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2015年03月31日

仲代達矢ダリオアルジェント「野獣暁に死す」

マカロニウエスタンも数あるが、日本人が初めて出演したのが、1968年の「野獣暁に死す」だ。


主演は、アメリカから招かれたモンゴメリーフォードことブレットハルゼイで「蝿男の逆襲」にも出ている。



監督のトニーノチェルビは、ミケランジェロアントニオーニの「赤い砂漠」の製作を担当した。


監督は、仲代達矢のファンで「用心棒」を見ていたという。この作品は黒沢明に対するオマージュとして


つくられた作品でもある。


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オープニングは、留置所の独房で木製のリボルバーでひとり早撃ちの練習を繰り返すひげズラの男のシーンで


始まる。男の名はビルカイオワ(モンゴメリーフォード)。ビルは4年の刑期を終えて釈放されるが、男の頭の中にはある人間に対する復讐のこ

としかなかった。


この練習はそのためであったのだ。

男は出所すると友人のもとに預けていた巨額のドル札を受け取り、報酬と引き換えに腕の立つ仲間を集めた。


最初に声をかけたのは大男のオバニオン(バッドスペンサー)だった。オバニオンは巨額の報酬目当てにさっそくビルの

誘いに応じ


仲間になる。次の今は保安官をしている賞金稼ぎと仲間が増えてゆく。この保安官が立ち去るとき留置所の


犯罪者に次の保安官になるよう命じるシーンは思わず笑った。

ビルが単独ではなく腕の立つ仲間を募ったのは復讐の相手フェーゴ(仲代達矢)が今は強盗団の首領になっており

その残忍さは群を抜いていたからだ。

ビルはその昔友人だったフェーゴにカイオワ族出身の妻を殺され濡れ衣を着せられて獄につながれたのである。


フェーゴは八つ裂きにしても足りない相手だった。

ビルはフェーゴの仲間を殺害し追い詰めたかに見えたが奸計にはまりオバニオンともどもとらわれの身になる。


ビルは再びフェーゴの罠にはまり身体極まったかに見えたが・・・

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マカロニとしては異色作で、仲間集めは「七人の侍」から来ているようだし、仲代が手に持つ青龍刀のような

変な刀はいかにも恐ろしげである。

この刀が出てくるとき東洋的な効果音が出てくるのも妙だ。仲代はメキシコ人との混血という設定で最初から


最後まで目が異様にぎらついている。だが他の白人俳優と並んでも違和感なく見劣りしないのはさすがだ。

脚本は、無名時代のダリオアルジェント。


最後のフェーゴとの対決シーンはマカロニによく出てくる砂漠ではなく白樺の林というのも欧州的である。

マカロニにでお馴染みのバッドスペンサーもいい。フランチェスコラヴァニーノの音楽も軽快で楽しい。

2015年03月30日

ジャンクロードヴァンダム、ボロヤング「ブラッドスポーツ」


ブルースリー亡き後、多くの格闘スターが生まれたが中でも、80年代後半から90年代にかけて活躍した


ジャンクロードヴァンダムははずせないだろう。


ヴァンダムは小柄ながら、端正な容姿と華麗な技でスクリーン映えするスターである。


ヴァンダムは、空手出身でキックボクシングもやっていた本物の格闘家である。

チャックノリスの作品にも出ていて、1988年の「ブラッドスポーツ」が初主演作品である。



内容は、日系人に空手を習った海兵隊員のフランク(ヴァンダム)が香港で行われる地下格闘大会組手に参加

し激闘を行うシンプルなストーリーである。

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オープニングは、香港の雑踏の風景で「燃えよドラゴン」を彷彿させる。

