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2016年12月31日

「原子怪獣現わる」レイハリーハウゼン、ポールクリスチャン、ゴジラの元ネタ

1953年製作のアメリカ映画「原子怪獣現わる」は、ゴジラの元ネタ映画として知られている。

北極で行われた水爆実験で全長30メートルの肉食恐竜が現代に蘇った。

水爆実験に立ち会った物理学者のトーマス・ネスビット(ポールクリスチャン)は、恐竜を目撃して驚くが

精神異常者扱いされて誰にも信じてもらえなかった。ネスビットは古生物学者のサーグッド・エルソン教授と助手のリー・

ハンターに恐竜の話をするがエルソン教授ですら信じようとしない。しかし助手のハンターだけはネスビットの話を

真剣に聞くのだった。

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そうしているうちも恐竜は南下してグランドバンクスで漁船を襲撃して沈没させ、メイン州の灯台も真っ二つに


たたき割り犠牲者が増えるばかりだった。


だがネスビットは生き残った漁師を訪ねて、証言を得ると再度教授の元へと説得にいく。ネスビットの目撃した

恐竜の特長と漁師の証言が一致したことから、教授はこの話に信ぴょう性があると思い早速調査に乗り出す。


教授は海軍の協力で潜水艇でハドソン川河口付近で、恐竜を待つが逆に襲撃されて殺されてしまう。


恐竜はついにマンハッタンからウォール街に上陸、勇敢な警官が拳銃で立ち向かうがひとたまりもなく食われる


のだった。恐怖のどん底に叩き込まれたニューヨーク市民は逃げまどい、警官隊はショットガンを打ちまくるが

恐竜はびくともしない。ついに政府は州兵を動員して恐竜との本格的な戦争に入るのだった・・・


原作はレイブラッドベリの短編小説で、特撮は神と呼ばれたレイハリーハウゼンである。


怪獣はゴジラのようなぬいぐるみでなく、アニメーションとの合成だが違和感なく画面に溶け込んでいる。

怪獣の首をバズーカ砲で打ち抜いてダメージを与えたのはいいが、出血しその血から細菌が感染し

退治するのに難渋するのがポイントである。最後にラジオアイソトープを使って怪獣を倒すのだが

このやり方もゴジラはパクっているようである。

古い映画だがテンポも良く自然に物語に入りこめる。おそらくこの作品がなければゴジラの誕生もなかった

だろう。東宝特撮映画の自衛隊対怪獣というパターンもこの映画にその原型が見られる。

なかなかいい作品である。


最後にこのつたないブログに訪れてくれた皆さんに感謝します。よいお年をお迎えください。

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posted by ハヤテ at 14:29| 特撮

2016年12月30日

「吸血鬼ゴケミドロ」高英男、佐藤肇、吉田輝夫、

日本の怪奇SF映画と言えば「吸血鬼ゴケミドロ」にとどめをさすだろう。

羽田から伊丹へ向かう1機の航空機があった。なぜか空は血のような真っ赤に染まっていた。不安な状態で

迎える途中、パイロットに無線で連絡があった。何物かが時限爆弾を仕掛けたという。パイロットの杉坂(吉田輝雄)

はなんとか乗客にきずかれないように持ち物検査をするが、たまたまこの飛行機には暗殺事件を起こした

テロリスト(高英男)が乗っていた。

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テロリストは航空機をハイジャックして乗客たちを脅すが、オレンジ色の謎の光体が接近し航空機は

