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2016年12月26日
「大魔神怒る」本郷功次郎、藤村志保、大映
「大魔神怒る」は、大魔神シリーズ第2作目の作品である。時は戦国時代、湖のほとりにある千草は平和な日々を
送っていた。また分家である名越の里には、守り神がまつられて穏やかな生活を領民たちは楽しんでいた。
しかしこの千草と名越の豊かな富を妬んだ隣国の御子柴弾正(神田隆)は、大軍を率いて攻め込んできたのだ。
不意をつかれた千草はひとたまりもなく弾正の軍門に下ったのだ。千種を束ねる十郎(本郷功次郎)はかろうじて
逃げのびるが、千草を陥落させた勢いで弾正は軍を進めて名越にも攻め入った。
そして弾正は名越の長である名越兵衛(内田朝雄)を殺害し占領するのだった。
名越兵衛の娘小百合(藤村志保)はこの混乱の中から脱出し、十郎と再会し手当をするが領民を見捨てることが
できない十郎は危険を顧みず千草へと潜入する。一方弾正は領民たちのよりどころであった守り神の像を
爆薬でこなごなに粉砕するのだった・・・
大魔神シリーズが面白いのは、とにかく悪人たちが絵に描いたような悪であることだ。
極悪非道の悪人がえげつないことをすればするほど、最後に魔神に退治されるシーンが拍手喝さいしたく
なるのである。この映画での御子柴弾正の悪人ぶりは、真に迫っていて見ていて殴りたくなるほどだ。
またこの映画での見どころは、大魔神の登場シーンである。湖が真っ二つに割れて大魔神が現れるシーンは
十戒のパクリではあるが子供のころ初めて見たときは驚愕したものだ。
大魔神が怒って御子柴の城を破壊するシーンもリアリティもあり大迫力だ。時々見せる魔神の目は
中に実際に人間(橋本力)が入っているので生生しいのだ。
また伊福部昭の音楽が一層物語を盛り上げてくれる。このシリーズの中でこの2作が私は一番好きだ。
さらにこの映画のセットも大がかりなもので、かなり人手もお金も掛けたようだ。監督は三隅研次
とにかく見るとスカッとする映画である。今の日本も大魔神に成敗してほしい政治屋や官僚や悪徳企業など
山ほどいる。ぜひ出現して征伐してほしいものである。
送っていた。また分家である名越の里には、守り神がまつられて穏やかな生活を領民たちは楽しんでいた。
しかしこの千草と名越の豊かな富を妬んだ隣国の御子柴弾正(神田隆)は、大軍を率いて攻め込んできたのだ。
不意をつかれた千草はひとたまりもなく弾正の軍門に下ったのだ。千種を束ねる十郎(本郷功次郎)はかろうじて
逃げのびるが、千草を陥落させた勢いで弾正は軍を進めて名越にも攻め入った。
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そして弾正は名越の長である名越兵衛(内田朝雄)を殺害し占領するのだった。
名越兵衛の娘小百合(藤村志保)はこの混乱の中から脱出し、十郎と再会し手当をするが領民を見捨てることが
できない十郎は危険を顧みず千草へと潜入する。一方弾正は領民たちのよりどころであった守り神の像を
爆薬でこなごなに粉砕するのだった・・・
大魔神シリーズが面白いのは、とにかく悪人たちが絵に描いたような悪であることだ。
極悪非道の悪人がえげつないことをすればするほど、最後に魔神に退治されるシーンが拍手喝さいしたく
なるのである。この映画での御子柴弾正の悪人ぶりは、真に迫っていて見ていて殴りたくなるほどだ。
またこの映画での見どころは、大魔神の登場シーンである。湖が真っ二つに割れて大魔神が現れるシーンは
十戒のパクリではあるが子供のころ初めて見たときは驚愕したものだ。
大魔神が怒って御子柴の城を破壊するシーンもリアリティもあり大迫力だ。時々見せる魔神の目は
中に実際に人間(橋本力)が入っているので生生しいのだ。
また伊福部昭の音楽が一層物語を盛り上げてくれる。このシリーズの中でこの2作が私は一番好きだ。
さらにこの映画のセットも大がかりなもので、かなり人手もお金も掛けたようだ。監督は三隅研次
とにかく見るとスカッとする映画である。今の日本も大魔神に成敗してほしい政治屋や官僚や悪徳企業など
山ほどいる。ぜひ出現して征伐してほしいものである。
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タグ:大魔神 本郷功次郎、藤村志保
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2016年12月24日
「トコリの橋」 ウィリアム・ホールデン、グレースケリー、朝鮮戦争
1954年製作の「トコリの橋」は数少ない朝鮮戦争を描いた作品である。主人公の戦闘機のりのブルーベーカー
中尉にウイリアムホールデンがその妻に後のモナコ王妃となるグレースケリーが扮している。
退役軍人のブルーベーカー中尉は、弁護士をしていたが朝鮮戦争の勃発で召集されF9F パンサーの操縦士
として任務についていた。しかし愛機の故障で海上に不時着を余技なくされた。ブルーベーカーは味方に救出され
そのころ東京に来ていた妻との再会を司令官は許可したのだ。つかの間の休日を家族と水入らずで過ごす
ブルーベーカーだったがこの後過酷な任務が待っていた。
敵の対空砲火が飛び交う真っ只中に降下して重要拠点であるトコリの橋を爆撃する任務だった。
表面上な穏やかなブルーベーカーだったが違和感を感じた妻のナンシーは問いただし任務のことを
聞きだす。真っ青になるナンシーだったが軍人である限り夫は任務を拒否できない。
思い余ったナンシーは司令官との食事中に悩みを打ち明けるが軍人の妻としてに覚悟を求められる。
つかの間の休日も終わり具体的な作戦計画を空母で聞いたブルーベーカーは不安から眠れぬ夜を
過ごすことになるのだった・・
