2015年02月10日
歴史スペクタクル「日蓮と蒙古大襲来」
1950年代から60年代にかけて、ハリウッドでは歴史スペクタクル映画がたくさん作られたが、日本でも大映が
いくつか大作を作っている。1958年製作の「日蓮と蒙古大襲来」は、日蓮役にトップスターの長谷川一夫を迎え
た大作である。戦後、元寇を扱った映画は少なくこの作品はその数少ない一本である。
鎌倉時代、幕府や僧侶は腐敗し、天変地異は相次ぎ民衆の生活は追い込まれていた。修行を終えて故郷の安房に
帰った日蓮は、日本の柱になることを決意する。舌鋒鋭く、他宗を攻撃する日蓮は当然のごとく他宗派と軋轢を
生むが、鎌倉で辻説法を行う。日蓮の情熱にうたれ天台僧日昭(黒川弥太郎)が弟子になる。
鎌倉に庵を結んで日蓮は法華経の布教を行い、国難が近いことを予言する「立正安国論」を幕府に提出する。
不穏人物として幕府に目をつけられた日蓮だったが大地震のどさくさで幕府に捕らえられ伊豆に流される。
しかし日蓮の真摯な気持ちを知った若き執権北条時宗(市川雷蔵)は流罪をとく。
そのころ、日蓮の予言通り蒙古の使者が博多にあらわれ幕府とよしみを通じたいと国書を持って現れる。
しかしその内容は蒙古は日本に服従を要求したもので時宗は使者を追い返す。
そのころ日蓮は国難のときを民衆に訴えるが時宗の意思に反して日蓮をうとましく思っていた幕府の官吏に捕らえられ
龍ノ口で死罪にされそうになる。
引き立てられ民衆の悲鳴が聞こえる中、いままさに日本刀で日蓮の首が切られようとしたとき、突如雷鳴がとどろき
日本刀が真っ二つに折れたのだった。
時宗の使者が現れ、日蓮は今度は酷寒の佐渡に送られた。
しかし、文久11年日蓮が警告したとおり蒙古は大船団を組み、対馬、壱岐で大虐殺を行ったあと博多に現れた。
鎌倉武士たちは必死で防戦するが、てつはうと呼ばれる火薬を使った新兵器や集団戦法や短弓に苦しみ
追い込まれる。そのころ日蓮は祖国防衛のため弟子の日郎、日昭とともに法華経を力の限り唱えるのだった・・・
日蓮宗開祖の日蓮の激烈な生涯と蒙古襲来という歴史的大事件をうまく描いた娯楽作品。
前半は日蓮の布教を中心に描かれていてやや宗教色が強いが、後半の蒙古との戦闘場面はたくさんのエキストラを
使いぜいたくな作りである。しかし上映時間の関係からか、文永の役と弘安の役を一緒にしている。
巨大なプールに、蒙古の船を浮かべ防風で次々に蒙古船が沈んでいくシーンはかなりの迫力とリアリティがあり、CG全盛
の現代では作るのが難しいだろう。
時代劇の大スターであった長谷川一夫の演じる日蓮も穏やかながら重厚な演技で観客を引き込んでゆく。
若き日の勝新太郎が鎌倉武士の四条金吾を演じている。
監督は、「明治天皇と日露大戦争」の渡辺邦男、大作は手馴れたものだったろう。
いくつか大作を作っている。1958年製作の「日蓮と蒙古大襲来」は、日蓮役にトップスターの長谷川一夫を迎え
た大作である。戦後、元寇を扱った映画は少なくこの作品はその数少ない一本である。
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鎌倉時代、幕府や僧侶は腐敗し、天変地異は相次ぎ民衆の生活は追い込まれていた。修行を終えて故郷の安房に
帰った日蓮は、日本の柱になることを決意する。舌鋒鋭く、他宗を攻撃する日蓮は当然のごとく他宗派と軋轢を
生むが、鎌倉で辻説法を行う。日蓮の情熱にうたれ天台僧日昭(黒川弥太郎)が弟子になる。
鎌倉に庵を結んで日蓮は法華経の布教を行い、国難が近いことを予言する「立正安国論」を幕府に提出する。
不穏人物として幕府に目をつけられた日蓮だったが大地震のどさくさで幕府に捕らえられ伊豆に流される。
しかし日蓮の真摯な気持ちを知った若き執権北条時宗(市川雷蔵)は流罪をとく。
そのころ、日蓮の予言通り蒙古の使者が博多にあらわれ幕府とよしみを通じたいと国書を持って現れる。
しかしその内容は蒙古は日本に服従を要求したもので時宗は使者を追い返す。
そのころ日蓮は国難のときを民衆に訴えるが時宗の意思に反して日蓮をうとましく思っていた幕府の官吏に捕らえられ
龍ノ口で死罪にされそうになる。
引き立てられ民衆の悲鳴が聞こえる中、いままさに日本刀で日蓮の首が切られようとしたとき、突如雷鳴がとどろき
日本刀が真っ二つに折れたのだった。
時宗の使者が現れ、日蓮は今度は酷寒の佐渡に送られた。
しかし、文久11年日蓮が警告したとおり蒙古は大船団を組み、対馬、壱岐で大虐殺を行ったあと博多に現れた。
鎌倉武士たちは必死で防戦するが、てつはうと呼ばれる火薬を使った新兵器や集団戦法や短弓に苦しみ
追い込まれる。そのころ日蓮は祖国防衛のため弟子の日郎、日昭とともに法華経を力の限り唱えるのだった・・・
日蓮宗開祖の日蓮の激烈な生涯と蒙古襲来という歴史的大事件をうまく描いた娯楽作品。
前半は日蓮の布教を中心に描かれていてやや宗教色が強いが、後半の蒙古との戦闘場面はたくさんのエキストラを
使いぜいたくな作りである。しかし上映時間の関係からか、文永の役と弘安の役を一緒にしている。
巨大なプールに、蒙古の船を浮かべ防風で次々に蒙古船が沈んでいくシーンはかなりの迫力とリアリティがあり、CG全盛
の現代では作るのが難しいだろう。
時代劇の大スターであった長谷川一夫の演じる日蓮も穏やかながら重厚な演技で観客を引き込んでゆく。
若き日の勝新太郎が鎌倉武士の四条金吾を演じている。
監督は、「明治天皇と日露大戦争」の渡辺邦男、大作は手馴れたものだったろう。
タグ:長谷川一夫、蒙古、元寇、
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