アフィリエイト広告を利用しています
アクセスカウンター
ファン
カテゴリアーカイブ
タグクラウド
<< 2015年10月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新コメント
金剛界 一印会 尊像入れ 下絵完成 by ブログ主=eshi: (04/20)
金剛界 一印会 尊像入れ 下絵完成 by vajsm (04/19)
金剛界 四印会について by ブログ主=eshi: (04/18)
金剛界 四印会について by vajsm (04/18)
写真ギャラリー
日別アーカイブ

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2015年07月06日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き3(外周3)

外周 尊像パーツ描き3

微細会の尊像パーツ描き、外周の3回目。

外周の二十天は供養会でも描いているので少し・・・新鮮味が足りないのが物足りないけど・・・なんども描くことで絵を身体に覚えこませるという意味では楽しい。

よく考えたらブログの内容を結構端折って描いているから途中から読んだら全然意味がわからんかもしれんな。

というわけで、今回は西方の五天を描きます。
微細会 西方五天

EPSON003-Edit-Edit-3-Edit-3.jpg
(微細会外周西方五天 11〜15)
順番は東南西北で時計回り。金剛界曼荼羅は上が西で、今回は西側

外周西方には八護方天のうち西南(11)、西北(12)、東南(14)、北(15)の地居天に属する四天が位置する。ただし中央の13は西門を守護する毘那夜迦の眷属。

11)羅刹天(らせつてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-3-Edit.jpg
色がよく残る。火焔棍棒の先端などの墨線が残っていないのが不思議。

煩悩を破壊し仏法を守護する西南の護法天。
右手に煩悩を破壊する火焔棍棒を持つ。

12)風天(ふうてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-3-Edit-2.jpg
こちらも絵の具の剥離が著しい。持物の形などほどんど判別できない。

風天は風を司り、雨雲をさそい黒雲を吹き払う大いなる力をもつ西北の護法天。
右手に煩悩を吹き払い宝珠(菩提心)を顕わにする宝珠風幢を持つ。

13)金剛衣天(こんごうえてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
それぞれの毘那夜迦の顔に個性が見える。自分で描いている方では個性が乏しくみな同じ毘那夜迦に見える。本画ではもっと大胆に筆を使えるようにしよう。

金剛衣天は弓箭毘那夜迦ともいう毘那夜迦の眷属。
弓箭を手に障害と戦い、また、愛欲の本性清浄をあらわす。西門の守護天。

14)火天(かてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-3-Edit-Edit.jpg
絵の具の剥離や絵の損傷が激しく残念。それでも必要最低限の部分が残っているのは奇跡的。

火天は煩悩を焼き尽くしほとけの智慧を与える東南の護法天。
右手に火炎、左手に棍棒を持つ

15)毘沙門天(びしゃもんてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-3-Edit-3.jpg
甲冑具足の色や形が細部までよく分かる。ただし、左右手の持物がほぼ不明。

毘沙門天はヴァイシュラヴァナの音訳で、多く聞く者の意から多聞天とも呼ばれる。
仏敵を打ち据える護法の宝棒を持物とする。北方の護法天。
右手に宝棒、左手に塔を持つ。

以上、西方五天でした。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月05日

本紹介 No. 026『原始仏教 その思想と生活』

『原始仏教 その思想と生活』

前回の本紹介NHKブックス『ブッダの人と思想』を読みました。

その中で今回ご紹介する本と併せて読むことでより詳しい理解が得られると書かれてありましたので読んでみます。

中村 元 著 『原始仏教 その思想と生活』(NHKブックス 1970)


こちらは純粋に中村先生の御著書です。
構成

B6判、218ページ、図版は白黒のみ

本文構成は以下の通り。

    まえがき
     一  原始仏教の時代的背景
     二  釈尊の生涯
     三  原始仏教の基本的立場
     四  苦しみと無常
     五  自己の探求
     六  迷いと理想
     七  慈悲
     八  不安と孤独
     九  初期の教団
    一〇  生活倫理の基礎
    一一  男女間の倫理
    一二  過程における倫理
    一三  社会生活における倫理
    一四  経済に関する倫理
    むすび


