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2015年07月26日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き18(金剛輪7)

金剛輪の尊像パーツ描き7

今回は微細会金剛輪諸尊で最後となるC 内四供養菩薩(桃色番号:26〜29)です。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit.jpg
(金剛界 微細会 金剛輪 内四供養菩薩(桃色番号:26〜29))

金剛界曼荼羅は上が西で、東南(26)から時計回り。
微細会 金剛輪 尊像パーツ

26)金剛嬉菩薩

_DSC5444-Edit-Edit-Edit-2-Edit.jpg
金剛嬉菩薩は『密教大辞典』には「微細會の尊は左拳を腰に覆せ、右拳を仰げて腰に置き、頭を少しく左に低る。」とあるが、両手は良いとして、『西院本曼荼羅』では前を向いているように見える。ここでは前を向くことにする。

金剛嬉は梵名のヴァジュラ・ラーシーの意訳。毘盧遮那如来が遊戯・愛楽の嬉びをもって阿閦如来を供養するために出生した金剛輪東南の月輪に座す女尊。

27)金剛鬘菩薩

_DSC5444-Edit.jpg
姿形がよく保存されている。

金剛鬘は梵名のヴァジュラ・マーラーの意訳。毘盧遮那如来が華鬘・宝鬘をもって宝生如来を荘厳し供養するために出生した金剛輪南西の月輪に座す女尊。

28)金剛歌菩薩

_DSC5444-Edit-Edit.jpg
金剛箜篌を奏でる姿が美しい。

金剛歌は梵名のヴァジュラ・ギーターの意訳。毘盧遮那如来が歌詠偈頌をもって阿弥陀如来を供養するために出生した金剛輪南西の月輪に座す女尊。

29)金剛舞菩薩

_DSC5444-Edit-Edit-2.jpg
手の形や動きがわかりやすい。

金剛舞は梵名のヴァジュラ・ヌリトヤーの意訳。毘盧遮那如来が舞踊技芸をもって不空成就如来を供養するために出生した金剛輪西北の月輪に座す女尊。


内の四供養菩薩は毘盧遮那如来が四方如来を供養するためにそれぞれ、
阿閦如来の瞋恚の炎を滅した徳を嬉びで供養し
宝生如来の一切財宝の施しの徳を宝鬘で供養し
阿弥陀如来の極楽不死の徳を歌詠偈頌で供養し
不空成就如来の精進・済度の徳を舞踊で供養し
ている。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月25日

本紹介 No. 031『アジャンタとエローラ』

『アジャンタとエローラ』

前回読んだのが『AJANTA & ELLORA』
日本語に訳すと『アジャンタとエローラ』

今回はそんなタイトルの本です。

立川武蔵 文、大村次郷 写真 
      『アジャンタとエローラ』(集英社 2000)



写真の大村次郷氏は以前紹介した『ブッダの人と思想』にも写真を提供し、『週刊 ユネスコ世界遺産 No. 83 インド』に掲載されている写真のいくつかにもTsugusato Omuraのクレジットがついていました。
構成

菊判変形、ハードカバー、117ページ、カラー写真多数。

構成は以下の通り。

     アジャンタ石窟寺院
      岩盤の下の祠堂
      壁画の菩薩
      仏殿とジャータカ
      本生物語
      輪廻からの解脱

     エローラ石窟寺院
      エローラの石窟寺院群 
      リンガ崇拝
      踊るシヴァ
      変身するヴィシュヌ
      仏教窟の静寂
      ジャイナ教の五戒

     輪廻転生
     撮影日誌

内容

本書は「アジアをゆく」7冊シリーズの一冊です。

「アジアをゆく」シリーズでは本書の他にも『獅子』や『龍と蛇』、『ブッダの教え』といった様々なテーマごとにそれぞれに異なる著者が執筆しているが、掲載される写真は全て大村次郷氏が撮影したものが用いられている。

