2017年07月11日
エコカーの本命は?HV、PHV、EV、FCVの現状と今後
現在のガソリンエンジンだけの車から次世代の低・無公害車、エコカーとしては
1.ハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle),
2.プラグインハイブリッド車(PHV:Plug in Hybrid Vehicle)
3.電気自動車(EV:Electric Vehicle)
4.燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)
があり、トータルの販売台数はまたガソリン車に対して少ないが今後大幅に増大すると予想されている。
先ずはエコカー全体のおさらいとしてこれらの車の特徴とメリット、デメリットについて概括し、
次に本命車としてのPHVとEVの開発の最新競争状況について記述します。
まずそれぞれの概況についてのおさらい。
1,ハイブリッド車HVはガソリンエンジンとバッテリーの電力によるモーターで走る車、
市販車の例では、日産 「ノートe-POWER」,トヨタ「プリウス」、トヨタ 「アクア」ホンダ 「グレイス」、「フリードハイブリッド」「フィットハイブリッド」スズキ 「スペーシア」、等
但しノートe-POWERのエンジンは発電のみに使用し、走行はモーターだけで走る。
2.プラグインハイブリッド車PHVはガソリンエンジンと家庭用のコンセントから直接充電出来るバッテリーで走る車。
例えば、トヨタの「プリウスPHV」(ドイツ車が多いが省略)
3,電気自動車EVは完全にバッテリー(モーター)だけで走る車。
例えば日産の「リーフ」、三菱自動車の「i-MiEV」,富士重工の「プラグインステラ」。
充電は普通充電(i-MiEVの場合100Vで14時間、200Vなら7時間で満充電)と急速充電(約30分で80%充電)がある
4.燃料電池車FCVは水素を燃料とし空気中の酸素との化学反応によって発電する燃料電池で生じた電気エネルギーを使って、モーターを回して走る自動車
以下それぞれのメリットとデメリットについて簡単に記述します。
1-1.HVのメリットとは、
ガソリン車に比べて燃費がいい、騒音がすくない、環境に優しい等がある。
1-2.HVのデメリットは
バッテリーの寿命が来たら交換が必要、価格、修理費用が高い、(静か過ぎる)がある。
2-1.PHVのメリットとは、
燃費がいいのはHVと同じだが、なんと言っても、家庭用コンセントから充電できるということ。
その分より多くのバッテリーを搭載しているのでHVよりモーターで走れる距離が長い。
また車に家庭用のコンセントと同じ100Vの電源が用意されているので、通常の家電が使える。
従って外出先やオートキャンプ等のアウトドアでも家電、ノートパソコン等が使える。
ガソリン車と比べて、一回の燃料補給でより長い距離を移動でき、
HVと比べると電気走行出来る距離が長くなっているなどHVより更に高い環境性能を持っている。
2-2.PHVのデメリット
HVより価格が高い。充電に時間が掛かる(200Vで90分程度)
3-1.EVのメリット
電気だけで走るので走行中にCO2や排気ガスを全く出さない。
安価な夜間電力を利用して自宅で充電できるので経済的。
減速時にエネルギーを回収出来るのでエネルギー効率が高い。
振動・騒音が小さく静か
エンジンが不要のためその分のスペースを有効に使える。
3-2.EVのデメリット
現時点では、走行距離が250km程度でガソリン車の600km〜700kmに比べて短い。
4-1.FCVのメリット
有害物を全く排出しない。(水のみ)
エネルギー効率が高い(ガソリン車15〜20%に対し39%以上)
EVより短時間で充電でき、走行距離も長い。(ホンダFCVで480km、トヨタミライで650km)
燃料の水素を多様な原料・エナルギーから作ることが出来る。
騒音がすくない
短時間での燃料の充填ができる。
4-2.FCVのデメリット
現時点で水素ステーションなどのインフラが整っていない。
水素の調達、格納にまだ多くの問題がある。
燃料電池や水素タンク等のスペースが必要で車のサイズが大きくなる。
次にエコカーの本命車としてのPHVとEVの開発の最新競争状況について(ずっと将来はFCVと思うが)
大前提として、
国内ではエコカーのこれからの本命として、トヨタ自動車はPHVを,日産自動車はEVを推し真っ向勝負の形となっている。
日産自動車は10年に初代リーフを発売して一気にEVを広める予定だったが、目論見通りにいかず、
その間にトヨタがHVの次はPHVが本命としプリウスPHVを発売し、席巻するかに思われたが、
リチウム電池の性能向上、値段の低下などからEV車の良さも見直されて現状の対抗状態となった。
