2017年02月06日
杉の木はなぜ垂直に真っ直ぐ伸びるのか?
(2023.3.10一部更新追記しました)
今年も花粉症の季節が近づいてきました。
私は全く平気ですが、気の毒なくらい苦しんでおられる人もいらっしゃいますね。
(先日のTV番組で、花粉症で特に重症の人には2020年保険適用になったオマリズマブ(ゾレア)が効くとのことでした。ただし高額なので要注意ですが)
ところで
花粉症と言えば杉林からもうもうと立ち上がる花粉を連想してしましますが、その杉の木の林は垂直にまっすぐに伸びた木ばかりですね。
本当に見事に垂直です。なぜでしょうか?
普通の木(主に広葉樹)は枝ぶりや幹の曲がりなど一本一本形状が違っています。
特に椎の木、松や桑の木等はその違いがひどいような気がします。桜もそういえるかな。
枝や主幹も曲がっている木が多くその曲がり方が大きく違います。
ところで
「曲がっている木」という言葉で思い出すのが、ずっと以前東北観光した時のバスガイドさんの話です。
乗客への
「曲がっている木」と掛けてなんと解くという問いかけに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(誰も答えない)
しばらくしてガイドさんが
「観光バス」と解くと回答。
その心は・・・・・・・・・・・・・・「はしらにゃならん」
走ると柱を掛けているのですね。
おっと
脱線しましたが、本論「なぜ杉はまっすぐ伸びるのか」に戻ります。
近畿中国森林管理局のホームページには次の様に記載されています。
「樹木には、針葉樹のスギやヒノキのように真上に一直線に伸びて、幹と枝の区別がわかりやすいものと、広葉樹のブナやケヤキのように、幹と枝の区別がつきにくいものとがあります。スギは、「スグ(直)な木」ということからスギと名づけられた、という説もあります。
樹木は芽の部分が伸びていきますが、芽は茎の先端にある「頂芽(ちょうが)」と枝の部分になる「側芽(そくが)」に別けられます。
針葉樹は一番高いところの頂芽の成長を優先させますので、主軸がはっきりとしてまっすぐに伸びますが、広葉樹は針葉樹ほど頂芽優先ではないようですので、光を求めて枝が張り、幹と枝の区別がつきにくい形になることが多いようです。」
しかし
「針葉樹が一番高いところの頂芽の成長を優先させますので主軸がはっきりとしてまっすぐに伸びます」
という理由では以下のいろいろな疑問点を考えるとちょっと不十分と感じます。
一般に植物はそうだが、広葉樹も太陽の影響を大きく受け、太陽の当たる側に成長する傾向にあるが杉は
太陽の方向とは関係なくまっすぐ垂直に成長する。また普通の木は風が当たれば風下に曲がるが杉は風の影響を受けていないように真っ直ぐ上に伸びる。
また傾斜面に生えていれば普通の木は坂の方に傾いて成長するが杉は地面の傾斜とは関係なく
真っ直ぐ天に向かって伸びている。
多少の例外はあるのかも知れないが、上記の用に杉の一般的な傾向としては、諸環境条件を超越(?)して「垂直に真っ直ぐ伸びる」のは間違いない。
簡単に一言で言うなら、垂直に(重力に抗って)真っ直ぐに成長させる遺伝子があるからということになる。
その遺伝子の働きの中身は恐らく、光や傾きや重力など様々な情報を感知するセンサーがあり、その情報をもとに真っ直ぐ垂直に伸びるようにフィードバック指令を出しているものと思われる。
杉の遺伝子の解析に関するサイトはあるが、花粉症に関するものが多く、「真っ直ぐ、垂直」に成長させる遺伝子に関する資料は見当たらなかった。
なお杉に関するよくある疑問・質問とその答えはこのサイトをご参照。
ところで
日本三大美林とされている森林は、天然と人工の合計6箇所が有り、全て針葉樹です。
◯天然の三大美林
・青森ひば(青森)
・秋田杉(秋田)
・木曽檜(長野)
◯人工の三大美林
・天竜杉(静岡)
・尾鷲檜(三重)
・吉野杉(奈良)
更に詳しくはここからどうぞ。
杉の整列した姿は気持ちがいいですね
更に
<その他の杉情報>として
京都の北に育成する片山杉があります。
上記の杉の様に大規模ではありませんが高級な柱のブランド杉です。
以下のホームページに詳しく紹介されていますのでご参照ください。
北山杉
洗練された構成と美しさは素晴らしいホームページですね。
また
杉の苗の育成から製品までを一連の動画としてものもありました。諸職の技『京都 北山杉を育てる』からどうぞ。
北山杉には歌もありました。ご存じでしたか?
