2017年08月13日
竜(ドラゴン)とゴリラの戦いは続く
あなたは「ドラゴン(竜)対ゴリラの戦い」というキャッチフレーズを聞いたことがありますか。
2013年にはスマホ画面保護用のカバーガラスへの使用で、この言葉がニュースに良く出ていました。
ご存知の様にスマホの画面は傷が付いたり、割れ易いので、強度の高い保護カバーが必要です。
このため高強度のカバーガラス製品が世界的なガラスメーカー2社によって開発され宣伝合戦が行われてきました。
それが、「竜(ドラゴン)対ゴリラの戦い」とよばれるもので、
旭硝子の「ドラゴントレイル」(最後に記載の2つの動画ご参照)と
米コーニング社の「ゴリラガラス」です。
この戦いが今後は自動車用ガラスで再び起きようとしています。
本論に入る前に先ずは、スマホ面保護用の強化カバーガラスについて、
基礎事項も含めて以下に紹介しておきます。
1.ガラスの原料について
通常のガラス(窓ガラスや瓶など)はソーダガラスといい、二酸化ケイ素(シリカSiO2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3),炭酸カルシウム(CaCO3)を原料として溶融して作りますが、
高強度ガラスには更に酸化アルミニウム(別名アルミナ、Al2O3)を加えます。
勿論両社とも更に特殊な化合物を加えていると思われますが。
2.ガラスの製法について
1)ゴリラガラスは、コーニング社が新しい製法である「フュージョンドロー法」を開発しました。
この方法は、簡単に言えば、両端を閉じた雨樋に溶かしたガラスを注入し両端から溢れさせて垂直に
垂れて両方が合体して平面ガラスとなるものです。(詳細は参考サイトをご参照。)
2)旭硝子のドラゴントレイルは、従来の板ガラスを作るフロート法
(溶けた錫の表面に浮かせて製造)を液晶用ガラス製造に高度化させた方法で製造しています。(公式サイト中間部参照)
3.ガラスの強度を向上させる方法について
「イオン交換強化法」といい、ガラス板を400℃で溶融した硝酸カリウム(KNO3)に漬け込むこと
により、ソーダガラスのナトリウイオンをカリウムイオンで置換します。
そうするとカリウムイオン(K+)はナトリウムイオン(Na+)より大きいのでギュウギュウに詰め
込んだ状態となり、ガラス表面には、緻密に押し合う力(圧縮応力)が残るようになり、
これが表面を傷つけようとする力に逆らうためより頑丈なガラスにすることが出来るのです。
4.ガラスの割れのメカニズムと割れ防止対策・技術ついて
旭硝子のこの動画サイトは非常に解りやすいやすいですね。
スマホカバーガラスでの強度のアップの方法、面割れと端割れ、、割れ対策が内部の引張応力をわざと
低下させていることなど。
5.両社の液晶、スマホの戦いについて
英調査会社HISテクノロジーによれば、16年の液晶ガラスの世界シェアは「ゴリラ」のコーニングが52%で、「ドラゴン」旭硝子の24%を大きく上回っています。
スマホ用のカバーグラスでは、ゴリラがドラゴンを更にしのいでいるとみられます。
スマホで繰り広げられた戦いが、今度は自動車に広がろうとしています。
先ずは車とガラスの関係についてですが、
現在車には窓ガラスと計器パネルに使われていますが、今後自動運転が普及するとガラスの果たす役割はこれまで以上に大きくなると期待されています。
その理由は、ガラスは鋼板と異なり、透明で光を通すだけでなく電波を通すという性質があることです。
この性質故、これからの自動運転では使用される各種データの通り道になることが出来、
特にフロントガラスには各種データを表示出来るディスプレイとしての高付加価値を生む主役と考えられています。
その他、車の天井の色を天候に合わせて調整出来る調光ガラスや、
運転席のタッチパネルのカバーガラス等に期待されています。
スマホガラスの場合は、コーニングを旭硝子が追いかけるという構図でしたが、
自動車に関しては、コーニングが旭硝子を追うという形になっています。
なぜなら、旭硝子は通常の自動車窓ガラスで世界中の自動車メーカーと深いパイプがあるためです。
納入実績としては、12年発売の米テスラ(EV車)を皮切りに欧米の30社を超える数の車種用タッチパネルのガラスを納入しています。
また14年には、独メルセデス・ベンツに調光ガラスを収めています。
コーニングも15年に初めてフォードの量産車にフロントガラスを収めたのを手始めに、世界の車メーカを狙っています。
高強度ガラスなら軽量化も図れるので、今後のエコカー特にEV車への納入に留意してゆきたい。
しかしスマホでの対決は今後も続き、今秋にも発売される予定のi-Phone8には
カバーガラスだけでなくボディー背面にも採用されるとの観測もあります。
ガラスの滑かな触感と、電波も通す性質(無線充電対応)が今後ガラスの部材としての重要性が高まると予想されます。
(日経産業8/2他より)
スマホの画面割れは完全には防げないにしても、このガラスを付けているとちょっとした超激に対しては安心できますね。(ドラゴンが守ってくれる?)
