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2015年06月15日

本紹介 No. 021 水野弘元 著『釈尊の生涯』

水野弘元 著『釈尊の生涯』

密教や曼荼羅の理解には、釈尊についての知識が必要となることが少なくない。

仏教のはじまりとなる釈尊ゴータマブッダとはいかなることであったのか。その時代・思想の背景、人物、出来事などから仏教が起きた理由や状況を知りたい。

そう思い釈尊の伝記を読むことにした。

水野弘元 著『釈尊の生涯』(春秋社 1972)


人類史上一回限りの現象であった釈尊の悟りとはどのようなことであったか。
構成

四六判、318ページ、ハードカバー、図版はインド地図のみ

構成は以下の通り。

  まえがき
   一、釈尊および釈尊伝について
   二、釈尊前後のインドの時代と環境
   三、釈迦族について
   四、釈尊の出生から出家前まで
   五、出家の旅にのぼる
   六、太子の修道ー(一)禅定
   七、太子の修道ー(二)苦行
   八、菩提樹下の思惟と成道
   九、さとりの内容ー仏教の立場からみた外教批判
  一〇、成道後の坐禅思惟
  一一、最初の説法
  一二、ベナレスにおけるヤサなどの教化
  一三、ウルヴェーラーにおけるカッサパ兄弟の帰仏
  一四、サーリプッタ、モッガラーナおよびマハーカッサパの帰仏
  十五、マガダ濃くにおける一般民衆への教化
  十六、故郷釈迦国の訪問
  十七、祇園精舎の建立とコーサラへの仏教の進出
  十八、コーサラ国における教化
  十九、比丘尼教団の成立と長老尼たち
  二〇、西方地域への遊歴
  二一、デーヴダッタの反逆など
  二二、最後の遊歴
  二三、仏の入滅
   付、釈尊の伝記について
  索引

内容

著者は、いわゆる仏伝には史実に反した荒唐無稽の超人伝説的要素が含まれ、これがかえって実在した釈尊ゴータマブッダを捉えにくくしているとし、できるだけ根拠が明確で史実に近いと考えられうることのみを抽出し実在した釈尊の生涯を浮き上がらせたいとしている。

そこで主に南伝大蔵経(パーリ文献)の記述を根拠に時間的(いつのことか)・空間的(どこでのできごとか)矛盾が生じず、現実的と考えられるできごとに関してのみまとめている。

一方で、釈尊の神通奇跡を荒唐無稽な創作として排斥せず、非常に高い精神性と広範な知識、高度に発達した洞察力や人心掌握術の結果が一般の者には神通力や奇跡にみえた可能性があるとしている点が興味深い。

ヴェーダ、ブラーフマナ、ウパニシャッドの時代背景からの流れで釈尊の生きた時代を理解し、釈尊の思想と他の思想との比較考察を行い、仏教の独自性と特異性を強調している。

他の宗教や哲学は世界や人生が(いつまで)あるかないか(本体論)を問題とし、また、変えられないものである(宿命論)としたが、釈尊は世界や人生がどうあるか(現象論)を明らかにし、どのようにあるべきか(実践論)を説いた。

そのことは釈尊の悟りの内実として縁起と四諦を知り、三明六通を体得し、その成果として世界・人生の平和と幸福を実現することを理想とするとしている。別の言い方をすれば、一切皆苦を出発点とし、個人人格の完成や社会の融和浄化を目標としているといえる。

本書の記述は大変に論理的でわかりやすく、釈尊の生涯を通して仏教の本質に迫る姿勢がみられる。

その一方で、十二縁起説や三論、思念処、大空法などの概念は解説せずに使われているために、ある程度の仏教知識が無いと理解しにくい。

気になる点としては成道を得てからは釈尊が教化した様々な登場人物の話がほとんどですこし飽きてくる。

また、しかたのないことであるが、基本的な問題点として、釈尊のものとして語られる思想が、釈尊個人のものであるのか、仏教の歴史的産物や仏教研究の結果、あるいは、著者の思想の反映であるのかを本書のみによっては区別できない。

その意味でこの一冊にとどまらず広く釈尊の生涯や仏伝に類する記述に当たらなくてはならないと思う。
曼荼羅作画とのかかわり

本書を読むにあたり、釈尊の生涯を理解することで、仏教や密教美術を図像学的に解釈するための基盤が作れるかもしれないと期待していた。

例えば、阿閦如来の触地印や不空成就如来の施無畏印といった印契の由来となる釈尊の出来事とはどのようなことであったのかを理解できるものと考えていた。しかしながらこの本にはそのような内容は書かれていない。

一方で、釈尊の生涯から密教の教義の元となる事柄の幾つかを理解することができた。

仏教が釈尊の悟りや教えを理解するために様々な概念を展開させてきたと考えれば、密教の中に釈尊の思想が含まれているのは当然である。

仏教の起こりを知ることで曼荼羅を生み出した歴史の一端を知ることができるものと期待する。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




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