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2015年07月13日

本紹介 No. 028『古代インド』

『古代インド』

仏教をその成り立ちから知りたいと思い『釈尊の生涯』『原始仏教』『原始仏典』と原始仏教関連の本を読みました。

その中で原始仏教の起こった時代の歴史的背景や思想などが原始仏教の成立にとって重要な意味を持っていたことがわかってきました。

そこで、原始仏教の成立に関わる歴史的・社会的背景についてもう少し詳しく知りたいと思い中村先生のご著書から次の一冊を選びました。

中村 元 著 『古代インド』(講談社 2004)

EPSON010.jpg
『古代インド』

こういう本があるといいなあと思うと中村先生が書かれている。

すばらしい!
構成

文庫本、437ページ、モノクロ写真のみ

構成は以下の通り。

     はじめに
      第一章 インドの先住民
      第二章 アーリヤ人の侵入
      第三章 農村社会の確立とバラモン教
      第四章 都市の出現
      第五章 原始仏教の出現
      第六章 統一的官僚国家の成立
      第七章 異民族の侵入
      第八章 クシャーナ王国
      第九章 大乗仏教
      第十章 グプタ王朝の集権的国家
     第十一章 セイロンとネパール
     おわりに

     参考文献
     古代インド年表
     『古代インド』関連地図

内容

本書のはじめにによると、中村先生は春秋社から文献を主な資料として叙述した『インド古代史』を本書に先んじて出版されているようです。

一方、本書は先生ご自身の旅行調査と考古学的・美術的遺物・遺品を元に古代インド人の生活と思想を歴史にそって叙述したとのことです。

本文の内容としては、

第一章から第三章では、まだ謎多き古代文明であるインダス文明、アーリヤ人の侵入、先住民との戦争とアーリヤ人の統治について述べ、また、農村社会とバラモン教の関係から古代のみならず現代にも続くインドの社会構造を明らかにしています。

第四章から第六章にかけて原始仏教成立以前の社会背景、釈尊の生涯と原始仏教の出現、チャンドラ・グプタ王によるインド統一(マウリア王朝)とアショーカ王法政下での仏教の躍進といった歴史的流れを眺望し、

第七章から第九章で、ギリシャ人、サカ族、パルティア族などの異民族の侵攻とクシャーナ帝国下での大乗仏教の興隆についてまとめ、特に第九章 大乗仏教では大乗仏教興隆の時代背景とともに代表的な大乗仏典の内容について簡潔に解説をしています。

第十章でグプタ王朝の成立およびヒンドゥー教の興隆、石窟寺院の大乗仏教美術について述べ、インドから仏教が消滅してしまった諸要因についてまとめています。

最後にセイロン(スリランカ)とネパールの歴史を、主に仏教の興隆と仏教美術を中心にまとめています。

本書の古代インドおよび仏教の歴史についての多くの示唆に富んだ記述の中で、「仏教が衰退した要因」の一つが西ローマ帝国の衰微にあるとの指摘と、「なぜインドで仏教が消滅したのか」との考察の中で仏教がインドの根幹である農村社会と緊密な関係性を築くことができなかった点を挙げたところが特に印象に残りました。
曼荼羅作画とのかかわり

古代インドの歴史の中で伝統的部派仏教への反抗の現れとして大乗仏教が興起し、その歴史の要望を受け様々な役割を与えられた多くの如来・菩薩が出現する。

両界曼荼羅はそれら多数の如来や菩薩の特徴と関係性を体系化・図式化した集大成である。

本書は残念ながら密教に関わる記述はほとんどなく、古代インド史における密教の積極的な役割についてはよくわからなかった。

一方で、密教の基盤のもう一方であるバラモン教やヒンドゥー教のインドでの重要性についてあらためて理解する必要があると感じた。

美術的側面では、各章でアジャンター窟院壁画やそこに描かれる女性や菩薩の装身具について詳しく解説がなされているが、そのことから、両界曼荼羅に描かれる菩薩や女尊の身体・装身具などをアジャンター窟院壁画を参考にすると良いのかもしれないと思った。

アジャンター窟院壁画が両界曼荼羅を描く上での一つの指標になりはしないかと考えたりしている。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

(以下追記)

『ガンジス川の文明』

と、一応まとめたのですが、文中にちょっと腑に落ちないところ、例えば、前述したと書いてあるところが見当たらなかったり、表現のニュアンスが部分的に違っていたり、話が飛んでるかなと思うところやほとんど同じことを繰り返し書いているところなど、ちょっと中村先生らしくないなと思えるところが散見されました。

というわけで、探したら『古代インド』の底本になっている次の本を見つけたのでちょっと読んでみました。

中村 元 著 
   世界の歴史 第5巻『ガンジス川の文明』(講談社 1977)


EPSON034.jpg
『ガンジス川の文明』
A5版、428ページ、箱入りハードカバー、巻頭カラー4枚のほか本文中モノクロ写真多数

書かれた内容の大部分は『古代インド』と同様であるので新しく項目を設けて本紹介とするほどのこともなく(追記)としましたが、大改定とまではいかないまでもいくつか修正が見られます。

まず読みはじめから『古代インド』では「第一章 インドの先住民」とあるところが『ガンジス川の文明』では「1 インドの原住民」となっている。

こういった人種や人権に対する現代的配慮がみられるのは当然ですが、人物写真や表などの資料が削除されていることが多いです。

そのほかいちいちあげるときりがない程度には細かい修正や訂正の類がおこなわれていますが、これが、完璧に行われているのであれば、へんな雰囲気にはならないと思うのですが、部分的な修正で書き直しをし、また、その書き直しの目が全体に行き渡っていないようにおもえるので、『古代インド』に違和感を感じたのだと思います。

もちろん一冊の本に首尾一貫して同じ論調で書かれる方が珍しいといえばそれまでですが、中村先生ほどの方なのでこれはちょっとどうしたことだろうとおもったまでです。

でも、まあ、比べて読んでみたところ『ガンジス川の文明』の方が少ししっかりしているかなと思うくらいで、全体としての主張はほとんど変わりません。

講談社学術文庫という広く信頼ある文庫として生まれ変わった『古代インド』の方が一般的に手に取りやすく読みやすい本になっていると思います。

で、どちらを選ぶかといえば僕は『ガンジス川の文明』の方を選びます。

『ガンジス川の文明』には『古代インド』にはない4枚の巻頭カラー写真(ベナレスの河岸、アジャンター第17窟の壁画、カイラーサナータ寺院の舞踏するシヴァ神(エローラ)、シギリヤの壁画)が載せてあります。

それに、ハードカバーの本が好きなんです。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




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posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介
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