最後にフト思ったのですが、
竜(ドラゴン)は架空の動物なので「同じ架空の動物なら世界最強のゴジラの方が良かったのでは」と。
日本生まれですから、日本の会社が使うのに違和感は有りません。
発音も「ゴジラ対ゴリラ」でよりわかりやすく覚えやすいですね。
ネーミングの際、考慮の対象にならなかったのかやはり著作権の問題でしょうか、
それとも将来更に別の凄い製品のために温存?
参考になりそうなサイトを挙げておきましたので適宜ご参照ください。
・ドラゴントレイル紹介動画
その1。
その2。
・スマホのガラス
・ガラスの百科辞典?!
尚
ガラスとは直接関係ないですが、付記しておきたくなりました。
龍(竜)と言えば日本の「竜の滝のぼり」等を想像しますが
ドラゴンと言えばあのPPMの歌を思い出します。
いろいろ動画はありますが私的にはこの動画が好きです。
この中の動画の歌を聞くと何故か涙腺が緩みます。
尚PPMの当初の姿はここから。
そしてついにP(PM)の姿はここから。
でも
子供さんにはこれがいいのかな。
英語のお勉強にはこちららの方がいいかな。(2020.7追加しました。)
@puff-2 魔法のドラゴンを歌詞でパフ 童謡とキッズソング
Apuff-3 evokids - Puff The Magic Dragon
以下はちょっと気になった新発売商品です。
・対話ロボット「アトム」の完成版販売開始。
・疲れにくいマウス
ロジクール「 MX バーティカル」
◆スマイルゼミ◆中学生向け通信教育
◆スマイルゼミ◆タブレットで学ぶ通信教育 【幼児コース】
2018.7.20のニュースから
コーニングは現行のスマホガラス「ゴリラガラス5」よりも落下時の衝撃に強い「ゴリラガラス6」を発表した。
「5」よりも高い圧縮技術によって作られ、落下時の耐久性は2倍に向上、1mの高さから15回も落としても割れない、としている。しかもひっかき傷への体制は5と同じ耐性を保ったというのだからすごい。
というのも通常は耐衝撃性と耐傷性は相反する性質で通常は両立は困難とされているからだ。
コーニング社によると、スマホ所有者は、一年平均7回ポケットから落としているそうだ。
私もたまーに落とすけど、1年だとそれくらいになるのかなー。
いずれにしても落とさないに越したことはないし、それなりの対策(カバー類)をして置くのが懸命かも。
しかし、画面が直接突起物に当たるような落下はどんなに丈夫なガラスができてもだめだろう。
自己防衛あるのみ。
2013年にはスマホ画面保護用のカバーガラスへの使用で、この言葉がニュースに良く出ていました。
ご存知の様にスマホの画面は傷が付いたり、割れ易いので、強度の高い保護カバーが必要です。
このため高強度のカバーガラス製品が世界的なガラスメーカー2社によって開発され宣伝合戦が行われてきました。
それが、「竜(ドラゴン)対ゴリラの戦い」とよばれるもので、
旭硝子の「ドラゴントレイル」(最後に記載の2つの動画ご参照)と
米コーニング社の「ゴリラガラス」です。
この戦いが今後は自動車用ガラスで再び起きようとしています。
本論に入る前に先ずは、スマホ面保護用の強化カバーガラスについて、
基礎事項も含めて以下に紹介しておきます。
1.ガラスの原料について
通常のガラス(窓ガラスや瓶など)はソーダガラスといい、二酸化ケイ素(シリカSiO2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3),炭酸カルシウム(CaCO3)を原料として溶融して作りますが、
高強度ガラスには更に酸化アルミニウム(別名アルミナ、Al2O3)を加えます。
勿論両社とも更に特殊な化合物を加えていると思われますが。
2.ガラスの製法について
1)ゴリラガラスは、コーニング社が新しい製法である「フュージョンドロー法」を開発しました。
この方法は、簡単に言えば、両端を閉じた雨樋に溶かしたガラスを注入し両端から溢れさせて垂直に
垂れて両方が合体して平面ガラスとなるものです。(詳細は参考サイトをご参照。)
2)旭硝子のドラゴントレイルは、従来の板ガラスを作るフロート法
(溶けた錫の表面に浮かせて製造)を液晶用ガラス製造に高度化させた方法で製造しています。(公式サイト中間部参照)
3.ガラスの強度を向上させる方法について
「イオン交換強化法」といい、ガラス板を400℃で溶融した硝酸カリウム(KNO3)に漬け込むこと
により、ソーダガラスのナトリウイオンをカリウムイオンで置換します。
そうするとカリウムイオン(K+)はナトリウムイオン(Na+)より大きいのでギュウギュウに詰め
込んだ状態となり、ガラス表面には、緻密に押し合う力(圧縮応力)が残るようになり、
これが表面を傷つけようとする力に逆らうためより頑丈なガラスにすることが出来るのです。
4.ガラスの割れのメカニズムと割れ防止対策・技術ついて
旭硝子のこの動画サイトは非常に解りやすいやすいですね。
スマホカバーガラスでの強度のアップの方法、面割れと端割れ、、割れ対策が内部の引張応力をわざと
低下させていることなど。
5.両社の液晶、スマホの戦いについて
