2015年03月29日
中井貴一高村薫、崔洋一「マークスの山」
高村薫が、直木賞を受賞したサスペンス小説「マークスの山」は、傑作と評判だが、この原作を崔洋一が映画化した
1995年作品は、のっけから恐縮だが駄作としかいいようがない。
暗く陰険で何の救いもない映画である。テーマが心にトラウマのある男の連続殺人であるから暗いのはしかた
ないととしても映画の出来も悪い。
東京目黒で暴力団の男が殺される。死体にはピッケルを打ち込んだような穴があいていた。
続いて法務省刑事課長松井が殺害されるが暴力団の男と同じようなきずがあった。
警視庁捜査一課七係りの合田雄一郎(中井貴一)はさっそく捜査を開始する。一見何の関係もない二人であったが
共通の知人で林原弁護士(小林稔侍)が浮かび上がった。しかも林原と松井は修学院大学時代山岳部の
同期であった。
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事件の背景には極左集団の内ゲバがあった。だが林原は何者かに脅されていたことを捜査中、合田は知る。
そのころ暴力団によって高木真知子(名取裕子)という看護師が銃弾に倒れた。彼女の受け持ちに精神疾患を患って
いた水沢裕之(萩原聖人)という男がいて今は愛人関係らしい
事件に不気味なものを感じながら合田は犯人を追い詰めてゆく。
とあらすじだけ述べてみると面白そうだが、実際映画を見てみるとストーリーがわかりにくく、犯人のマークスが
なぜ
連続殺人を犯すのかの必然性もない。
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ピッケルで歯をくだいたり、鉄パイプで林原が水沢の頭部を叩きまくったり血まみれの死体がでてきたり
やたら残酷でグロいシーンも多い。
名取裕子の大胆なヌードも出てくるが唐突で特に映画の流れとも関係ない。
盛り上がりにかけ、ラスト近くこれからクライマックスかと思っていたらあれ〜な終わり方で最後まで期待を
裏切る作品である。
敷いて褒めるなら合田の臨場シーンと帳場の設定に少しリアリティがあるぐらいか。
まだ売り出す前の若き日の西島秀俊が合田の部下を演じている。合田の同僚にこれまたくせのある
古尾谷雅人やVシネでお馴染みの遠藤憲一が出演している。
俳優もよく原作も評価が高いだけに残念な作品である。
DVD化されていないのも作品の質が低いからであろう。VHSは出ています。
なお原作は2010年上川隆也主演でテレビドラマ化された。
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タグ:高村薫
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