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2019年02月22日

左翼政権の行方(二月廿日)



 チェコの首相はいわずと知れたバビシュ氏で、バビシュ氏の所属政党は自ら結成したANOである。政党としてのANOは、一部の党員が左翼政党だと主張することはあるが、バビシュ氏自身は作用句政党であることを否定して、左翼でも右翼でもない、つまりは全方位的な政党だと主張している。しばしば「みんなのための党」という形容を使うことがあって、日本を代表する珍名政党の一つ「みんなの党」を思い出して笑ってしまう。

 市民民主党などの中道から右よりの政党は、しばしばANOに左翼政党のレッテルを貼りつけようとしているが、これは左翼だと批判することによって、2013年の下院選挙でANOに奪われた右よりの有権者の支持を取り戻すための努力の一環としての主張にしか聞こえないので、あまり説得力はない。むしろANOを批判するなら、右翼と左翼の主張のいいとこ取りで、言い方は悪いけれどもぬえのような存在になっているところであろう。
 ANOやバビシュ氏のことをポピュリズムの権化だと批判しているのだから、右と左の政党の主張の有権者に聞こえのいい部分だけを集めて自らの主張にしていることを、ポピュリズムの証拠として提示すれば面白いのに、そんなことはしない。それは恐らくANOに取り込まれた自党の主張が実はポピュリズムの発露でしかないことを、無自覚かもしれないが理解しているからであろう。ANOの主張の具体的な部分をポピュリズムだと批判することは天に唾する好意なのである。

 ANO自体は。いやバビシュ氏自身は、政治的なプログラムを策定しているから、党が右翼政党だとか左翼政党だとかいうのはどうでもいいことだと主張している。同じようなことはオカムラ氏も言っていたかな。政党を右と左に分けるのは、今の時代にはそぐわないとか何とか。個人的には、皆で本家本元争いをしてわけがわからないことになっている自由とか民主主義的なんて言葉を規準に、政党を分類するよりは、便宜的であっても左右に分けたほうがいいと思うんだけどね。

 バビシュ氏の言葉を信じてANOは全面政党だということにしても、バビシュ政権が左翼政党であることは否定できない。連立与党を組んでいるのは社会民主党だし、連立与党ではたりない下院の表を確保するために共産党と協力関係にあるのである。共産党とはANOが閣外協力に関する協定みたいなものを結んでいるのかな。そして現在その左翼政権が揺れているのである。

 権力の掌握のためには汚い手を使うことも辞さない、場合によっては暴力革命も辞さない共産党が、この政局のキャスティングボードを握った状況でおとなしくしているわけがなく、どの大臣が気に入らないとか、この大臣は無能だとか、批判し、首相に対しては解任を求める発言をして、政権に揺さぶりをかけている。バビシュ政権への影響力を高めるための駆け引きにしか見えず、相変わらずの共産党である。
 共産党が批判しているのは、一人は運輸大臣のテョク氏で、これはプラハとブルノを結ぶ高速道路の改修工事が予定通りに進まず、連日第渋滞を引き起こしていたことによるもの。テョク氏の首をもとめているのは共産党だけではないのだけど。それはともかく、運輸大臣って、誰が就任しても問題連発のポストになってしまっているから、大臣の首を挿げ替えても大差はないと思うのだけどね。

 もう一つの問題にされているポストは、外務大臣である。社会民主党が最初にノミネートしたEU議会議員のポヘ氏は、あまりにヨーロッパべったりだとしてゼマン大統領にまで忌避されて任命されることはなかったのだが、現在の外相も、共産党の主張によれば全体主義的なウクライナを支持してロシアを一方的に悪者にするという誤った外交上の立場を取っているらしい。親EU過ぎることも批判していたかな。
 ということで、特に二人目の外務大臣を交替しなければ、閣外協力の協定を破棄するといって、どこまで本気かは知らんけど、脅しをかけている。大統領や首相と直接話をして交渉したいなんてことを共産党の書記長が主張していたかな。今のところバビシュ氏は静観して、社会民主党と共産党の交渉に任せるみたいだけど。その結果次第で倒閣から内閣不在になりかねないのは楽しい状況といえるのだけど、単に倒閣に終わらず課員の解散総選挙につなげてほしいのだけど、なあなあでバビシュ政権が続くのだろうなあ。

 問題は、共産党も社会民主党も、市民民主党も世論調査の結果を恐れて、政府批判、バビシュ批判はしても解散総選挙は求めないところである。個人的には、だから、ANOに奪われた支持者を取り戻せないんだよと言いたいところである。最低あと二年は、バビシュ=ゼマン体制が続くことになるのか。うーんだなあ。
2019年2月21日24時。











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