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2015年07月16日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き11(金剛輪)

金剛輪 尊格の配置と順番

続いては微細会 金剛輪内の尊像パーツ描きです。

金剛輪内の尊格の配置と順番はわかりにくいのでここでかいつまんで説明します。

まあ、前回シリーズの供養会も前々回シリーズの三昧耶会も基本構造が同じなのでなんども記事にする必要はないのですがなんとなく流れで同じ記事の順番の方がみやすいかなって。

すこし詳しい内容は三昧耶会 金剛輪の記事で説明してますのでご参照ください。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit-4.jpg
(金剛界 微細会 金剛輪尊格)

金剛輪内の尊格は大きく四つのグループ(@〜C)に分かれます。
   @ 五仏     (白番号:1〜5)
   A 四波羅蜜菩薩 (黄番号:6〜9)
   B 十六大菩薩  (水色番号:10〜25)
   C 内四供養菩薩 (桃色番号:26〜29)

       (カッコ内の色数字は上図の色番号に対応します。)
@ 五仏(白番号:1〜5)

白番号1〜5の五仏(五智如来)は金剛輪内に十字に配された五つの解脱輪の中央に住します。

金剛界曼荼羅世界は中尊 毘盧遮那如来(1)を中心にできていて、四方四仏(2〜5)は東南西北の時計周りに配されます(金剛界曼荼羅は上が西)。
A 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)

黄番号6〜9の四波羅蜜菩薩は毘盧遮那如来(1)の四方を囲むように東南西北の順に時計周りに住しています。
B 十六大菩薩(水色番号:10〜25)

水色番号10〜25の十六大菩薩は毘盧遮那如来(1)と四仏(2〜5)との位置関係から配置が決まります。

各四仏を取り囲む十六大菩薩をそれぞれ四親近菩薩と言い、それぞれ次の二つのルールに従って配置が決まります。

  1)毘盧遮那如来に近い方が上位
  2)毘盧遮那如来に向かって四仏の右側が上位


尊格がこちらを向きに座して描いている西院本金剛界曼荼羅ではわかりにくいのですが、金剛界世界では毘盧遮那如来に向かって説法を聴いていますので、同グループ内では毘盧遮那如来に近い尊格が上位になり、また右側上位文化の影響も働いています。
C 内の四供養菩薩(桃色番号:26〜29)

桃色番号26〜29の内四供養菩薩は八方位の東南西北が抜け「東南→南西→西北→北東」の順に配されることになります。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月15日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き10(第二重6)

第二重の尊像パーツ描き 6回目

今回の賢劫十六尊の北側の四尊(21〜24)で、微細会第二重の尊像パーツ描きの最後です。

EPSON003-Edit-Edit-Edit-2-Edit-2-Edit-Edit-Edit.jpg
(金剛界 微細会第二重 賢劫十六尊北方四尊:21〜24)
順番は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西

第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊北(黄色番号21〜24)

21)無尽意菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit-2-Edit-2-Edit.jpg
梵篋のほんの少しの赤が見えるだけで安心して描ける。

無尽意菩薩は無量慧菩薩ともいい、尽きることのない仏の智慧で遍く衆生に満足を与える菩薩。
梵篋(経典の意)を載せた蓮華を右手で持つ。梵篋は無尽蔵の仏智を象徴し、智慧の無限の働きを示す。

22)辯積菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
必要な色が少しでも残っていると分かりやすい。

辯積菩薩は文殊菩薩と同体で、辯舌を積み上げ辯説巧みに衆生を導く菩薩。
五色雲を載せた蓮華を右手で持つ。五色雲は広大無限の智慧の象徴。

23)金剛蔵菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit-2-Edit.jpg
蓮華上の三昧耶形の判別が難しい。ここは『密教大辞典』の記述「御室版微細會は左掌を膝に覆せ、右手は寳珠をのせたる蓮花を持つ」と心眼で宝珠とする。

金剛蔵菩薩は金剛薩埵と同体で、金剛智を胎蔵する菩薩。
宝珠を載せた蓮華を右手で持つ。宝珠は無尽蔵の智慧の象徴。

24)普賢菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit-2.jpg
この尊は利剣を立てて右手に持つ像が明らか。

