2015年07月03日
金剛界 微細会 尊像パーツ描き1(外周1)
微細会 尊像パーツ描き1
金剛界 微細会の尊像パーツを描き始めます。これまでと同様に外周から内側へと順に描いていこうと思います。
微細会の外周にも供養会と同様に二十天が描かれています。
微細会外周二十天の位置と順番を次の図に示しておきます。
微細会 東方五天
今回は東方五天(01〜05)の紹介をします。
東方の五天(01〜05)のうち中央03は東門守護の毘那夜迦の眷属ですが、残り四天はヴェーダやヒンドゥー教の主要神がまとめられた上界天の神々です。
外周二十天に関しては前回の供養会シリーズと比べて特筆して異なる点はありませんが、各天の個性を広げることによって実在感や親しみやすさを表現できると思います。
下図左は参考にした西院本曼荼羅の図で右が描いた尊像パーツです。
01)那羅延天(ならえんてん)
墨線によって尊像の形が分かります。いつもながら墨ってすごいなと感心します。
那羅延天は梵名のナーラーヤナの音訳でヒンドゥー教のビィシュヌ神の化身。クリシュナとも。
右手に古代インド武器の八輻輪を持つ。八輻輪は8本スポークの輪宝。
02)鳩摩羅天(くまらてん)
これは・・・なんか傷だらけですが、色が残っているだけいいかもしれません。表情もわずかながら伺うことができます。
鳩摩羅天は梵語のクマーラの音訳で、シヴァ神の子である軍神スカンダ(韋駄天)の別名。
右手に三鈷鈴を持つ。
03)金剛摧天(こんごうざいてん)
色がほとんど残っていないが、墨線がしっかり残っているので、姿形は間違わない。もう少し力強い印象か。
金剛摧天は梵名のヴァジュラ・チンナの意訳。ヴァジュラは金剛でチンナは摧砕の意。
金剛摧天は象頭人身の毘那夜迦の眷属で、傘蓋毘那夜迦ともいい傘蓋を翳す。毘那夜迦はシヴァ神とパールヴァティ妃の子で、智慧と福徳を授け、障害を除去する神。金剛摧天は煩悩を破壊し、慈悲の傘蓋により衆生を覆護する。
東門の守衛天。
04)梵天(ぼんてん)
これは剥離が激しく細部がわからないのでちょっと苦しい。紅蓮華がどこにあるかわからない。
梵天は梵名のブラフマンから。ヴェーダでは宇宙創造の最高神。ヒンドゥー教では創造神ヴィシュヌの臍から生じた蓮華に梵天が座し、この世界を創造したとされる。釈尊の成道にあっては帝釈天とともに説法を懇願した護法善天。
右手にもつ紅蓮華は蓮華蔵世界の象徴。
05)帝釈天(たいしゃくてん)
供養会の帝釈天は橙色の羯磨衣を身につけているが(2015/06/02の記事参照)、ここでは羯磨衣を着ていないようである。それにしてもギリギリわかる程度しか見えないのがまたなんともいえず・・・
帝釈天は梵名のシャクラから。帝釈天は梵天と並ぶ仏教の護法善天。ヒンドゥー教の神インドラのこと。
右手に古代インド武器の独鈷杵を持つ雷を操る雷霆神。
以上、東方五天でした。
では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ
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