初期仏教の成立、教義、初期仏教教団や倫理についての章立てが並ぶ。
内容

本書は釈尊が歴史的人格として実際にどのような生涯を送り、どのような教えを説いたのかを原始仏教とともにNHK FM放送で十二回連続放送した際の原稿に加筆しまとめたものとこのことです。

まえがきに「全仏教史の底に一貫して流れている精神を、その根源に遡り、極めて素朴にして現実的な原始仏教の思想と生活倫理について一般の方々が理解して頂ければ幸せである。」とあり、密教に関わる両界曼荼羅を描きながら「全仏教史の底に一貫して流れている精神」を少なからず感じていた身としては我が意を得たりと意気揚々と読みました。

本書は中村先生のご著書『インド古代史』『ゴータマ・ブッダ』『原始仏教の成立』『原始仏教の思想』『原始仏教の生活倫理』のダイジェスト版の趣があります。

内容の表現につきましては、例えば第六章 迷いと理想には「輪廻とその超克」、「理想の境地の表現」、「やすらぎ」、「安楽」、「生死の超越」、「ニルヴァーナとは何か」、「ニルヴァーナに関する説明」、「現実のうちに生きる」、「解脱した人の死後」といった小項目を設け、それぞれについて原始仏教聖典からの引用とともに解説を行っています。

このとき原始仏教聖典からの引用を二重括弧(『』)でくくり、ほとんどの引用に出典が示されます。ただし全ての引用に出典があるわけではありません。

1970年初版とのことで、文章表現が比較的堅い印象なので読むのに骨が折れますが、その分言葉のひとつひとつに重みがあり文章の細部に至るまで微細な智慧が行き渡っているように感ぜられます。

また、原始仏教聖典を通して様々な哲学的命題に答えているようにも感じられます。

内容の深さと広さに重みを感じる素晴らしい一冊です。

曼荼羅作画とのかかわり

密教の関わる両界曼荼羅ではいわゆる大乗仏教のみならず、ヴェーダやヒンドゥー教の神々が描かれ、その教義の広がりとともに密教の仏教的ルーツとのつながりが不透明に感じられるところもありました。

ざっくり言うとインド仏教の終焉期に密教の成立過程においてヒンドゥー教や土着の信仰や呪術を取り込むことにより教義的広がりを見せたことと歴史的事実としての釈尊の教え(仏教の黎明期)との関わりにどれくらいの親密さがあるのか、もしくは、ないのかについてはっきりしないという不安がありました。

さらに言い換えれば、密教は釈尊の教えとどれくらい同じなのか違うのかを知りたいということです。

仏教の形成期においてはバラモンの教えやヴェーダやヒンドゥー教、また兄弟宗教とも言われるジャイナ教と共通の概念を取り入れながら初期仏教の教義が発展しているようです。

その意味では密教の方向性は初期仏教と遠からずあるかとも思います。

一方で、密教が呪術的要素を取り入れたことは釈尊の望まない方向性であったかもしれません。

原始仏教、部派仏教、大乗仏教、密教と時代や場所によりさまざまにかたちをかえる仏教の中で両界曼荼羅の歴史的または本質的な意味をさらに知りたく思いました。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




原始仏教 その思想と生活

価格:940円
(2015/7/12 16:19時点)
感想(0件)




原始仏教―その思想と生活 (NHKブックス 111)

新品価格
¥940から
(2015/7/12 16:19時点)




原始仏教―その思想と生活 (NHKブックス 111)

中古価格
¥340から
(2015/7/12 16:19時点)



posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年07月04日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き2(外周2)

外周 尊像パーツ描き2

微細会の尊像パーツ描き、外周の二回目。

今回は微細会外周南方の五天(06〜10)のパーツ描きです。
微細会 南方五天

EPSON003-Edit-Edit-3-Edit-2.jpg
(微細会外周南方五天 06〜10)
順番は東南西北時計回りで上が西

南方の五天(06〜10)のうち08は南門を守護する毘那夜迦の眷属で、他の四天は飛行天に属し天空高く輝く日月星宿を代表する神々。

下図左は参考とした西院本曼荼羅の図で右が今回描いた尊像パーツ。

06)日天(にってん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-3-Edit-Edit-2.jpg
墨線がラフに書いてあるだけで表情がほぼ不明だが、それでもなんとなく見えてくる。