「アジアをゆく」シリーズ 写真=大村次郷

     『海のシルクロード』    辛島 昇
     『アジャンタとエローラ』  立川武蔵
     『米に生きる人々』     桜井由躬雄
     『龍と蛇<ナーガ>』    那谷 敏郎
     『カッパドキア』      大村幸弘
     『ブッダの教え』      山折 哲雄
     『獅子』          荒俣 宏


まず、本書に掲載されている写真はどれも大変素晴らしい。

以前紹介した『ブッダの人と思想』の時には写真に対する評価は決して高くはなかったので特に言及しなかった。

いま一度『ブッダの人と思想』の写真のところを開いてみると、ページレイアウト、紙質のどちらも微妙な感じで、さらに写真の上に大きな文字が被せられているために写真を台無しにしてしまっている。

どれほど良いことばであったとしても写真の上に大きくひろく文字を載せれば自ずと文字に目が行ってしまい、写真を十分に鑑賞することはできない。

本書は写真も素晴らしいし、文章も素晴らしい。

立川武蔵氏の文章は読みやすく、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教と三つの宗教に対する深い理解と幅広い知識が窟院に描かれる図像や彫刻の意味を教えてくれる。

アジャンタ石窟寺院では仏伝とジャータカなどの仏教の直接関わるものの他にも宮廷や民衆の生活が描かれ、天井に描かれる動植物や飛天などの装飾的絵画も美しく目を奪われる。

エローラ石窟寺院では仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の寺院が隣り合わせに存在し、各宗教間の差異とともに、相互作用や競争意識のようなものを感じた。また、特にヒンドゥー教の神々の躍動的な動きを表現する彫刻による神話世界に心を惹かれた。

輪廻転生のところでは写真は抑え気味にして文章中心の章になってますが、仏教とヒンドゥー教の真意をより深く理解するために輪廻転生の概念を軸にすこしく詩的な香りのする文章で仏教とヒンドゥー教の存在意義について興味深い視点からまとめられています。

最後にたった2ページですが大村次郷氏の撮影日誌が載せられています。ひとにやさしく、簡潔にして精錬。撮影時の状況を興味深く読むことができました。
曼荼羅作画とのかかわり

密教にかかわる曼荼羅を描くことを目的としているなかで、ややもすると密教のなかだけ、少し広げても仏教のなかだけから物事を理解しようとする危険がある。

本書を見てヒンドゥー教、ジャイナ教など他の宗教との関わりとともに仏教全体を俯瞰して理解することの大切さを感じた。

両界曼荼羅ではヒンドゥー教の神々が描かれているが、仏教絵画を比較的静的なイメージとして捉えているために、日本の仏教絵画を沢山見ても西院本両界曼荼羅に見られる神仏の躍動感にはなかなか辿り着かない。

本書を見てヒンドゥー教神話神話世界でのシヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーの躍動感みなぎる生命エネルギーを感じたことで、西院本両界曼荼羅の神々の放出するエネルギーの初源の姿を垣間見たように感じた。

なにか一つ、新しい方向を指し示す光をみつけたのかもしれない。

いまはそんな風に思っている。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介

2015年07月24日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き17(金剛輪6)

金剛輪の尊像パーツ描き6

今回はB 十六大菩薩のうちの北方の不空成就如来の四親近菩薩(水色番号:22〜25)です。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit-2.jpg
(金剛界 微細会 金剛輪 北方四親近菩薩(水色番号:22〜25))
各尊の順番については/2015/05/15の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
微細会 金剛輪 北方四親近菩薩

