アフィリエイト広告を利用しています
<< 2019年02月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28    
検索
リンク集
最新コメント
チェコの銀行1(十二月二日) by ルイ ヴィトン 時計 レディース hウォッチ (03/20)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしやん (12/30)
メンチンスキ神父の謎(四月卅日) by にっしゃん (12/30)
メンチンスキ神父考再び(七月卅日) by にっしゃん (12/30)
カレル・チャペクの戯曲残り(二月朔日) by K (08/16)
最新記事
カテゴリーアーカイブ
記事ランキング
  1. 1. 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』の刊行を寿ぐ(四月十日)
  2. 2. no img 『羊皮紙に眠る文字たち』『外国語の水曜日』(三月十九日)
  3. 3. no img コメンスキー――敬虔なる教育者、あるいは流浪の飲んだくれ(九月廿七日)
  4. 4. no img すべての功績はピルスナー・ウルクエルに(一月廿六日)
  5. 5. no img 「トルハーク」再び(三月廿日)
  6. 6. no img トルハーク四度(十月二日)
ファン
タグクラウド










ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2019年02月09日

バーツラフ・ボルリーチェク(Václav Vorlíček)1(二月七日)



 チェコの誇る映画監督の一人、バーツラフ・ボルリーチェクが亡くなった。1930年6月の生まれだというから享年88歳。フォルマンといい、トシースカといい、チェコの映画界の伝説と言うべき人たちの死が続く。

 日本ではチェコの映画監督というと、「アマデウス」のミロシュ・フォルマン、「ひなぎく」のビェラ・ヒティロバー、「つながれたヒバリ」のイジー・メンツルあたりが特に有名なのだけど、チェコでの一般の人たちの間での人気というと、作品がテレビで放送される回数から考えても、このバーツラフ・ボルリーチェクと「レモネードのヨエ」のオルドジフ・リプスキーのほうが上なんじゃないかと思われる。
 特に、ボルリーチェクは大人向けの映画だけではなく、子供向けの(とはいっても大人も見ているのだけど)童話映画の傑作もたくさん撮っているから、チェコの人でボルリーチェクの映画を見たことがないという人は、まずいないと言っていい。その筆頭が、すでにこのブログでも触れたシンデレラ物の「ポペルカ」である。撮影の都合で珍しく冬を舞台にした童話映画になったため、毎年クリスマスの時期になると、くじ引きでどこかのテレビ局が放送している。最近はイースターや夏休みなんかにも放送するから目にする機会は多い。

 それから、「ポペルカ」同様リブシェ・シャフラーンコバーを主役に据えたチェコの古典的な童話映画の「王子と宵の明星(Princ a večernice)」、イバラ姫(Šípková Růženka)を下敷きにした「いかにお姫様の目を覚ますか(jak se budí princezny)」なんかも、たまにテレビで見かける。子供向けの連続テレビドラマもいくつかあるが、最高傑作は何と言っても「アラベラ(Arabela)」であろう。童話の登場人物たちが生きている童話の世界と、現実の世界をつなぎ合わせて、行ったり来たりしながらドタバタ劇を引き起こすという作品のコンセプトは、現在から見ても古さを感じさせない。
 ちなみにアラベラは、童話の世界のお姫さまの名前で、演じたのはスロバキア出身の女優だったけど、チェコ語があれだったらしく声はリブシェ・シャフラーンコバーあてている。これもドイツの出資で撮影されたものなので、最初から「吹き替え」は必須だったのかな。他は役者本人が声を当てているけどさ。革命後に撮影された続編では、シャフラーンコバーの妹のミロスラバが演じているのだが、最初の女優にギャラを吹っ掛けられて、ドイツの資金でも賄いきれなかったかららしい。

 この童話、昔話的な世界と現実世界を結びつけるというのは他の作品でも試みられていて、もう少し年上の子供たち向けの「箒に乗った女の子(Dívka na koštěti)」では、地獄から『魔術大全』とでもいうべき大部の本を盗んで人間世界に逃げ込んできた魔女の女の子が引き起こすドタバタが描かれる。確か何の変哲もない井戸の底が地獄につながっていたと記憶するのだけど、この辺りもボルリーチェクの作品らしくていいのである。この作品は撮影技術の面でもなかなか見るものがあるらしいけど、それについて語るのは我が任にあらずである。

 プラハのブルタバ川の川底のカッパの世界と現実のプラハを結び付けてしまったのが、「いかにムラーチェク博士を溺れさせるか(Jak utopit dr. Mráčka)」で、この作品にもリブシェ・シャフラーンコバーが主役で登場する。人間を魚にして水の中でも生きられるようにする薬とか、現実側でもちょっとマッドなぶっ飛んだ設定が出てくるけど、カッパの側でも国境を越えた国際会議とか妙に現実側に引きずられた設定が出てきて楽しい。悪いおっさんを演じさせたら最高のミロシュ・コペツキーの存在感も大きいし。日本の生け花の師匠の魂が出てくるのもこの映画だったかな。

 この二つの若者向けの作品、上に書いた簡単な説明からもわかるように、コメディーである。中心となるストーリーもないわけではないけど、それよりもあちこちに仕掛けられた笑えるシーンのほうが頭に残っていて、どう始まってどう終わったのかあまり印象に残っていない。だから、たまにテレビで見かけてこんな話だったっけと驚くこともある。そのくせ妙に細かい、本筋とかかわらないところを覚えていたりもするのである。

 ビロード革命後も、ドイツからの依頼で童話映画を何作か撮影していて、ボルリーチェクの作品、特に子供向けの童話異映画はチェコだけでなくドイツでも高く評価されているようである。他の国であまり知られていないのは、子供向けの童話映画となるとアニメにしてしまうからだろうか。それに一般向けの作品はあまりにチェコ的な滅茶苦茶コメディーで、吹き替えや字幕の作成が大変そうだしなあ。というところで一般向けの作品についてはまた明日。
2019年2月8日21時30分。






シンデレラ 魔法の木の実★DVD!日本未DVD化!チェコの鬼才ヴァクラフ・ヴォーリセクが、シャルル・ペロー版のシンデレラに、東欧の民族童話と冬季のご当地風習を大胆にMIXし、牧歌的風情の、超愛くるしいゴスロリ・ファンタジーに仕上た、チェコで国民的人気の名作!










タグ:チェコ映画
プロフィール
olomoučanさんの画像
olomoučan
プロフィール


チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。