2019年10月31日
晩秋の勇払川でドライフライ
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飽きない程度に虹鱒がヒット
10月最後の釣行先は前回の真狩川と同じ湧水河川の勇払川。北海道ではすでに晩秋だというのに、気温は平年を上回りアングラーのモチベーションはハイギアーのままだ。
ただドライフライに関して言えば、山岳渓流への釣行はさすがに厳しい環境となっている。それを見越した上で、例年この時期から釣行先を湧水河川に切り替えてきた。
昨年も、10月後半から11月中旬にかけて赴いたのは、苫小牧の錦多峰川、千歳のママチ川、同・紋別川、真狩川それに勇払川と植苗川。いずれも伏流水や湧水河川で、水温が真冬でも7℃は保っている。
特に錦多峰川は、どんなに寒くても10℃を下回ることはないほど。それだけに、1年中釣りを行いたいアングラーの格好の場所となっている。
面白いのはそうした湧水河川の魚種の片寄り。ママチ川は時折虹鱒や岩魚も釣れるが、ほとんどがブラウン。同じように紋別川はアメマスもいるが、圧倒的にブラウンが支配。逆に錦多峰川は虹鱒だけで、苫小牧川上流もほぼ同じ。
昨年11月初めに訪れた勇払川水系の植苗川などは、入り易い地形と穏やかな流れのためか、魚影は極端に薄く、それもブラウンしか釣れなかった。
本流の勇払川も状況は変わらない。特に、植苗川と合流する下流域や浄水場付近の魚影の薄さには閉口した。
10月30日は、林道のゲートが解放されていたことで、まだ入ったことのない勇払川の上流に向かった。同じ丸山の森を源流としているせいか、川は同じエリアの苫小牧川やママチ川を大きくしたような流れ。
夏ならば草木で上流や下流の見通しは利かないが、枯葉も落ちて木が裸になったこの時期、目の前には広々とした空間が広がっていた。
勇払川の流れは蛇行を繰り返し、その曲りの淵や倒木などが作る淀み、水深のある平瀬といった格好のポイントが次々に現れる。
午前9時の外気温は12℃、それに対して水温は10℃前後とドライフライには問題ないはず。入渓前に熊予防として、林道の真中で爆竹を鳴らして川に下ろうとすると、3頭の大きな鹿が目の前を駆け抜けた。
川幅は最大でも7メートル、狭いところでも3メートルと、前回の真狩川よりもロッドは扱いやすい。
問題のアタリはというと、入渓地点からしばらく行った何の変哲もない平瀬で、#12のカディスに20センチ余りの虹鱒がヒット。 それを合図に、曲りの淵や倒木下から15センチから20センチの虹鱒が飛び出る。しかし、多くの倒木が交差して深場を作る絶好のポイントからは小さなアタリばかり。
釣り上がって現れた同じようなポイントでも、小さなサイズの虹鱒しかヒットしない。多分、こうしたポイントばかりを攻める釣人が多くて、魚はスレてしまったのかもしれない。
ヒットした魚も最大で25センチほど。もっと大きな虹鱒がいてもおかしくはないのに、この日は目にすることができなかった。
ただ、過去に浄水場の上流では虹鱒しか釣ったことがなかったが、今回初めてヤマメを手にした。浄水場の堰堤で堰き止められるために、ヤマメの遡上はほぼ不可能なのに、どのようにして登ったのだろう。
結局この日の釣果は、15センチから25センチの虹鱒が7匹に18センチほどのヤマメが1匹。バラシが5回で、ブラウンがいなかったのは幸いだった。
ドライフライでもこの時期に竿の出せる場所は残っている。釣果はあまり期待できないが、まだシーズンを終えたくないフライフィッシャーにとっては、1年の締めくくりとして出かけるだけの価値はあると思う。もし釣行されるのならば、必ず熊対策を忘れずに。 それと、林道は閉じられていることが多いので、別の場所の検討も必要。
写真@A湧水河川独特の蛇行の続く勇払川の穏やかな流れ。見通しが利いて気持ちの良い釣りが楽しめたBヒットしたのはほとんどが虹鱒Cその中でヤマメの姿も
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