会場は昨年の『ハイエンドショウトウキョウ2014』と同じだったが、コの字型の通路にある小部屋は試聴室として3部屋しか使用しておらず出展社減少で寂しく感じた。オーディオ評論家によるイベントも終わっていたのでトライオードのブースを試聴した。
IASJ2015同様ハイレゾリューションマルチオーディオボックスCocktail Audio CA-X40の紹介があった。これ1台でハイレゾを含む全ての音楽ソースの再生が可能で、CDのリッピングからMM型フォノイコライザー内蔵によりアナログレコードのハイレゾアーカイブも可能と非常に多機能だ。
FMチューナー内蔵で24bit/192KHzで録音可能とあるがオーディオタイマーは内蔵していないようで留守録が出来ないのが残念なところ。また対策はしてあるだろうがデジタル回路のノイズがアナログFMに悪影響を与えないか心配でもある。価格は税抜48万円だ。
アナログプレーヤーKRONOS SPARTA(税抜280万円)は糸ドライブで下のテーブルを逆回転させていることが特徴。このテーブルを止めた状態との比較試聴を行ったが、逆回転させることで上のターンテーブルが起こす振動や歪をキャンセルするとSN比が良くなり音楽が生き生きと再生される。これを聴くとSPARTAの魅力が納得出来る。トーンアームはHELENA(税抜90万円)、カートリッジは(株)カジハラ・ラボRM-KANDA(税抜48万円)を使用していた。
主な試聴曲は以下の通り。
1)CD「Celtic Woman/ケルティック・ウーマン」より「16. You Raise Me Up」
2)LP「日付けのないカレンダー/森山良子」より「2. 中央線あたり」
3)LP「A LONG VACATION/大滝詠一」より「1. 君は天然色」
4)「ウォールフラワー/ダイアナ・クラール」より「4. アローン・アゲイン」
5)LP「We Are The World/U.S.A For Africa」
6)LP「ボレロ」
7)LP「Belafonte at Carnegie Hall/ハリー・ベラフォンテ」より「The Banana Boat Song (Day-O)」
アナログの「ボレロ」は通常のLPとは逆に内側から外側に針が進んで行く。これは音圧の上がる後半部分を音質的に有利な外周で収録する為とのことだ。15/10/16(金)に「アニ・オケ!クラシック〜“ネ申曲”降臨〜」の生演奏の「ボレロ」を聴いたばかりなのでオーディオはマスタリングされた録音物を聴いていることを実感した。
LPの「君は天然色」を聴くとカセットテープで毎日の様に聴いていた頃の気持ちが蘇る様だ。山崎 順一社長は「今は純度の高い優秀なケーブルが揃っておりアナログレコードに刻まれている音を失うことなく再生出来るようになったので当時とは違う高音質で聴くことが出来る」と語っていた。
「この試聴室に来ている皆様に真空管アンプの音の魅力を知ってもらい購入して頂きたい」と言っていた。確かに音は魅力的ではあるが夏は熱いし真空管の寿命は5000時間と聞く。運用コストを考慮すると手を出し難い。
さて来年このイベントはどんなコンセプトで行われるのだろうか。
【関連リンク】
『Cocktail Audio CA-X40』
http://www.cocktailaudio.com/overview_x40.php
『“大人の秘密基地”がコンセプトの新オーディオイベント「TOKYO AUDIO BASE」をレポート』
http://www.phileweb.com/news/audio/201510/18/16511.html
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