普賢菩薩は普く二徳が行き渡るにことにより衆生を救う賢者の意を表す菩薩。
金剛剣を右手に持つ。金剛剣は悪鬼・煩悩を滅する大いなる智慧の働きを象徴する。

これで微細会第二重の尊像パーツ描きを終え、金剛輪の中の尊格へ進みます。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月14日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き9(第二重5)

第二重の尊像パーツ描き 5回目

微細会第二重の尊像パーツ描きをしています。
今回は賢劫十六尊のうち西側四尊(17〜20)です。

EPSON003-Edit-Edit-Edit-2-Edit-2-Edit-Edit.jpg
(金剛界 微細会第二重 賢劫十六尊西方四尊:17〜20)
順番は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西

第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊西(黄色番号17〜20)

17)無量光菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-3.jpg
前回までの賢劫十六尊パーツ描きでは八尊中六尊が三昧耶形を載せた蓮華台を右手に持つ姿で描かれていた。西方賢劫四尊は右手の平を上に向けその上に三昧耶形を載せているか、もしくは、右手から吊り下げている。

無量光菩薩は無量の智慧の光によってあまねく十方世界を照らす菩薩。
光明が広がる蓮華を右手に載せ持つ。無量光明は無量の智慧の光を象徴する。

18)賢護菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
賢瓶を右手に直接載せているように見える。

賢護菩薩の衆生救済を固く誓願し、魔性・煩悩から衆生を賢く護る菩薩。
賢瓶を右手に載せ持つ。賢瓶の中には煩悩を滅する智慧が入っている。

19)光網菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-3-Edit.jpg
羅網を右手に吊り下げ持っている。

光網菩薩は網明菩薩ともいい、苦海に溺れる衆生を智慧の光の網で救うことを誓願した菩薩。
羅網(宝珠を連ねた光り輝く網)を右手に吊り下げ持つ。羅網は衆生救済の方便の網である。

20)月光菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-2-Edit.jpg
三日月を直接右手のひらに載せているように見える。

月光菩薩は暗夜の月の光のように衆生の迷闇を照らし菩提心の円満を導く菩薩。
三日月を右手に載せ持つ。月光は清涼なる光にて煩悩炎を滅する境地へと導く。

以上。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月13日

本紹介 No. 028『古代インド』

『古代インド』

仏教をその成り立ちから知りたいと思い『釈尊の生涯』『原始仏教』『原始仏典』と原始仏教関連の本を読みました。

その中で原始仏教の起こった時代の歴史的背景や思想などが原始仏教の成立にとって重要な意味を持っていたことがわかってきました。

そこで、原始仏教の成立に関わる歴史的・社会的背景についてもう少し詳しく知りたいと思い中村先生のご著書から次の一冊を選びました。

中村 元 著 『古代インド』(講談社 2004)

EPSON010.jpg
『古代インド』

こういう本があるといいなあと思うと中村先生が書かれている。

すばらしい!
構成

文庫本、437ページ、モノクロ写真のみ

構成は以下の通り。

     はじめに
      第一章 インドの先住民
      第二章 アーリヤ人の侵入
      第三章 農村社会の確立とバラモン教
      第四章 都市の出現
      第五章 原始仏教の出現
      第六章 統一的官僚国家の成立
      第七章 異民族の侵入
      第八章 クシャーナ王国
      第九章 大乗仏教
      第十章 グプタ王朝の集権的国家
     第十一章 セイロンとネパール
     おわりに

     参考文献
     古代インド年表
     『古代インド』関連地図

内容

本書のはじめにによると、中村先生は春秋社から文献を主な資料として叙述した『インド古代史』を本書に先んじて出版されているようです。

一方、本書は先生ご自身の旅行調査と考古学的・美術的遺物・遺品を元に古代インド人の生活と思想を歴史にそって叙述したとのことです。

本文の内容としては、

第一章から第三章では、まだ謎多き古代文明であるインダス文明、アーリヤ人の侵入、先住民との戦争とアーリヤ人の統治について述べ、また、農村社会とバラモン教の関係から古代のみならず現代にも続くインドの社会構造を明らかにしています。