危険を避けて岩山に不時着する。

そして多くの乗客が死にわずか10名だけが生き残る。杉坂とスチュワーデスの朝倉(佐藤友美)、

極悪政治家の真野(北村英三)と武器商人の徳安(金子信雄)宇宙生物学者(高橋昌也)にテロリストの寺岡

らであった。

食料も水もなくどこの場所かもわからない山中に取り残された乗客たちが次第にエゴをむき出しにしていく。

そして生き残ったテロリスト寺岡は、朝倉を人質にここから脱出しようと山中を彷徨う。

そんな二人の前に巨大なオレンジ色の謎の光体が現れる。寺岡は光体の光に洗脳されてふらふらと歩いていく。

そんな寺岡の姿を不安そうに見ていた朝倉だったが、突如寺岡の額がパカッと割れたかと思うとゼリー状の

気味の悪い生物が寺岡の頭に入っていった。あまりの気持ち悪さに朝倉は絶叫し気絶する。

そんな危機の中でも真野を初め乗客たちは些細なことで言い争っていた。しかし寺岡に寄生した宇宙生物

ゴケミドロの恐怖はじわじわ迫っていたのだ・・・

シャンソン歌手の高英男が怪演技をしていることでカルト的な人気がある作品である。航空機の窓のまるで

自殺するかのように鳥は体当たりして血で染まるシーンが不気味である。高英男の額が割れるシーンは

絵で描いているのが丸わかりでチープだがかえってそれが気持ち悪いのである。宇宙船のクマンバチのような

飛行音と宇宙人の「我々の目的は人類の皆殺しだ」のセリフが妙に怖い。原案はうしおそうじ

監督は佐藤肇で「キーハンター」を撮っている人でこの作品のノリも似ている。特撮シーンだけでなく

ドラマ部分もよくできていて、金子信雄の悪党ぶりやそれを上回るずるがしこい北村英三の卑怯そのものの

演技が面白い。またテーマには反戦のメッセージも込められている。絶望的なラストには唖然とする。

菊池俊輔の音楽も不気味でいい。

杉坂の「何もかもが遅すぎたんだ」のセリフがいつまでも印象に残る。日本怪奇映画の記念碑的作品である。


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posted by ハヤテ at 20:25| SF映画

2016年12月28日

「大怪獣バラン」本多猪四郎、円谷英二、黒沼健、伊福部昭

1958年製作の「大怪獣バラン」は、秘境北上川山中のバダラギ山神信仰と中生代の怪獣バランの暴虐を

描いた特撮映画である。北上川近くの集落付近でシベリアにしかいない蝶が発見される。早速現場に駆け付けた

生物研究所の調査員二人が何物に襲われて謎の死を遂げる。事件の真相を知るべく新聞記者の由利子と

研究員の魚崎(野村浩三)とカメラマンの堀口は、山奥までたどり着くが、村人たちはバダラギ様という謎の山神を信仰

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していて現場に近づくのを阻まれた。しかし一人の子供が犬を追って奥地へ入っていたのを見て助けようと魚崎たちは