22)金剛業菩薩

5_DSC5245-Edit-Edit-4.jpg
四印会では羯磨杵を載せ右手を胸前においたが、微細会では両手を頂きに掲げる(2015/03/24の記事参照)。

金剛業は梵名のヴァジュラ・カルマの意訳。不空成就如来の南方の月輪に住し、諸仏を供養し衆生を済度する働きを誓願する菩薩。
両手を頂きに掲げる。

23)金剛護菩薩

5_DSC5245-Edit-Edit-Edit-2.jpg
不鮮明な点もあるが、色や形を読み解くためには十分である。

金剛護は梵名のヴァジュラ・ラクシャの意訳。不空成就如来の西方の月輪に住し、衆生を守護する働きを誓願する菩薩。
二手金剛拳にして腰に置く。

24)金剛牙菩薩

_DSC5245-Edit-Edit-Edit-Edit_2.jpg
『密教大辞典』によると、「微細會の尊は二拳を内に向け、左手は牙印になし右は大指頭指を相捻ず。」とある。しかし、参考図像では二拳を背中合わせにし、左手は人差し指と小指を突き出し・・・右手はわかりにくいが、親指と人差し指を合わせているように見える。

金剛牙は梵名のヴァジュラ・ヤクシャからの意訳。不空成就如来の東方の月輪に住し、あらゆる障害を食い尽くし衆生を救済する働きを誓願する菩薩。
二拳を外向させ、左手は牙印になし右は大指頭指を相捻ず。

25)金剛拳菩薩

5_DSC5245-Edit-Edit-2-Edit.jpg
絵の具の剥離などあり不明瞭だが、『密教大辞典』に「微細會は成身會に略同じ。」とあり、また、「成身會の尊は、身色く、二手金剛拳になし掲げて心に當、腕稍屈し垂る。」となっている。また、御室版曼荼羅の像を参考に二手金剛拳を胸前におく像として描く。

金剛拳は梵名のヴァジュラ・サンディの意訳。不空成就如来の北方の月輪に住し、衆生を修行の成就へと導く働きを誓願する菩薩。
修行成就の象徴である二手金剛拳を胸前におく。

以上、不空成就如来の四親近菩薩は、金剛業菩薩の位で諸仏供養、衆生済度し、金剛護菩薩の位で衆生守護・救護し、金剛牙菩薩の位で衆生へのあらゆる障害を滅し、金剛拳菩薩の位で衆生の修行が成就へと導くことを表している。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月23日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き16(金剛輪5)

金剛輪の尊像パーツ描き5

金剛界微細会の金剛輪内の尊像パーツ描き中です。
今回はB 十六大菩薩のうちの西方に位置する阿弥陀如来の四親近菩薩(水色番号:18〜21)です。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit-2-Edit.jpg
(微細会 金剛輪 西方四親近菩薩(水色番号:18〜21))
各尊の位置と順番については/2015/05/15の記事を参照のこと

金剛界曼荼羅は上が西です。
微細会 金剛輪 西方四親近菩薩

18)金剛法菩薩

4_DSC5242-Edit-Edit-2-Edit.jpg
四印会で同様の尊像を描いたので図像を理解しやすい(2015/03/24の記事参照)。

金剛法は梵名のヴァジュラ・ダルマの意訳。観自在菩薩、観世音菩薩ともいい、阿弥陀如来の東方の月輪に住し衆生に法の清浄なるを覚らせる働きを誓願する菩薩。
左手で菩提心の象徴である蓮華を持ち、右手でその花弁を開くことで発心させることを表す。

19)金剛利菩薩

4_DSC5242-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
全体的に磨耗しており図像がよみにくい。

金剛利は梵名のヴァジュラ・ティークシュナ(鋭利な剣)の意訳。文殊菩薩と同体で、阿弥陀如来の南方の月輪に住し仏智により衆生の苦を断ち切る働きを誓願する菩薩。
右手に堅固清浄なる菩提心の象徴である金剛剣をもち、左手に無尽蔵の智慧の象徴である梵篋を載せた蓮華を持つ。

20)金剛因菩薩

4_DSC5242-Edit-Edit-3.jpg
色形ともよく保存されていてわかりやすい。

金剛因は梵名のヴァジュラ・ヘートゥの意訳。弥勒菩薩ともいい、阿弥陀如来の北方の月輪に住し、堅固な菩提心を因とし法輪を転ずる働きを誓願する菩薩。
説法の象徴である法輪を両手で持つ。

