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2015年02月13日

阪田三吉、坂東妻三郎1948年版「王将」


誰もが知っている村田英雄の大ヒット曲「王将」のモデル孤高の棋士阪田三吉の激しくも一途な人生を描いた

傑作が1948年製作の「王将」である。「王将」は何度も舞台化、映画化されているが、終戦直後に作られた


この「王将」は感動的な作品である。


主人公の阪田三吉を坂東妻三郎が将棋にかける阪田の一途な姿を愚直に演じている。

舞台の始まりは、明治末期の大阪、通天閣付近の裏長屋にすむ草履職人阪田三吉は三度の飯より将棋が好きで


その腕は確かで各地の将棋大会を総なめにしていた。

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だが、将棋に熱中するあまり家業もおろそかにして生活費も家に入れず妻と子供は貧乏のどん底で喘いでいた。


そんなとき、たまたま手合わせしたプロの棋士関根七段との一戦で阪田は完膚なきまで打ちのめされ自信を打ち砕か

れた。


三吉はしかしこの悔しさをバネに一層将棋にのめりこんでゆく。


朝日新聞の将棋大会に参加する会費を工面するため三吉は、娘の玉恵の着物を質にいれたことから、妻の小春(水戸光子)は

我慢の限界に達し玉恵を連れて家出し、娘と二人で心中を図ろうとする・・・



話を聞いた三吉は将棋大会も放り出し脱兎のごとく家へ戻る。幸い小春は心中を思いとどまり三吉は将棋をやめること

を誓い将棋の駒を火の中にたたきこんだ。


しかし、小春は三吉の命である将棋をとりあげることができず、どうせやるなら日本一をめざせと励ますのだった。


だが、三吉は長年眼病を患い、失明寸前だったのである。事態は絶望的に思えたが・・・


天才と呼ばれた阪田三吉は、家が貧しく早くから奉公に出なければならなかっため教育を受ける機会がなく字が


ほとんど読めなかったが、トップまで上り詰めた努力の人である。


坂妻の演技も際立っており、時代劇の父と呼ばれた伊藤大輔の演出もさえている。



終戦直後ということもあり、GHQの規制で時代劇が禁止されたため伊藤は苦しんでいたがこの映画を撮ることで


新境地を切り開いた。

それにしても、逆境を跳ね返した阪田三吉の不屈の魂は凄いし、それを支えた奥さんもまた立派だった。
posted by ハヤテ at 15:17| 映画
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