第四章から第六章にかけて原始仏教成立以前の社会背景、釈尊の生涯と原始仏教の出現、チャンドラ・グプタ王によるインド統一(マウリア王朝)とアショーカ王法政下での仏教の躍進といった歴史的流れを眺望し、

第七章から第九章で、ギリシャ人、サカ族、パルティア族などの異民族の侵攻とクシャーナ帝国下での大乗仏教の興隆についてまとめ、特に第九章 大乗仏教では大乗仏教興隆の時代背景とともに代表的な大乗仏典の内容について簡潔に解説をしています。

第十章でグプタ王朝の成立およびヒンドゥー教の興隆、石窟寺院の大乗仏教美術について述べ、インドから仏教が消滅してしまった諸要因についてまとめています。

最後にセイロン(スリランカ)とネパールの歴史を、主に仏教の興隆と仏教美術を中心にまとめています。

本書の古代インドおよび仏教の歴史についての多くの示唆に富んだ記述の中で、「仏教が衰退した要因」の一つが西ローマ帝国の衰微にあるとの指摘と、「なぜインドで仏教が消滅したのか」との考察の中で仏教がインドの根幹である農村社会と緊密な関係性を築くことができなかった点を挙げたところが特に印象に残りました。
曼荼羅作画とのかかわり

古代インドの歴史の中で伝統的部派仏教への反抗の現れとして大乗仏教が興起し、その歴史の要望を受け様々な役割を与えられた多くの如来・菩薩が出現する。

両界曼荼羅はそれら多数の如来や菩薩の特徴と関係性を体系化・図式化した集大成である。

本書は残念ながら密教に関わる記述はほとんどなく、古代インド史における密教の積極的な役割についてはよくわからなかった。

一方で、密教の基盤のもう一方であるバラモン教やヒンドゥー教のインドでの重要性についてあらためて理解する必要があると感じた。

美術的側面では、各章でアジャンター窟院壁画やそこに描かれる女性や菩薩の装身具について詳しく解説がなされているが、そのことから、両界曼荼羅に描かれる菩薩や女尊の身体・装身具などをアジャンター窟院壁画を参考にすると良いのかもしれないと思った。

アジャンター窟院壁画が両界曼荼羅を描く上での一つの指標になりはしないかと考えたりしている。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

(以下追記)

『ガンジス川の文明』

と、一応まとめたのですが、文中にちょっと腑に落ちないところ、例えば、前述したと書いてあるところが見当たらなかったり、表現のニュアンスが部分的に違っていたり、話が飛んでるかなと思うところやほとんど同じことを繰り返し書いているところなど、ちょっと中村先生らしくないなと思えるところが散見されました。

というわけで、探したら『古代インド』の底本になっている次の本を見つけたのでちょっと読んでみました。

中村 元 著 
   世界の歴史 第5巻『ガンジス川の文明』(講談社 1977)


EPSON034.jpg
『ガンジス川の文明』
A5版、428ページ、箱入りハードカバー、巻頭カラー4枚のほか本文中モノクロ写真多数

書かれた内容の大部分は『古代インド』と同様であるので新しく項目を設けて本紹介とするほどのこともなく(追記)としましたが、大改定とまではいかないまでもいくつか修正が見られます。

まず読みはじめから『古代インド』では「第一章 インドの先住民」とあるところが『ガンジス川の文明』では「1 インドの原住民」となっている。

こういった人種や人権に対する現代的配慮がみられるのは当然ですが、人物写真や表などの資料が削除されていることが多いです。

そのほかいちいちあげるときりがない程度には細かい修正や訂正の類がおこなわれていますが、これが、完璧に行われているのであれば、へんな雰囲気にはならないと思うのですが、部分的な修正で書き直しをし、また、その書き直しの目が全体に行き渡っていないようにおもえるので、『古代インド』に違和感を感じたのだと思います。

