24/09/16(月)敬老の日にラジオを聴いていたら最近還付金詐欺に遭ったと言う聴取者が電話で出演してその手口を話してくれた。
参考:還付金詐欺
https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/refund/
・18時過ぎ家の固定電話に銀行員から年金暮らしの母へ電話が掛かってきた。
・年金の還付金3万円強がある。期限は今日なので手続きしないと無効になると急かされる。
・母と娘が詐欺を疑いながらキャッシュカードとスマホを持ち車で指定の銀行ATMへ向かう。
・ATMではまず残高を桁数で質問された。(例:100万円であれば7桁)
・銀行員の指示通り操作して振込先銀行名等を入力した。(詐欺を疑っていたが、母の口座に振り込まれると解釈した。)
・数字6桁を言われた通り入力した。電話相手に「これではこちらから99.9万円振り込むことになるのではないか」と質問したところ「これは顧客番号です」「この後銀行員○○がご説明に伺いますので手続きを進めて下さい」と急かされる。
・19時近くになっていたが銀行の窓の明かりが点いていたので信用して実行してしまう。
・車に戻るよう指示され待っていると「エラーが起きたので少々御待ち下さい」と言われる。
・10分程待ったが電話連絡は付かなくなり説明員も来ないので銀行の呼び出しボタンを押したところ聞いた名前の担当者はいなかったので詐欺と判明した。
・夜遅かったので振込先口座の凍結は翌朝となったが既に全額引き出された後だった。「エラー」と言われ待たされている間に犯人たちは出金していたらしい。
これだけ還付金詐欺の報道がなされているのに何故被害に遭うのだろうと思っていたが、実際の犯行手口を聞くとさすが犯人は利口だなと思う。
スマホをかけながらATMを操作していると止められるので行員や利用者のいない時間帯を狙って電話を掛けるとはまったくずる賢い。
金額を桁数や数字の羅列で言い金額と意識させないようにしている点や、顧客番号と言い張る点は犯罪マニュアルとして良く出来ている。この後説明員が伺うと言い信用させるのも巧みだ。
しかも振り込ませた後にも詐欺と気付かせないように引き留めて現金引き出しの時間を作るのも感心する。何故犯人達が易々と現金を手にしているのかと思ったらこんな方法を取っていたのかと腑に落ちた。
きっと受け子を使い複数個所のATMをハシゴさせて全額引き出しているのだろう。こちらも目立たないように実行するマニュアルがありそうだが、今は防犯カメラが設置されていて引き出す人物や乗って来た車両の映像は残っている筈だ。
完全犯罪とは行かないだろうが、闇バイトで雇われた受け子だけが逮捕されて主犯格は逃げ果せてしまうのだろうか。
参考:振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ
https://www.fsa.go.jp/policy/kyuusai/furikome/index.html
私が対策できることは以下の点だろう。
・固定電話は常に留守番電話状態にしておく。
・こちらを急かす電話が掛かってきたら、意識して間が抜けた様にゆっくり話すようにする。
・トイレへ行きたいので折り返し電話します。「電話番号を教えて下さい」と言って相手の反応を見る。
・私はATMが操作出来ないので「警察に相談します」と言って相手の反応を見る。
・還付金がありますと言われたら「では振り込んで下さい」と言って電話を切る。
とにかく話し相手になると犯人のペースに巻き込まれてしまうので電話に出ないのが一番で、うっかり出てしまったらさっさと切る口実を用意しておくべきだろう。
テレビでは模倣犯出現を配慮してここまで詳細に還付金詐欺の手口を教えてくれないから大変勉強になった体験者談だった。