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2015年07月25日

本紹介 No. 031『アジャンタとエローラ』

『アジャンタとエローラ』

前回読んだのが『AJANTA & ELLORA』
日本語に訳すと『アジャンタとエローラ』

今回はそんなタイトルの本です。

立川武蔵 文、大村次郷 写真 
      『アジャンタとエローラ』(集英社 2000)



写真の大村次郷氏は以前紹介した『ブッダの人と思想』にも写真を提供し、『週刊 ユネスコ世界遺産 No. 83 インド』に掲載されている写真のいくつかにもTsugusato Omuraのクレジットがついていました。
構成

菊判変形、ハードカバー、117ページ、カラー写真多数。

構成は以下の通り。

     アジャンタ石窟寺院
      岩盤の下の祠堂
      壁画の菩薩
      仏殿とジャータカ
      本生物語
      輪廻からの解脱

     エローラ石窟寺院
      エローラの石窟寺院群 
      リンガ崇拝
      踊るシヴァ
      変身するヴィシュヌ
      仏教窟の静寂
      ジャイナ教の五戒

     輪廻転生
     撮影日誌

内容

本書は「アジアをゆく」7冊シリーズの一冊です。

「アジアをゆく」シリーズでは本書の他にも『獅子』や『龍と蛇』、『ブッダの教え』といった様々なテーマごとにそれぞれに異なる著者が執筆しているが、掲載される写真は全て大村次郷氏が撮影したものが用いられている。

「アジアをゆく」シリーズ 写真=大村次郷

     『海のシルクロード』    辛島 昇
     『アジャンタとエローラ』  立川武蔵
     『米に生きる人々』     桜井由躬雄
     『龍と蛇<ナーガ>』    那谷 敏郎
     『カッパドキア』      大村幸弘
     『ブッダの教え』      山折 哲雄
     『獅子』          荒俣 宏


まず、本書に掲載されている写真はどれも大変素晴らしい。

以前紹介した『ブッダの人と思想』の時には写真に対する評価は決して高くはなかったので特に言及しなかった。

いま一度『ブッダの人と思想』の写真のところを開いてみると、ページレイアウト、紙質のどちらも微妙な感じで、さらに写真の上に大きな文字が被せられているために写真を台無しにしてしまっている。

どれほど良いことばであったとしても写真の上に大きくひろく文字を載せれば自ずと文字に目が行ってしまい、写真を十分に鑑賞することはできない。

本書は写真も素晴らしいし、文章も素晴らしい。

立川武蔵氏の文章は読みやすく、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教と三つの宗教に対する深い理解と幅広い知識が窟院に描かれる図像や彫刻の意味を教えてくれる。

アジャンタ石窟寺院では仏伝とジャータカなどの仏教の直接関わるものの他にも宮廷や民衆の生活が描かれ、天井に描かれる動植物や飛天などの装飾的絵画も美しく目を奪われる。

エローラ石窟寺院では仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の寺院が隣り合わせに存在し、各宗教間の差異とともに、相互作用や競争意識のようなものを感じた。また、特にヒンドゥー教の神々の躍動的な動きを表現する彫刻による神話世界に心を惹かれた。

輪廻転生のところでは写真は抑え気味にして文章中心の章になってますが、仏教とヒンドゥー教の真意をより深く理解するために輪廻転生の概念を軸にすこしく詩的な香りのする文章で仏教とヒンドゥー教の存在意義について興味深い視点からまとめられています。

最後にたった2ページですが大村次郷氏の撮影日誌が載せられています。ひとにやさしく、簡潔にして精錬。撮影時の状況を興味深く読むことができました。
曼荼羅作画とのかかわり

密教にかかわる曼荼羅を描くことを目的としているなかで、ややもすると密教のなかだけ、少し広げても仏教のなかだけから物事を理解しようとする危険がある。

本書を見てヒンドゥー教、ジャイナ教など他の宗教との関わりとともに仏教全体を俯瞰して理解することの大切さを感じた。

両界曼荼羅ではヒンドゥー教の神々が描かれているが、仏教絵画を比較的静的なイメージとして捉えているために、日本の仏教絵画を沢山見ても西院本両界曼荼羅に見られる神仏の躍動感にはなかなか辿り着かない。

本書を見てヒンドゥー教神話神話世界でのシヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーの躍動感みなぎる生命エネルギーを感じたことで、西院本両界曼荼羅の神々の放出するエネルギーの初源の姿を垣間見たように感じた。

なにか一つ、新しい方向を指し示す光をみつけたのかもしれない。

いまはそんな風に思っている。

では、また〜ヾ(。・ω・。)ノ




posted by mandalazu at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 本紹介
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