後を追う。そして深い湖のほとりにたどり着くが、突如巨大な怪獣が現れ暴れまわる。さっそく自衛隊が出動

して迫撃砲や無反動砲や多連装ロケット弾で攻撃するが、分厚い皮膚におおわれたバランの身体はビクとも

しない。バランがもし帝都に現れた大変な事態になるので自衛隊も必死の反撃をするが願いもむなしく

バランは攻撃を跳ね除けて帝都へと向かっていった・・

バランはムササビのような羽を持ち空を飛ぶことができて、背中には針のようなトゲが生えていて、

顔はゴジラにも似ている。羽田空港にバランが登場するシーンは、「ゴジラの逆襲」にも似ている。

また自衛隊のありとあらゆる兵器が出てきて、戦車や護衛艦に戦闘機にジープなどマニアが喜ぶだろう。

バラン対自衛隊の戦闘シーンがとにかく迫力があり、爆雷攻撃で深海でじっと耐えるバランの表情が不気味だ。

バランはバラノボーダが正式名称だが、東宝の怪獣映画の中ではメジャーな存在ではない。

しかしその威圧感と神秘性といい独特の風格を持つバランは私好みである。

また主演の野村浩三も園田あゆみも主役級の俳優ではない。そういう意味であまり知られた作品ではないが

怪獣映画を語る上では無視できない映画である。またこの映画もナレーションの日本のチベットという表現が

放送禁止用語にかかりテレビ放映時は無音になっているようだ。


伊福部昭の音楽も最高でタイトルバックのバダラギ、バダラギ、ウオッ 、ウオッという呪術のような響きが

ワクワクしていい。さらに自衛隊が出てくるときのマーチも気分が高揚していいのだ。

東宝怪獣ファン必見の一作である。原作は怪奇作家の黒沼健が書いている。

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posted by ハヤテ at 16:50| 特撮

2016年12月26日

「大魔神怒る」本郷功次郎、藤村志保、大映

「大魔神怒る」は、大魔神シリーズ第2作目の作品である。時は戦国時代、湖のほとりにある千草は平和な日々を

送っていた。また分家である名越の里には、守り神がまつられて穏やかな生活を領民たちは楽しんでいた。

しかしこの千草と名越の豊かな富を妬んだ隣国の御子柴弾正(神田隆)は、大軍を率いて攻め込んできたのだ。

不意をつかれた千草はひとたまりもなく弾正の軍門に下ったのだ。千種を束ねる十郎(本郷功次郎)はかろうじて

逃げのびるが、千草を陥落させた勢いで弾正は軍を進めて名越にも攻め入った。

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そして弾正は名越の長である名越兵衛(内田朝雄)を殺害し占領するのだった。

名越兵衛の娘小百合(藤村志保)はこの混乱の中から脱出し、十郎と再会し手当をするが領民を見捨てることが

できない十郎は危険を顧みず千草へと潜入する。一方弾正は領民たちのよりどころであった守り神の像を

爆薬でこなごなに粉砕するのだった・・・


大魔神シリーズが面白いのは、とにかく悪人たちが絵に描いたような悪であることだ。

極悪非道の悪人がえげつないことをすればするほど、最後に魔神に退治されるシーンが拍手喝さいしたく

なるのである。この映画での御子柴弾正の悪人ぶりは、真に迫っていて見ていて殴りたくなるほどだ。


またこの映画での見どころは、大魔神の登場シーンである。湖が真っ二つに割れて大魔神が現れるシーンは

十戒のパクリではあるが子供のころ初めて見たときは驚愕したものだ。

大魔神が怒って御子柴の城を破壊するシーンもリアリティもあり大迫力だ。時々見せる魔神の目は

中に実際に人間(橋本力)が入っているので生生しいのだ。

また伊福部昭の音楽が一層物語を盛り上げてくれる。このシリーズの中でこの2作が私は一番好きだ。


さらにこの映画のセットも大がかりなもので、かなり人手もお金も掛けたようだ。監督は三隅研次

とにかく見るとスカッとする映画である。今の日本も大魔神に成敗してほしい政治屋や官僚や悪徳企業など

山ほどいる。ぜひ出現して征伐してほしいものである。

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posted by ハヤテ at 16:30| 特撮

2016年12月24日

「トコリの橋」 ウィリアム・ホールデン、グレースケリー、朝鮮戦争

1954年製作の「トコリの橋」は数少ない朝鮮戦争を描いた作品である。主人公の戦闘機のりのブルーベーカー

中尉にウイリアムホールデンがその妻に後のモナコ王妃となるグレースケリーが扮している。

退役軍人のブルーベーカー中尉は、弁護士をしていたが朝鮮戦争の勃発で召集されF9F パンサーの操縦士

として任務についていた。しかし愛機の故障で海上に不時着を余技なくされた。ブルーベーカーは味方に救出され

そのころ東京に来ていた妻との再会を司令官は許可したのだ。つかの間の休日を家族と水入らずで過ごす

ブルーベーカーだったがこの後過酷な任務が待っていた。

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敵の対空砲火が飛び交う真っ只中に降下して重要拠点であるトコリの橋を爆撃する任務だった。