もちろん一冊の本に首尾一貫して同じ論調で書かれる方が珍しいといえばそれまでですが、中村先生ほどの方なのでこれはちょっとどうしたことだろうとおもったまでです。

でも、まあ、比べて読んでみたところ『ガンジス川の文明』の方が少ししっかりしているかなと思うくらいで、全体としての主張はほとんど変わりません。

講談社学術文庫という広く信頼ある文庫として生まれ変わった『古代インド』の方が一般的に手に取りやすく読みやすい本になっていると思います。

で、どちらを選ぶかといえば僕は『ガンジス川の文明』の方を選びます。

『ガンジス川の文明』には『古代インド』にはない4枚の巻頭カラー写真(ベナレスの河岸、アジャンター第17窟の壁画、カイラーサナータ寺院の舞踏するシヴァ神(エローラ)、シギリヤの壁画)が載せてあります。

それに、ハードカバーの本が好きなんです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




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2015年07月12日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き8(第二重4)

第二重の尊像パーツ描き 4回目

微細会第二重の尊像パーツ描き中です。
今回は賢劫十六尊のうち南方四尊(13〜16)について。

EPSON003-Edit-Edit-Edit-2-Edit-3.jpg
(金剛界 微細会第二重 賢劫十六尊の南方四尊:13〜16)
順番は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西
第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊南(黄色番号13〜16)

13)香象菩薩

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現在では素朴な表情に見えるが、完成直後の表情はいかがなものであっただろうか。

香象菩薩の香象とは発情期に芳香を放ち異性を誘引する象のことを表す。
香器を載せた蓮華を右手に持つ。香器は仏の慈徳が心を清め拡がることを香の清涼なかおりが身体を清め広くひろがることで象徴している。

14)大精進菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-4_2.jpg
ここでは明らかに独鈷戟を右手に持っているのでそのように描く。

大精進菩薩は勇猛菩薩とも呼ばれ衆生の苦難を砕破する菩薩。
独鈷戟(鏘戟ともいい先端に独鈷杵をつけた槍)を右手に持つ。独鈷戟は精進努力を怠らず菩提心を貫くことを象徴する。

15)虚空蔵菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-Edit-Edit-3.jpg
ここも右手に直接三瓣宝珠を載せている像として描かれている。

虚空蔵菩薩は二徳(福徳と智慧)に富み、その広がりが虚空(宇宙)に等しいとされる。
三瓣宝珠を右手に持つ。三瓣宝珠があらゆる富喜を包含していることから虚空蔵菩薩が二徳を豊満していることを象徴する。

16)智幢菩薩

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この像では如意幢幡を載せた蓮華台を右手に持っている。このように三昧耶形を蓮華台に載せて持つ像と直接手に持つ像の違いとは何であろうか?

智幢菩薩は智慧の幢幡を意味し、智慧の象徴の如意宝珠を旗頭に載せた幢幡(旗)を如意幢幡と呼ぶ。
如意幢幡を載せた蓮華を右手に持つ。如意幢幡は仏智と衆生済度を旗印とし衆生を鼓舞し仏の道を突き進むことを象徴する。

以上、賢劫十六尊のうち南方の四尊は仏の慈悲・智慧・福徳を観得し精進に励むことを象徴する菩薩が見られる。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月11日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き7(第二重3)

第二重の尊像パーツ描き 3回目

今回から微細会のB 賢劫十六尊を東南西北の四回に分けてあげていきます。
今回は賢劫十六尊のうち東側四尊(9〜12)です。

ちなみに時間を過去・現在・未来に分け、現在に現れる千仏を賢劫千仏といい、その上位十六尊を賢劫十六尊と言います。

EPSON003-Edit-Edit-Edit-2-Edit-2-Edit.jpg
(金剛界 微細会第二重 賢劫十六尊:9〜12)
順番は東南西北の時計回りで、金剛界曼荼羅は上が西

第二重 尊像パーツ B 賢劫十六尊東(黄色番号:9〜12)

9)慈氏菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-2-Edit.jpg
この会の尊像は比較的・・・硬い印象。

慈氏菩薩は弥勒菩薩とも呼ばれ、賢劫十六尊の筆頭菩薩。
軍持(水差し)を載せた蓮華を右手で持つ。軍持は衆生に智慧の水を注ぐ働きの象徴。

10)不空見菩薩

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ここも残った線からは表情が硬く厳しく見える。

「見逃さない」の意を名にする不空見菩薩は仏眼(五眼)を開き遍く衆生を済度する菩薩。
仏眼独鈷杵(独鈷杵の左右に仏眼)を載せた蓮華を右手で捧げ持つ。仏眼独鈷杵は衆生をよく見、煩悩を砕破する働きの象徴。

