数百タイトルものフリゲを、面白いフリゲもつまらないフリゲもレビューしてきたが、レビューを書くことにためらいのあるフリゲなんてものは、1つもなかった
どのレビューもすらすらと書き始め、やがては書き終わる
だいたいは10分くらいの作業だ。何かを迷うことは、通常無い
▼しかし本作「魔王のウンコが直腸に転送されました。」のレビューだけはしようかしまいか、迷ってしまった
理由は非常に簡単で、内容があまりにも下品だからだ
お上品でインテリジェンス溢れる「フリーゲーム 優しい世界」には似つかわしくないと思ったのだ
しかも読者の6割は女性で、管理人はコメント欄によく書かれるように、知的なイメージが非常に強いらしい。
このように下品でお馬鹿なバカゲーをレビューすることで、品位が下がってしまうことを危惧したのだ。
読者の中で確立された、それこそウンコもしないような管理人のアイドル像を壊してしまうかもしれない、と
▼このとんでもない笑劇の問題作…
実を言うと配信後すぐにクリアしていた。私を支配したのは、やはりそんな「迷い」だった
「ごめん。このままだとレビューを朝のウンコくらいすぐ出すけど、どうする?」
散々迷ったがいまだレビューが投稿されていないし、さっき出したウンコと一緒に、まあ書こうと思った
▼結論から言うと、「魔王のウンコが直腸に転送されました。」は非常に優秀なフリーゲームだ
まず作画がいい。ほぼすべて自作しているが、クオリティがとても高い。イラストを描く人間ならば、画力の高さがわかるだろう
バカゲーとしてはプレイヤーを笑わせることが第一目的だが、5回くらい笑ってしまった。2回は声に出して笑った。
背景にいたるまで笑いが仕込んであるので、細かなギャグにもくすっとする
▼魔王のウンコが主人公である「純心」の直腸に転送される物語だ
純心くんは同僚や上司の前ですさまじい脱糞をし、開始数分で社会的に抹殺されてしまう
ショックで引きこもっているあいだに食べるものによって、ストーリーは分岐する。
▼そう、この食べ物というのが実にやばい。
正直なところウンコを題材にしたフリーゲームというのは、幾つかある。エログロの題材の1つでもある。
なので題材だけならそこまでぶっ飛んだものではないのだ。
ましてやウンコはコロコロコミックではレギュラーだろう
私がこりゃマズイ、やり過ぎじゃないか。でもまあそういうゲームで売りたいみたいだしなあ……うーん(こ)……と「迷った」のは、このゲームが食とウンコを結び付けたゲームだからである
これはお下品というよりは”超えちゃいけないラインを超えたか超えかけたか”というもので、
人によっては強烈な嫌悪感を抱くだろう
カレー味のウンコを食べる、なんてネタまである
ウンコを食べるネタを好む日本人はまあ通常いないだろう。「焼きたて!!ジャぱん」が1度このネタを使ったことがあるが、グルメ漫画のタブーだと、やはりバッシングされていた
…というわけで本作はこのウンコを食す、ウンコと食べ物をひっくるめてネタにするというタブーを犯した大変禁忌なゲームなわけで、果たして紹介していいものかと迷っていたのだ……真面目な話。
▼だが前記の通りクオリティ自体は高いので、そこさえクリアできれば、非常にお勧めのゲームだ
私も題材自体は全く好きではないが(というか嫌い)、ゲームとしてのクオリティ評価はまた別だ。このゲームは間違いなく良作なのだ
▼ストーリーもなかなか面白く、攻略後のオマケではちょっとしたどんでん返しもある。
まさか魔王の正体が、〇〇〇だとはね…これは恐れ入った。100%想定外
▼演出にもこだわりが見える。日本語のスタッフロールが終わったら横文字のスタッフロールが続くスクエニ方式なんて、フリゲでは初めて見た気がするね。
これはギャグでやってるのだろうね。大作感を出すために
評価B+(?)
70点
ストーリーはある意味、哲学的な要素を含みます。
怖いもの見たさで挑戦したい人になら、おすすめです。
【このカテゴリーの最新記事】