おはようございます、アントレです〜!
最近の関東は天気悪いっすね〜。チャリツアーはいわきで中断して正解でしたw
さて、今回のツアーでは新潟から本州の海沿いをグルっと回って福島のいわき市まで走ったのですが、その途中に強烈に印象深い地域がございましたので、忘れないうちにUPしておきたいと思います。
その地とは、、、そう、原発事故の被害が直撃している福島県は双葉町でございます。
「アノ3.11の原発事故により、福島の原発周辺の町はエライことになっている」
というお話は、コノ10年間、当方の頭にぼんやりとございました。恐らく本ブログの大半の読者さんに置かれましてもそんな印象があるのではないでしょうか。
ただ、実際は具体的にどーなっているの?という部分は、当方は殆ど認識できておりませんでした。その辺りをまさに今回のチャリツアーで実際に現地に行って肌で感じてきましたので、UPします。
まず、日本のどのあたりの話?という部分です。
福島県の真ん中の海沿いあたり。仙台市といわき市の中間点ですかね。モチロン福島第一原発が立地している場所になります。
で、ご存じの通り、10年前の3.11で絶対に安全であった原発が津波を被って電源喪失からの水素爆発からのメルトダウンを起こしたんですが、その後双葉町を始め、原発周辺の広範囲な地域は絶対的な立ち入り禁止区域、いわゆる「帰還困難区域」に指定されました。簡単に言うと、放射能に汚染されてしまった、というお話でございます。
では、今現在、帰還困難区域はどーなっているんでしょうか?
福島県のHP(ココ)より抜粋します。
どーでしょうか。皆さん。双葉町だけでなく、浪江町、大熊町辺りはコノ10年間、市町村長が許可したよほどの理由がない限りにおいては、何人たりとも立ち入ってはイケない地域になっております。
で、今回当方が行ったのは双葉町の右上の部分、今年の3月に避難指示解除準備区域(=原則として関係者のみの立ち入り可)から解除された地域、つまり、一般人も自由に立ち入ってOKな地域となります。
で、ソロソロ本題ですが、具体的にどのルートを走ったのかというと、、、
ご覧のような感じです。今回のツアーは極力海沿いの国道を走るをテーマにしておりまして、青線の部分が走ったルートとなります。で、それぞれ@〜Dの番号を付けましたので追って説明します。
@何だか様子がおかしくなってくる地域
基本的にはこんな感じの整備された道路が多いです。まあ、津波で破壊されたので作り直したのでしょう。
追い風に乗って快調に飛ばしていると、、、おや?
津波の伝承施設でしょうか。ただ、、、
手前にある、大きな石に注目ください。どうやらここに黒い大きな石碑があったようですが、下に落ちてしまって無造作に放置されてます。
うーん、今までの施設に比べて何かが違います。。。標識も看板も何もなく、単純に放置されている印象。
再び走っていると、、、ん?
被災した家がそのままの状態で放置されてる。。。
表札が残ってました。この方はいったいどこに行ったんでしょうか。
何かの作業施設でしょうか。コレもそのまま。
車も。
がれきも。。。何とも言えない違和感を感じる地域でございました。
A東日本大震災・原子力災害伝承館
コレは本当に偶然なんですが、当方の自転車ツアーの行程に合わせたかのように、9/20にオープンしたての「東日本大震災・原子力災害伝承館」(
ココ)に立ち寄ってきました。原発の恐ろしさを伝える日本初の公共施設となります。森の妖精とかがいる電力会社の原発PR館とは真逆のコンセプトで成り立っておりますw
写真撮影はngだったんですが、原発事故の当時の状況や町の人たちの思い、復興の状況等々、様々な観点で色々展示されておりました。原発によって潤った町が、原発によって破壊されていく、、、というナマナマしい事実を客観的に確認できる施設となります。全国の原発保有地域の皆さんにぜひ足を運んでみていただきたい施設となります。
Bようやく状況がつかめ始める地域ついに帰還困難区域に差し迫ります。
さあ、前に進みましょう。道はかなり整備が整っているようです。
至る所に線量計が。だんだんものものしくなってきました。
福島第一原発にどれだけ近ずけるのでしょうか。国道6号より海側の道をあえて進んでみたところ、、、おや?
この先は帰還困難区域ということで、完全封鎖されておりました。仕方がないので6号線に戻るべく、双葉町の方に行ってみましょう。当然多くの人家があるんですが、、、
え??????
一見普通に並んでいる車たちも、、
タイヤを見てみると、、、、え??????
町のあらゆる施設が放置状態。
こ、これは!!
そうか!