この映画はアメリカ海軍の全面的な支援を受けて作られたアメリカ版国策映画である。
日本でロケを敢行し珍しい昭和20年代の東京の風景が写し出される。空母の歓迎で芸者が出てきたり、
ホテルが神社のようなデザインだったり、おかしな場面が続々出てくる。
ブルーベーカー夫妻がホテルの風呂に入るシーンでは、日本人家族がお辞儀をしながら混浴をする
のは国辱ものである。
またブルーベーカーが相棒のマイク(ミッキールーニー)と行くキャバレーでは、ホステスが中国風のドラを
叩くシーンも出てくるのだ。
しかし戦闘場面は非常に迫力があって空母エセックスの着艦シーンは本物の戦闘機が使われマニア好みである。
さらに戦闘機が敵の十字砲火の中を進むシーンは、どこからが特撮でどこまでが実写なのかわからない
ほどリアリティがあるのだ。原作は ジェームズ・A・ミッチェナーで日本から淡路恵子が出演している。
トコリとはいったい北朝鮮のどこをさしているのかおそらく原作者の創作の架空の土地だろう。
そして目立つのがグレースケリーの美しさである。ちなみにグレースは日本ロケに参加せず登場シーンは
すべて合成である。悲劇的な最後は戦争の悲惨さを表している。
中尉にウイリアムホールデンがその妻に後のモナコ王妃となるグレースケリーが扮している。
退役軍人のブルーベーカー中尉は、弁護士をしていたが朝鮮戦争の勃発で召集されF9F パンサーの操縦士
として任務についていた。しかし愛機の故障で海上に不時着を余技なくされた。ブルーベーカーは味方に救出され
そのころ東京に来ていた妻との再会を司令官は許可したのだ。つかの間の休日を家族と水入らずで過ごす
ブルーベーカーだったがこの後過酷な任務が待っていた。
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敵の対空砲火が飛び交う真っ只中に降下して重要拠点であるトコリの橋を爆撃する任務だった。
表面上な穏やかなブルーベーカーだったが違和感を感じた妻のナンシーは問いただし任務のことを
聞きだす。真っ青になるナンシーだったが軍人である限り夫は任務を拒否できない。
思い余ったナンシーは司令官との食事中に悩みを打ち明けるが軍人の妻としてに覚悟を求められる。
つかの間の休日も終わり具体的な作戦計画を空母で聞いたブルーベーカーは不安から眠れぬ夜を
過ごすことになるのだった・・
この映画はアメリカ海軍の全面的な支援を受けて作られたアメリカ版国策映画である。
日本でロケを敢行し珍しい昭和20年代の東京の風景が写し出される。空母の歓迎で芸者が出てきたり、
ホテルが神社のようなデザインだったり、おかしな場面が続々出てくる。
ブルーベーカー夫妻がホテルの風呂に入るシーンでは、日本人家族がお辞儀をしながら混浴をする
のは国辱ものである。
またブルーベーカーが相棒のマイク(ミッキールーニー)と行くキャバレーでは、ホステスが中国風のドラを
叩くシーンも出てくるのだ。
しかし戦闘場面は非常に迫力があって空母エセックスの着艦シーンは本物の戦闘機が使われマニア好みである。
さらに戦闘機が敵の十字砲火の中を進むシーンは、どこからが特撮でどこまでが実写なのかわからない
ほどリアリティがあるのだ。原作は ジェームズ・A・ミッチェナーで日本から淡路恵子が出演している。
トコリとはいったい北朝鮮のどこをさしているのかおそらく原作者の創作の架空の土地だろう。
そして目立つのがグレースケリーの美しさである。ちなみにグレースは日本ロケに参加せず登場シーンは
すべて合成である。悲劇的な最後は戦争の悲惨さを表している。
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2016年12月22日
「透明人間1954年」河津清三郎三條美紀土屋嘉男
1954年製作の東宝特撮映画「透明人間」は、東宝変身人間シリーズの先駆けともいえる作品である。
テーマは戦時中日本軍の人体実験で透明人間に変えられた哀れな男をめぐる物語である。
銀座のど真ん中でタクシーが誤って人を引いてしまうが、姿は見えない。しかし死体が徐々に浮かびあがる
ように現れるのを見て見物人は驚愕する。轢死した男は透明人間だったのだ。
そして死んだ男の遺書でもうひとりの透明人間がいることが判明する。
新聞記者の小松(土屋嘉男)は透明人間の正体を突き止めようと取材を開始する。その同じころ発生する
ギャング事件で帝都は恐怖の襲われていた。一方キャバレー「黒船」のピエロの南条は近くに住む盲目の少女
まりの面倒をなにくれとなく面倒みていた。まりの祖父は夜勤で守衛をしていて、孤独な毎日を送っていたのだ。
しかしまりの祖父はある夜強盗に襲われて殺されてしまう。
そのころ透明人間の行方を追っていた小松はついに南条のアパートを発見した。南条(河津清三郎)は小松を信用して
自分が戦時中軍の人体実験で特攻兵器として透明人間に改造されたことを打ち明ける。
ピエロの衣裳をひとつづつ脱いでいくと南条は完全に見えなくなり小松は驚くが・・・
そして帝都を震撼させたギャングの頭目は黒船を根城にした悪党であることがわかるが、ギャングは南条に
すべての罪を着せようとしていたのだ・・・
この映画の特撮シーンは円谷英二が担当しているが、通帳や電話が宙に浮いたりスクーターが無人で
走行したりするシーンは今見ても違和感がなくよくこの時代に撮影できたものと感心する。
また透明人間と格闘する役者は一人演技を自然に見せないといけないので大変だったと思う。
透明人間役には悪役で有名な個性的な河津清三郎が珍しく善良な役を演じている。
ピエロのメイクをしているのでほとんどわからないが・・そして南条の恋人役は当時のトップスターの
三条美紀が演じている。監督は「ゴジラの逆襲」の小田基義。どことなく哀愁がある映画である。
テーマは戦時中日本軍の人体実験で透明人間に変えられた哀れな男をめぐる物語である。
