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2016年10月27日

現実へのリセットボタン

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朝起きて、母の遺影に「おはよう」をする。

仏壇に水、炊き立てのご飯、お花の水替えをして

線香を焚き、念仏を唱える。

会社で時を過ごす中で母のことを思い出すことしばしば。

昨年までは、休憩中に電話をすれば母はそこに居た。

仕事を終えて帰ると、遺影に「ただいま」をする。

この繰り返しだ。

夢や妄想で、母のことを思い浮かべたり

時には現実離れして母が生きているような感覚になったりする。

叶わぬ期待・・・とでも言うべきか・・・

きっと遺族にしかわからない感情なのだろう。

ないものねだりならず、居ない者ねだりに近いかもしれない。

居ないことを承知の上で、現実逃避することがある。

ひょっとしたら・・・かもしれない・・・などと。

それらすべての感情は一日のうちで

少なくとも二階は打ち消されることになる。

いわゆる「リセットボタン」を押されてしまう。

それが、朝と帰りの母との顔合わせだ。

文字通り、夢から目覚めた朝・・・

夢の中で母に逢えたとしても、

遺影と仏壇で心はリセットされる。

会社や出先で、ひょっとしたら家で母が・・・

帰宅して待っているのは母の遺影。

同居でなければ、母の仏壇も遺影も無くて済んだ。

そもそも私は長男ではない。

ただ、母とはそういった縁が深かったのだと思う。

できれば、母はどこかで元気に暮らしている・・・そう思いたい。

母が永眠したことを感じさせるものが無ければ、

うまい事、現実と向かい合わずに過ごせれば・・・

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緊急入院した母が,非小細胞肺がん(腺癌)「ステージ4」を宣告され、1年後に他界・・・母の闘病中の記録や、がんに関することを中心に記事にしているブログです。
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