色々とおかしい。
内容を一部抜粋すると……、
その代わりまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、亜音速で飛びまわっている。
ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、それが胡麻をえげつない量まいたようにはっきり見えた。
(中略)
下人は七千万段ある石段の一番上の段に、洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。
といったような感じである。
クソデカ羅生門は派生物というか他の改変物さえ出ており、センスの良い人の作品内容は非常に笑いを誘う。「やったねたえちゃん」の想定外かつ怒涛の続編(クマのぬいぐるみにワイヤーを隠して暴漢を切り刻む)でも、ここまで意外の作品が出るなど、一体全体誰が予想できるのだろうか。絵本として有名な桃太郎を独自解釈した作り上げた芥川龍之介でも、想定していなかったことであろう。
ちなみに、
本家羅生門はこちらから https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/127_15260.html
クソデカ羅生門の元ネタはこちらから https://anond.hatelabo.jp/20200611125508
クソデカ羅生門以前に、Twitter上で非常に有名で最高に頭の悪そうな迷言として、「50000兆円欲しい」、「キンタマキラキラ金曜日」、「他人の金で焼き肉を食べたい」などの発言があるが、クソデカ羅生門は上記URLを見て貰ったら分かる通り、原典の雰囲気を残したまま荒唐無稽な地の文と描写がなされているのである。最早、怪文章でもあり文豪。
他のクソデカ改変ネタの他にも、70000000段ものある階段をPCで仮想作成したり(数のヤバさにフリーズした)、像ほどの巨大さを有するコオロギのイラストなどがTwitter上で投稿されている。クソデカのソレに反して、ミニアムといったパロディ作品まで登場している。そのトチ狂ったアイデアに驚愕を禁じ得ない。
ネットという手軽に交流でき、風邪よりも拡散される特性のため、こういったものは広まり易いのだろう。
羅生門のクソデカではないものの、仏教の方も数の単位に対して謎のインフレを起こしている。基本的に神話などはスケールがクソデカなものが多いが、仏典の数詞である恒河沙以降万万進の不可説不可説転など、人間は何かと規模を大きくしたくなる習性があるのかもしれない(そもそも、数値というのは大小のそれぞれに関係なく限りというものがないので当たり前の話かもしれないが)。
今回は『クソデカ羅生門』をとりあげ、サラリとしか内容を記載することしかできなかったが、それは原文にして怪文書をそのまま紹介した方が面白いと思ったためである。
試しに派生物を書いてみるが、
「ごん、お前だったのか。いつも600000000000個のくりをくれたのは」
白面金毛九尾の狐のごんは、ぐったりと目をつぶったまま、クソほどうなづきました。
兵十は、アハトアハトをばたりと取り落としました。都市区画ごと木っ端微塵にした青いけむりが、まだつつ口から太く出ていました。
ほら、面白くない。
産みの親に勝るほどの力量が私にはないのである……。
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2020年06月15日
イギリスのブリテン諸島から日本の北海道富良野地域のラベンダー畑にまで美女を探しにフルマラソンしてきた、花の魔術師ことマーリンさん
タイトルがなろう系ラノベ並みに長い……。
今回の内容はFGOの人気(過労死枠の一角)として有名なキャラクター、花の魔術師ことマーリンについて触れていきたいと思う。
【内容】
マーリンとは、アーサー王伝説及びシャルルマーニュ伝説に登場する、非常に高名な魔術師。原典においては老人であり、赤い竜(恐らくローマ帝国の比喩表現)などの予言や、世界遺産であるストーンヘンジを作ったとも言われている人。
だが、FGO内ではかなりのキャラ設定が盛られている人物。
今回は主に、13日〜14日の二日間にかけて行われたSNS(主にTwitter)内での阿鼻叫喚を主軸に記載していく。
6月13日。