銀座のど真ん中でタクシーが誤って人を引いてしまうが、姿は見えない。しかし死体が徐々に浮かびあがる
ように現れるのを見て見物人は驚愕する。轢死した男は透明人間だったのだ。
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そして死んだ男の遺書でもうひとりの透明人間がいることが判明する。
新聞記者の小松(土屋嘉男)は透明人間の正体を突き止めようと取材を開始する。その同じころ発生する
ギャング事件で帝都は恐怖の襲われていた。一方キャバレー「黒船」のピエロの南条は近くに住む盲目の少女
まりの面倒をなにくれとなく面倒みていた。まりの祖父は夜勤で守衛をしていて、孤独な毎日を送っていたのだ。
しかしまりの祖父はある夜強盗に襲われて殺されてしまう。
そのころ透明人間の行方を追っていた小松はついに南条のアパートを発見した。南条(河津清三郎)は小松を信用して
自分が戦時中軍の人体実験で特攻兵器として透明人間に改造されたことを打ち明ける。
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そして帝都を震撼させたギャングの頭目は黒船を根城にした悪党であることがわかるが、ギャングは南条に
すべての罪を着せようとしていたのだ・・・
この映画の特撮シーンは円谷英二が担当しているが、通帳や電話が宙に浮いたりスクーターが無人で
走行したりするシーンは今見ても違和感がなくよくこの時代に撮影できたものと感心する。
また透明人間と格闘する役者は一人演技を自然に見せないといけないので大変だったと思う。
透明人間役には悪役で有名な個性的な河津清三郎が珍しく善良な役を演じている。
ピエロのメイクをしているのでほとんどわからないが・・そして南条の恋人役は当時のトップスターの
三条美紀が演じている。監督は「ゴジラの逆襲」の小田基義。どことなく哀愁がある映画である。
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2016年12月18日
「八仙飯店之人肉饅頭」アンソニーウォン、サイコパスの狂気
「八仙飯店之人肉饅頭」はマカオで実際に起こった事件を基にしたホラースプラッター映画である。
いきなり最初から殺人シーンでこの映画は始まる。主人公のウォンは相手の頭を壁にぶつけてかち割り
火をつけて香港からマカオに逃亡する。このときパスポートを偽造するがその写真が完全にイッテいる人
の表情なのである。場面が変わってマカオで八仙飯店の店主におさまったウオンは、応募してき男を
すぐに採用する。包丁を使わせて大丈夫のようだったので男は採用になったのだ。
しかしある時マージャンをしていたウォンを見ていた従業員の男はウオンのいかさまを見破った。
これに怒ったウォンは、従業員に後ろから襲い掛かり伝票差しを男の目に打ち込んだ。のたうちまわる男の頭を
さらに大型のおたまで殴り撲殺するのだった。
男の死体は中華包丁で刻まれてミンチにされ、饅頭になって客に出されるのである。
次にウォンは女従業員に手をかけ、割りばしを陰部に差し込んで殺害する。冷酷そのものである。
そのころマカオ警察は前の八仙飯店店主が行方不明になったとして親族から捜索願いを受けていた。
ウォンが怪しいとみて取り調べるがしぶといウォンはなかなか口を割ろうとしない。
結局ウォンは拘留されるがウォンの殺された別の親族の男が報復に出たのだ。
徹底的にリンチされ半殺しにされるウォンだったが、それでも耐え抜き、空き缶の切り目で手首を斬って
自殺を図ろうとする。しかしさすがのウォンも警察に自白剤を打たれて白状しはじめる。
その内容は想像を絶する恐ろしいものだった。・・・
「八仙飯店之人肉饅頭 」は、1985年のマカオで起きた八仙飯店一家殺害事件がベースになっている。
主演のアンソニーウォンの狂気演技が凄く、眼鏡の奥にある眼の異様な輝きが恐ろしい。
とにかくすべての殺し方が残酷そのもので子供の殺人シーンは目をそむけたくなるほどである。
サイコパスとはどういうものかこの映画を見るとよくわかる。日本でもアメリカでも無理で香港でしか作れない映画
だろう。対サイコパスの教訓映画で参考になると思う。私は凶器に使われる中華包丁を見ると条件反射で
この映画を思い出してしまうのだ。配給はゲテモノ映画好きなアルバトロスフィルムである。
いきなり最初から殺人シーンでこの映画は始まる。主人公のウォンは相手の頭を壁にぶつけてかち割り
火をつけて香港からマカオに逃亡する。このときパスポートを偽造するがその写真が完全にイッテいる人
の表情なのである。場面が変わってマカオで八仙飯店の店主におさまったウオンは、応募してき男を
すぐに採用する。包丁を使わせて大丈夫のようだったので男は採用になったのだ。
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しかしある時マージャンをしていたウォンを見ていた従業員の男はウオンのいかさまを見破った。
これに怒ったウォンは、従業員に後ろから襲い掛かり伝票差しを男の目に打ち込んだ。のたうちまわる男の頭を
さらに大型のおたまで殴り撲殺するのだった。
男の死体は中華包丁で刻まれてミンチにされ、饅頭になって客に出されるのである。
次にウォンは女従業員に手をかけ、割りばしを陰部に差し込んで殺害する。冷酷そのものである。
そのころマカオ警察は前の八仙飯店店主が行方不明になったとして親族から捜索願いを受けていた。
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結局ウォンは拘留されるがウォンの殺された別の親族の男が報復に出たのだ。
徹底的にリンチされ半殺しにされるウォンだったが、それでも耐え抜き、空き缶の切り目で手首を斬って
