2010年11月25日
シェイキーのマンハッタン・メロドラマ
今回は、Shakin' Stevens And Sunsetsの75年リリースのアルバムを聴きました。
これは、Sunsets名義で出された5作目に当たるものです。
このころ、シェイキーは、オランダで再出発を期していたようで、チューリップという会社から出されたようです。
ただし、私が持っているものは、英国盤です。
Side One
1. Manhattan Melodrama / Paul Barrett、Paul Dolan
2. Alan Freed / Paul Barrett、Lloyd Jones
3. California Cowboy / Paul Barrett、Mal Preest
4. Lady Lizard / Paul Barrett、Lloyd Jones
5. Punk / Paul Barrett
6. Outlow Man / Paul Barrett
Side Two
1. I Told You So / Paul Barrett
2. Longer Stronger Love / Michael Barrett
3. Like A Teenager / Michael Barrett
4. Holy Roller / Sabandi McCarthy
5. No Other Baby / Bobby Helms
6. Get Back John / Charlie Arley
さて、このアルバムには、曲名と作者名以外全くクレジットがないため、プロデューサーさえ不明です。
もちろん、サンセッツのパーソネルに変動があったかどうかも分かりません。
ジャケットを一見して思うことは、今までのアルバムとは、曲のクレジットが違うことです。
今作では、シェイキーの本名であるマイケル・バレット名義が使われています。
これまでずっと、作者名にシェイキン・スティーヴンスを使っていたので、少し違和感を覚えます。
さらに、シェイキーの兄(?)のポール・バレットが、作詞を担当している曲が多いことも、顕著な特徴です。
今回のクレジットでは、曲名のあとに、先に記している名前が作詞、後が作曲担当で、単独のものは作詞作曲とも同じ人が書いたものです。
このうち、ポール・ドーランとロイド・ジョーンズは、サンセッツのメンバーです。
これらから、オリジナルが多く、カバーが少ないということも見てとれます。
多分、B面の最後にまとめて収録されている3曲が、カバーだと思います。
さて、これは確たるものはないのですが、このアルバムは、凶悪な銀行強盗、ジョン・デリンジャーについて歌ったコンセプト・アルバムだという話があります。
アルバム・タイトルの「マンハッタン・メロドラマ」は、デリンジャーにゆかりのあるものらしいです。
ジャケットは、マンハッタン周辺の地図をデザインしたものです。
英語が出来ない悲しさで、見当違いのことを言っている可能性がありますが、今回、ポール・バレットが、作詞に力を入れているのは、コンセプトにそったアルバムづくりを意識したものではないかとも考えられます。
ただ、2曲目に、Alan Freedいう曲が入っているのが、少し主張をためらうところではあります。
アラン・フリードは、ロックンロールの歴史に少しでも関心が有る人なら、一度は耳にしたことがある有名なDJの名前で、ペイオラ事件で逮捕された人でした。
ともかく、ぐたぐた考えるより聴いてみましょう。
まず、驚いたのは、冒頭の1曲目がアップ・テンポの曲ではないことです。
静かなピアノのイントロで始まるロマンチックなバラードで、今までのアルバムにはなかった展開です。
もともとポップ志向の強い傾向がありましたが、このアルバムを象徴しているように感じました。
サウンドとしては、サックスがほとんど前面に出なくなっています。
完全に脱退したのかと思いましたが、一部の楽曲では参加していて、ゲスト扱いに近くなっているようです。
シンプルなギター・バンドに近づいた印象があります。
全体的に地味になった印象がありますが、オリジナルはそれなりにポップです。
Alan Freedは、ティーン・ポップ調ですが、ギターが骨太のリフを奏でていて聴かせてくれます。
エルヴィスを連想させるLonger Stronger Loveは、シェイキー版テディ・ベアといった印象を受けました。
60年代前半の、ポップでありながらロックンロールの塊だった頃のエルヴィスです。
そして、カバーの3曲は、それぞれが聴きものです。
スラッピング・ベースのカチカチ音が耳に残るHoly Rollerでは、エレキ・マンドリンっぽい音も聴こえ、新しいサウンド作りへの意欲も感じ知られます。
No Other Babyは、ボビー・ヘルムス盤が有名な曲ですが、ヴァイパーズが原曲のはずで、ヘルムス作となっているクレジットはどうでしょうか?
この曲は、後にポール・マッカートニーも99年のRun Devil Runでやった曲だと思います。
私はそのアルバムを持っていませんが、ギターは、ミック・グリーンでしょうか?