英調査会社HISテクノロジーによれば、16年の液晶ガラスの世界シェアは「ゴリラ」のコーニングが52%で、「ドラゴン」旭硝子の24%を大きく上回っています。
スマホ用のカバーグラスでは、ゴリラがドラゴンを更にしのいでいるとみられます。
スマホで繰り広げられた戦いが、今度は自動車に広がろうとしています。
先ずは車とガラスの関係についてですが、
現在車には窓ガラスと計器パネルに使われていますが、今後自動運転が普及するとガラスの果たす役割はこれまで以上に大きくなると期待されています。
その理由は、ガラスは鋼板と異なり、透明で光を通すだけでなく電波を通すという性質があることです。
この性質故、これからの自動運転では使用される各種データの通り道になることが出来、
特にフロントガラスには各種データを表示出来るディスプレイとしての高付加価値を生む主役と考えられています。
その他、車の天井の色を天候に合わせて調整出来る調光ガラスや、
運転席のタッチパネルのカバーガラス等に期待されています。
スマホガラスの場合は、コーニングを旭硝子が追いかけるという構図でしたが、
自動車に関しては、コーニングが旭硝子を追うという形になっています。
なぜなら、旭硝子は通常の自動車窓ガラスで世界中の自動車メーカーと深いパイプがあるためです。
納入実績としては、12年発売の米テスラ(EV車)を皮切りに欧米の30社を超える数の車種用タッチパネルのガラスを納入しています。
また14年には、独メルセデス・ベンツに調光ガラスを収めています。
コーニングも15年に初めてフォードの量産車にフロントガラスを収めたのを手始めに、世界の車メーカを狙っています。
高強度ガラスなら軽量化も図れるので、今後のエコカー特にEV車への納入に留意してゆきたい。
しかしスマホでの対決は今後も続き、今秋にも発売される予定のi-Phone8には
カバーガラスだけでなくボディー背面にも採用されるとの観測もあります。
ガラスの滑かな触感と、電波も通す性質(無線充電対応)が今後ガラスの部材としての重要性が高まると予想されます。
(日経産業8/2他より)
スマホの画面割れは完全には防げないにしても、このガラスを付けているとちょっとした超激に対しては安心できますね。(ドラゴンが守ってくれる?)
【Deff直営ストア】iPhone6s,iPhone6用ガラス液晶保護フィルム(ドラゴントレイルX極厚0.55mm)
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最後にフト思ったのですが、
竜(ドラゴン)は架空の動物なので「同じ架空の動物なら世界最強のゴジラの方が良かったのでは」と。
日本生まれですから、日本の会社が使うのに違和感は有りません。
発音も「ゴジラ対ゴリラ」でよりわかりやすく覚えやすいですね。
ネーミングの際、考慮の対象にならなかったのかやはり著作権の問題でしょうか、
それとも将来更に別の凄い製品のために温存?
参考になりそうなサイトを挙げておきましたので適宜ご参照ください。
・ドラゴントレイル紹介動画
その1。
その2。
・スマホのガラス
・ガラスの百科辞典?!
尚
ガラスとは直接関係ないですが、付記しておきたくなりました。
龍(竜)と言えば日本の「竜の滝のぼり」等を想像しますが
ドラゴンと言えばあのPPMの歌を思い出します。
いろいろ動画はありますが私的にはこの動画が好きです。
この中の動画の歌を聞くと何故か涙腺が緩みます。
尚PPMの当初の姿はここから。
そしてついにP(PM)の姿はここから。
でも
子供さんにはこれがいいのかな。
英語のお勉強にはこちららの方がいいかな。(2020.7追加しました。)
@puff-2 魔法のドラゴンを歌詞でパフ 童謡とキッズソング
Apuff-3 evokids - Puff The Magic Dragon
以下はちょっと気になった新発売商品です。
・対話ロボット「アトム」の完成版販売開始。
・疲れにくいマウス
ロジクール「 MX バーティカル」
◆スマイルゼミ◆中学生向け通信教育
◆スマイルゼミ◆タブレットで学ぶ通信教育 【幼児コース】
2018.7.20のニュースから
コーニングは現行のスマホガラス「ゴリラガラス5」よりも落下時の衝撃に強い「ゴリラガラス6」を発表した。
「5」よりも高い圧縮技術によって作られ、落下時の耐久性は2倍に向上、1mの高さから15回も落としても割れない、としている。しかもひっかき傷への体制は5と同じ耐性を保ったというのだからすごい。
というのも通常は耐衝撃性と耐傷性は相反する性質で通常は両立は困難とされているからだ。
コーニング社によると、スマホ所有者は、一年平均7回ポケットから落としているそうだ。
私もたまーに落とすけど、1年だとそれくらいになるのかなー。
いずれにしても落とさないに越したことはないし、それなりの対策(カバー類)をして置くのが懸命かも。
しかし、画面が直接突起物に当たるような落下はどんなに丈夫なガラスができてもだめだろう。
自己防衛あるのみ。
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