21)金剛語菩薩

4_DSC5242-Edit-Edit-2.jpg
色、形とも申し分なくよく保存されていて気持ちが良い。

金剛語は梵名のヴァジュラ・ヴァーシャの意訳。阿弥陀如来の西方の月輪に住し、真言により衆生の正法を示す働きを誓願する菩薩。
右手に如来舌(舌に三鈷杵)を持つ。

以上、阿弥陀如来の四親近菩薩は、金剛法菩薩の位で衆生に法の清浄なるを覚らせ、金剛利菩薩の位で智慧で衆生の苦を断ち切り、金剛因菩薩の位で衆生への説法へと立ち上がり、金剛語菩薩の位で説法により衆生に正法を示すことを表している。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月22日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き15(金剛輪4)

金剛輪の尊像パーツ描き4

今回はB 十六大菩薩のうちの南方に位置する宝生如来の四親近菩薩(水色番号:14〜17)です。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit-5.jpg
(金剛界 微細会 金剛輪 南方四親近菩薩(水色番号:14〜17))

各尊の位置と順番については/2015/05/15の記事を参照のこと
微細会 金剛輪 南方四親近菩薩

14)金剛宝菩薩

3_DSC5245-Edit-Edit.jpg
金剛宝菩薩は四印会で同様の尊像を描きましたので図像が読みやすいです(2015/03/24の記事参照)。

金剛宝は梵名のヴァジュラ・ラトナの意訳。宝生如来の北方の月輪に住し一切の衆生にあらゆる功徳を施与する働きを誓願する菩薩。
無限の財宝の象徴である三瓣宝珠を載せた蓮華を左手で持ち、右手は宝生如来と同じ施願印にする。

15)金剛光菩薩

3_DSC5245-Edit-Edit-2.jpg
色もかたちもある程度保存されており、両手に持つ真っ赤な日輪が映える。

金剛光は梵名のヴァジュラ・テージャの意訳。宝生如来の東方の月輪に住し、一切世界を照らし衆生の迷妄の闇を破ることを誓願する菩薩。
無限の輝きを象徴である日輪を両手で持つ。

16)金剛幢菩薩

_DSC5245-Edit_2.jpg
磨耗がひどく表情などが不明瞭だが、如意幢幡を持つ姿は見えてくる。

金剛幢は梵名のヴァジュラ・ケートゥの意訳。宝生如来の西方の月輪に住し、一切世界の衆生のあらゆる願いを円満せしめることを誓願する菩薩。
一切与願の象徴である如意幢幡(旗頭に三瓣宝珠を載せた旗)を両手で持つ。

17)金剛笑菩薩

3_DSC5245-Edit-Edit-Edit.jpg
尊像中央が大きく剥離しているけど下絵の墨線が残るのでなんとかわかる。

金剛笑は梵名のヴァジュラ・ハーサの意訳。宝生如来の南方の月輪に住しよく衆生済度したことを嬉び微笑む菩薩。
両手を口元に寄せてあらゆることが成就したことを喜び微笑む様を表現する。

以上、宝生如来の四親近菩薩は、金剛宝菩薩の位で衆生に厚く施与し、金剛光菩薩の位で衆生の迷妄の闇を破り、金剛幢菩薩の位で衆生のあらゆる願いを円満せしめ、金剛笑菩薩の位でよく衆生済度したことを嬉び微笑む流れを表しているのだと思う。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月21日

本紹介 No. 030『AJANTA & ELLORA』

『AJANTA & ELLORA』

アジャンター石窟寺院壁画について知りたく思い、前回の本紹介『週刊 ユネスコ世界遺産 No. 83 インド』を読んだ。

しかし、アジャンター石窟寺院に関するページが6ページしかなく全く物足りない気持ちになったので、次にこれを選んだ。

『AJANTA & ELLORA』(The Guidebook Co.,Ltd. 1991)