フランクが日系人の空手の訓練を受けるシーンでは、水槽のなかの魚を素手で掴んだり、目隠ししたまま


配膳の用意をしたりあるいは木に両足をしばりつけて股裂の状態で開脚したりと次々とユニークな


場面が展開される。

ヴァンダムの身体の柔らかさは驚異的で股割りを軽々とやってのけるのはバレーの経験があるからだろうか。

師匠の教えを受け香港に渡ったフランクだったが、地下大会組手に参加するのには腕を示すテストがあった。


フランクは、見事にレンガを素手でくだいて実力を見せつける。

しかし、それを見ていた優勝候補の空手家チョンリー(ボロヤング)にいちゃもんをつけられる。「レンガは反撃しない」


と一言いうのだがこのセリフは「燃えよドラゴン」でブルースリーが「板は打ち返さない」のパクリではないか。


おそらくリーに対するオマージュでこのセリフを加えたのだろう。


そうしているうち大会は進みムエタイ、プロレスラー、相撲とあらゆる格闘家が現れ姿を消してゆく。


フランクの最初の相手は口だけ達者だが簡単に敗れフランクは勝ち進んでゆく。


しかしライバルのチョンリーは強くフランクの親友ジャクソンは大怪我をさせられてリタイアとなる。

そしてついに決勝でフランクはチョンリーと対戦する。


フランクのスピードある蹴りがヒットし戦いは優位に進んだと思えたがチョンリーは卑怯にも粉末を取り出して

フランクの目をつぶす。絶対絶命のピンチに陥ったフランクだったが・・・

ヴァンダムの肉体は鍛え抜かれていて美しい。技の切れも何度も見せる開脚のすごさも見栄えがする


俳優である。ボロヤングのチョンリーは太極旗のハチマキをしていることから韓国人という設定だろう。

燃えよドラゴンのころより身体は引き締まっている。


脇役に無名のころのフォレストウイテカーが出演している。


映画の前半は「ベストキッド」中盤以降は「燃えよドラゴン」といったところか。


B級ながら楽しめる作品である。


DVDは現在入手困難である。

2015年03月29日

中井貴一高村薫、崔洋一「マークスの山」


高村薫が、直木賞を受賞したサスペンス小説「マークスの山」は、傑作と評判だが、この原作を崔洋一が映画化した

1995年作品は、のっけから恐縮だが駄作としかいいようがない。

暗く陰険で何の救いもない映画である。テーマが心にトラウマのある男の連続殺人であるから暗いのはしかた

ないととしても映画の出来も悪い。

東京目黒で暴力団の男が殺される。死体にはピッケルを打ち込んだような穴があいていた。

続いて法務省刑事課長松井が殺害されるが暴力団の男と同じようなきずがあった。

警視庁捜査一課七係りの合田雄一郎(中井貴一)はさっそく捜査を開始する。一見何の関係もない二人であったが

共通の知人で林原弁護士(小林稔侍)が浮かび上がった。しかも林原と松井は修学院大学時代山岳部の
 
同期であった。

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事件の背景には極左集団の内ゲバがあった。だが林原は何者かに脅されていたことを捜査中、合田は知る。

そのころ暴力団によって高木真知子(名取裕子)という看護師が銃弾に倒れた。彼女の受け持ちに精神疾患を患って

いた水沢裕之(萩原聖人)という男がいて今は愛人関係らしい


事件に不気味なものを感じながら合田は犯人を追い詰めてゆく。

とあらすじだけ述べてみると面白そうだが、実際映画を見てみるとストーリーがわかりにくく、犯人のマークスが

なぜ

連続殺人を犯すのかの必然性もない。


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ピッケルで歯をくだいたり、鉄パイプで林原が水沢の頭部を叩きまくったり血まみれの死体がでてきたり

やたら残酷でグロいシーンも多い。

名取裕子の大胆なヌードも出てくるが唐突で特に映画の流れとも関係ない。

盛り上がりにかけ、ラスト近くこれからクライマックスかと思っていたらあれ〜な終わり方で最後まで期待を

裏切る作品である。

敷いて褒めるなら合田の臨場シーンと帳場の設定に少しリアリティがあるぐらいか。

まだ売り出す前の若き日の西島秀俊が合田の部下を演じている。合田の同僚にこれまたくせのある


古尾谷雅人やVシネでお馴染みの遠藤憲一が出演している。


俳優もよく原作も評価が高いだけに残念な作品である。


DVD化されていないのも作品の質が低いからであろう。VHSは出ています。



なお原作は2010年上川隆也主演でテレビドラマ化された。


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タグ:高村薫
posted by ハヤテ at 14:46| サスペンス