是非聞いてみてください。
「北山杉」
先日(2023.3.6)北山杉を紹介するテレビ番組を偶然見ました。
北山杉の丸太は一本が数百万円するものもあるということだそうです。
確かにきれいな肌で、独特の凹凸で色合いもよく、いかにも高級そうな感じです。
苗から大きく成長させ一本の製品(柱)が出来るまで、上述のサイト内容と同じですが、
高い所の小枝を何本もの杉について連続して刃で打ち落とすのに、一本の枝打ちが終わると、
隣の木を引き寄せてそのまま隣の木に移動していく能率的なやり方が印象に残っています。
しかし林業の近代化という観点で以前テレビで枝打ちロボットが活躍しているのを見たことがあったので、
北山杉も先ずは枝打ちロボットあたりから変わっていくのではないかと思いました。
(切り口をいかに現行と同等又はそれ以上の状態にできるかがポイントだろうとは思っていますが)
最後に
日本は国土面積37万平方キロメートルのうち、その3分の2約67%が森林ですが
森林の3分の2は針葉樹林、3分の1が広葉樹林です。
世界の森林国について調べると
世界の国の森林率ランキングを見てみますと、日本は22位で森林の割合が高い国が多いのが少し意外でしたが、日本より国土面積の大きな国は少ないですね。
今年も花粉症の季節が近づいてきました。
私は全く平気ですが、気の毒なくらい苦しんでおられる人もいらっしゃいますね。
(先日のTV番組で、花粉症で特に重症の人には2020年保険適用になったオマリズマブ(ゾレア)が効くとのことでした。ただし高額なので要注意ですが)
ところで
花粉症と言えば杉林からもうもうと立ち上がる花粉を連想してしましますが、その杉の木の林は垂直にまっすぐに伸びた木ばかりですね。
本当に見事に垂直です。なぜでしょうか?
普通の木(主に広葉樹)は枝ぶりや幹の曲がりなど一本一本形状が違っています。
特に椎の木、松や桑の木等はその違いがひどいような気がします。桜もそういえるかな。
枝や主幹も曲がっている木が多くその曲がり方が大きく違います。
ところで
「曲がっている木」という言葉で思い出すのが、ずっと以前東北観光した時のバスガイドさんの話です。
乗客への
「曲がっている木」と掛けてなんと解くという問いかけに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(誰も答えない)
しばらくしてガイドさんが
「観光バス」と解くと回答。
その心は・・・・・・・・・・・・・・「はしらにゃならん」
走ると柱を掛けているのですね。
おっと
脱線しましたが、本論「なぜ杉はまっすぐ伸びるのか」に戻ります。
近畿中国森林管理局のホームページには次の様に記載されています。
「樹木には、針葉樹のスギやヒノキのように真上に一直線に伸びて、幹と枝の区別がわかりやすいものと、広葉樹のブナやケヤキのように、幹と枝の区別がつきにくいものとがあります。スギは、「スグ(直)な木」ということからスギと名づけられた、という説もあります。
樹木は芽の部分が伸びていきますが、芽は茎の先端にある「頂芽(ちょうが)」と枝の部分になる「側芽(そくが)」に別けられます。
針葉樹は一番高いところの頂芽の成長を優先させますので、主軸がはっきりとしてまっすぐに伸びますが、広葉樹は針葉樹ほど頂芽優先ではないようですので、光を求めて枝が張り、幹と枝の区別がつきにくい形になることが多いようです。」
しかし
「針葉樹が一番高いところの頂芽の成長を優先させますので主軸がはっきりとしてまっすぐに伸びます」