自殺を図ろうとする。しかしさすがのウォンも警察に自白剤を打たれて白状しはじめる。
その内容は想像を絶する恐ろしいものだった。・・・
「八仙飯店之人肉饅頭 」は、1985年のマカオで起きた八仙飯店一家殺害事件がベースになっている。
主演のアンソニーウォンの狂気演技が凄く、眼鏡の奥にある眼の異様な輝きが恐ろしい。
とにかくすべての殺し方が残酷そのもので子供の殺人シーンは目をそむけたくなるほどである。
サイコパスとはどういうものかこの映画を見るとよくわかる。日本でもアメリカでも無理で香港でしか作れない映画
だろう。対サイコパスの教訓映画で参考になると思う。私は凶器に使われる中華包丁を見ると条件反射で
この映画を思い出してしまうのだ。配給はゲテモノ映画好きなアルバトロスフィルムである。
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2016年12月16日
「誰が為に鐘は鳴る」アーネストヘミングウェイゲーリークーパーイングリットバーグマン
「誰が為に鐘は鳴る」はヘミングウェイのベストセラー小説を映画化したアメリカ映画である。
舞台は1930年代の内戦下のスペインで、自ら人民戦線の義勇軍として参加したヘミングウェイの体験が
反映されている。
主人公の大学教授ロベルト(ゲーリークーパー)はファシストフランコに支配された人民たちの力になろうと内戦に
参加する。
山岳地帯で闘うゲリラと合流したロベルトだったが、アメリカ人ということからゲリラたちに怪訝に思われる。
ロベルトは橋を爆破することを任務としていたが、ゲリラのボスであるパブロ(エイキムタミロフ)はやる気がなく
ロベルトと常に対立していた。
しかし妻のピラー(カティーナ・パクシヌー)は女ながら度胸がありロベルトとは気が合い、実質的にゲリラを
指揮していたのだ。
敵の攻撃がいつあるかわからな緊張の日々で、仲間の一人の若い女性マリア(イングリットバーグマン)
との逢瀬だけがロベルトの心安らぐ時だった。
二人の思いを知るピラーは気を効かせて二人きりにするが、任務やパブロとの確執の中で恋にひたる
余裕はロベルトにはなかった。
そんな中でもファシストの侵攻はこの山にもおよび仲間のエルソルドたちはコンドル軍団の爆撃を受けて
壊滅してしまったのだ。
ロベルトはマリアに未練を残しながら橋の爆破という危険な任務に没頭しようとするが・・・
あまりに有名な名作だが製作は1943年で第二次大戦中のさなかである。日本では戦後公開されたが
私も最近まで戦前の映画とは知らなかったのだ。それほど古さは感じさせず戦争をテーマにしているが
人間ドラマと恋愛ドラマが中心で後半になって内戦の緊迫感が濃く出てくる。
マリア役のバーグマンの輝くような笑顔と白い歯が非常に目立ち、クーパーは男前だかあまり演技はうまく
ない。バーグマンの歯が整いすぎているので、おそらく義歯か矯正手術をしたのだろう。
ゲーリークーパーは60歳で亡くなっているが今の時代からすると若すぎる。スタローンやシュワルツェネッガーより
遥かに若くて死んでいるのだ。
脇役のエイキムタミロフやカティーナ・パクシヌーの演技力は光るものがある。
題名の「誰がために鐘は鳴る」はジョンダンの説教から引用されている。
ラストシーンのロベルトの「僕は君の中で永遠に生き続ける」のセリフが感動的である。
舞台は1930年代の内戦下のスペインで、自ら人民戦線の義勇軍として参加したヘミングウェイの体験が
反映されている。
主人公の大学教授ロベルト(ゲーリークーパー)はファシストフランコに支配された人民たちの力になろうと内戦に
参加する。
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山岳地帯で闘うゲリラと合流したロベルトだったが、アメリカ人ということからゲリラたちに怪訝に思われる。
ロベルトは橋を爆破することを任務としていたが、ゲリラのボスであるパブロ(エイキムタミロフ)はやる気がなく
ロベルトと常に対立していた。
しかし妻のピラー(カティーナ・パクシヌー)は女ながら度胸がありロベルトとは気が合い、実質的にゲリラを
指揮していたのだ。
敵の攻撃がいつあるかわからな緊張の日々で、仲間の一人の若い女性マリア(イングリットバーグマン)
との逢瀬だけがロベルトの心安らぐ時だった。
二人の思いを知るピラーは気を効かせて二人きりにするが、任務やパブロとの確執の中で恋にひたる
余裕はロベルトにはなかった。
そんな中でもファシストの侵攻はこの山にもおよび仲間のエルソルドたちはコンドル軍団の爆撃を受けて
壊滅してしまったのだ。
ロベルトはマリアに未練を残しながら橋の爆破という危険な任務に没頭しようとするが・・・
あまりに有名な名作だが製作は1943年で第二次大戦中のさなかである。日本では戦後公開されたが
私も最近まで戦前の映画とは知らなかったのだ。それほど古さは感じさせず戦争をテーマにしているが
人間ドラマと恋愛ドラマが中心で後半になって内戦の緊迫感が濃く出てくる。
マリア役のバーグマンの輝くような笑顔と白い歯が非常に目立ち、クーパーは男前だかあまり演技はうまく
ない。バーグマンの歯が整いすぎているので、おそらく義歯か矯正手術をしたのだろう。
ゲーリークーパーは60歳で亡くなっているが今の時代からすると若すぎる。スタローンやシュワルツェネッガーより
遥かに若くて死んでいるのだ。
脇役のエイキムタミロフやカティーナ・パクシヌーの演技力は光るものがある。
題名の「誰がために鐘は鳴る」はジョンダンの説教から引用されている。
ラストシーンのロベルトの「僕は君の中で永遠に生き続ける」のセリフが感動的である。
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タグ:スペイン内戦、ファシスト
2016年12月13日