2015年03月26日

宇津井健藤巻潤「ザ・ガードマン東京用心棒」


宇津井健と言えばどんな作品を思い出すだろうか。特撮ファンなら「スーパージャイアンツ」のもっこり、昭和のファンなら


山口百恵の「赤いシリーズ」、比較的最近のファンなら「ごくせん」の昔気質のやくざ等、たくさんの映画、テレビドラマに


出演しているので日本でもっとも知名度の高い俳優である。


だが、やはりこの人の代表作は、TBSのテレビドラマ「ザ・ガードマン」だろう。1965年に「東京警備指令ザ・ガードマン」


としてスタートしたこの番組は、350回も続いた長寿番組でその独特のテーマ曲とともに高度成長期に最も日本人に


親しまれた番組だろう。


夜9時半に始まることから小学生だった私はなかなか親に最後まで見せてもらえなかったが・・・

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テーマは、まだ始まったばかりの警備業をテーマに高倉隊長(宇津井健)率いる警備会社東京パトロールのガードマンたちが


様々な難事件を解決するといったもので頑丈な体格と生真面目な風貌の宇津井にこの役はぴったりはまっていた。


また、それ以上に宇津井以外のチームメンバーが個性的で独特のキャラを持っていてこれが又このドラマの魅力


のひとつである。

メンバーは、藤巻潤、川津祐介、倉石功、稲葉義男、中条静夫、神山繁と当時の若手からベテランまで揃えており

今では考えられないラインナップである。

そしてこのドラマは大映によって映画化されていてその中の1本に「ザガードマン東京用心棒」がある。


ストーリーは、香港から東京にきた貿易商ネルソンを高倉(宇津井健)率いる東京パトロールが護衛を引き受けたが謎


の組織によって誘拐される。

高倉の部下清水(藤巻潤)はさっそくネルソンの宿泊していたホテルに張り込みコールガールゆきこ(渚まゆみ)を見つ


け問い詰める。


清水はネルソンの部屋でダイヤを仕込んだゴルフボールを発見しネルソンが密貿易に手を染める裏の顔をもつ


ことを知る。

高倉は、ネルソンが飛行機で香港からの移動中にネルソンにひつこく言い寄られていた美しい女性を助けた。


女性(久保菜穂子)は東京の大きなクラブのママであったが、実は闇の組織のメンバーでもあったのだ・・・


映画には、指向性マイクやタバコの箱に仕込んだ発信機など小道具が出てきてスパイ映画のようでもある。


だが、高倉が拳銃で敵を倒したりする場面などは日本では警察やGメン、自衛官以外銃を所持できないので


しらけるが当時はわりとそのあたりの考証はいいかげんだったので仕方ないだろう。


DVD化はされていないがVHSは出ています。テレビドラマの方は、DVDBOX化されています。


当時を知る方がには懐かしい作品です。

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posted by ハヤテ at 13:22| アクション映画

2015年03月24日

溝口健二市川雷蔵「新平家物語」


完璧主義で知られる溝口健二監督が、市川雷蔵を平清盛役で撮ったのが、吉川英治原作の「新平家物語」である。


溝口といえば芸術映画のイメージがあるが、この作品は小難しいところはなく、若き日の清盛の苦闘を焦点に時代の移り変わり


と武家の台頭を描いている。

平安時代末期、栄華を極めた藤原一族にも陰りが見え始めて、武家の力を借りなければ権勢を維持するのが


難しくなっていた。

そのころ平忠盛は、西国の海賊征伐より凱旋していたが、藤原家からは何の恩賞もなかった。

忠盛の子、清盛(市川雷蔵)は、公家のために命をかけ自ら血を流した武士たちがなんら報いられることのないことに不満で

爆発しそうであった。

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そんな藤原家にあっても藤原時信(石黒達也)だけは、なにかと忠信をかばったが恩賞のことで藤原家と対立し隠居させられた。