_DSC5494-Edit.jpg
『AJANTA & ELLORA』

The Guidebook Company Limited社の出版とあるのでガイドブック的な本だろうなとあたりをつけた。
構成

A4版、84ページ、英語表記、80ページまで精細なカラー写真多数。

構成は以下の通り。

      1     Opening pages     
      4     Opening photos  
     15     Introduction
     22     AJANTA
     58     ELLORA
     81     An A to Z of Facts and Figures
     84     Index


AJANTAとELLORAの写真に多くのページが割り当てられており、巻末に簡単な用語解説と索引が付けられている。
内容

ほぼ全ページに渡ってAJANTAとELLORAのカラー写真が掲載されており、それぞれの写真に簡単な解説文が付せられている。

写真はガイド写真集の写真としては上質な部類に入ると思われる。構図、色調ともに大変良い。

少々ピントが甘いかなと思う写真もいくつかあるが、暗い室内でのフィルム撮影では限界もあるだろう。

A4見開きに大きく掲載されている写真も複数あり、尊像や文様を細部まで観察できることはありがたい。

特にAJANTAの千体仏や群衆の生き生きとした表現や蓮華その他の植物文様や幾何学紋などを細部まで確認できるのは嬉しい。

ELLORAの彫刻写真では数多くの躍動する異形の神々に圧倒され軽く眩暈を感じる。

彫刻ってこんなに自由自在だったかな・・・

一つ一つの彫刻像の個性や生命感と相まって、たった1枚の写真でも何度みても飽きることなく、また、新しい発見が見つかる。

自然のちからを神々に還元するという思想は自然のもつ多様性や複雑性を神々の多様な姿態で表現することになるのだろうなと感じた。

『週刊 ユネスコ世界遺産 No. 83 インド』に比べると見ることのできる写真が格段に増えているが、AJANTAとELLORAの壁画や尊像彫刻のうち何パーセントが本書に掲載されているのだろう。
曼荼羅作画とのかかわり

両界曼荼羅には仏教の尊格だけでなくバラモン教・ヒンドゥー教の神々の姿が描かれている。

それら尊像・神像のイメージを多角的にできるだけ多く得たいと願う。

密教がインド発祥であるから密教美術がインド的でなければならないということはない。

しかし、西院本両界曼荼羅に惹かれた理由の一つがそのインド的エキゾチシズムではないかと感じているので、西院本両界曼荼羅にみられるエキゾチシズムのうちのエキスのようなもの、あるいは、源流のようなものをインド美術の中から汲み取ることはできないだろうかと考えている。

それを両界曼荼羅に注ぎ込みたい。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ


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2015年07月20日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き14(金剛輪3)

金剛輪の尊像パーツ描き3

金剛界微細会の金剛輪内の尊像パーツ描きをしています。
今回はB 十六大菩薩のうちの東方に位置する阿閦如来の四親近菩薩(水色番号:10〜13)。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit-6.jpg
(微細会 金剛輪 東方四親近菩薩(水色番号:10〜13))
金剛界曼荼羅は上が西

各尊の位置と順番については/2015/05/15の記事を参照のこと
微細会 金剛輪 東方四親近菩薩

10)金剛薩捶(こんごうさった)

2_DSC5242-Edit-Edit-2-Edit-Edit.jpg
四印会でも同様の尊像を描きました(2015/03/24の記事参照)。スタンダードな金剛薩埵の図像かと思います。

金剛薩捶は梵名のヴァジュラ・サットヴァの訳。金剛(ヴァジュラ)が意訳で薩捶(サットヴァ)が音訳。金剛薩捶は毘盧遮那如来の教えを衆生に伝える菩薩の代表。阿閦如来の西方の月輪に住す本有菩提心の象徴。
右手に如来の五智の象徴である五鈷杵、左手に衆生を驚覚発心させる金剛鈴を持つ。

11)金剛王菩薩

2_DSC5242-Edit-Edit.jpg
腕の形がはっきりわかる。

金剛王は梵名のヴァジュラ・ラージャの意訳。阿閦如来の北方の月輪に住し衆生をを引き寄せ仏道に向かわせる働きを誓願する菩薩。
一切衆生を引き寄せることを象徴し二手金剛拳を交差させ胸に抱く。

12)金剛愛菩薩

_DSC5242-Edit-Edit-3-Edit_2.jpg
この尊も細部までよく保存されており間違いありません。

金剛愛は梵名のヴァジュラ・ラーガの意訳。愛染明王と同体とされ、阿閦如来の南方の月輪に住し、衆生に菩提心への愛着をもたせる働きを誓願する菩薩。
愛の象徴である箭を二手に矯める。

13)金剛喜菩薩

2_DSC5242-Edit-Edit-Edit.jpg
三昧耶会では金剛喜菩薩の三昧耶形は弾指する二手を並べる形でしたが、供養会では宝珠を載せた蓮華を捧げ持っています。

金剛喜は梵名のヴァジュラ・サードゥ(よきかな)の意訳。阿閦如来の東方の月輪に住し、衆生衆生の迷妄を除去し歓喜せしめる働きを誓願する菩薩。
両手は二手並べて弾指する姿。

以上、阿閦如来の四親近菩薩は、金剛薩埵の位で衆生に菩提心を発せしめ、金剛王菩薩の位で衆生を引き寄せ、金剛愛菩薩の位で衆生に菩提心への愛着をもたせ、金剛喜菩薩の位で衆生を歓喜せしめる流れを示している。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月19日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き13(金剛輪2)

金剛輪の尊像パーツ描き2

引き続き、微細会金剛輪内の尊像パーツ描きをします。

今回はA 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9)です。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit-3.jpg
(微細会 金剛輪 四波羅蜜菩薩(黄番号:6〜9))

順番は東南西北の時計回りで、上が西。
微細会 金剛輪 四波羅蜜菩薩

6)金剛波羅蜜菩薩

1_DSC5444-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
微細会の四波羅蜜菩薩も女尊形で羯磨衣を着ている。

金剛波羅蜜菩薩は阿閦如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊。金剛波羅蜜は梵名のヴァジュラ・パーラミターの意訳で「堅固な菩提心により悟りに至る」ことを誓願する菩薩。
右手は阿閦如来と同じ触地印で、左手に堅固な菩提心の象徴である五鈷杵を載せた蓮華を持つ。

7)宝波羅蜜菩薩

1_DSC5444-Edit-Edit-Edit-Edit-Edit.jpg
参考図像を見ると、明らかに右手は施願印にして掌の上に宝珠を載せ持っている。

宝波羅蜜菩薩は宝生如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊。宝波羅蜜は梵名のラトナ・パーラミターの意訳で「財宝により悟りに至る」ことを誓願する菩薩。
右手は宝生如来と同じ施願印にして上に宝珠を載せ持ち、左手に無尽蔵の財宝の象徴である三瓣宝珠を載せた蓮華を持つ。

8)法波羅蜜菩薩

1_DSC5444-Edit-Edit-3.jpg
『密教大辞典』に「微細會には定印の上に獨鈷杵を立つ。」とあるが、参考にしている西院本曼荼羅では独鈷杵がないように見える。

法波羅蜜菩薩は阿弥陀如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊。法波羅蜜は梵名のダルマ・パーラミターの意訳で「法により悟りに至る」ことを誓願する菩薩。
両手で阿弥陀如来と同じく定印を結び、その上に法の象徴である独鈷杵を立てる。