日天は創造・自由の神で太陽神をあらわす。日天は生命の根源であり、天かける自由の象徴。
右手に真っ赤な太陽を載せる。

07)月天(がってん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-3-Edit-2-Edit.jpg
墨線の力強いラフな下絵の上に繊細な本線を重ねて描いているように見える。

月天は星宿の王にて太陰の神。暗夜を照らす清涼なる光明は心を静寂の境地へと導く。
右手に清涼なる三日月を載せる。

08)金剛食天(こんごうじきてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-3-Edit-Edit-Edit.jpg
墨線は微妙だけど、色が残っているのが嬉しい。

金剛食天は梵名のヴァジュラ・マーラの意訳。右手に華鬘を持つ象頭人身の毘那夜迦の眷属。金剛鬘天や華鬘毘那夜迦、厳髻大将とも呼ばれる。
南門の守衛天。

09)彗星天(すいせいてん)

_DSC5247-Edit-Edit-4.jpg
残っている墨線からはかなり痩せた印象を受ける。

彗星は七曜と異なる軌道を描くことから天体の運行を乱し天変地異を引き起こす力を持つと考えられた。この力から運命を変えることのできる大いなる力を持つ神とみなされた。
右手にする棍棒は大いなる力と彗星の象徴。

10)熒惑天(けいこくてん)

_DSC5247-Edit-Edit-Edit-3.jpg
柔らかい墨線がラインが印象的。

火星は光度変化や天体に逆行する動きなどから惑わす熒星とされ、災いの前兆と考えられた。運命を司る力を持つ神とみなされた。
右手に火星の赤い輝きの象徴である火聚を載せる。

以上、南方五天でした。

供養会で一度描いているので親しみが持てます。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月03日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き1(外周1)

微細会 尊像パーツ描き1

金剛界 微細会の尊像パーツを描き始めます。これまでと同様に外周から内側へと順に描いていこうと思います。

微細会の外周にも供養会と同様に二十天が描かれています。

微細会外周二十天の位置と順番を次の図に示しておきます。

EPSON003-Edit-Edit-3-Edit.jpg
(微細会外周二十天 01〜20)
順番は東南西北の時計回りで上が西

微細会 東方五天

今回は東方五天(01〜05)の紹介をします。

EPSON003-Edit-Edit-3-Edit-2-Edit.jpg
(微細会外周東方五天 01〜05)

東方の五天(01〜05)のうち中央03は東門守護の毘那夜迦の眷属ですが、残り四天はヴェーダやヒンドゥー教の主要神がまとめられた上界天の神々です。

外周二十天に関しては前回の供養会シリーズと比べて特筆して異なる点はありませんが、各天の個性を広げることによって実在感や親しみやすさを表現できると思います。

下図左は参考にした西院本曼荼羅の図で右が描いた尊像パーツです。

01)那羅延天(ならえんてん)

_DSC5247-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
墨線によって尊像の形が分かります。いつもながら墨ってすごいなと感心します。

那羅延天は梵名のナーラーヤナの音訳でヒンドゥー教のビィシュヌ神の化身。クリシュナとも。
右手に古代インド武器の八輻輪を持つ。八輻輪は8本スポークの輪宝。

02)鳩摩羅天(くまらてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit.jpg
これは・・・なんか傷だらけですが、色が残っているだけいいかもしれません。表情もわずかながら伺うことができます。

鳩摩羅天は梵語のクマーラの音訳で、シヴァ神の子である軍神スカンダ(韋駄天)の別名。
右手に三鈷鈴を持つ。

03)金剛摧天(こんごうざいてん)

_DSC5247-Edit-Edit-Edit-2.jpg
色がほとんど残っていないが、墨線がしっかり残っているので、姿形は間違わない。もう少し力強い印象か。

金剛摧天は梵名のヴァジュラ・チンナの意訳。ヴァジュラは金剛でチンナは摧砕の意。
金剛摧天は象頭人身の毘那夜迦の眷属で、傘蓋毘那夜迦ともいい傘蓋を翳す。毘那夜迦はシヴァ神とパールヴァティ妃の子で、智慧と福徳を授け、障害を除去する神。金剛摧天は煩悩を破壊し、慈悲の傘蓋により衆生を覆護する。
東門の守衛天。

04)梵天(ぼんてん)

_DSC5247-Edit-Edit-3.jpg
これは剥離が激しく細部がわからないのでちょっと苦しい。紅蓮華がどこにあるかわからない。

梵天は梵名のブラフマンから。ヴェーダでは宇宙創造の最高神。ヒンドゥー教では創造神ヴィシュヌの臍から生じた蓮華に梵天が座し、この世界を創造したとされる。釈尊の成道にあっては帝釈天とともに説法を懇願した護法善天。
右手にもつ紅蓮華は蓮華蔵世界の象徴。

05)帝釈天(たいしゃくてん)

_DSC5247-Edit-Edit-Edit.jpg
供養会の帝釈天は橙色の羯磨衣を身につけているが(2015/06/02の記事参照)、ここでは羯磨衣を着ていないようである。それにしてもギリギリわかる程度しか見えないのがまたなんともいえず・・・

帝釈天は梵名のシャクラから。帝釈天は梵天と並ぶ仏教の護法善天。ヒンドゥー教の神インドラのこと。
右手に古代インド武器の独鈷杵を持つ雷を操る雷霆神。

以上、東方五天でした。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月02日

金剛界 微細会下絵作製行程

金剛界 微細会下絵作製

供養会のときと同様、微細会でも下絵の設計図・製図を三昧耶会のものと共用することができ(2015/06/01の記事を参照)、また、文様パーツも三昧耶会の文様パーツと共通に用いることができます(201504/30の記事を参照)。

そこで微細会で新たに描くのは微細会に特有の尊像パーツのみとなります。

EPSON003-Edit.jpg
(金剛界 微細会)

微細会下絵作製でも供養会下絵作製時と同じく三昧耶会の製図を用いて作画します。

_DSC5216-Edit.jpg
(微細会 下絵 製図)


これに描いた尊像パーツを貼り付けて下絵の下絵を作ります。

というわけで、やることは次の(3)(4)(5)のみになります。

        (3)パーツ描き
        (4)パーツ入れ
        (5)下絵作画


それでは微細会下絵作製スタート!

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月01日

本紹介まとめ No. 001〜025

本紹介まとめ

曼荼羅作画を切りがいいところでまとめているので、本紹介も別にまとめておこうと思います。

「本紹介」と銘打ってますが、どちらかというと読書メモに近く、あとからどの本にどんな内容が書いてあったのかなどを探す手がかりとしたいと思っています。

それで、探しやすいように25冊ごとにリンク付き一覧を作るようにします。それに、もし同じ本を紹介したら恥ずかしいし・・・

今回は本紹介のNo. 001〜025
本紹介まとめNo. 001〜025

_DSC6768.jpg
本紹介 No. 001〜025

No. 001 2015-03-03 『マンダラ事典』Amazon 楽天
No. 002 2015-03-08 『曼荼羅の世界とデザイン』Amazon 楽天
No. 003 2015-03-15 『曼荼羅の美と仏』Amazon 楽天
No. 004 2015-03-22 『曼荼羅のみかた』Amazon 楽天
No. 005 2015-03-29 『密教とマンダラ』Amazon 楽天

No. 006 2015-04-05 『すぐわかる マンダラの仏たち』Amazon 楽天
No. 007 2015-04-12 『図解 曼荼羅の見方』Amazon 楽天
No. 008 2015-04-19 『図説 大日如来と密教の仏たち』Amazon 楽天
No. 009 2015-04-26 『密教曼荼羅』Amazon 楽天
No. 010 2015-05-02 『国宝の美 絵画5 仏教絵画1』

No. 011 2015-05-06 『伝真言院曼荼羅』Amazon 楽天
No. 012 2015-05-10 『密教の象徴世界』Amazon 楽天
No. 013 2015-05-14 『密教の神々』Amazon 楽天
No. 014 2015-05-18 『図説 マンダラの基礎知識』Amazon 楽天
No. 015 2015-05-22 『両界曼荼羅の誕生』Amazon 楽天

No. 016 2015-05-26 『密教大辞典 縮刷版』Amazon 楽天
No. 017 2015-05-30 『弘法大師と密教美術』Amazon 楽天
No. 018 2015-06-03 『石元泰博 写真 曼荼羅』Amazon 楽天
No. 019 2015-06-07 『図説 密教入門』Amazon 楽天
No. 020 2015-06-11 『図説 「理趣経」入門』Amazon 楽天

No. 021 2015-06-15  水野弘元 著『釈尊の生涯』Amazon 楽天
No. 022 2015-06-19  中村 元 著『釈尊の生涯』Amazon 楽天
No. 023 2015-06-23 『ブッダの生涯』Amazon 楽天
No. 024 2015-06-27 『ブッダを知りたい。』Amazon 楽天
No. 025 2015-06-29 『ブッダの人と思想』Amazon 楽天

以上です。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年06月30日

金剛界 微細会について

微細会について

つづいて微細会の下絵を描きます。

さて、微細会とは?

EPSON003-Edit.jpg
(金剛界 微細会)

微細会では外周の二十天を覗く五十三尊(金剛界三十七尊+賢劫十六尊)が全て金剛三鈷杵に住し、金剛微細な智慧を観想しています。

金剛微細な智慧とは毘盧遮那如来の智慧(仏智)が金剛(ダイヤモンド)のように堅固不壊で永遠に光り輝き、また、微小微細で見ることができなくとも世界の隅々にまで行きわたって存在していることを表しています。

この金剛微細なる仏智に金剛界五十三尊が専念(三昧)している様を微細な三鈷金剛杵の中に住している姿として描いています。

この時、賢劫十六尊を除く金剛界三十七尊は成身会と同じ姿で描かれ、成身会に代表される完全な金剛界世界が目に見えない微細な世界にまで浸透していることを表しています。

前回シリーズの供養会の菩薩は両手で蓮華の茎を持つため、ほとんど同じ姿勢で描きましたが、微細会では各尊像が異なる姿勢や手の形をとっており、全体に動きがあって楽しい。
法曼荼羅としての微細会

以前、四印会のところで四種曼荼羅についてまとめました(2015/04/02の記事参照)。

その中で微細会は法曼荼羅に分類されます。

これは微細会が『金剛頂経』「金剛智法曼荼羅広大儀軌分」を基に描かれているためと考えられます。

一方で、一般的に法曼荼羅は尊格を種字(梵字一字)で表す種字曼荼羅のことを指しますが、種字は種子ともいい、微細な智慧の種子(種字)が成長し世界の隅々まで法を行き渡らせる役割を果たしているとも考えられます。

微細会ではほとけの智慧(法)が微細なすみずみにまで行き渡っていることを表していますので、種字曼荼羅の広がりゆく世界のイメージとなんとなく似通っているようにも思います。

ともあれ、微細会の三鈷杵に住する尊像を描くのが楽しみです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年06月29日

本紹介No. 025『ブッダの人と思想』

『ブッダの人と思想』

前々回の本紹介中村元先生の『釈尊の生涯』を読みました。

中村先生の釈尊像をもう少し理解したいと思いこの本を手にしました。

中村 元、田辺祥二 著 大村次郷 写真
     『ブッダの人と思想』(NHKブックス 1998)



本書では経典からの引用に出典が記されており、また、『釈尊の生涯』とは異なるアプローチで釈尊のことを表現しているようだったので読んでみました。
構成

B6判、208ページ
本文48ページごとに4ページのカラー写真が原始仏典からの引用句と共に掲載されている

本文構成は以下の通り。

    はじめに
    第一章  自らその意を浄める
    第二章  悪魔との対話
    第三章  不死の門は開かれた
    第四章  法輪を転ず
    第五章  この身は泡沫のごとし
    第六章  一切にわがものなし
    第七章  生きものたちに幸あれ
    第八章  善き友とともに
    第九章  空飛ぶ鳥に迹なし
    第十章  仏に帰依す
    第十一章 安らぎの境地
    第十二章 自らを灯とせよ
    おわりに


大体は釈尊の生涯に沿った流れになっているだろうか。
内容

本書はNHKテレビ「こころの時代」で一年間十二回に分けて「ブッダの人と思想」と題して中村元先生が出演されブッダの教説についてお話しした番組内容を田辺祥二氏が中村元先生の研究を元に一冊に編集したもののようです。

内容は上記構成にあげた全12章のテーマにあわせて原始仏典から釈尊と仏弟子たちのことばを適宜引用し、解説を加えるスタイルになっています。

そこには珠玉の名句が挙げられ、釈尊と仏弟子たちとのエピソードに心が温まり、ときに悩み傷つき道を求めた先人たちの生の声が聞こえてくるかのようです。

釈尊の思想に関する解説はその意識を原始仏教の時代に限らず、後世の大乗仏教における教義へのつながりや現代的思想観念の中での再解釈などを行い、釈尊の教えの普遍的な魅力を伝えています。

その一方で、問題点としては著者名に中村元先生と田辺祥二氏の2名が併記されており、また、本書成立の経緯が「はじめに」の中で中村元先生が先生の研究を元に田辺祥二氏に原稿をまとめていただいたとし、また、田辺祥二氏が「おわりに」で書きすぎや書き込み不足、または中村先生の意図を十分に理解していないことがあったりするところは田辺祥二氏の責任であるとしています。

このことから、はたして本書に説かれている思想は中村先生のものであるのか田辺祥二氏のものであるのか判然としません。

本文の表現スタイルは中村先生のものとは異なるために意味内容を理解するのに、僕の場合は少し時間を必要としました。

しかし、内容は論理的で視野が広く素晴らしい内容だと思いました。
曼荼羅作画とのかかわり

両界曼荼羅は密教図像です。

原始仏教と密教では時代や思想が遠く離れているようでも、その根底に流れる意識は共通のものであることが感じられます。

そして、原始仏教と密教の両方を理解しないことには共通であるところ、似通っているところ、異なるところ、全く独立のところ、それぞれを見分けて理解することができません。

諸行無常の世の中で原始仏教から密教まで様々なことに変化がないわけがないのであり、刻一刻と変化し続けるなかで捉え直すことに何かしらの意味があるとおいながら描きます。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




ブッダの人と思想 [ 中村元(1912-1999) ]

価格:1,047円
(2015/7/12 16:17時点)
感想(4件)




ブッダの人と思想 (NHKブックス)

新品価格
¥1,048から
(2015/7/12 16:17時点)




ブッダの人と思想 (NHKブックス)

中古価格
¥458から
(2015/7/12 16:17時点)



posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年06月28日

金剛界 供養会 下絵完成〜

金剛界 供養会 尊像パーツ入れ

つづいて、

尊像パーツ貼り付け下絵に新しいトレペを重ねて・・・

下絵製図、文様パーツと尊像パーツを描いて・・・

出来上がり!

_DSC5480-Edit.jpg
(金剛界 供養会 下絵 完成!)

下絵だけにすると⇩コレ

_DSC5483-Edit.jpg
(金剛界供養会 下絵)

折角なので拡大すると、中央五解脱輪はこんな感じ。

_DSC5483-Edit-3.jpg
(供養会 下絵 中央五解脱輪)

他に興味深い点としては、金剛界道を見ると金剛輪や初会金剛界道は三鈷杵からなるが、第二重と外周との間の金剛界道は独鈷杵で造られている。

_DSC5483-Edit-2.jpg
(西院本曼荼羅 供養会 金剛界道比較)

このような違いが他の会にも認められるのでどこかでその意味を探りたい。

これで供養会はひとまず完了。
次は微細会に進みます。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年06月27日

本紹介 No. 024『ブッダを知りたい。』

『ブッダを知りたい。』

釈尊の生涯についての本を探していたらちょっと面白いタイトルのムック本に出会いました。

頼富本宏 監修 『ブッダを知りたい。』(学研 2011)


タイトルに「。」がついてる。

ちなみにこの本はA4版のムック本ですが、この半分の大きさのA5版『完全保存版 ブッダを知りたい。』(学研 2012)もあるようです。
構成

A4版、112ページ、全ページカラー(素晴らしい!)

構成は以下の通り。

  「釈迦八相図」と仏教美術の名品で読み解くブッダの生涯
  ブッダゆかりの巡礼地を行く仏教の四大聖地
  ブッダの直弟子たち
  ブッダの言葉
  ブッダが拝んだ仏たち「過去七仏」
  如来と浄土
  如来の三十二相八十種好
  世界遺産の仏教遺跡と寺院
  ブッダの遺骨「仏舎利」への信仰
  ブッダの像と日本の仏教

  COLUMN
   ブッダの復活を描く「金棺釈迦出現図」
   ブッダの聖地とされた、ふたつの釈迦堂
   ブッダに背いた弟子、デーヴァダッタ
   ブッダのボディーガード「八部衆」
   ブッダの悟りは前世で積んだ修行の結果だった
   ブッダの生母「摩耶夫人」
   僧たちが祈りを込めて描くチベットの「砂曼荼羅」
   ブッダは日本の神様に変化し、その姿を現した!?
   生前のブッダを写し取った「清涼寺式」の仏像
  主要参考文献


それぞれのタイトルが興味をそそります。
内容

頼富本宏氏監修のもと9人の執筆陣による共著ですが、内容が豊富で特に写真が美しい。仏教について様々な角度からその魅力を伝える意欲作です。

「釈迦八相図」と仏教美術の名品で読み解くブッダの生涯では降兜率、托胎、降誕、四門出遊、出家、降魔成道、転法輪、涅槃など仏伝で有名なエピソードが『釈迦八相図』の絵解きとともにそれぞれ見開き2ページで語られます。

ブッダゆかりの巡礼地を行く仏教の四大聖地では生誕の地ルンビニー、成道の地ブッダガヤー、初転法輪の地サールナート、入滅の地クシナガラについて写真付きで紹介があり、

ブッダの直弟子たちでは京都の大報恩寺の快慶作 十大弟子立像とともに十大弟子について解説がなされます。

如来と浄土では釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、弥勒如来、大日如来について解説があり、また、イラストレーター&文筆家の田中ひろみさんによる如来の三十二相八十種好の詳細な解説があります。

世界遺産の仏教遺跡と寺院には世界的な仏教遺跡の数々が美しい写真とともに紹介されており、ブッダの像と日本の仏教ではインド、中国、韓国の仏像と日本仏教の歴史にそった仏像の名品の解説がなされます。

COLUMNにも興味深い内容が幾つかまとめられており、最後のp112には29冊ではありますが「主要参考文献」も載っています。

とにかく写真が美しい。見ているだけで心が洗われます。

ほんの少し間違いもありますが、全体の出来具合からすれば気にならないレベルと思います。
曼荼羅作画とのかかわり

本書は仏教全体への広い視野のもと、非常に美しい数々の写真を用いて、歴史、文化、思想、美術への深い造詣が結実している一般向けのムック本です。

絵画、仏像、仏塔、遺跡、様々な仏教遺産を通して人類史における仏教文化の意味をあらためて感じさせる良本と思います。

仏教文化の歴史における曼荼羅の意味をもう一度思いおこす意味でも出会えてよかったです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




ブッダを知りたい。 (学研ムック)

中古価格
¥17から
(2015/7/12 16:15時点)




完全保存版 ブッダを知りたい。

新品価格
¥596から
(2015/7/12 16:15時点)



posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介
検索
QRコード
プロフィール
画書屋
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。