時信を心配して父忠盛の命で屋敷を訪れた清盛は娘の時子(久我美子)に心を惹かれた。


しかし、街の噂で清盛は自分のほんとうの父は白川上皇で母は白拍子であったと聞き驚愕し


思い悩んだ。


一方、忠盛は延暦寺と朝廷の争いを解決し殿上人として遇されることになった。



だが身分の低い武士の昇格に公家たちはこころよく思わず昇殿したときに忠盛を亡きもののしようと


闇討ちを計画、しかしことを知った清盛は事前に待ち伏せして公家の野望を阻止した。


公家の計画は失敗したが報復に時信は藤原一族を追放される。


しかし、清盛は時子を嫁に迎え時信一家は平氏となる。穏やかな日々が続くと思われたとき、義弟の時忠が



神社の境内で叡山の荒法師ともみ合いここに叡山と平氏の前面激突が始まった・・・


この映画を見ると日本史において、鎌倉、室町、安土桃山、江戸と日本の支配者であった武士もこのころは身分が低く、


公家や寺社から奴隷のように扱われていたことがよくわかる。


なかでも公家の武家に対する差別意識は凄まじい。又、仏に使えるべき僧たちが武装化し、政治に容喙し


無法の限りをつくしていたことも描かれている。


後に信長に焼き討ちされたのもやむを得なかったのではないか。

主演の雷蔵は映画に転向して間もないころであり初々しい演技が見られる。ゲジゲジのつけ眉毛が違和感が


ありすぎだが。


時子を演じる久我美子もいかにも貴族らしい気品がある。

美術やセットも溝口らしい凝り方で絢爛豪華であり、モブシーンも今では撮れない迫力で、長回しのカメラワークが

抜きん出ている。

作品は大映のシリーズもので三部作であるが、DVD化されているのはこの作品だけである。
タグ:溝口健二
posted by ハヤテ at 14:30| 時代劇

2015年03月22日

梶芽衣子石井輝男「怪談昇り竜」


日活が、映画の斜陽で、大映と配給元を統合しダイニチ映配として出発したころに作った映画のひとつに



梶芽衣子主演、石井輝男監督の「怪談昇り龍」がある。このあとしばらくして日活はロマンポルノ路線に走る。



梶が、「野良猫ロックシリーズ」で日活で売り出し中の作品で、まだ「さそり」とは出会っていない。



題名に、怪談とついているが、実際は、女任侠映画で石井監督のアングラテイストのあふれる作品である。

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関東立花一家二代目総長立花明美に梶が扮し、最初のシーンは対立する剛田組との抗争斬り合いで始まる。