ただこれまでEVの最大の課題は、走行距離が250km前後で、ガソリン車、PHV車比べて大きく見劣りしていることだった。
しかし日産は、「十分な航続距離のEVが出来た時になぜPHVがいるのか」という“挑戦状”でトヨタに対抗し、まずは17年投入の次期リーフで現行の280kmを350kmへそして400kmに伸ばす。
更に2020年までに航続距離が550km前後に達するEV(IDS)の投入を検討するとしている。
その方策としてエネルギー密度を高めた新しい蓄電池セルを使うことに加え、電池パックに搭載するセルの充填密度を高めて実現する予定。
リチウムイオン電池の価格が20年にかけて更に大幅に下がると見られていることもEVに有利に働く。
PHVは家庭で簡単に充電出来るというメリットがあるが、ユーザーのモーター走行の要望が強く、これまでのコンセプトである市街地走行約40kmで十分であり、その分バッテリーも小さくていいという事から少し離れてはいる。
一方日産のノートe-POWERの人気が高く、モーター走行が好まれているということと考えられ、
今後のEVへの移行もスムーズに行くと考えられる。
EVは既に米国でテスラが大規模な工場を建設し販売を開始しており、またドイツ勢が開発に邁進し始めた。
今後はPHVがどう発展し普及していくのか、トヨタが何時EVに参入するか、中国メーカーが国内、米国内での生産をいつ始めるかなど興味深い観点がたくさんあり要注目。
FCV燃料電池車は将来の本命とは考えられるが現状水素燃料の製造・保管・輸送、燃料電池性能等に課題が多く、PHVやEVの本命争いと平行して開発が進んで行くと考えられる。
民間の調査会社(BNEF)の最新の調査によると2020年のEVは全体の3%、25年では8%、その間に電池価格の下落と容量の増加が進み、25年から29年までにはEVの販売価格が内燃機関の車より安くなるとみられている。
そして40年時点の世界の乗用車販売に占めるEVの割合は54%に達し、世界の路上を走る車の33%がEVになると予想している。(PHVについては特に言及なし)
これに関して、相応した充電インフラが必要になり、関連して再生可能エネルギー等の分散電源の整備が必要であり、関連投資の動きが活発になるであろうとしている。
今後日本、及び世界のエコカーの技術開発・生産動向に注目してゆきたい。
1.ハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle),
2.プラグインハイブリッド車(PHV:Plug in Hybrid Vehicle)
3.電気自動車(EV:Electric Vehicle)
4.燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)
があり、トータルの販売台数はまたガソリン車に対して少ないが今後大幅に増大すると予想されている。
先ずはエコカー全体のおさらいとしてこれらの車の特徴とメリット、デメリットについて概括し、
次に本命車としてのPHVとEVの開発の最新競争状況について記述します。
まずそれぞれの概況についてのおさらい。
1,ハイブリッド車HVはガソリンエンジンとバッテリーの電力によるモーターで走る車、
市販車の例では、日産 「ノートe-POWER」,トヨタ「プリウス」、トヨタ 「アクア」ホンダ 「グレイス」、「フリードハイブリッド」「フィットハイブリッド」スズキ 「スペーシア」、等
但しノートe-POWERのエンジンは発電のみに使用し、走行はモーターだけで走る。
2.プラグインハイブリッド車PHVはガソリンエンジンと家庭用のコンセントから直接充電出来るバッテリーで走る車。
例えば、トヨタの「プリウスPHV」(ドイツ車が多いが省略)
3,電気自動車EVは完全にバッテリー(モーター)だけで走る車。
例えば日産の「リーフ」、三菱自動車の「i-MiEV」,富士重工の「プラグインステラ」。
充電は普通充電(i-MiEVの場合100Vで14時間、200Vなら7時間で満充電)と急速充電(約30分で80%充電)がある
4.燃料電池車FCVは水素を燃料とし空気中の酸素との化学反応によって発電する燃料電池で生じた電気エネルギーを使って、モーターを回して走る自動車
以下それぞれのメリットとデメリットについて簡単に記述します。
1-1.HVのメリットとは、
ガソリン車に比べて燃費がいい、騒音がすくない、環境に優しい等がある。
1-2.HVのデメリットは
バッテリーの寿命が来たら交換が必要、価格、修理費用が高い、(静か過ぎる)がある。
2-1.PHVのメリットとは、
燃費がいいのはHVと同じだが、なんと言っても、家庭用コンセントから充電できるということ。