表面上な穏やかなブルーベーカーだったが違和感を感じた妻のナンシーは問いただし任務のことを

聞きだす。真っ青になるナンシーだったが軍人である限り夫は任務を拒否できない。

思い余ったナンシーは司令官との食事中に悩みを打ち明けるが軍人の妻としてに覚悟を求められる。


つかの間の休日も終わり具体的な作戦計画を空母で聞いたブルーベーカーは不安から眠れぬ夜を

過ごすことになるのだった・・

この映画はアメリカ海軍の全面的な支援を受けて作られたアメリカ版国策映画である。

日本でロケを敢行し珍しい昭和20年代の東京の風景が写し出される。空母の歓迎で芸者が出てきたり、

ホテルが神社のようなデザインだったり、おかしな場面が続々出てくる。

ブルーベーカー夫妻がホテルの風呂に入るシーンでは、日本人家族がお辞儀をしながら混浴をする

のは国辱ものである。


またブルーベーカーが相棒のマイク(ミッキールーニー)と行くキャバレーでは、ホステスが中国風のドラを

叩くシーンも出てくるのだ。

しかし戦闘場面は非常に迫力があって空母エセックスの着艦シーンは本物の戦闘機が使われマニア好みである。

さらに戦闘機が敵の十字砲火の中を進むシーンは、どこからが特撮でどこまでが実写なのかわからない


ほどリアリティがあるのだ。原作は ジェームズ・A・ミッチェナーで日本から淡路恵子が出演している。

トコリとはいったい北朝鮮のどこをさしているのかおそらく原作者の創作の架空の土地だろう。

そして目立つのがグレースケリーの美しさである。ちなみにグレースは日本ロケに参加せず登場シーンは

すべて合成である。悲劇的な最後は戦争の悲惨さを表している。


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posted by ハヤテ at 15:55| 戦争映画

2016年12月22日

「透明人間1954年」河津清三郎三條美紀土屋嘉男

1954年製作の東宝特撮映画「透明人間」は、東宝変身人間シリーズの先駆けともいえる作品である。

テーマは戦時中日本軍の人体実験で透明人間に変えられた哀れな男をめぐる物語である。

銀座のど真ん中でタクシーが誤って人を引いてしまうが、姿は見えない。しかし死体が徐々に浮かびあがる

ように現れるのを見て見物人は驚愕する。轢死した男は透明人間だったのだ。

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そして死んだ男の遺書でもうひとりの透明人間がいることが判明する。

新聞記者の小松(土屋嘉男)は透明人間の正体を突き止めようと取材を開始する。その同じころ発生する

ギャング事件で帝都は恐怖の襲われていた。一方キャバレー「黒船」のピエロの南条は近くに住む盲目の少女

まりの面倒をなにくれとなく面倒みていた。まりの祖父は夜勤で守衛をしていて、孤独な毎日を送っていたのだ。

しかしまりの祖父はある夜強盗に襲われて殺されてしまう。

そのころ透明人間の行方を追っていた小松はついに南条のアパートを発見した。南条(河津清三郎)は小松を信用して

自分が戦時中軍の人体実験で特攻兵器として透明人間に改造されたことを打ち明ける。

ピエロの衣裳をひとつづつ脱いでいくと南条は完全に見えなくなり小松は驚くが・・・


そして帝都を震撼させたギャングの頭目は黒船を根城にした悪党であることがわかるが、ギャングは南条に

すべての罪を着せようとしていたのだ・・・

この映画の特撮シーンは円谷英二が担当しているが、通帳や電話が宙に浮いたりスクーターが無人で


走行したりするシーンは今見ても違和感がなくよくこの時代に撮影できたものと感心する。

また透明人間と格闘する役者は一人演技を自然に見せないといけないので大変だったと思う。

透明人間役には悪役で有名な個性的な河津清三郎が珍しく善良な役を演じている。

ピエロのメイクをしているのでほとんどわからないが・・そして南条の恋人役は当時のトップスターの

三条美紀が演じている。監督は「ゴジラの逆襲」の小田基義。どことなく哀愁がある映画である。


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posted by ハヤテ at 21:01| 特撮

2016年12月18日

「八仙飯店之人肉饅頭」アンソニーウォン、サイコパスの狂気

「八仙飯店之人肉饅頭」はマカオで実際に起こった事件を基にしたホラースプラッター映画である。

いきなり最初から殺人シーンでこの映画は始まる。主人公のウォンは相手の頭を壁にぶつけてかち割り

火をつけて香港からマカオに逃亡する。このときパスポートを偽造するがその写真が完全にイッテいる人

の表情なのである。場面が変わってマカオで八仙飯店の店主におさまったウオンは、応募してき男を

すぐに採用する。包丁を使わせて大丈夫のようだったので男は採用になったのだ。

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しかしある時マージャンをしていたウォンを見ていた従業員の男はウオンのいかさまを見破った。