FGO5周年記念で各都道府県の新聞に、ゲーム内のキャラクターが新聞内容を飾るという企画が催されていた。広告塔として観光地に赴くといった趣向だが、FGOプレイヤーが北海道を飾るのはシトナイや土方歳三などは予想された中、まさかまさかのマーリンが登場。
マーリンは孔明・スカディ共にゲーム内での性能もそうであるが、非常に人気があり北海道のマーリンがラベンダー畑で「素敵な花畑じゃないか!」とコメントした新聞が瞬く間に売れた。飛ぶ鳥を落とす勢いで……。
これだけなら人気のあるキャラクターが新聞の売り上げ向上に貢献したというだけの内容に終わるが、14日の翌日の同北海道の新聞でもマーリン特集が取り上げられるという異例の事態になった。
サービスの一環として、花畑を訪れるマーリンの観光イラストは小さいながらも、入手できなかった人向けに再び紙面を飾った可能性が高い。
本来、マーリンはイギリスのブリテン島の幽閉塔(アヴァロン)に自ら引きこもっており、ウルクなどの例外はあるが、基本的に出てこない。アルトリア(女性版アーサー王)を王として教育していた頃も、制定の剣(エクスカリバー)を抜く間際にしか現れておらず、基本的に夢の中でしか、接することはできない。
マーリンはアヴァロン内でマギ☆マリ(ネカマ)などの更新を続けるグランドロクデナシで、幽閉塔の中は時間が蓄積しないので死ぬことはない。そのため、死んでいないので正式には英霊ではなく、グランドキャスターであるソロモン王が、とある事情で冠位クラスどころか英霊の座から辞退しており、死亡すればグランド候補ということもあって、本人が引き受けるかどうか微妙な線ではあるが、死ねば間違いなくグランドキャスターとして正式に英霊の座に登録されることだろう。
アルトリア関連で人でなしである彼が罪悪感を覚えアヴァロンに引きこもり、未来の行く末を見守り続けているのだが、彼女が聖杯を手にしながらも自ら手放したことを千里眼(現在視)で知り歓喜していた事実から、Fete内のマーリンは今もなお生きている。
なお、一番話題になったのはマーリンが観光地の大使館として取り上げられたことではなく、イギリスのブリテン諸島から、遠く離れた北海道の富良野地域に訪れたということであった。
マーリンが新聞に載った途端、話題……というかネタにされたのは、その大きく距離を隔てたところにまで、マラソンをしてきたという点である。
ウルクの時もそうであったが、主人公と人理の危機を察知して大急ぎで本体の方が走って来たように、趣味の女の子弄りを優先して、北海道の方にも美女を探しに来たと一部では揶揄されている。ブリテンから北海道までの距離は、一直線だと8588q。地球の距離は約4万qといわれる中、軽く地球を半周しているのである。ちなみにウルクの距離の倍である。
そのため、クラスはキャスターではなくランナーではないかと、またしてもネタにされている。
そしてまた過去マーリンは、Twitter上でネタにされている。マーリンピックアップで白熱する中、FGOのマーリンを知らない人物が「ニモのマーリン発言」をしたあと、その本人が気になったのかゲームをはじめ、低率でしか排出されないマーリンを神引きで排出しているなど、何かと話題になり易いが新聞完売から翌日の14日、マーリンの話題は尽きることはなかった。
マーリンピックアップ、ガチャ爆死問題である。
現在、FGO内では過去行われた恒例の夏イベントである「水着剣豪七色勝負(主役・葛飾北斎)」が行われており、日ごとにガチャでピックアップされるキャラクターが変わる。
カーミラ(ライダー)・刑部姫(アーチャー)・宮本武蔵(バーサーカー)など多く取り上げられる中、マーリンだけは変則性で日曜日にだけガチャにピックアップされる。
そのため、図ったのか偶然か、新聞での興奮冷めやらぬうちに再びマーリンの話題が引き続き、14日・21日・28日のたった三日間しか出てこないため、未所持者は絶対に入手しておきたいサーヴァントである。つまり、チャンスはあと二回しかない。
しかしレアリティが最高の☆5かつ、FGO特有のSSR排出率が1%未満とケチケチしているため、プレイヤーの多くはリンゴカードを買い、諭吉が座に還るなどの悲劇を多数引き起こしている。運営は人類悪なのは常識。
ある者は狂い、そしてまたある者は幸運に恵まれ歓喜するなど、15日の日曜日は阿鼻叫喚と化した。