「博打打ちいのち札」鶴田浩二、渡瀬恒彦、若山富三郎、安田道代
1971年製作の「博打打ちいのち札」は鶴田浩二主演の任侠映画である。
関東岩井一家の若頭相川清次郎(鶴田浩二)は、日本海に面する直江津の町へ旅に出たが立ち寄った
芝居小屋で女芸人の静江(安田道代)を見初める。二人は契りを結び1年後の結婚を約束する。
しかし静江は清次郎の正体は知らなかった。東京へ戻った清次郎は岩井一家のシマで暴れまわる新地会と
対立しチンピラたちを斬りつけて5年の刑に服することになった。このことが結局静江とは再会できず
約束を果たせなかったのだ。
一方静江も旅芸人の仕事を続けることが難しくなっていた。岩井一家の組長は静江の面倒をみたことを
きっかけ妻にと望んだのである。静江は未練がありながら再開がかなわず清次郎のことをあきらめて
岩井の妻になる。
このことを岩井組長の面会で知った清次郎は複雑な気持ちだった。そのころ新地会はますまず増長し
海岸の埋め立て工事を引き受けた岩井一家に嫌がらせを繰り返す。そして殺し屋金原(天本英世)を差し向けて
岩井組長を殺害してしまう。
だがこの事件の黒幕には意外な人間が関わっていたのである。次に刑期を終えた清次郎は一家に戻って
くるが待っていたのは組長の死という現実だった。そして静江と意外な形で再会するがもはや二人の立場は
かってのものではなかった・・・
典型的な完全懲悪な任侠もので鶴田浩二が悪党どもの策略に耐えに耐えて、ラストに大爆発するいつもの
パターンである。だが結末がわかっていても楽しめるのは日本人だからだろうか。
鶴田の片腕役に若山富三郎が演じ、若衆役で若き日の渡瀬恒彦が出ている。監督は山下耕作。
ラストで血の川を鶴田が悪人を斬りまくりながら渡るシーンは壮絶である。
DVDは出ていないがアマゾンインスタントビデオで格安で鑑賞できる。脚本は「仁義なき戦い」の笠原和夫。
関東岩井一家の若頭相川清次郎(鶴田浩二)は、日本海に面する直江津の町へ旅に出たが立ち寄った
芝居小屋で女芸人の静江(安田道代)を見初める。二人は契りを結び1年後の結婚を約束する。
しかし静江は清次郎の正体は知らなかった。東京へ戻った清次郎は岩井一家のシマで暴れまわる新地会と
対立しチンピラたちを斬りつけて5年の刑に服することになった。このことが結局静江とは再会できず
約束を果たせなかったのだ。
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一方静江も旅芸人の仕事を続けることが難しくなっていた。岩井一家の組長は静江の面倒をみたことを
きっかけ妻にと望んだのである。静江は未練がありながら再開がかなわず清次郎のことをあきらめて
岩井の妻になる。
このことを岩井組長の面会で知った清次郎は複雑な気持ちだった。そのころ新地会はますまず増長し
海岸の埋め立て工事を引き受けた岩井一家に嫌がらせを繰り返す。そして殺し屋金原(天本英世)を差し向けて
岩井組長を殺害してしまう。
だがこの事件の黒幕には意外な人間が関わっていたのである。次に刑期を終えた清次郎は一家に戻って
くるが待っていたのは組長の死という現実だった。そして静江と意外な形で再会するがもはや二人の立場は
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典型的な完全懲悪な任侠もので鶴田浩二が悪党どもの策略に耐えに耐えて、ラストに大爆発するいつもの
パターンである。だが結末がわかっていても楽しめるのは日本人だからだろうか。
鶴田の片腕役に若山富三郎が演じ、若衆役で若き日の渡瀬恒彦が出ている。監督は山下耕作。
ラストで血の川を鶴田が悪人を斬りまくりながら渡るシーンは壮絶である。
DVDは出ていないがアマゾンインスタントビデオで格安で鑑賞できる。脚本は「仁義なき戦い」の笠原和夫。
タグ:鶴田浩二、山下耕作、 笠原和夫、
2016年12月05日
「人類SOS! トリフィドの日」ジョン・ウィンダムハワードキール食肉植物
1962年のイギリス映画「人類SOS トリフィドの日」は、ジョンウインダムの小説「トリフィド時代」の映画化作品
である。
地球にかってなかったほどの流星群が訪れたとき、その光を見たものは失明した。地球上の大半の人間は盲目
となり途方にくれたのである。
しかしたまたま目の手術をしていた船員ビル(ハワードキール)は、そのとき目に包帯をしていて難を逃れたのである。
町へ出たビルは多くの盲目の人々から頼られるがひとりでできることは限界があった。そんなとき一人の目の見える
少女スーザンと出会ったビルは突然現れた食用植物トリフィドの襲撃から逃れ車で町を後にする。
そのころ辺鄙な土地の灯台で研究を続けてい生物学者トム夫婦は、このうんざりした土地から引っ越しを考えて
いた。しかしラジオを聞いてみると何やら想像を超える異変がこの地球に起こったことがわかった。
だがその夫婦の足元にすでにトリフィドの脅威が迫っていたのだ。トムはなんとかトリフィドを倒して解剖し
その正体を突き止めようとするがスキを見せた瞬間トリフィドは生き返り逃げ出してしまったのである。
トリフィドの脅威はニューヨーク、日本、など世界各地におよび人類破滅の危機が訪れた中でトムはスーザンを
伴ってパリを訪れた。そしてパリから南フランスへと移動したとき大邸宅に住んでいる女主人デュランドと
知り合う。トムは避難することを進めるが盲人たちを見捨てることはできないとデュランドは拒むのだった・・・
この原作はラジオやテレビで何度もドラマ化されていて「宇宙戦争」と共通するテーマを扱っている。
無敵に思えたトリフィドも意外にもろく最後は哀れである。
怪物の造形はマタンゴに似ているがこちらの方が早いのでマタンゴやウルトラQに影響を与えたと思う。
古典SFの傑作で展開が読めるがそれでも面白い作品である。余談だが日本のシーンで出てくるアナウンサーが