という理由では以下のいろいろな疑問点を考えるとちょっと不十分と感じます。
一般に植物はそうだが、広葉樹も太陽の影響を大きく受け、太陽の当たる側に成長する傾向にあるが杉は
太陽の方向とは関係なくまっすぐ垂直に成長する。また普通の木は風が当たれば風下に曲がるが杉は風の影響を受けていないように真っ直ぐ上に伸びる。
また傾斜面に生えていれば普通の木は坂の方に傾いて成長するが杉は地面の傾斜とは関係なく
真っ直ぐ天に向かって伸びている。
多少の例外はあるのかも知れないが、上記の用に杉の一般的な傾向としては、諸環境条件を超越(?)して「垂直に真っ直ぐ伸びる」のは間違いない。
簡単に一言で言うなら、垂直に(重力に抗って)真っ直ぐに成長させる遺伝子があるからということになる。
その遺伝子の働きの中身は恐らく、光や傾きや重力など様々な情報を感知するセンサーがあり、その情報をもとに真っ直ぐ垂直に伸びるようにフィードバック指令を出しているものと思われる。
杉の遺伝子の解析に関するサイトはあるが、花粉症に関するものが多く、「真っ直ぐ、垂直」に成長させる遺伝子に関する資料は見当たらなかった。
なお杉に関するよくある疑問・質問とその答えはこのサイトをご参照。
ところで
日本三大美林とされている森林は、天然と人工の合計6箇所が有り、全て針葉樹です。
◯天然の三大美林
・青森ひば(青森)
・秋田杉(秋田)
・木曽檜(長野)
◯人工の三大美林
・天竜杉(静岡)
・尾鷲檜(三重)
・吉野杉(奈良)
更に詳しくはここからどうぞ。
杉の整列した姿は気持ちがいいですね
更に
<その他の杉情報>として
京都の北に育成する片山杉があります。
上記の杉の様に大規模ではありませんが高級な柱のブランド杉です。
以下のホームページに詳しく紹介されていますのでご参照ください。
北山杉
洗練された構成と美しさは素晴らしいホームページですね。
また
杉の苗の育成から製品までを一連の動画としてものもありました。諸職の技『京都 北山杉を育てる』からどうぞ。
北山杉には歌もありました。ご存じでしたか?
是非聞いてみてください。
「北山杉」
先日(2023.3.6)北山杉を紹介するテレビ番組を偶然見ました。
北山杉の丸太は一本が数百万円するものもあるということだそうです。
確かにきれいな肌で、独特の凹凸で色合いもよく、いかにも高級そうな感じです。
苗から大きく成長させ一本の製品(柱)が出来るまで、上述のサイト内容と同じですが、
高い所の小枝を何本もの杉について連続して刃で打ち落とすのに、一本の枝打ちが終わると、
隣の木を引き寄せてそのまま隣の木に移動していく能率的なやり方が印象に残っています。
しかし林業の近代化という観点で以前テレビで枝打ちロボットが活躍しているのを見たことがあったので、
北山杉も先ずは枝打ちロボットあたりから変わっていくのではないかと思いました。
(切り口をいかに現行と同等又はそれ以上の状態にできるかがポイントだろうとは思っていますが)
最後に
日本は国土面積37万平方キロメートルのうち、その3分の2約67%が森林ですが
森林の3分の2は針葉樹林、3分の1が広葉樹林です。
世界の森林国について調べると
世界の国の森林率ランキングを見てみますと、日本は22位で森林の割合が高い国が多いのが少し意外でしたが、日本より国土面積の大きな国は少ないですね。
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