なつかしの映画

新東宝はたくさんの怪談映画を作っているが、江戸時代からの伝承を基にした「怪談本所七不思議」は

天地茂の怪演技が光る傑作である。本所七不思議のひとつの置いてけ堀で、化けそこなって町人に捕まった

たぬきだったが、旗本小宮山左膳とその息子弓之助に助けられたぬきはそのことを恩義に感じていた。

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弓之助は剣の修行のために旅立つが、入れ替わりに甥の権九郎（天地茂）が小宮山家を訪ねてくる。

権九郎はどうしようもない道楽者で左膳は縁を切っていたのだが、生活に困り金を無心にきたのだ。

左膳は金子を与えて権九郎を追い帰すが、後妻おさわは昔権九郎の愛人だったのでよりを戻そうと


迫り体を奪うのだった。そして左膳を逆恨みした権九郎は、左膳の財産もおさわも奪うため、左膳を

待ち伏せして惨殺してしまう。たぬきは恩人を助けようと駆けつけたが間に合わなかったのだ。

弓之助の乳兄妹の八重は左膳の死を嘆き悲しむが、権九郎はいいより無理やり強姦しようとする。

しかし突然弓之助が現れ八重を助け出す。それは弓之助（明智十三郎）に化けた狸の姿だったのだ・・


本所七不思議に題材をとった怪談映画だが二度目の映画化である。しかし新東宝時代の天地茂は極悪人

ばかり演じてる。天地はクールなイメージがあるが、素顔は気さくな人だったようである。


監督は「怪談海女幽霊」の加戸野五郎