11)滅悪趣菩薩

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右手に持っている蓮華台などが分かりにくい。

滅悪趣菩薩は衆生を地獄・餓鬼・畜生道の三悪趣から離れさせることを誓願した菩薩。
梵篋を載せた蓮華を右手で捧げ持つ。梵篋は法門(仏の教え)を象徴し衆生を救済する働きの象徴。

12)除憂闇菩薩

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ここは無憂樹五葉を蓮華台に載せて右手に持たせるか、無憂樹五葉を直接右手に持たせるかで大変悩んだが、蓮華台の花弁と思われる赤い色が残っていると判断して無憂樹五葉を蓮華台に載せて右手に持たせることとした。ちなみに『密教大辞典』では「金剛界微細會の尊は左拳を腰にし、右手に樹枝を持つ。」とある。

除憂闇菩薩は衆生の一切の憂悩・迷妄・暗愚を砕破することを誓願した菩薩。
無憂樹の五葉を載せた蓮華を右手で捧げ持つ。無憂樹五葉は衆生の憂悩や煩悩を払う働きの象徴。

以上、東方の賢劫四尊は仏の智慧と煩悩砕破の働きにより遍く衆生救済の誓願をする菩薩が見られる。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月10日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き6(第二重2)

第二重の尊像パーツ描き 2回目

金剛界微細会第二重の尊像描きをしています。

今回はA 四摂菩薩(番号:5〜8)です。

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(金剛界 微細会第二重 5〜8)
順番は東南西北の時計回りで、上が西

第二重 尊像パーツ A 四摂菩薩(番号:5〜8)

5)金剛鉤菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-3.jpg
磨耗剥離により尊像の色などが不鮮明。

金剛鉤菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重東門を守護する門衛。
金剛三鈷鉤を右手に持つ。金剛三鈷鉤は衆生済度、諸尊集合の象徴。

6)金剛索菩薩

_DSC5250-Edit-Edit-2-Edit-3.jpg
ここでは磨耗剥離がひどく細部が分かりにくい。

金剛索菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重南門を守護する門衛。
金剛龍索を右手で持つ。金剛龍索は衆生を菩提にとらえ引き入れる働きの象徴。

7)金剛鎖菩薩

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色形ともよく保存されている。描かれた場所によって画布の折り畳まれ方により磨耗や絵の具の剥離の度合いが異なるのだろうか?

金剛鎖菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重西門を守護する門衛。
金剛鎖を右手に持つ。金剛鎖は衆生を菩提に繋ぎとめる働きの象徴。

8)金剛鈴菩薩

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色形とも保存が悪く配色や細部が不明。かろうじて墨線が残る。

金剛鈴菩薩は毘盧遮那如来より出生した第二重北門を守護する門衛。
金剛鈴を右手に持つ。金剛鈴は衆生を歓喜せしめ菩提に留めおく働きの象徴。

以上。

三鈷杵座と蓮華座が重なる部分は分かりにくいので一部ペン入れなどしたが、本下絵に写すときにできそうだったのでそのままにしたものも多い。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月09日

本紹介 No. 027『原始仏典』

『原始仏典』

前回の本紹介では中村先生の『原始仏教』の中で原始仏教聖典からのことばを適宜引用しておりましたが、そもそも原始仏教聖典(原始仏典)にはどのようなものがあるのでしょうか。

同じく中村先生のご著書から原始仏典についての本を読んでみます。

中村 元 著 『原始仏典』(ちくま学芸文庫 2011)


以前から中村先生のご著書 岩波文庫『ブッダのことば』『ブッダの真理のことば・感興のことば』などに一通り目を通してはおりますがそのほかの原始仏典についても知りたいと思います。
構成

文庫本、422ページ、主にインド出土の仏教異物のモノクロ写真が各章の扉に載せてあります。

構成は以下の通り。

 はしがき

 I 釈尊の生涯

 序 章 原始仏典へのいとぐち
  第一章 誕生と求道 『スッタニパータ』(1)
  第二章 悪魔の誘惑 『サンユッタ・ニカーヤ』(1)
  第三章 最後の旅  『大パリニッバーナ経』
  第四章 仏弟子の告白・尼僧の告白 
            『テーラガーター』『テーリーガーター』
 U 人生の指針