何故、そこまでマーリンは熱望されるのか……ピックアップする度、Twitterで話題沸騰になるのか……。
それは単純なキャラクター性だけではなく、その有能さにある。大体、自前のマーリンとフレンドのマーリン(通称、Wマーリンシステム)という脳筋使用にしておけば、勝てない敵はいないと言われるほど、持ち前のスキルが有能だからである。
あと二度の日曜しかマーリンのピックアップが行われないため、さらに諭吉が羽が付いたように飛んでいくことであろう。
まあ私、マーリン持っているんですけどネ〜(マウント)。
正月のピックアップで、弓アルトリアと一緒に来たことから、彼女が召喚の触媒になる可能性は高い。
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2020年06月12日
藪の中
『藪の中』とは芥川龍之介によって執筆された小説である。内容は現代風に言うなら、2007年に放映された、マイナーアイドルの一周忌の内容を取り扱った映画、「キサラギ」のような作風をしている。今回紹介するのは『藪の中』であるが、映画の「キサラギ」の方も十分に面白いので視聴をオススメする。
藪の中は、複数の人間が男女の間で起こった殺人事件をそれぞれの観点から話すという内容になっている。しかしAの発言を信じたら、Dの発言に矛盾が生じ、Cの話を疑えばAの話に信憑性がなくなるなど、非常に複雑な構造をしており、大変面白い。
嘘吐き村の住民のように誰かが嘘をついている可能性が無論あり、全員の話を信用できないようであるが、個人的に本人が嘘だと思っていない(思い込み)などの主観的な意見であるため、熟考することにより真相が判明するものだと推測されるが、真相は文字通り「藪の中」である。
中には全員が嘘をついており事件そのものがなかった、複数の事件が入り混じっているなどの考察もある。
【内容】
A(きこり)の主張
毎朝の日課で山中に入り、人気のないところで死体を発見した人物。死体は縹色の水干と烏帽子を被って、仰向けに倒れた状態で胸元を突き刺され死亡していた。
杉の木の根元には荒縄と櫛があり、太刀などの凶器はなかった。落ち葉が相当乱れていたことから、殺される前の男性は相当な抵抗をしていただろうと主張している。
ちなみに現場は馬一匹通ることができないほど狭く、もしも馬が通れるならば藪一つ隔てた向こう側の道しかない。
B(旅法師)の主張
昨日の昼時、山付近で殺される前の男性(烏帽子に水干姿)と出会っていた人。烏帽子と水干姿の男(多襄丸)は徒歩で、女の方は馬に乗っており、関山の方面に向かっていた。女の顔は服装で窺えなかったが、萩色の布の色だけが確認できた。男は太刀を佩刀し、黒塗りの弓を携えていた。
Aの主張を信じるなら、山の根元に縛り付けられ殺されたのは多襄丸になるが、犯人を捕らえたCの主張に著しい矛盾が生じる。
C(多襄丸を捕らえた人)の主張
昨晩の19〜20時頃に、粟田口の石橋で落馬した多襄丸を捕らえた。この人物は多襄丸を一度捕縛することに失敗した過去があり、その時の格好も紺色の水干に、太刀と弓を所持していた。
黒塗りの弓矢が幾本もあったことから、男を殺したのは多襄丸に違いないと主張。過去、洛中洛外において女子供の殺人を繰り返しており、女好きだと供述している。
殺された男から攫った女は多襄丸と一緒に乗っていたと、Bの主張を裏付けているが、Bが多襄丸と出会ったのは昼時であり、Cが夜間(19〜20時)に犯人を捕まえた時刻に大きな解離性がある。たとえ落馬してケガをしたとしても程度にもよるが、5時間以上の時間があるなら徒歩で逃亡することが十分可能であり、石橋で捕縛に成功したことに疑問が生じる。
ちなみに馬は石橋付近の草むらで草を食んでおり、女性の姿はなかったと言う。
D(姥)の主張
多襄丸に婿が殺されたと主張する供述。婿は武家の家系でありながらも、優しく恨みを抱かれるような性格ではなく、娘は男勝りであるものの婿以外には興味がなかった。顔は瓜実顔で浅黒く、左の目に泣き黒子がある。
嫁婿は昨日一緒に若狭へ行くことになったのだが、何の因果が多襄丸に攫われた娘の行方を捜してほしいと願っている。
E(多襄丸)の主張
姥の娘と婿に昼過ぎに出会ったと主張。
女の垂れ絹が捲れあがり、一瞬ではあるものの菩薩のような顔をしていた。その瞬間、多襄丸は女に惚れたのか婿を殺してでも手に入れようと決心する。