中国語なまりの日本語を使うのは爆笑してしまった。
である。
地球にかってなかったほどの流星群が訪れたとき、その光を見たものは失明した。地球上の大半の人間は盲目
となり途方にくれたのである。
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しかしたまたま目の手術をしていた船員ビル(ハワードキール)は、そのとき目に包帯をしていて難を逃れたのである。
町へ出たビルは多くの盲目の人々から頼られるがひとりでできることは限界があった。そんなとき一人の目の見える
少女スーザンと出会ったビルは突然現れた食用植物トリフィドの襲撃から逃れ車で町を後にする。
そのころ辺鄙な土地の灯台で研究を続けてい生物学者トム夫婦は、このうんざりした土地から引っ越しを考えて
いた。しかしラジオを聞いてみると何やら想像を超える異変がこの地球に起こったことがわかった。
だがその夫婦の足元にすでにトリフィドの脅威が迫っていたのだ。トムはなんとかトリフィドを倒して解剖し
その正体を突き止めようとするがスキを見せた瞬間トリフィドは生き返り逃げ出してしまったのである。
トリフィドの脅威はニューヨーク、日本、など世界各地におよび人類破滅の危機が訪れた中でトムはスーザンを
伴ってパリを訪れた。そしてパリから南フランスへと移動したとき大邸宅に住んでいる女主人デュランドと
知り合う。トムは避難することを進めるが盲人たちを見捨てることはできないとデュランドは拒むのだった・・・
この原作はラジオやテレビで何度もドラマ化されていて「宇宙戦争」と共通するテーマを扱っている。
無敵に思えたトリフィドも意外にもろく最後は哀れである。
怪物の造形はマタンゴに似ているがこちらの方が早いのでマタンゴやウルトラQに影響を与えたと思う。
古典SFの傑作で展開が読めるがそれでも面白い作品である。余談だが日本のシーンで出てくるアナウンサーが
中国語なまりの日本語を使うのは爆笑してしまった。
2016年12月04日
「コンクリート」高岡蒼佑三船美佳女子高生コンクリート殺人事件
2004年の「コンクリート」は日本犯罪史上最も残忍な事件女子高生コンクリート殺人事件をテーマにした
作品である。このテーマは昔ビデオ安売り王の社長製作で北川悠仁の出演オリジナルビデオがあるが、
この作品は犯人の側に視点を置いた作品である。
柔道の特待生として高校へ入学してきた辰夫(高岡蒼佑)は生意気だとさっそくリンチを受ける。
残酷なリンチを受け辰夫は高校をやめてタイル職人になるが、影では不良仲間とカツアゲ、盗み、シンナー、強姦と
悪の限りをつくすのだった。
そんな辰夫に目をつけた暴力団は辰夫に族たちをたばねることを命令する。ここに辰夫をリーダーとする
竜神会が結成された。竜神会は暴力団に上納金を納めるための恐喝をくりかえすが、退屈しのぎに
町で女子高生美咲をナンパする。子分に女子高生を蹴らせて怪我をしたのを助けるように見せかけて
脅してホテルに連れ込み強姦するのだった。
しかし美咲の悲劇はここからが始まりだったのである。辰夫の子分どもは仲間の自宅へ連れていきかわるがわる
犯したばかりか陰部に鉄パイプやコーラビンを挿入したりと暴虐の限りをつくす。
そしてある日辰夫が競馬に負けた腹いせに、美咲を殴ったことから暴力はさらにエスカレートしていく。
さらにスキを見て逃げ出した美咲に怒った辰夫たちはかわるがわる顔の形が変わるまで殴り続けるのだった・・
渥美 饒児原作の「十七歳、悪の履歴書―女子高生コンクリート詰め殺人事件」をベースにした作品だが
加害者が被害者のような顔をしているのがハラが立つ。
何の罪もないのに無残に殺された被害者のことを思えば犯人が死刑にならずのうのうと生きているのが
ゆるせない。日本の少年法は根本的におかしいのだ。残虐な犯罪には未成年など関係なく断固死罪あるのみ
だと思うのは間違っているだろうか。主演の高岡蒼佑は冷酷な犯罪者をよく演じている。
その恋人役に三船美佳が刑事役を中谷彰宏が演じている。犯人が携帯電話を使っているのは事件当時の80年代
にはありえないのでしらけた。小森未来が被害者を演じている。
作品である。このテーマは昔ビデオ安売り王の社長製作で北川悠仁の出演オリジナルビデオがあるが、
この作品は犯人の側に視点を置いた作品である。
柔道の特待生として高校へ入学してきた辰夫(高岡蒼佑)は生意気だとさっそくリンチを受ける。
残酷なリンチを受け辰夫は高校をやめてタイル職人になるが、影では不良仲間とカツアゲ、盗み、シンナー、強姦と
悪の限りをつくすのだった。
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そんな辰夫に目をつけた暴力団は辰夫に族たちをたばねることを命令する。ここに辰夫をリーダーとする
竜神会が結成された。竜神会は暴力団に上納金を納めるための恐喝をくりかえすが、退屈しのぎに
町で女子高生美咲をナンパする。子分に女子高生を蹴らせて怪我をしたのを助けるように見せかけて
脅してホテルに連れ込み強姦するのだった。
しかし美咲の悲劇はここからが始まりだったのである。辰夫の子分どもは仲間の自宅へ連れていきかわるがわる
犯したばかりか陰部に鉄パイプやコーラビンを挿入したりと暴虐の限りをつくす。
そしてある日辰夫が競馬に負けた腹いせに、美咲を殴ったことから暴力はさらにエスカレートしていく。
さらにスキを見て逃げ出した美咲に怒った辰夫たちはかわるがわる顔の形が変わるまで殴り続けるのだった・・
渥美 饒児原作の「十七歳、悪の履歴書―女子高生コンクリート詰め殺人事件」をベースにした作品だが
加害者が被害者のような顔をしているのがハラが立つ。
何の罪もないのに無残に殺された被害者のことを思えば犯人が死刑にならずのうのうと生きているのが
