2020年06月16日
クソデカ羅生門
『クソデカ羅生門』とは近日、突如SNS上で発生したインターネットミームである。その内容は芥川龍之介の短編名作である『羅生門』が、何かとスケールクソデカ目に描写されている内容であり、ストーリー内容は改変されていないものの、色々とおかしい。
内容を一部抜粋すると……、
その代わりまた超凶悪な鴉がどこからか、億単位でたくさん集って来た。昼間見ると、その鴉が何万羽となく輪を描いて、クソ高い鴟尾のまわりを鼓膜破壊レベルの音量で啼きながら、亜音速で飛びまわっている。
ことに門の上の空が、夕焼けで思わず目を疑うくらいあかくなる時には、それが胡麻をえげつない量まいたようにはっきり見えた。
(中略)
下人は七千万段ある石段の一番上の段に、洗いざらしてほぼ透明になった紺の襖の尻を据えて、右の頬に出来まくった、クッソ大きな面皰を気にしながら、メチャメチャぼんやり、とんでもない豪雨のふりしきるのを眺めていた。
といったような感じである。
クソデカ羅生門は派生物というか他の改変物さえ出ており、センスの良い人の作品内容は非常に笑いを誘う。「やったねたえちゃん」の想定外かつ怒涛の続編(クマのぬいぐるみにワイヤーを隠して暴漢を切り刻む)でも、ここまで意外の作品が出るなど、一体全体誰が予想できるのだろうか。絵本として有名な桃太郎を独自解釈した作り上げた芥川龍之介でも、想定していなかったことであろう。
ちなみに、
本家羅生門はこちらから https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/127_15260.html
クソデカ羅生門の元ネタはこちらから https://anond.hatelabo.jp/20200611125508
クソデカ羅生門以前に、Twitter上で非常に有名で最高に頭の悪そうな迷言として、「50000兆円欲しい」、「キンタマキラキラ金曜日」、「他人の金で焼き肉を食べたい」などの発言があるが、クソデカ羅生門は上記URLを見て貰ったら分かる通り、原典の雰囲気を残したまま荒唐無稽な地の文と描写がなされているのである。最早、怪文章でもあり文豪。
他のクソデカ改変ネタの他にも、70000000段ものある階段をPCで仮想作成したり(数のヤバさにフリーズした)、像ほどの巨大さを有するコオロギのイラストなどがTwitter上で投稿されている。クソデカのソレに反して、ミニアムといったパロディ作品まで登場している。そのトチ狂ったアイデアに驚愕を禁じ得ない。
ネットという手軽に交流でき、風邪よりも拡散される特性のため、こういったものは広まり易いのだろう。
羅生門のクソデカではないものの、仏教の方も数の単位に対して謎のインフレを起こしている。基本的に神話などはスケールがクソデカなものが多いが、仏典の数詞である恒河沙以降万万進の不可説不可説転など、人間は何かと規模を大きくしたくなる習性があるのかもしれない(そもそも、数値というのは大小のそれぞれに関係なく限りというものがないので当たり前の話かもしれないが)。
今回は『クソデカ羅生門』をとりあげ、サラリとしか内容を記載することしかできなかったが、それは原文にして怪文書をそのまま紹介した方が面白いと思ったためである。
試しに派生物を書いてみるが、
「ごん、お前だったのか。いつも600000000000個のくりをくれたのは」
白面金毛九尾の狐のごんは、ぐったりと目をつぶったまま、クソほどうなづきました。
兵十は、アハトアハトをばたりと取り落としました。都市区画ごと木っ端微塵にした青いけむりが、まだつつ口から太く出ていました。
ほら、面白くない。
産みの親に勝るほどの力量が私にはないのである……。
価格:398円 |
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/9935284
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック