2016年10月12日
父と”ヨダレ”とタオル
ヨダレ
父はヨダレが出る。
その殆どが口の左側から出てくる。
左半身が麻痺している関係で、口も麻痺している。
だから父は咀嚼がうまく行えない。
でも、咀嚼がうまくできないというだけで、
咀嚼が出来ないという訳ではない。
食事も介護食ではなく、普通食を食している。
お箸の運びなんかは天下一品だ。
この上なく上手に使っている。
しかし、飲み物を口に運ぶときは別だ。
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「8：2」
父の食道に運ばれる飲み物と、口から零れ出る飲み物の比率だ。
「8」が体内に入り、「2」が入れない。
食べ物であれば、拾ってあげることも可能だが、
飲み物ではそうは行かない。
まずは介護用のエプロンが受け止めるが、ナイロン製なので
殆ど吸収されず、滴り落ちる。
行先は父のズボンが殆どだ・・・あとは首筋を伝って
襟元や胸元で吸収される・・・父の服は毎回濡れてしまう。
だから色も付きやすい。
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タオル
食事以外でお茶などの水分を摂る時は
エプロンが用意されないので、タオルで対応する。
農家のオジサンのごとく、首から掛けているだけなので
飲んでいる間は垂れ流しだ・・・。
自分がついている時は勿論大丈夫だが、
職員さん達は手が足りない。
マンツーマンでなければ父の食べこぼしやヨダレには対応できない。
今思えば・・・母が父の介護をしていた頃は完璧だった。
情けない・・・後にならないとその偉大さには気付けない。
母だから出来ていたことがあった・・・
母でないと出来ないことがあった・・・
母でないと理解できないことがあった・・・
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