 第一部 人生の指針
  第一章 ブッダのことば 『スッタニパータ』(2)
  第二章 真理のことば  『ダンマパダ』
  第三章 生きる心がまえ 『サンユッタ・ニカーヤ』(2)
  第四章 人間関係    『シンガーラへの教え』
  第五章 ジャータカ物語 

 第二部 後世における発展
  第六章 アショーカ王のことば 『岩石詔勅』
  第七章 ギリシア思想との対決 『ミリンダ王の問い』
 
 解説 宮元啓一

内容

まずはじめに、本書を読んで、本書を書かれた当時に中村先生がいつも心に留めていた思いは世界平和への願いだったろうと感じました。

特にこれからの時代において世界平和を実現させるために必要な智慧の幾つかが原始仏典に説かれていますよということを教えてくださっているのだと思いました。

本書はNHKテレビでの『インドの思想と文化」と、ラジオでの「こころを読む ー 仏典」という二つの連続講義を中心に歴史的、体系的にまとめた七冊シリーズ本のはじめの二冊(『原始仏典T 釈尊の生涯』『原始仏典U 人生の指針』共に1987 東京書籍)を一冊に合本したものです。

全体をざっと見ると、前半のI 釈尊の生涯では釈尊の誕生から入滅と仏弟子のことばがぞれぞれの原始仏典からの引用とともに解説されております。

後半のU 人生の指針は二部に分けられ、第一部 人生の指針では釈尊や仏弟子のことばのなかから重要なものを取り上げ解説をし、また、ブッダの前世譚を寓話や説話の形で伝える『ジャータカ』についても紹介しています。

第二部 後世における発展においてはアショーカ王碑文や『ミリンダ王の問い』といった原始仏典の範疇には直接は入らないと思われるものであっても原始仏教とその意義を理解する上で重要と考えられるものについて解説がされています。

文庫本とはいえ422ページといえばそれなりの分量なので読むのに難儀するかといえばさにあらず、思ったよりもすんなり読めます。

これは先生の柔らかい語り口とともに現代社会との接点を見出そうとすることによる問題意識の発現、および、表現をできるだけ平易であるようにとつとめる中村先生のご尽力の結果、大変読みやすく、理解しやすいようになっているためと思われます。

本書だけでも原始仏典の概要は理解されます。しかし、ほかにもっとたくさんの大切なことばや人生の指針となるエピソードがあるのかと思うとそれも読んでみたい。

僕にとっては本書は原始仏典へのガイダンスとしての役割を果たす良い本です。
曼荼羅作画とのかかわり

部派仏教から大乗仏教そして密教へと原始仏教から時代を隔てたとしても、仏教の底に流れる釈尊の教えの本質には変わらないものがあるのだろうと思います。

両界曼荼羅に描かれているものが原始仏典に表現されている様々な事柄といかに関わるのかという観点に立ってみると、またちがった両界曼荼羅の魅力が感じられます。

原始仏典のどの言葉がどの図像とかかわっているかと想像しながら両界曼荼羅を理解するのは楽しい。

本書では原始仏典に述べられている言葉の現代的な意味について各所で言及しています。時代や場所が異なっても人としてよりよく生きる生き方に違いはないという強い信念を感じます。

両界曼荼羅もなにかそういう念いをもって描きたいと思います。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




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2015年07月08日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き5(第二重1)

第二重の尊像パーツ描き 1回目

次は第二重の尊像パーツ描きです。
第二重の尊格の配置については三昧耶会のところで詳しく説明しました(2015/05/07の記事参照)。

ここでは微細会の配置と番号をあげておきます。

第二重の二十四尊は大きく三つに分類されます。
    @ 外四供養菩薩(白番号:1〜4)
    A 四摂菩薩  (水色番号:5〜8)
    B 賢劫十六尊 (黄色番号:9〜24)

      (カッコ内の色と数字は次の図の色番号に対応)

