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2018年01月05日

歯医者の幼い記憶

年越しとなった歯の治療。
会社帰りに直接歯科医に向かった。
昨日に比べると、道路の混雑具合は歴然とした差があった。

予約した時間に少し遅れて到着。
一分も待たないうちに呼ばれた。

11月末から治療開始した虫歯治療。
一箇所の虫歯に5度の通院を要した。

その虫歯治療も、無事今日終了した。

仮詰めから、本詰めへと準備が進む中、
他の患者さんとの兼ね合いもあり
少々の待ち時間があった。

その待ち時間に母を想い出す出来事が起きた。

私と同じ時間帯に来ている患者さんのなかに
お母さんに連れられて来ていた幼い男の子がいた。
少し前から幼い男の子の声がするのは気づいていたが
殆ど気にしてはいなかった。


自分の治療が始まってしばらくすると
その男の子の順番になっていた。

それに気付いた時、既に男の子は大きな声で泣き叫んでいた。
というより、泣き叫ぶ大きな声で気づいた。

腹の底から搾り出しているような泣き声、
治療をしようにもできない状況が続く中、
その子のお母さんらしき女性の声と
歯科医助手の女性の声がとても優しかった。

そんな光景を直視することはできず、
聞き耳を立てて待ち時間を過ごしていた時
不意に母の事を思い出した。

自分も幼い頃、歯医者さんには母と一緒に来ていた。
母の漕ぐ自転車の後ろに乗り
不安いっぱいで通った道を今でも覚えている。

不安過ぎてお腹が痛くなることも多々あった。
しかし、私は歯医者で泣いたことが無い。
絶対に泣かない、痛いと言わない。
なぜかはわからないが、そういう変なプライドのようなものが
心の奥底にあった。

しかしながら、幼稚園の頃の記憶というのはとても少ない。
少々美化されている記憶もあるのではないだろうか・・・

そう考えると、ひょっとしたら自分にもあの男の子のような瞬間が
あったのではなかろうか・・・
そんな疑いを自分自身にかけてみた。

母がいない今、その答え合わせをすることはできない。

仮に、自分があの男の子のように泣き叫んだことがあったとして、
母はどのように私をなだめただろうか?
今日いた母親のように「頑張れ」と優しい声で言ってくれただろうか。

私の記憶では、母は待合室で待っていた。
治療室に入って隣で見守ったりはしなかった。

あの頃、母は待合室でどんな気持ちでいただろうか?
心配だっただろうか?
それとも、我慢強い息子だからと安心していただろうか?
待合室越しに、治療を受けている私を見守っていたのだろうか?
全くわからない。

泣きじゃくる幼い男の子・・・優しく見守る付き添いの母親・・・
母の記憶を辿るには十分すぎるシチュエーションだった。


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posted by satorich at 21:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 歯の治療
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