これに怒ったウォンは、従業員に後ろから襲い掛かり伝票差しを男の目に打ち込んだ。のたうちまわる男の頭を

さらに大型のおたまで殴り撲殺するのだった。

男の死体は中華包丁で刻まれてミンチにされ、饅頭になって客に出されるのである。

次にウォンは女従業員に手をかけ、割りばしを陰部に差し込んで殺害する。冷酷そのものである。


そのころマカオ警察は前の八仙飯店店主が行方不明になったとして親族から捜索願いを受けていた。

ウォンが怪しいとみて取り調べるがしぶといウォンはなかなか口を割ろうとしない。

結局ウォンは拘留されるがウォンの殺された別の親族の男が報復に出たのだ。

徹底的にリンチされ半殺しにされるウォンだったが、それでも耐え抜き、空き缶の切り目で手首を斬って

自殺を図ろうとする。しかしさすがのウォンも警察に自白剤を打たれて白状しはじめる。

その内容は想像を絶する恐ろしいものだった。・・・
「八仙飯店之人肉饅頭 」は、1985年のマカオで起きた八仙飯店一家殺害事件がベースになっている。

主演のアンソニーウォンの狂気演技が凄く、眼鏡の奥にある眼の異様な輝きが恐ろしい。

とにかくすべての殺し方が残酷そのもので子供の殺人シーンは目をそむけたくなるほどである。

サイコパスとはどういうものかこの映画を見るとよくわかる。日本でもアメリカでも無理で香港でしか作れない映画

だろう。対サイコパスの教訓映画で参考になると思う。私は凶器に使われる中華包丁を見ると条件反射で

この映画を思い出してしまうのだ。配給はゲテモノ映画好きなアルバトロスフィルムである。

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posted by ハヤテ at 16:56| 犯罪映画

2016年12月16日

「誰が為に鐘は鳴る」アーネストヘミングウェイゲーリークーパーイングリットバーグマン

「誰が為に鐘は鳴る」はヘミングウェイのベストセラー小説を映画化したアメリカ映画である。

舞台は1930年代の内戦下のスペインで、自ら人民戦線の義勇軍として参加したヘミングウェイの体験が

反映されている。

主人公の大学教授ロベルト(ゲーリークーパー)はファシストフランコに支配された人民たちの力になろうと内戦に

参加する。

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山岳地帯で闘うゲリラと合流したロベルトだったが、アメリカ人ということからゲリラたちに怪訝に思われる。

ロベルトは橋を爆破することを任務としていたが、ゲリラのボスであるパブロ(エイキムタミロフ)はやる気がなく

ロベルトと常に対立していた。

しかし妻のピラー(カティーナ・パクシヌー)は女ながら度胸がありロベルトとは気が合い、実質的にゲリラを

指揮していたのだ。

敵の攻撃がいつあるかわからな緊張の日々で、仲間の一人の若い女性マリア(イングリットバーグマン)

