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2019年08月03日

脱走 〜その後〜

やや標高が高いとは言え、とても野球をするような気候ではないが、準公式戦を行う。

私は久しぶりの球審。
最初、ストライクゾーンの感覚が掴めず、迷惑を掛けたが、直に安定したと思う。
複雑なプレーがなくてよかった…。

私の学校の試合は、第2試合と第3試合。
第2試合は、ぼろ負け。
全然アウトが取れなかった。

第3試合は昼食後。
この時期雷も多く、天気が怪しいので、12時過ぎに始めたが、非常に暑い。

初回にこのチーム初得点を得たが、最初の試合から投げているキャプテンでもあるピッチャーが、突然乱れ、ファーボールにおる押し出しで3点を与えてしまった。

その後、守備を変更し、キャッチャーにしたが、その次の打撃で、外野オーバーを打つも、途中でスタミナがなくなり、ホームでタッチアウト。

再び守備につくも、熱中症でこれ以上プレーができなくなった。

私のチームは9人。
変わりの選手がいなければ、没収試合。
初得点も幻の得点になりそうだ。

ちょうど応援に駆けつけてくれた職員がいたが、試合応援というよりも、彼の介護と通院目的に変わってしまった。

試合が終わると、気になるのは愛犬P太のこと。

隠れ家に教え子を迎えに行くと、犬舎のご主人から、私が受けた電話と同じことを言われたらしく、
「リードがついているから、どこかに絡まって、戻れないのかも知れない。」
と言う。

先ほどの電話でも、
「あとは、運を天に任せるしかない…。」
などという、恐ろしいことを言われた。

私は心底落胆した。

「今日も、隠れ家に泊まってP太の帰りを待とう」と決意した。
ふと、もう一度散歩道を探してみたくなり、ユニフォームから普段着に着替え、再度出掛けてみた。

どこかの草むらに入って、抜け出せないのかも知れない。
リードが枝や蔓に引っかかると、犬はぐるぐる回るので、ますます状況が悪くなり、自力では抜け出せなくなる。もしかしたら、いつも入ってい行く草むらで動けなくなっているのかも知れないと思ったのだ。

散歩道に入って程なく、リードを見つけた。
ゆっくりたどってみると、P太が動けなくなっていた。

一晩、正確には二十時間以上、草むらの中で動けず、苦しい思いをしていたのだ。

私は、太い茎や蔓が絡んだ草むらに少しずつ分け入り、何分も掛けて、リードをほどいて、P太を救出した。

足にもぐるぐるとリードが巻き付いていたので、本当に困ったに違いない。
P太の足下には、苦し紛れに土を掘ったあとがあった。

私は涙が出るほど嬉しかった。

この暑さの中、直射日光こそは当たらないが、苦しかっただろう。
私は十分に水を飲ませ、帰宅した。

そして早速、犬舎のご主人に電話をした。

本当に喜んでくださっていた。
「私も泣きそうになりながら、バイクをはしらせていた」、とご主人。

発見した散歩道は、三回も探したとも…。

とにかく良かった。
昨日から悪いことばかりが続いていたが、世の中、悪いこともどこかで止まり、良いことも訪れる。

半ば熱中症になりかけた私は、それでも元気が湧いてきた。

「丹澤さんに助けられたということで、これで、P太との絆が一層深まりますよ。」
と、ご主人に励まされた。

思えば、P太は、脱走と言うより、もっと散歩道で遊びたかったのだろう。

今夜は、愛犬と共に、ゆっくり休めそうだ。








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