9)業波羅蜜菩薩

_DSC5444-Edit-Edit-2-Edit_2.jpg
参考にしている『西院本曼荼羅』微細会では右手の形が判別しにくい。そこで、『西院本曼荼羅』成身会では右手を右に伸ばしているように見えること、『密教大辞典』に「左手に十字獨股杵をのせたる蓮花を持ち、右手無名小二指を屈して右脇に差出す。」とあり、また、「無名小指を屈して餘の三指を舒ぶるは三密の事業を表す。」と書かれていることから「右手無名小二指を屈して右脇に差出す。」こととする。

業波羅蜜菩薩は不空成就如来が毘盧遮那如来を供養するために出現させた女尊。業波羅蜜は梵名のカルマ・パーラミターの意訳で「行いにより悟りに至る」ことを誓願する菩薩。
「左手に十字獨股杵をのせたる蓮花を持ち、右手無名小二指を屈して右脇に差出す。」(『密教大辞典』)

以上、微細会 四波羅蜜菩薩の尊像パーツ描きでした。


では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月18日

金剛界 微細会 尊像パーツ描き12(金剛輪1)

金剛輪の尊像パーツ描き1

微細会 金剛輪の尊像パーツ描きを始めます。

今回は@ 五仏(白番号:1〜5)です。

EPSON004-Edit-Edit-3-Edit-Edit-2-Edit-2.jpg
(金剛界 微細会 金剛輪 五仏(白番号:1〜5))

順番は東南西北の時計回りで金剛界曼荼羅は上が西
微細会 金剛輪 五仏

1)毘盧遮那如来

0_DSC5444-Edit-Edit-Edit.jpg
前回シリーズの供養会では衲衣(大衣)を偏袒右肩で身につけていましたが(2015/06/03の記事参照)、ここでは条帛偏袒右肩で宝冠と装飾品を身につけた菩薩形で描かれています。

毘盧遮那如来は梵名のヴァイローチャナの音訳で「遍く照らす」の意。
五智如来の中心、世界の中心にあり、法界体性智(法と如来の智慧そのもの)を体現する。両手で智拳印を結ぶ。

2)阿閦如来

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阿閦如来は宝飾品などを身につけない衲衣の偏袒右肩。

阿閦如来は梵名のアクショーブヤの音訳で「瞋りに心を動かさないもの」の意。東方解脱輪中央の月輪に住し、大円鏡智(すべてをありのままに映す鏡のごとき如来の智慧)を体現する。右手は釈尊の降魔成道を表す触地印を結ぶ。

3)宝生如来

0_DSC5245-Edit-Edit-3.jpg
上の阿閦如来以下不空成就如来まで四方四仏の姿形の表現は供養会の四方四仏と同じ。

宝生如来は梵名のラトナサムバヴァの意訳「財宝を生み出すもの」より。南方解脱輪中央の月輪に住し、平等性智(すべてのものが差別なく平等であるとする如来の智慧)を体現する。右手は衆生の願いに応じ施しを与える施願印にする。

4)阿弥陀如来

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今更だけど、如来は両足の裏が完全に上に向いて腿の上に見える結跏趺坐になっているが、菩薩は右足のみが腿の上に載って見える半跏趺坐に描かれている。

阿弥陀如来は梵名のアミターユスの音訳で「永遠のいのち(光)」の意。無量寿如来、無量光如来ともいう。西方解脱輪中央の月輪に住し、妙観察智(すべてを見通し明らかにする如来の智慧)を体現する。
両手で弥陀定印を結ぶ。定印は釈尊の開悟の象徴であるが、弥陀定印は阿弥陀如来に特有の禅定印。

5)不空成就如来

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以上の四方四仏は印相と方位以外で区別をつけるのが難しい。

不空成就は梵名のモーガシッディの意訳「空しくなく成就する」より。北方解脱輪中央の月輪に住し、成所作智(すべて正しく感じ、真実の行いをなす如来の智慧)を体現する。
右手で相手の畏れをなくす施無畏印を結ぶ。