EPSON003-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
(金剛界 微細会第二重 色番号付)


今回は@ 外四供養菩薩(1〜4)を描きます。
第二重 微細会尊像パーツ @ 外四供養菩薩(1〜4)

EPSON003-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit-Edit.jpg
(金剛界 供養会第二重 1〜4)
順番は東南西北の時計回りで上が西

1)金剛焼香菩薩

_DSC5250-Edit-Edit.jpg
月輪円に蓮華座に座す尊像と三鈷杵を重ねて描くのですこし煩雑になる。

金剛焼香菩薩は阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した女尊。焼香の尊格化。
宝香炉を両手で捧げ持つ。

2)金剛華菩薩

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色や形がよく保存されているのでイメージがつかみやすい。

金剛華菩薩は宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した女尊。盛華の尊格化。
盛華を両手で捧げ持つ。

3)金剛橙菩薩

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上の二つは左向きで、ここからした二つは右向きで、それぞれ供養する毘盧遮那如来の方に体を向けている。。

金剛橙菩薩は阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した女尊。橙燭の尊格化。
橙燭を両手で捧げ持つ。

4)金剛塗香菩薩

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剥落がひどく尊像の表情や手の位置などが読みにくい。

金剛塗香菩薩不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出生した女尊。塗香器の尊格化。
塗香器を両手で捧げ持つ。

蓮華座と三鈷杵のバランスが難しい。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月07日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き4(外周4)

微細会外周 尊像パーツ描き終了

今回で微細会外周のパーツ描き終了です!
微細会 北方五天

いつも通り各尊像の位置がわかるように図に番号をつけておきます。

EPSON003-Edit-Edit-3-Edit-Edit.jpg
(微細会外周北方五天 16〜20)
東南西北で時計回りで上が西

北門を守護する毘那夜迦の眷属である18を除く北方五天(16, 17, 19, 20)は地下天に属し、大地と地下世界の神々が住しています。

16)金剛面天(こんごうめんてん)

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金剛界曼荼羅で微細会は供養会の下に位置する。供養会のときもそうだったけど、北方五天のところにちょうど折り目(もしくは縫い目?)が重なって絵の具の脱落が酷い。

金剛面天は別名を金剛猪頭天と呼ばれる猪頭人身のヴィシュヌ神の化身。神話では水中に没した大地を引き上げる鋤を持つが、仏教に取り入れられ衆生救済の象徴たる金剛鉤が持物となった。
右手に金剛鉤を持つ。

17)炎摩天(えんまてん)

_DSC5247-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
顔の半分もわからないし、持物の形も不明。でも色が残っているとそれだけでそこに尊像がある喜びがある。

炎摩天は一切衆生の善悪の業を裁断し、煩悩を滅する死と時間の神。
右手に持つ人頭杖は死後の衆生を裁く正義の法の象徴。

18)調伏天(ちょうぶくてん)

_DSC5247-Edit-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
ここも剥離は酷いが姿形が全く見えないわけではないのでどのように描いているのかがなんとなく分かる。全く同じく描くことはできないけれど・・・

調伏天は別名を拘刀毘那夜迦ともいい象頭人身の毘那夜迦の眷属で北門の守護天。
右手に持つ三鈷剣にて魔と闘い仏法を守護する。

19)毘那夜迦(びなやか)

_DSC5247-Edit-Edit-3-Edit.jpg
これはひどい。でもじっと見ているとこう描けば良いという示唆が自然に出てくる。左手はもう少し下げて脇につけて描くべきだったな。

毘那夜迦は象頭人身で大自在天と烏摩妃の子。障害を支配する智慧の神。
右手に蘿蔔根、左手に歓喜丸を持つ。

20)水天(すいてん)

_DSC5247-Edit-Edit-Edit-Edit-2.jpg
これは元の絵がほぼ不明だが印象だけは伝わってくるから不思議だ。

水天は水を支配する神。衆生の渇いた心を潤し菩提心を生み出す力を引き出す。
右手に持つ龍索は龍を模し一端に独鈷杵の先をつけた縄のこと。

以上、北方五天でした。
これで微細会の外周二十天のパーツ描き終了。

次回からいよいよ微細会第二重の尊像パーツ描きです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

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