2016年11月30日
「釈迦 1961年大映映画」本郷功次郎勝新太郎市川雷蔵
1961年製作の大映映画「釈迦」は、本邦初の70ミリ大作映画である。
シャカ族の王子として生まれたゴータマシッダールタは、美しい妻ヤショダラーと子供に恵まれ何不自由のない
生活を送っていた。しかし人の生老病死を深く考えると悩みは尽きず、心は引き裂かれんばかりだった。
シッダールタは今すぐに出家して、この苦悩を解決したいと心から思っていたのだ。思いあまってヤショーダラー
王妃に相談するが聞き入れるはずもなく、シッダールタは黙って一人で王宮を出ていった。
残された王妃やシッダールタの親である王たちは嘆き悲しむが、シッダールタの求道の思いは強く
森の中で修行に励むのだった。だがシッダールタの修行を邪魔しようと悪魔や妖魔が次々に現れて
誘惑しようとする。黄金や性など現世の快楽をあおりひきずりおろそうと矢を射かけたり、裸の女を差し向けたり
したのだ。だがそんなことで動じるシッダールタではなかった。
嵐や誘惑の夜を乗り越えて、ある日突然シッダールタは覚醒し悟りを開く。釈迦の誕生である。
そのころかねてヤショーダラーに横恋慕していた悪人ダイバダッタ(勝新太郎)はシッダールタがいないことを
いいことにヤショダラーを強引に犯してしまう。悲観したヤショダラーは自分で剣を刺して死んでしまう。
悟りを開いた仏陀の鹿野苑の元にはインド全土から教えを求めて大勢の弟子が集まった。
だが釈迦の人望と能力に嫉妬したダイバダッタは、マダカ国のアジャセ王子の取り入って釈迦の弟子たちを
とらえて処刑しようとする。今にも象に踏まれそうになった弟子たちだったが、直前で象は動きを止めてしまう。
恐れをなしたアジャセ王子(川口浩)は処刑を中止した。
しかし釈迦を憎むダイバダッタの攻撃はこれぐらいでは終わらなかったのだ・・・
大映が総力を挙げて製作した歴史スペクタクルである。京都福知山に巨大なセットを組んで撮影した
シーンは大群衆のエキストラを使い、ベンハーや十戒を彷彿させる。総製作費は当時の額で5億円というから
空前のスケールである。キャストも主人公の本郷功次郎やカツシンの他にも市川雷蔵や山本富士子に
山田五十鈴、京マチ子などオールスターが出演している。クライマックスの神殿が崩壊する場面は「サムソンと
デリラ」を意識したものだろう。
日本人がインド人を演じるにはやや違和感があるが、それもスケールの大きさと迫力でカバーしている。
資金的もマンパワーの面でも今後二度とこれだけの映画を日本で作ることは難しいだろう。
それにしても大映は映画史に残る遺産をたくさん残してくれて感謝したい。主演の本郷功次郎は、次郎長映画では
チンピラやくざを演じこの映画では聖人君子を演じているのだから役者とは凄いものである。
仏教をテーマにしているが決して堅苦しい作品ではなく人間の業や悲しさを描いた人間ドラマとして見る
ことができる作品である。監督は三隅研次。伊福部昭の壮大な音楽もよかった。
シャカ族の王子として生まれたゴータマシッダールタは、美しい妻ヤショダラーと子供に恵まれ何不自由のない
生活を送っていた。しかし人の生老病死を深く考えると悩みは尽きず、心は引き裂かれんばかりだった。
シッダールタは今すぐに出家して、この苦悩を解決したいと心から思っていたのだ。思いあまってヤショーダラー
王妃に相談するが聞き入れるはずもなく、シッダールタは黙って一人で王宮を出ていった。
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残された王妃やシッダールタの親である王たちは嘆き悲しむが、シッダールタの求道の思いは強く
森の中で修行に励むのだった。だがシッダールタの修行を邪魔しようと悪魔や妖魔が次々に現れて
誘惑しようとする。黄金や性など現世の快楽をあおりひきずりおろそうと矢を射かけたり、裸の女を差し向けたり
したのだ。だがそんなことで動じるシッダールタではなかった。
嵐や誘惑の夜を乗り越えて、ある日突然シッダールタは覚醒し悟りを開く。釈迦の誕生である。
そのころかねてヤショーダラーに横恋慕していた悪人ダイバダッタ(勝新太郎)はシッダールタがいないことを
いいことにヤショダラーを強引に犯してしまう。悲観したヤショダラーは自分で剣を刺して死んでしまう。
悟りを開いた仏陀の鹿野苑の元にはインド全土から教えを求めて大勢の弟子が集まった。
だが釈迦の人望と能力に嫉妬したダイバダッタは、マダカ国のアジャセ王子の取り入って釈迦の弟子たちを
とらえて処刑しようとする。今にも象に踏まれそうになった弟子たちだったが、直前で象は動きを止めてしまう。
恐れをなしたアジャセ王子(川口浩)は処刑を中止した。
しかし釈迦を憎むダイバダッタの攻撃はこれぐらいでは終わらなかったのだ・・・
大映が総力を挙げて製作した歴史スペクタクルである。京都福知山に巨大なセットを組んで撮影した
シーンは大群衆のエキストラを使い、ベンハーや十戒を彷彿させる。総製作費は当時の額で5億円というから
空前のスケールである。キャストも主人公の本郷功次郎やカツシンの他にも市川雷蔵や山本富士子に
山田五十鈴、京マチ子などオールスターが出演している。クライマックスの神殿が崩壊する場面は「サムソンと
デリラ」を意識したものだろう。
日本人がインド人を演じるにはやや違和感があるが、それもスケールの大きさと迫力でカバーしている。
資金的もマンパワーの面でも今後二度とこれだけの映画を日本で作ることは難しいだろう。
それにしても大映は映画史に残る遺産をたくさん残してくれて感謝したい。主演の本郷功次郎は、次郎長映画では
チンピラやくざを演じこの映画では聖人君子を演じているのだから役者とは凄いものである。
仏教をテーマにしているが決して堅苦しい作品ではなく人間の業や悲しさを描いた人間ドラマとして見る
ことができる作品である。監督は三隅研次。伊福部昭の壮大な音楽もよかった。
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