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2017年10月07日

レシート宝くじ1(十月四日)



 バビシュ財務大臣が、脱税を防ぐ、もしくは脱税額を小さくするための切り札として導入したのが、あらゆる店のレジをオンラインで財務省のデータベースと接続し、すべての売買の記録、具体的には領収書、いやレシートをデータベースに送って登録できるようにしなければならないというシステムだった。これによって、すべての小売業の売り上げを国家で把握できるようにし、消費税のとりっぱぐれがないようにしようというのである。国民を信用せずに、すべてを国家で管理しようという姿勢には、賛成したいとも思えないが、消費者の立場から言えば、導入当初に混乱があった以外は実害はない。自分の買い物の内容が国に把握されるわけでもないし。
 このレジのオンライン接続、バビシュ氏側が言うほど消費税の増収に貢献しているとは思えないが、逆にカロウセク氏が言うほどに無意味でもなさそうである。問題はオンライン接続のシステムを店側の負担で導入させたことである。
 チェコで政権交代がしばしば発生すること自体には問題はないのだろうが、問題はその結果として前の政府が導入したものは、効果のあるなしを無視して廃止してしまうところにある。これまでも、健康保険に入っていても、30コルナの診察料が必要になるというのは、いろいろな面で効果のあった制度変更だったのだが、社会民主党が政権をとったとたんに廃止されてしまった。効果があったのか不明なものとしては、年金受け取りの時期に備えて、第二の年金として自分で積み立てることを選んだ人に対する国からの補助も廃止されたのかな。

 そう考えると、今度の選挙でANOが与党から転落した場合、このレジのオンライン接続も、すぐに廃止されることもありえる。そうなると、導入から、導入が何度も延期になったせいもあって、導入から実質一年ほどでまた廃止と言うことになりかねない。段階的に導入されているところなので、システムを導入したと思ったら不要になったということも起こりそうである。だからと言って国が小売業者に保証をするなんてことはチェコではありえない話で、このシステムを導入する負担に耐えられずに廃業した飲食店などの経営者の怒りはさぞかしであろう。
 現実問題としては、ANOが選挙で負けること、つまり第一党の座を獲得できないということはなさそうだが、それがそのままANOが連立与党の中心になることは意味しないのである。現在のチェコでは、ある政党が選挙に圧勝し単独で政権を担当するというのは考えづらい。だから、ANOとは犬猿の仲のTOP09当たりが政権与党になる可能性もあるわけだ。それ以外の党はしばらく様子見をするだろうけど、TOP09のカロウセク氏が財務大臣になったら、即座に廃止ということにもなりかねない。

 もともと、この制度はスロバキアで何年か前に導入し成果を上げているものをチェコでも機能するだろうということで導入したのだった。そしてスロバキアのシステムには、単にオンラインで接続してデータを収集するだけでなく、もう一つの柱が存在する。それが、店で買い物をしたときに渡されるレシートに記されたコード番号を使っての宝くじである。
 レシートを受け取った消費者は、そのレシートに与えられたコード番号と、支払った金額などの必要なデータをオンラインで登録するだけで、くじに参加できるらしい。つまり客に渡されたレシートに表示された金額と、データとして財務省に送られたレシートの金額に差があれば、その分脱税することができるのだから、二つのレシートに同じ金額が記されていることを確認する必要があるということなのだろう。
 そのために消費者が自主的にデータを国に提供するように、宝くじとして射幸心をあおるというわけか。いやあ、国民を全く信じていない国である。わざわざシステムの中のソフトを、実際の売り上げ額よりも小さい額のデータが財務省に行くように改造ことまでして脱税するなんてことをする人間がいるのだろうか。そのソフトの改竄のほうが、脱税できる額よりもお金がかかりそうな気がする。

 とまれ、スロバキアでは、このレシート宝くじが導入されて何年か経つのだが、知り合いのスロバキア人に聞いても、返ってくる答えは、一律、存在は知っているけれども、自分はやったことはないしどうやってやるかも、どのぐらいの人が参加しているかも知らないというものだった。最近のニュースによれば、当初は珍しいもの見たさで登録する人が多く、毎月一回の抽選に対して、100万件ぐらいのレシートの登録があったらしいが、現在では300万30万ぐらいに落ち着いているという。毎月発行されるレシートの数パーセントだというこの数字が多いのか少ないのか判断はできないが、個人的には意外と多いと思った。

 このレシート宝くじがチェコでも導入されて、レシートの登録が可能になったのが最近、確か10月に入ってからである。PCでオンラインで登録することもできるし、携帯で専用のアプリを使って登録することもできるらしい。そこまで金をかけて元は取れるのかねという心配は、どうせ税金でやっているのだから無用である。
 この件に関して反対派の消費者は、ニュースのインタビューで、こんな制度を支援する気はないから宝くじには絶対に参加しないと言っていた。しかし、この制度をつぶしたいのであれば、処理ができないぐらいのレシートを登録して、システムをパンクさせた方がいいんじゃないか。特に立ち上がりで大失敗すれば、信用を回復するまでに時間がかかり、もしくは回復できないままになし崩し的に廃止になってしまう可能性もなくはない。2010年ごろだっただろうか、自動車の登録システムを刷新して、新しいシステムに切り替えたときにも、システムダウンが繰り返されて、今でも信用を回復しきれていないところがあるし。

 このくじに外国人が参加してはいけないなんてことは聞いていないので、次回は、登録のしかたを説明して、チェコ在住の日本の人に登録しないか呼びかけてみよう。自分では、うーん、多分やらない。
2017年10月6日17時。







posted by olomoučan at 07:23| Comment(0) | TrackBack(0) | チェコ
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チェコとスロヴァキアを知るための56章第2版 [ 薩摩秀登 ]



マサリクとチェコの精神 [ 石川達夫 ]





















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