コレでようやく状況を理解できました。つまるところ、先ほどの石碑もしかり、放置された家や車もしかり、この辺りはつい最近まで帰還困難区域に指定されていて、最近解除された地域だったです。つまり、このあたり一帯が、地震があった10年前の当時のまんま、そのまんま放置されてきた、ということになります。
うーん、こんな話、皆さんは知ってましたか?線量も落ち着いているので徒歩で回ることもできちゃいます。
ということで、今までは、地震による津波の被害という観点で、イロイロ感じてきたんですが、今回の主役は、原発事故、ということになります。10年間立ち入りができない、家に戻れない状態になるって、尋常じゃないですよね。コレはもはや復興というお話以前のお話で、原発の恐ろしさを如実に感じてしまいました。
C国道6号線(双葉駅近辺〜富岡市)が徒歩とチャリ通行不可の件前に進みましょう。6号線に戻ってみると、、、
え?車はOKですが、徒歩やチャリは進入禁止に!!!線量がまだ高いのでしょうか。
国道がダメならわき道からアプローチしようと思ったら、、、
えーーーー?
ということで、バリケードの警備員にイロイロ聞いてみたところ、、、走行禁止区域は富岡までで、どうやら自転車でいわき方面に行くには南相馬あたりまで戻って内陸の山を越えないとダメ、ということらしいです。マジで言ってます??
やはり帰還困難区域が解除されたのは一部地域のみだそうで、マダマダヤバい場所が多く、立ち入り禁止になっているようです。コレ、詰んでますよね?
ということで、仕方ないのでこの区間は輪行で行こうと考えました。
双葉駅に行ってみました。リニューアルしてきれいな駅ですね。
さあ、輪行の準備を。
その前に、時刻表を確認してみると、、、本数少なっ!!ってか、1時間以上待つことになります。
ウーム、ココで1時間待って、電車移動して富岡まで行って、ってやってると確実にいわきまで行けそうにありません。どうしよう。。。
そうだ!!
タクシーがあるではないですか。さっそくググって近くの営業所、楢葉タクシーさんに連絡して、配車完了!!
とても親切な運転手さんに感激!
実はプリウスって結構荷物乗るんですよね。完璧!
Dコレが帰還困難区域だ!
コノ6号線は福島の海沿いの基幹道路というコトで、特別に通行が許可されているとのコトです。車窓からは驚きの光景が目に入って来ます。
タクシーの中からは人生で経験したことのない、光景が広がります。
先ほどの人家同様、商業施設も丸々その当時のまま。運転手さんにイロイロ教えてもらったところ、6号線は線量もだいぶ落ち着いてきていて、国の基準はまだ超えているものの、人体に影響の出ない範囲まで来たとのことでした。人や自転車が走っても問題ないレベルなんですが、なんで通行禁止になってい居るかというと、泥棒対策だそうです。先日も100件以上の盗みをした泥棒が捕まったとのことで、徒歩で入って無人の家や店舗を荒らす輩がいまだにいるようです。なので、自転車で強行突破しようものなら、確実にパトカーで署に連行されてしまう、とのことでした。また、震災当時はたまたま海側に風が吹いていたので、このようなスラム街も一部になってますが、関東方面に吹いていたら、もしかしたら東京もこんな感じになってたのかも、とのことです。やっぱり原発は辞めましょうよ。改めて心に誓った瞬間でした。
富岡のショッピングモールに到着〜。タクシーツアーはココまでで、自転車を組み立てます。
楢葉タクシーさん、イロイロありがとうございました〜!実は今まで何度も自転車をレスキューしたそうで、とても手際よく親切に対応いただきました。原発事故の件もイロイロと解説いただき、見識が深まりました。皆さん、ぜひ一度行ってみてはいかがでしょうか。タクシーツアーで6号線を走ってみるのもかなりいい経験になると思いますよ!
さあ、6号線をいわきに向けて走りましょう。途中、気になる看板がありましたが、時間がないので先に進みます。そしてその後、無事にいわき市まで到着いたしました。
というコトで、かなり長くなってしまいましたが双葉町の状況につき、イロイロ書いてみました。
やはり何と言っても原発は無しだなぁ。ひとたび事故が起きると、一つの町など簡単に破壊する威力を持っているこの原発というものに、我々はどう向き合っていけばいいんでしょうか。日本には今現在、33基もの原発が稼働許可を得ていて、6機が稼働中となります。震災直後は全面停止でしたが、我々の電力は十分足りていたと記憶しています。なんでこんなに危険なものを国や電力会社は躍起になって再稼働したがるんでしょうか。新設したがるんでしょうか。当方なりの答えはあるんですが、ぜひ皆さんも一度、この原発というものを考えてみていただけますと幸いでございます。そして実際にご自身の足で是非ともこの地を訪れてみていただきたいと思います。原発によって潤った町が、原発によって破壊されていくその絵姿を是非ご確認いただけますと幸いでございます。
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本来、町って先祖代々、その文化、風習、伝統、モノ、人等々を何千年、何万年も紡いでいくものだと思ってます。ソレを一代で一瞬にして帳消しにしてしまうリスクを秘めている原発ってやっぱりリアルに恐ろしいですね。双葉町の町民の皆さんは一体どんな気持ちでどこに行ってしまったのでしょうか。。。本当に切ないですね。