持ち前の太刀で殺そうとするも、別に女を手に入れるためならば攫えば良いだけで殺す「必要はない」と思い返しながら、山の藪の中に宝があると甘言を以て誘い込むことに成功した。
婿が夢中になって宝を探している最中、女は馬から降りることなく静観していた。
宝探しに夢中になるあまり女の元から離れていく婿を杉の根に縛り、騒がれないように口の中に落ち葉を入れられた。縄は多襄丸の私物。
婿を捕縛した多襄丸は女を「急病」だからと呼びよせるが、婿の異常な様子に気が付いた女は小刀を持ち、多襄丸に襲い掛かった。これほど気性の激しい女は知らないと言う中、太刀を抜くことなく女の小刀を落として、女を我が物にすることに成功した。
しかし女はいきなり泣き出し、多襄丸が死ぬか婿が死ぬか選べと泣き叫び、生き残った方と一緒になると言う。この言葉がキッカケで、多襄丸に女の婿に対して殺意が甦る。
しかし、卑怯なことは出来ないと多襄丸は思い、婿を縛っていた縄を解き決闘を行うことになるも、多襄丸は婿の胸を太刀で一刺しする形で勝利した。
しかし女の姿は山中にはなく、助けを呼びに行ったと思った多襄丸は太刀と弓矢を奪い、山道に出ると馬が草を食んでいた。
多襄丸は都に入る前には太刀を手放しており、手ぶらの状態。
男の殺人犯の主張を信じるならば、Dの話(気性の荒い娘と武家の婿)に矛盾点はないが、娘の容姿は色黒で泣き黒子があり、菩薩のような表情とは少々矛盾が生じる。多襄丸が惚れた色目でそう見えただけかもしれないが……。
また、馬は山道の中におり多襄丸が乗馬して都へ行ったとしても、
「山の中には馬は入れないほど狭い」とA
「太刀を持った男と女は一緒に馬に乗っていた」とB
「19〜20時頃に石橋で捕まえ付近で馬を目撃した」C
「小刀で殺した/自害した」F・D
などに決定的な矛盾が生じる。
その他にも弓があったなど細々とした相違点がある。
F(懺悔する女)の主張
紺色の水干を着た男は自分を手籠めにして、夫を嘲笑っていたと主張。
夫の傍に駆け寄ろうとしたものの、蔑んだ目で見ており、意思を読み取った女はその場で気絶してしまった。意識を取り戻した時には水干の男はおらず、夫が木の根元に縛られているだけ。
自害しようにも水干の男に夫の太刀が奪われ弓矢もなく、足元にあった小刀で夫を殺し、後追い自殺をすると述べるも、口一杯にある落ち葉で声を聞き取ることは出来なかったが、冷徹な態度と目線で「殺せ」と言っていると解釈し、縹色の水干の胸に小刀で刺し殺して、気を失ってしまう。
次に意識を取り戻した時刻は、夕暮れ時の日差しが落ちており、女は夫を縛っていた縄を解く。夫に宣言した通り、色々な方法で自害しようにも実行できることはなかった。
Fの主張を信用するなら、Aの言葉が半分ほど正しかったことになる。B・Cの主張に時間帯なども合わさって多少信憑性が出てくる。
Dの主張は一途さが垣間見える描写があるものの、男勝りな女性ではなくなっているので灰色。
D(夫の死霊)の主張
木の根元に身体が縛られたまま、妻を盗人の手により慰み者にされていたと主張。
口が効けない状態ながらも、目配せで「男の言葉を間に受けるな」と懸命に訴えていた。女はその内に盗人の話に耳を傾けるようになり、「自分の妻にならないか」と話を持ち掛ける。
女はうっとりとした顔でもたげ、その様子が夫から見ればこれほど美しいものはないと思いながらも、盗人に返事を出したのか分からない。しかも妻は「どこにでも連れていってくれ」という始末である。
盗人と妻に置き去りにされる中、女は夫を指さし、「殺してほしい」と盗人に願うも、物騒な頼みにさすがの盗人も顔色を失った。しかし何度も夫を殺せと言う女を蹴り倒して、縛られた男の方へと向かい、「女を殺すかどうか」を訪ねるのであった。この時、夫は盗人を許すほどの余裕が生まれた。
しかし女は殺される危機を察知したのか、藪の奥へ逃げだした。
盗人は太刀と弓を手に取り、男を縛っていた縄を斬り、藪の外に出る。
自由の身になった男は妻の小刀を手にして、胸を一刺しして自害した。
Dの主張を信用するなら、A・B・Cの話に多少の信憑性が出てくる。
しかし肝心の、加害者であるE(多襄丸)と、F(妻)の主張に著しい矛盾が生じることになる。しかも、D側の主張によれば、夫以外に興味のない女性であり、こちらも不可解。
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