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三連符の調べで夢見心地

 Augie Meyersの新譜が届きました。
 健康不安が心配だったDoug Sahmの盟友は、嬉しいことに元気な歌声を聴かせてくれました。
 先程から、何度も聴き返しているのですが、なごみまくっています。
 どうやら、長くお付き合いすることになる1枚になりそうです。


Trippin Out On Triplets
Augie Meyers

1. Something Wrong
2. Think It's Over
3. Leave Me Something *
4. Last Night I Cried *
5. What Am I Living For
6. Sittin Up At Night *
7. Crazy Crazy Baby
8. I Cried A Tear
9. Pleading My Love
10. I'm Not A Fool
11. Matilda
12. Do You Like I Do *
 

 今作でのオーギーは、ピアノ、オルガンに加えて、一部の曲ではギターも弾いているようです。
 ただし、どの曲のギターが、彼のプレイなのかはまでは、クレジットがないので分かりません。 

 バック陣は、ジャック・バーバー、ロッキー・モラレスというお馴染みのダグ・サーム人脈から、これまた同様、古いお仲間のルイ・バストスまで、うれしいメンツで固めています。
 あとは、チャーリー・マクバーニーの名前があれば、なお良かったんですが…。

 そして、ドラムスは、ジョージ・レインズではなく、息子のクレイ・マイヤースが叩いています。

 気になる収録曲ですが、アスタリスク・マークを付けた曲がオリジナルで、他は全てカバーです。
 オリジナル曲では、オーギーお気に入り曲の再演が含まれていますが、新曲では、ラストの曲が気に入りました。
 ただ、カバーについては、困ったことに一切クレジットがありません。

 しかし、一般的には無名でも、テキサス、ルイジアナ系の音楽が好きな方なら、すぐにそれとわかる有名曲が大半です。
 ジミー・ドンリー、チャック・ウィリス、バック・ロジャース、ラ・ヴァーン・ベイカー、ジョニー・エイス、クッキー&カップケイクスなどの名曲ですね。

 ちなみに、10曲目の曲名は簡略化されていますが、もちろん I'm Not A Fool Anymoreです。
 ダグ・サームも、フレディ・フェンダーもやっていた名曲です。
 ただ、この曲のオリジナルは、誰が正解なのでしょうか?

 そして、アルバム幕開けの1曲、Something Wrongは?
 聴く前は、When Something is Wrong with My Babyなのかな、とも思いましたが、メロディが違いますし、歌詞も出だしが違うので別の曲です。
 
 アタマは、多分、I'd It All Plan(?) Just for Youで始まり、サビでは、What Can I Do, When Something Wrong With Youと歌っています。(…と思います。)

 ルイジアナ系の三連バラードということで、直感でファッツ・ドミノを調べたところ、ずばり正解でした。
 正しい曲名は、Something's Wrongです。
 英AceのCD、Inperial Singles Vol.2 1953-1956に収録されていました。

 このシリーズは、Vol.3まであって、3枚とも私の長年の愛聴盤なのですが、この曲は覚えていませんでした。
 54年リリースの曲ですので、ちょうどR&B全盛期からロックンロールの確立へと向かう時期の曲でがすが、原曲は脱力系の仕上がりになっていて、ファッツ・ワールドに引きこまれます。

 やはり、三連符の曲は、ファッツから調べるというのが正解のようです。
 最近は、最初期のファッツがお気に入りでしたが、久々にVol.2を聴きました。

 などと、曲調べをしつつ楽しんで聴きましたが、今回のアルバムでは、アコーディオンを弾いていず、ポルカなどの賑やかめの曲がないことに改めて気付きました。
 徹底して、哀愁の三連バラード系で攻めるコンセプトで作られています。

 アルバム・タイトルのTripletsは、普通に辞書をひくと三つ子という意味が第一に出てきますが、この場合は、アルバム・コンセプトからいって、三連符を意味しているんでしょう。
 そして、Trippingは、麻薬などでハイになっている状態ですね。

 麻薬のような哀愁の三連バラードで、恍惚と陶酔の世界にいざなってくれる、スペシャルな1枚でした。
 さて、もう一回聴こうっと…。



こちらは、73年の2ndソロのタイトル曲です。でも再演バージョンかな?




 関連記事はこちら  オーギー・マイヤースさん、気をつけて
              テックス・メックス・ビートルズ

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