との逢瀬だけがロベルトの心安らぐ時だった。

二人の思いを知るピラーは気を効かせて二人きりにするが、任務やパブロとの確執の中で恋にひたる

余裕はロベルトにはなかった。

そんな中でもファシストの侵攻はこの山にもおよび仲間のエルソルドたちはコンドル軍団の爆撃を受けて

壊滅してしまったのだ。

ロベルトはマリアに未練を残しながら橋の爆破という危険な任務に没頭しようとするが・・・


あまりに有名な名作だが製作は1943年で第二次大戦中のさなかである。日本では戦後公開されたが

私も最近まで戦前の映画とは知らなかったのだ。それほど古さは感じさせず戦争をテーマにしているが

人間ドラマと恋愛ドラマが中心で後半になって内戦の緊迫感が濃く出てくる。

マリア役のバーグマンの輝くような笑顔と白い歯が非常に目立ち、クーパーは男前だかあまり演技はうまく

ない。バーグマンの歯が整いすぎているので、おそらく義歯か矯正手術をしたのだろう。

ゲーリークーパーは60歳で亡くなっているが今の時代からすると若すぎる。スタローンやシュワルツェネッガーより

遥かに若くて死んでいるのだ。

脇役のエイキムタミロフやカティーナ・パクシヌーの演技力は光るものがある。

題名の「誰がために鐘は鳴る」はジョンダンの説教から引用されている。

ラストシーンのロベルトの「僕は君の中で永遠に生き続ける」のセリフが感動的である。

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posted by ハヤテ at 17:01| ドラマ

2016年12月13日

「博打打ちいのち札」鶴田浩二、渡瀬恒彦、若山富三郎、安田道代

1971年製作の「博打打ちいのち札」は鶴田浩二主演の任侠映画である。

関東岩井一家の若頭相川清次郎(鶴田浩二)は、日本海に面する直江津の町へ旅に出たが立ち寄った

芝居小屋で女芸人の静江(安田道代)を見初める。二人は契りを結び1年後の結婚を約束する。

しかし静江は清次郎の正体は知らなかった。東京へ戻った清次郎は岩井一家のシマで暴れまわる新地会と

対立しチンピラたちを斬りつけて5年の刑に服することになった。このことが結局静江とは再会できず

約束を果たせなかったのだ。

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一方静江も旅芸人の仕事を続けることが難しくなっていた。岩井一家の組長は静江の面倒をみたことを


きっかけ妻にと望んだのである。静江は未練がありながら再開がかなわず清次郎のことをあきらめて

岩井の妻になる。

このことを岩井組長の面会で知った清次郎は複雑な気持ちだった。そのころ新地会はますまず増長し

海岸の埋め立て工事を引き受けた岩井一家に嫌がらせを繰り返す。そして殺し屋金原(天本英世)を差し向けて

岩井組長を殺害してしまう。

だがこの事件の黒幕には意外な人間が関わっていたのである。次に刑期を終えた清次郎は一家に戻って

くるが待っていたのは組長の死という現実だった。そして静江と意外な形で再会するがもはや二人の立場は

かってのものではなかった・・・

典型的な完全懲悪な任侠もので鶴田浩二が悪党どもの策略に耐えに耐えて、ラストに大爆発するいつもの

パターンである。だが結末がわかっていても楽しめるのは日本人だからだろうか。


鶴田の片腕役に若山富三郎が演じ、若衆役で若き日の渡瀬恒彦が出ている。監督は山下耕作。

ラストで血の川を鶴田が悪人を斬りまくりながら渡るシーンは壮絶である。

DVDは出ていないがアマゾンインスタントビデオで格安で鑑賞できる。脚本は「仁義なき戦い」の笠原和夫。

posted by ハヤテ at 16:37| やくざ映画

2016年12月05日

「人類SOS! トリフィドの日」ジョン・ウィンダムハワードキール食肉植物

1962年のイギリス映画「人類SOS トリフィドの日」は、ジョンウインダムの小説「トリフィド時代」の映画化作品

である。

地球にかってなかったほどの流星群が訪れたとき、その光を見たものは失明した。地球上の大半の人間は盲目

となり途方にくれたのである。

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しかしたまたま目の手術をしていた船員ビル(ハワードキール)は、そのとき目に包帯をしていて難を逃れたのである。

町へ出たビルは多くの盲目の人々から頼られるがひとりでできることは限界があった。そんなとき一人の目の見える

少女スーザンと出会ったビルは突然現れた食用植物トリフィドの襲撃から逃れ車で町を後にする。

そのころ辺鄙な土地の灯台で研究を続けてい生物学者トム夫婦は、このうんざりした土地から引っ越しを考えて

いた。しかしラジオを聞いてみると何やら想像を超える異変がこの地球に起こったことがわかった。

だがその夫婦の足元にすでにトリフィドの脅威が迫っていたのだ。トムはなんとかトリフィドを倒して解剖し

その正体を突き止めようとするがスキを見せた瞬間トリフィドは生き返り逃げ出してしまったのである。

トリフィドの脅威はニューヨーク、日本、など世界各地におよび人類破滅の危機が訪れた中でトムはスーザンを

伴ってパリを訪れた。そしてパリから南フランスへと移動したとき大邸宅に住んでいる女主人デュランドと

知り合う。トムは避難することを進めるが盲人たちを見捨てることはできないとデュランドは拒むのだった・・・

この原作はラジオやテレビで何度もドラマ化されていて「宇宙戦争」と共通するテーマを扱っている。

無敵に思えたトリフィドも意外にもろく最後は哀れである。

怪物の造形はマタンゴに似ているがこちらの方が早いのでマタンゴやウルトラQに影響を与えたと思う。

古典SFの傑作で展開が読めるがそれでも面白い作品である。余談だが日本のシーンで出てくるアナウンサーが

中国語なまりの日本語を使うのは爆笑してしまった。

トリフィドの日




posted by ハヤテ at 17:02| SF映画
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