明美が剛田を斬ったとき、その妹が割って入ったため誤って妹の目を明美は斬ってしまう。


そのとき妹の可愛がっていた黒猫が明美に飛びかかってきた。


明美の子分たちは背中に龍の刺青を入れていたが、猫のたたりか次々と龍のいれずみをした子分たちは


刺青を剥ぎ取られて殺されていった。


そのころ、立花一家の庭場を極悪の土橋組が狙っていた。


しかし、明美の筋を通すやり方に共感し一匹狼の谷(佐藤允)が味方になった。


だが、土橋のもとに盲目の女剣士(ホキ徳田)が訪ねてきて自分を用心棒として雇えというのだ。


女の腕は確かで土橋はこの女を雇うことにした。


作品は、いかにも石井ワールド全開で、血しぶき生首、見世物小屋、土方巽のせむし男とカルト趣味


丸出しである。


悪役にも、安倍徹、大辻四郎、内田良平と曲者ぞろいで梶の忠実な.子分に当時よく活躍していた


砂塚秀夫が扮している。


さそりと又違う味を梶が出しているが、ホキ徳田の女剣士もよかった。


古き良き昭和のかおりが漂う作品である。
posted by ハヤテ at 13:45| ホラー映画

2015年03月21日

イタリア製サンダル映画セルジオレオーネ「ロード島の要塞」


1961年のイタリアで作られた「ロード島の要塞」は、紀元前のロドス島の巨像をモチーフにしたいわゆる



サンダル映画で史劇アクションである。私の初見はテレビの日曜洋画劇場だったと思う。



監督は、マカロニウエスタンで売り出す前のセルジオレオーネで主演にアメリカよりロリーカルホーンを


迎え、B級ながらそこそこ面白い作品となっている。


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舞台は、紀元前3世紀のエーゲ海にうかぶ平和な島ロード島、この地に休息のため訪れていたアテネの戦士


ダリオ(ロリーカルホーン)が、島を侵略しようと野望を燃やすフェニキア人とその手先の売国奴と戦う物語である。


前半は、テンポも遅くあまり見せ場もないためだるいが、中盤からレオーネは俄然器量を発揮してくる。


剣によるアクションは見ごたえがあるし、奴隷を鐘に中に入れて鉄棒で叩く拷問シーンは見るだけでつらい。


奴隷をライオンのいる穴ぐらに落とそうと処刑人が矢を放つが逆に穴に落とされたり、ベンハーに出てくるような



チャリオットも登場し飽きさせない。


レオーネは、このとき既に、アメリカ映画「ベンハー」でサブ監督をつとめていて史劇はお手の物だったわけだ。



ロード島につれてこられた奴隷が実は奴隷に扮したフェニキア人の兵隊だったエピソードは、トロイの木馬


思い出すエピソードである。


まだまだ未完成で脚本も甘く、構成もよくないがレオーネの後の活躍の萌芽は見られる。カルホーンは正統派の



役者だが、この作品では演技はいまいちという気がする。


しかし無数に作られたイタリア製史劇のなかではいいほうではないだろうか。
posted by ハヤテ at 15:39| 歴史映画

2015年03月18日

中村錦之助「風雲児織田信長」


中村錦之助が、宮本武蔵役の前の当たり役は、織田信長だった。山岡荘八原作の「織田信長」の映画化である。

この映画は、錦之助が自ら主演した「紅顔の若武者織田信長」のリメイク作品でもある。


信長16歳のとき、父を失い葬儀の席に、うつけの姿で現れた信長を見て列席のものたちは眉をひそめた。

斎藤道三の娘で信長の妻膿姫だけは信長の深い悲しみを感じ取るのだった。

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信長の家臣平手政秀(月形龍之介)は、織田家当主の自覚のないように見えるうつけの姿を見て前途を悲観して切腹して死んだ。