以上、微細会五智如来でした。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ

2015年07月17日

本紹介 No. 029『週刊 世界遺産 No. 83 インド』

『週刊 ユネスコ世界遺産 No. 83 インド』

前回中村 元 著『古代インド』を読みアジャンター石窟寺院壁画に興味を持った。

『古代インド』図版のアジャンター石窟寺院壁画は全てモノクロで小さいため、文面で示された壁画の説明内容ほど図像を理解することができなかった。

アジャンター石窟寺院壁画が見やすいカラー図版の含まれている本はないだろうか。

『週刊 ユネスコ世界遺産 No. 83 インド』(講談社 2006)


表紙の写真はどこかで見覚えのあるアジャンター石窟壁画であり、
表紙のサブタイトルに

  アジャンターの石窟寺院群 
  エローラーの石窟寺院群


とある。

それで、それら二つの石窟寺院に関わる記事や写真がほどんどを占めると思ったのだが・・・
構成

A4変形、34ページ、フルカラー、分冊百科のNo. 83

主要な記事は以下の通り。

アジャンターの石窟寺院群
エローラーの石窟寺院群
カジュラーホの寺院群
サーンチーの仏教遺跡
ハンピの都市遺跡
コナーラクのスーリヤ寺院
大チョーラ朝寺院群
マハーバリプラムの建築と彫刻群
パッタダカルの寺院群
エレファンタ島の石窟寺院群
ゴアの聖堂と修道院
古代インドの神々
並外れた行動力とアイデアでスラム街を舞台に活躍したマザー・テレサ
大貿易都市ムンバイを起点に古代ヒンドゥー教遺跡を巡る旅
底知れぬパワーに溢れるインドの娯楽


アジャンターエローラーの石窟寺院群だけでなく多数のインドの遺跡が載っているようであり・・・
内容

34ページと紙面数は少ないが、A4変形版に掲載される比較的大きなフルカラー写真は見やすい。解説も必要最小限に抑えられているので無駄がない。

しかし、この種の冊子に期待しすぎてはいけないのだけれど、アジャンター石窟寺院については6ページ、エローラ石窟寺院についても6ページのみと全くもって不十分な情報量でとても残念。

それでも、アジャンター石窟寺院壁画のカラー写真を拝見できたことで、もっとたくさんいろいろな角度からアジャンターの写真を見たいという思いが強くなった。

アジャンターやエローラの他にもカジュラーホの寺院群、ハンピの都市遺跡、大チョーラ朝寺院群、エレファンタ島の石窟寺院群なども写真が小さく枚数も少ないが、ヒンドゥー教美術に興味を引き起こさせるには十分だった。

本書にはインド宗教遺産のほかにマザー・テレサについてのお話や簡単なインド旅行案内やインド娯楽文化などの記事も載っており様々なことに興味を惹く週刊誌としての側面も見られる。
曼荼羅作画とのかかわり

本書で少ないながらもアジャンター石窟寺院壁画を比較的大きなカラー図で見ることができた。

そのんかで、時代の空気というかインド仏教的なものなのか、アジャンター石窟寺院壁画と西院本両界曼荼羅に共通にあるなにかが感じられる。

西院本両界曼荼羅の静的な図像の中に見えるダイナミックな精神の躍動感のようなものを描き出すのは難しい。

感覚的には西院本両界曼荼羅は2次元的であり、アジャンター石窟寺院壁画は3次元的に感じ、アジャンター石窟寺院壁画の中から西院本両界曼荼羅の図像に移行できるある種のリアリズムがあるのではないかと期待している。

神仏のリアリズムとはなんぞやということはさておき、絵を見て絵を描いただけでないそれ以上の何かを立ち上がらせることはできないかと暗中模索している。

また、バラモン教・ヒンドゥー教は密教の基盤の一つであり、密教美術である両界曼荼羅を理解する上でバラモン教・ヒンドゥー教をもっと理解することも重要なのではないかとも思い始めている。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




週刊ユネスコ世界遺産 No.83

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