2015年03月22日
梶芽衣子石井輝男「怪談昇り竜」
日活が、映画の斜陽で、大映と配給元を統合しダイニチ映配として出発したころに作った映画のひとつに
梶芽衣子主演、石井輝男監督の「怪談昇り龍」がある。このあとしばらくして日活はロマンポルノ路線に走る。
梶が、「野良猫ロックシリーズ」で日活で売り出し中の作品で、まだ「さそり」とは出会っていない。
題名に、怪談とついているが、実際は、女任侠映画で石井監督のアングラテイストのあふれる作品である。
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関東立花一家二代目総長立花明美に梶が扮し、最初のシーンは対立する剛田組との抗争斬り合いで始まる。
明美が剛田を斬ったとき、その妹が割って入ったため誤って妹の目を明美は斬ってしまう。
そのとき妹の可愛がっていた黒猫が明美に飛びかかってきた。
明美の子分たちは背中に龍の刺青を入れていたが、猫のたたりか次々と龍のいれずみをした子分たちは
刺青を剥ぎ取られて殺されていった。
そのころ、立花一家の庭場を極悪の土橋組が狙っていた。
しかし、明美の筋を通すやり方に共感し一匹狼の谷(佐藤允)が味方になった。
だが、土橋のもとに盲目の女剣士(ホキ徳田)が訪ねてきて自分を用心棒として雇えというのだ。
女の腕は確かで土橋はこの女を雇うことにした。
作品は、いかにも石井ワールド全開で、血しぶき、生首、見世物小屋、土方巽のせむし男とカルト趣味
丸出しである。
悪役にも、安倍徹、大辻四郎、内田良平と曲者ぞろいで梶の忠実な.子分に当時よく活躍していた
砂塚秀夫が扮している。
さそりと又違う味を梶が出しているが、ホキ徳田の女剣士もよかった。
古き良き昭和のかおりが漂う作品である。
タグ:梶芽衣子、石井輝男、
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