だが信長のうつけは敵を油断させるためでありその真意が伝わらず信長は政秀の死を嘆いた。

そのころ膿姫(香川京子)の父、道三は尾張を虎視眈々と狙っていた。


膿姫は父道三の恐ろしさを知っていたので信長が道三と会見することをひどく反対した。



とまれ、道三は会見を理由に信長の命を狙っていたのである。しかし、信長は用意周到に大勢の鉄砲隊や槍軍団を



引き連れて道三の領内に入った。

これにはさすがの道三もたじろぎ逆に信長を認め酒を酌み交わし談笑までしたのである。


しかし一難去って又一難、駿河の大名、今川義元が尾張を侵略しようと4万の大軍で尾張へ攻め込んできたのである。


必死の防戦に務める織田軍であったが奮闘むなしく次々に撃破され織田の敗北は近いと思われた。


部下の心配をよそに悠然と構える信長に部下たちもあきれるが突如信長は立ち上がる。


そのころ常勝に気をよくした義元は、田楽狭間で悠々と休息をとっていて部下たちも勝利を確信して



酒や踊りでたるみきっていた。そのとき突如豪雨が降り注ぐ中怒涛のように織田軍は義元の陣営に攻め込んできた・・・


この作品をみるとやはり錦之助は演技がうまいと思った。ストーリーは戦国に興味のあるものなら承知だが


非常にわかりやすい。


木下藤吉郎に弟の中村嘉葎雄が扮している。

監督は河野寿一、脚本は結束信二両者は後のテレビシリーズ「燃えよ剣」でもコンビを組んでいる。

残念ながらDVD化されていない。VHSは出ています。


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posted by ハヤテ at 15:09| 時代劇

2015年03月16日

松岡きっこ金子信雄「吸血髑髏船」


松竹が、60年代後半「吸血鬼ゴケミドロ」に続いて製作したホラー映画が「吸血髑髏船」である。


ヒロインには、当時人気の美人女優松岡きっこを迎え、脇に、岡田真澄、小池朝雄、内田朝雄、金子信雄という

くせものを揃えている。


物語は、金塊を積んだ船竜王丸をギャングが襲撃し、乗客を皆殺しにすることから始まる。

ギャングたちは、金塊を山分けし街に溶け込んでいた。


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そのころ、ギャングに殺された依子の妹冴子(松岡きっこ)は、教会に引き取られ神父(岡田真澄)のしたで信仰の生活を送っていた。


恋人(入川保則)もでき平穏な生活を送っていた冴子だったが、恋人望月と海でダイビングしていて偶然ドクロの群れと


不気味な難破船に遭遇する。



船は乗客が皆殺しにされた竜王丸だった。


死んだ姉の怨霊に導かれて冴子はギャングたちへの復讐を開始したのだ・・・


松岡きっこの美しさが目立ち、金子、内田、小池らの演技が光るが、今ひとつ中途半端な映画である。


純粋なホラーでもなく、ミステリーのようでもない。




髑髏は不気味だが単なる小道具で落ちもない。


ほんとうの悪役はバレバレで謎ときの面白さにもかけるのだ。せっかくいい俳優を揃えながら残念な作品である。


撮影は、横須賀で船を借りて行ったらしいが、それにしては生かしきれていない。


脚本は、「皇帝のいない八月」の小林久三。


監督は、松野宏軌。

posted by ハヤテ at 15:13| ホラー映画

2015年03月14日

内田吐夢中村錦之助「宮本武蔵巌流島の決闘」

 ひとりで吉岡一門を全滅させた武蔵は、再び修行の旅に出る。旅の途中で出会ったひとりの少年が大きな刃物を


研いでいた。理由を訪ねてみると少年はその刃物で死んだ親を切断して供養したいという。


事情を知った武蔵は、少年を諭し仏を少年とともに供養した。少年の亡くなった親は、播州の地侍で少年の名は


伊織といった。

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武蔵はしばらく少年とともにこの地で過ごし田畑を開墾した。しかしせっかくの収穫のコメを野盗に奪われ武蔵は


怒り野盗を切りまくった。


野盗を殲滅したあと武蔵は伊織を連れて又修行の旅に出た。


そんなときふらりと立ち寄った刀研の店で小次郎の長剣を武蔵は偶然見かける。


そのころ小次郎は、豊前小倉の細川家で指南役となっていた。


一方武蔵もその腕を買われ将軍家指南役として北条安房守が迎え入れようと話をしていた。


北条の屋敷で沢庵和尚と再会する武蔵であったが、指南役の件は武蔵が吉岡の少年を斬ったことから


品位にかけるとして結局断られしまう。



そしてかねて武蔵との決着を望んでいた小次郎から決闘状を受け取る。


細川家では、やじうまを避けるため、小倉と赤間関との間の小さな島、舟島を決闘の場所に指定した。


画してここに巌流佐々木小次郎と武蔵の決戦のときを迎えることになったのである。


前髪たちの少年の面影が残る小次郎だが一説のよると60歳を超えていたという話もある。


しかし、当時は勝ったとしても莫大な報酬があるわけでもなく負ければよくて不具、即死につながる決闘を

やった両者の心はいかなるものだったのだろうか。

シリーズ最終章にふさわしい名作である。
タグ:巌流島
posted by ハヤテ at 14:53| 時代劇
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