その分より多くのバッテリーを搭載しているのでHVよりモーターで走れる距離が長い。
また車に家庭用のコンセントと同じ100Vの電源が用意されているので、通常の家電が使える。
従って外出先やオートキャンプ等のアウトドアでも家電、ノートパソコン等が使える。
ガソリン車と比べて、一回の燃料補給でより長い距離を移動でき、
HVと比べると電気走行出来る距離が長くなっているなどHVより更に高い環境性能を持っている。
2-2.PHVのデメリット
HVより価格が高い。充電に時間が掛かる(200Vで90分程度)
3-1.EVのメリット
電気だけで走るので走行中にCO2や排気ガスを全く出さない。
安価な夜間電力を利用して自宅で充電できるので経済的。
減速時にエネルギーを回収出来るのでエネルギー効率が高い。
振動・騒音が小さく静か
エンジンが不要のためその分のスペースを有効に使える。
3-2.EVのデメリット
現時点では、走行距離が250km程度でガソリン車の600km〜700kmに比べて短い。
4-1.FCVのメリット
有害物を全く排出しない。(水のみ)
エネルギー効率が高い(ガソリン車15〜20%に対し39%以上)
EVより短時間で充電でき、走行距離も長い。(ホンダFCVで480km、トヨタミライで650km)
燃料の水素を多様な原料・エナルギーから作ることが出来る。
騒音がすくない
短時間での燃料の充填ができる。
4-2.FCVのデメリット
現時点で水素ステーションなどのインフラが整っていない。
水素の調達、格納にまだ多くの問題がある。
燃料電池や水素タンク等のスペースが必要で車のサイズが大きくなる。
次にエコカーの本命車としてのPHVとEVの開発の最新競争状況について(ずっと将来はFCVと思うが)
大前提として、
国内ではエコカーのこれからの本命として、トヨタ自動車はPHVを,日産自動車はEVを推し真っ向勝負の形となっている。
日産自動車は10年に初代リーフを発売して一気にEVを広める予定だったが、目論見通りにいかず、
その間にトヨタがHVの次はPHVが本命としプリウスPHVを発売し、席巻するかに思われたが、
リチウム電池の性能向上、値段の低下などからEV車の良さも見直されて現状の対抗状態となった。
ただこれまでEVの最大の課題は、走行距離が250km前後で、ガソリン車、PHV車比べて大きく見劣りしていることだった。
しかし日産は、「十分な航続距離のEVが出来た時になぜPHVがいるのか」という“挑戦状”でトヨタに対抗し、まずは17年投入の次期リーフで現行の280kmを350kmへそして400kmに伸ばす。
更に2020年までに航続距離が550km前後に達するEV(IDS)の投入を検討するとしている。
その方策としてエネルギー密度を高めた新しい蓄電池セルを使うことに加え、電池パックに搭載するセルの充填密度を高めて実現する予定。
リチウムイオン電池の価格が20年にかけて更に大幅に下がると見られていることもEVに有利に働く。
PHVは家庭で簡単に充電出来るというメリットがあるが、ユーザーのモーター走行の要望が強く、これまでのコンセプトである市街地走行約40kmで十分であり、その分バッテリーも小さくていいという事から少し離れてはいる。
一方日産のノートe-POWERの人気が高く、モーター走行が好まれているということと考えられ、
今後のEVへの移行もスムーズに行くと考えられる。
EVは既に米国でテスラが大規模な工場を建設し販売を開始しており、またドイツ勢が開発に邁進し始めた。
今後はPHVがどう発展し普及していくのか、トヨタが何時EVに参入するか、中国メーカーが国内、米国内での生産をいつ始めるかなど興味深い観点がたくさんあり要注目。
FCV燃料電池車は将来の本命とは考えられるが現状水素燃料の製造・保管・輸送、燃料電池性能等に課題が多く、PHVやEVの本命争いと平行して開発が進んで行くと考えられる。
民間の調査会社(BNEF)の最新の調査によると2020年のEVは全体の3%、25年では8%、その間に電池価格の下落と容量の増加が進み、25年から29年までにはEVの販売価格が内燃機関の車より安くなるとみられている。
そして40年時点の世界の乗用車販売に占めるEVの割合は54%に達し、世界の路上を走る車の33%がEVになると予想している。(PHVについては特に言及なし)
これに関して、相応した充電インフラが必要になり、関連して再生可能エネルギー等の分散電源の整備が必要であり、関連投資の動きが活発になるであろうとしている。
今後日本、及び世界のエコカーの技術開発・生産動向に注目してゆきたい。
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