ゆるせない。日本の少年法は根本的におかしいのだ。残虐な犯罪には未成年など関係なく断固死罪あるのみ
だと思うのは間違っているだろうか。主演の高岡蒼佑は冷酷な犯罪者をよく演じている。
その恋人役に三船美佳が刑事役を中谷彰宏が演じている。犯人が携帯電話を使っているのは事件当時の80年代
にはありえないのでしらけた。小森未来が被害者を演じている。
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2016年12月02日
「日蓮1979年」中村錦之助、永田雅一、中村嘉葎雄
1979年製作の中村錦之助主演の「日蓮」は日蓮と蒙古大襲来を製作した永田雅一が再度日蓮をテーマに
して作った大作である。
時は鎌倉時代、幕府を支配する北条一門は専横を極め人々は、飢えや天変地異の連続でのたうちまわって
いた。だがその民衆には見向きもせず、鎌倉幕府は栄華の時を迎えていたのである。
そんな末法の世に安房小湊に生を受けた善日丸は、流人の子として地元の悪童から迫害を受けていたのである。
両親は武家の出だったが没落してこの安房へと流れてきたが、善日丸は親の愛情のもとで正義感の強い少年
として育ったのだった。しかし少年は賢いこどもでこの土地で終わるように人間ではなかった。
出家して禅寺へ入り蓮長と名のり、長じて日本仏教の総本山比叡山へ行き10年に及ぶ激しい修行の道を
歩んだのだ。そしてその妥協を知らない性格は高僧を論破するほどであった。
蓮長は求道の果てに法華経こそ仏教の神髄と確信して叡山を降りると安房へ戻り、布教の道を歩みだす
のである。そして蓮長(中村錦之助)は名を日蓮と改めて法華経の行者として出発したのだ。
日蓮は「われ日本の柱とならん、眼目とならん、大船とならん」と太陽に誓った。
そして日蓮は鎌倉へと布教の旅に出る。そのとき最初の弟子になったのが両親だった。
日蓮は鎌倉の山奥にささやかな庵を結んで、農民や漁師に教えを説いていると何やら一人の男が
駆け込んできた。誰かと思えば叡山で一緒に修行していた日昭 (中村嘉葎雄)だった。日昭は日蓮の
学識と信念を尊敬して噂を聞いて駆けつけたのである。そして日昭も日蓮の弟子になり日蓮も心強かった。
日朗 (中村光輝)や日興 (永島敏行)も加わり日蓮は鎌倉を中心に布教に勤めたが念仏や禅を攻撃する
妥協なき活動で武士たちは日蓮を目の仇にする。日蓮はついに伊豆に流されるが日蓮が予言したように
蒙古の大軍が日本に迫っていたのだ・・・
日蓮宗開祖の日蓮の波乱万丈の生涯をえがいた歴史仏教映画である。日蓮は蒙古襲来や幕府の内乱を
予言したり、処刑されそうになって奇跡的に助かったりと数々のエピソードを持つ人物である。
日蓮はある種の超能力を持っていたのかもしれない。日蓮の両親には田村高広と岸田今日子が演じ
日蓮を目の仇にする武士を中谷一郎が演じている。
仏教がテーマだが物語はメリハリがあって飽きさせない。日蓮を演じる中村錦之助の熱演は迫力があり
日蓮がよみがえったかのようである。
日蓮と蒙古大襲来と異なり、あまり元寇のシーンは出てこず日蓮個人にスポットを当てた映画である。
しかし鎌倉だけでなく、今の時代も日蓮が予言した末法の世ではないのか。
監督は中村登
して作った大作である。
時は鎌倉時代、幕府を支配する北条一門は専横を極め人々は、飢えや天変地異の連続でのたうちまわって
いた。だがその民衆には見向きもせず、鎌倉幕府は栄華の時を迎えていたのである。
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そんな末法の世に安房小湊に生を受けた善日丸は、流人の子として地元の悪童から迫害を受けていたのである。
両親は武家の出だったが没落してこの安房へと流れてきたが、善日丸は親の愛情のもとで正義感の強い少年
として育ったのだった。しかし少年は賢いこどもでこの土地で終わるように人間ではなかった。
出家して禅寺へ入り蓮長と名のり、長じて日本仏教の総本山比叡山へ行き10年に及ぶ激しい修行の道を
歩んだのだ。そしてその妥協を知らない性格は高僧を論破するほどであった。
蓮長は求道の果てに法華経こそ仏教の神髄と確信して叡山を降りると安房へ戻り、布教の道を歩みだす
のである。そして蓮長(中村錦之助)は名を日蓮と改めて法華経の行者として出発したのだ。
日蓮は「われ日本の柱とならん、眼目とならん、大船とならん」と太陽に誓った。
そして日蓮は鎌倉へと布教の旅に出る。そのとき最初の弟子になったのが両親だった。
日蓮は鎌倉の山奥にささやかな庵を結んで、農民や漁師に教えを説いていると何やら一人の男が
駆け込んできた。誰かと思えば叡山で一緒に修行していた日昭 (中村嘉葎雄)だった。日昭は日蓮の
学識と信念を尊敬して噂を聞いて駆けつけたのである。そして日昭も日蓮の弟子になり日蓮も心強かった。
日朗 (中村光輝)や日興 (永島敏行)も加わり日蓮は鎌倉を中心に布教に勤めたが念仏や禅を攻撃する
妥協なき活動で武士たちは日蓮を目の仇にする。日蓮はついに伊豆に流されるが日蓮が予言したように
蒙古の大軍が日本に迫っていたのだ・・・
日蓮宗開祖の日蓮の波乱万丈の生涯をえがいた歴史仏教映画である。日蓮は蒙古襲来や幕府の内乱を
予言したり、処刑されそうになって奇跡的に助かったりと数々のエピソードを持つ人物である。
日蓮はある種の超能力を持っていたのかもしれない。日蓮の両親には田村高広と岸田今日子が演じ
日蓮を目の仇にする武士を中谷一郎が演じている。
仏教がテーマだが物語はメリハリがあって飽きさせない。日蓮を演じる中村錦之助の熱演は迫力があり
日蓮がよみがえったかのようである。
日蓮と蒙古大襲来と異なり、あまり元寇のシーンは出てこず日蓮個人にスポットを当てた映画である。
しかし鎌倉だけでなく、今の時代も日蓮が予言した末法の世ではないのか。