何しろ既に5枚目のアルバムですが、芽が出たとは言えないです。
有名ロックンロールのカバー中心から脱却して、新たな1歩を踏みだそうとした実験的な1枚だったのかも知れません。
80年代に成功を収めるときには、再び原点へと回帰していくシェイキーですが、あせりながらも、手ごたえを模索し続けていた時期のアルバムだったのかも知れません。
シェイキン・スティーヴンス&サンセッツの関連記事はこちら
シェイキー、日の出に旅立つ
シェイキー、理由ある反抗
シェイキーの陽気にいこうぜ
これは、Sunsets名義で出された5作目に当たるものです。
このころ、シェイキーは、オランダで再出発を期していたようで、チューリップという会社から出されたようです。
ただし、私が持っているものは、英国盤です。
Manhattan Melodrama
Shkin' Stevens And The Sunsets
Shkin' Stevens And The Sunsets
Side One
1. Manhattan Melodrama / Paul Barrett、Paul Dolan
2. Alan Freed / Paul Barrett、Lloyd Jones
3. California Cowboy / Paul Barrett、Mal Preest
4. Lady Lizard / Paul Barrett、Lloyd Jones
5. Punk / Paul Barrett
6. Outlow Man / Paul Barrett
Side Two
1. I Told You So / Paul Barrett
2. Longer Stronger Love / Michael Barrett
3. Like A Teenager / Michael Barrett
4. Holy Roller / Sabandi McCarthy
5. No Other Baby / Bobby Helms
6. Get Back John / Charlie Arley
さて、このアルバムには、曲名と作者名以外全くクレジットがないため、プロデューサーさえ不明です。
もちろん、サンセッツのパーソネルに変動があったかどうかも分かりません。
ジャケットを一見して思うことは、今までのアルバムとは、曲のクレジットが違うことです。
今作では、シェイキーの本名であるマイケル・バレット名義が使われています。
これまでずっと、作者名にシェイキン・スティーヴンスを使っていたので、少し違和感を覚えます。
さらに、シェイキーの兄(?)のポール・バレットが、作詞を担当している曲が多いことも、顕著な特徴です。
今回のクレジットでは、曲名のあとに、先に記している名前が作詞、後が作曲担当で、単独のものは作詞作曲とも同じ人が書いたものです。
このうち、ポール・ドーランとロイド・ジョーンズは、サンセッツのメンバーです。
これらから、オリジナルが多く、カバーが少ないということも見てとれます。
多分、B面の最後にまとめて収録されている3曲が、カバーだと思います。
さて、これは確たるものはないのですが、このアルバムは、凶悪な銀行強盗、ジョン・デリンジャーについて歌ったコンセプト・アルバムだという話があります。
アルバム・タイトルの「マンハッタン・メロドラマ」は、デリンジャーにゆかりのあるものらしいです。
ジャケットは、マンハッタン周辺の地図をデザインしたものです。
英語が出来ない悲しさで、見当違いのことを言っている可能性がありますが、今回、ポール・バレットが、作詞に力を入れているのは、コンセプトにそったアルバムづくりを意識したものではないかとも考えられます。
ただ、2曲目に、Alan Freedいう曲が入っているのが、少し主張をためらうところではあります。
アラン・フリードは、ロックンロールの歴史に少しでも関心が有る人なら、一度は耳にしたことがある有名なDJの名前で、ペイオラ事件で逮捕された人でした。
ともかく、ぐたぐた考えるより聴いてみましょう。
まず、驚いたのは、冒頭の1曲目がアップ・テンポの曲ではないことです。
静かなピアノのイントロで始まるロマンチックなバラードで、今までのアルバムにはなかった展開です。
もともとポップ志向の強い傾向がありましたが、このアルバムを象徴しているように感じました。
サウンドとしては、サックスがほとんど前面に出なくなっています。
完全に脱退したのかと思いましたが、一部の楽曲では参加していて、ゲスト扱いに近くなっているようです。
シンプルなギター・バンドに近づいた印象があります。
全体的に地味になった印象がありますが、オリジナルはそれなりにポップです。
Alan Freedは、ティーン・ポップ調ですが、ギターが骨太のリフを奏でていて聴かせてくれます。
エルヴィスを連想させるLonger Stronger Loveは、シェイキー版テディ・ベアといった印象を受けました。
60年代前半の、ポップでありながらロックンロールの塊だった頃のエルヴィスです。
そして、カバーの3曲は、それぞれが聴きものです。
スラッピング・ベースのカチカチ音が耳に残るHoly Rollerでは、エレキ・マンドリンっぽい音も聴こえ、新しいサウンド作りへの意欲も感じ知られます。
No Other Babyは、ボビー・ヘルムス盤が有名な曲ですが、ヴァイパーズが原曲のはずで、ヘルムス作となっているクレジットはどうでしょうか?
この曲は、後にポール・マッカートニーも99年のRun Devil Runでやった曲だと思います。
私はそのアルバムを持っていませんが、ギターは、ミック・グリーンでしょうか?
何しろ既に5枚目のアルバムですが、芽が出たとは言えないです。
有名ロックンロールのカバー中心から脱却して、新たな1歩を踏みだそうとした実験的な1枚だったのかも知れません。
80年代に成功を収めるときには、再び原点へと回帰していくシェイキーですが、あせりながらも、手ごたえを模索し続けていた時期のアルバムだったのかも知れません。
こちらでは、74年ころのサンセッツの姿が見られます。
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