2021年10月07日

母親の呪縛

長らく中学生を教えていると、昨今、「子離れできない母親」があまりに多くなっていることに気づく。

特に男子。
母親にとっては、離れがたき存在である。
だから、いざ息子に一大事があると、一番心を痛めるのが母親でもある。

学校では、お子様をお預かりしている。
親たちは、自らの手元を離れることに寂しさを感じながらも、学校へ送り出す。

全寮制ならば、なおさらだ。
断腸の思いで、手放しているのだろう。

中1くらいだと、男子でも、まだまだ母親に甘えたい年頃。
家では、母親の膝の上に座るような子どももいる。

勉強だって、母親が面倒を見ていることもある。
そのために、母親は、必死になって勉強するのだ。
だから、学校の試験の成績が悪いと、「教え方の悪い先生のせい」になる。

あまりに教員が手を掛けすぎると、母親に嫉妬される。
歯をむき出しにして怒り狂う母親は怖い。

たとえは悪いが、以前、母猿が死んだ子猿をいつまでも抱きかかえる映像を見たことがある。
動かなくなって冷たくなった子猿を手放すことができずにいる、母親の姿だった。

思春期になると、男子は母離れを始める。
あれほど「お母さん」と慕っていたにもかかわらず、「うるせぇ、くそババァ」に変わる。

母親の子離れが早いか、子どもの親離れが早いか、これがほぼ同時に行われるとスムーズなのだが、時期が大きくずれると、お互いが不幸になる。

世の母親たちは、子どもの反乱に戸惑い、打ちひしがれるが、たいていの場合、成長するにつれ、子どもは再び母親を慕うようになる。

学校では、時に、「子どもを人質に取られている」と、親に思われることがある。

これも嫉妬心に近い。

嫉妬される側にも徳がないことも事実だろう。

教員たちは、その程度の差こそあれ、母親の呪縛と戦っている。




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