癌と共に生きる　手術→放射線治療→化学治療

時間の歩みは変わらない。

何があろうとなかろうと、常に一定のスピード。

遅くなることもなく・・・速くなることもない・・・。

人それぞれの感じ方に違いがあるだけだ。

自分にとって、過ぎた時間はとても速く感じられる。

記憶をたどってみても、10年前の出来事と、

20年前の出来事までの「記憶の距離」は変わらない気がする。

極論・・・去年の今時期のことが数日前の事の様でもある。

去年の今頃は、母はまだ生きていた。

しかし、孫である娘の高校入学を待たずして永眠した。

肺がんだった。

娘が誕生した日・・・「妻の陣痛が始まって病院にいるよ」・・・と

公衆電話から母に連絡した時、

電話口の母が泣いていたことを覚えている・・・まだ生まれてないのに・・・

生まれたての娘の指の本数を必死で数えた記憶も・・・

初めて娘を抱いた時の怖さも覚えている。

とてもとても小さくて、落としたらどうしようかと思い

余計な力が入って疲れてしまった。

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ミルクを飲まなければ心配し、ミルクを飲み過ぎても心配した。

ミルクを吐き出すと尚の事、心配した。

熱が37度5分あれば高熱だと騒いだ・・・

赤ん坊にとっては高熱ではないと医者に言われた。

それでもやっぱり心配した・・・。

赤ん坊は泣くが商売・・・親は心配するが商売！？

なんだかんだで子供は育つ・・・親の心配をよそに・・・

気が付けば、16歳になっていた。

法律上は婚姻することが可能な年齢となった。

毎日、「行ってきます」と「ただ今」の繰り返しの日常は、

かけがえのない幸せであって、かけがえのない時間だ。

母親を亡くしたことで、痛感した・・・。

毎日が違う、新しい日で、それをかみしめるように過ごしている。

今もそれは続いている・・・1秒後の未来が次々に押し寄せてくる。

そしてそれは止まらない・・・。

娘が生まれて16年・・・人の親になって16年・・・父親16年生。

42歳・・・結構な大人ぶっているが、父親としてはまだ16才。

最近感じるのは、娘の方が大人だな・・・ということ。

逆転現象は既に始まっているようです。

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