監督は中村登
2016年11月30日
「釈迦 1961年大映映画」本郷功次郎勝新太郎市川雷蔵
1961年製作の大映映画「釈迦」は、本邦初の70ミリ大作映画である。
シャカ族の王子として生まれたゴータマシッダールタは、美しい妻ヤショダラーと子供に恵まれ何不自由のない
生活を送っていた。しかし人の生老病死を深く考えると悩みは尽きず、心は引き裂かれんばかりだった。
シッダールタは今すぐに出家して、この苦悩を解決したいと心から思っていたのだ。思いあまってヤショーダラー
王妃に相談するが聞き入れるはずもなく、シッダールタは黙って一人で王宮を出ていった。
残された王妃やシッダールタの親である王たちは嘆き悲しむが、シッダールタの求道の思いは強く
森の中で修行に励むのだった。だがシッダールタの修行を邪魔しようと悪魔や妖魔が次々に現れて
誘惑しようとする。黄金や性など現世の快楽をあおりひきずりおろそうと矢を射かけたり、裸の女を差し向けたり
したのだ。だがそんなことで動じるシッダールタではなかった。
嵐や誘惑の夜を乗り越えて、ある日突然シッダールタは覚醒し悟りを開く。釈迦の誕生である。
そのころかねてヤショーダラーに横恋慕していた悪人ダイバダッタ(勝新太郎)はシッダールタがいないことを
いいことにヤショダラーを強引に犯してしまう。悲観したヤショダラーは自分で剣を刺して死んでしまう。
悟りを開いた仏陀の鹿野苑の元にはインド全土から教えを求めて大勢の弟子が集まった。
だが釈迦の人望と能力に嫉妬したダイバダッタは、マダカ国のアジャセ王子の取り入って釈迦の弟子たちを
とらえて処刑しようとする。今にも象に踏まれそうになった弟子たちだったが、直前で象は動きを止めてしまう。
恐れをなしたアジャセ王子(川口浩)は処刑を中止した。
しかし釈迦を憎むダイバダッタの攻撃はこれぐらいでは終わらなかったのだ・・・
大映が総力を挙げて製作した歴史スペクタクルである。京都福知山に巨大なセットを組んで撮影した
シーンは大群衆のエキストラを使い、ベンハーや十戒を彷彿させる。総製作費は当時の額で5億円というから
空前のスケールである。キャストも主人公の本郷功次郎やカツシンの他にも市川雷蔵や山本富士子に
山田五十鈴、京マチ子などオールスターが出演している。クライマックスの神殿が崩壊する場面は「サムソンと
デリラ」を意識したものだろう。
日本人がインド人を演じるにはやや違和感があるが、それもスケールの大きさと迫力でカバーしている。
資金的もマンパワーの面でも今後二度とこれだけの映画を日本で作ることは難しいだろう。
それにしても大映は映画史に残る遺産をたくさん残してくれて感謝したい。主演の本郷功次郎は、次郎長映画では
チンピラやくざを演じこの映画では聖人君子を演じているのだから役者とは凄いものである。
仏教をテーマにしているが決して堅苦しい作品ではなく人間の業や悲しさを描いた人間ドラマとして見る
ことができる作品である。監督は三隅研次。伊福部昭の壮大な音楽もよかった。
シャカ族の王子として生まれたゴータマシッダールタは、美しい妻ヤショダラーと子供に恵まれ何不自由のない
生活を送っていた。しかし人の生老病死を深く考えると悩みは尽きず、心は引き裂かれんばかりだった。
シッダールタは今すぐに出家して、この苦悩を解決したいと心から思っていたのだ。思いあまってヤショーダラー
王妃に相談するが聞き入れるはずもなく、シッダールタは黙って一人で王宮を出ていった。
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残された王妃やシッダールタの親である王たちは嘆き悲しむが、シッダールタの求道の思いは強く
森の中で修行に励むのだった。だがシッダールタの修行を邪魔しようと悪魔や妖魔が次々に現れて
誘惑しようとする。黄金や性など現世の快楽をあおりひきずりおろそうと矢を射かけたり、裸の女を差し向けたり
したのだ。だがそんなことで動じるシッダールタではなかった。
嵐や誘惑の夜を乗り越えて、ある日突然シッダールタは覚醒し悟りを開く。釈迦の誕生である。
そのころかねてヤショーダラーに横恋慕していた悪人ダイバダッタ(勝新太郎)はシッダールタがいないことを
いいことにヤショダラーを強引に犯してしまう。悲観したヤショダラーは自分で剣を刺して死んでしまう。
悟りを開いた仏陀の鹿野苑の元にはインド全土から教えを求めて大勢の弟子が集まった。
だが釈迦の人望と能力に嫉妬したダイバダッタは、マダカ国のアジャセ王子の取り入って釈迦の弟子たちを
とらえて処刑しようとする。今にも象に踏まれそうになった弟子たちだったが、直前で象は動きを止めてしまう。
恐れをなしたアジャセ王子(川口浩)は処刑を中止した。
しかし釈迦を憎むダイバダッタの攻撃はこれぐらいでは終わらなかったのだ・・・
大映が総力を挙げて製作した歴史スペクタクルである。京都福知山に巨大なセットを組んで撮影した
シーンは大群衆のエキストラを使い、ベンハーや十戒を彷彿させる。総製作費は当時の額で5億円というから
空前のスケールである。キャストも主人公の本郷功次郎やカツシンの他にも市川雷蔵や山本富士子に
山田五十鈴、京マチ子などオールスターが出演している。クライマックスの神殿が崩壊する場面は「サムソンと
デリラ」を意識したものだろう。
日本人がインド人を演じるにはやや違和感があるが、それもスケールの大きさと迫力でカバーしている。
資金的もマンパワーの面でも今後二度とこれだけの映画を日本で作ることは難しいだろう。
それにしても大映は映画史に残る遺産をたくさん残してくれて感謝したい。主演の本郷功次郎は、次郎長映画では
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ことができる作品である。監督は三隅研次。伊福部昭の壮大な音楽もよかった。