2017年01月19日
若い女性に多い?空気を飲み込む「かみしめ呑気症」を知りたい
気づけば歯を食いしばっている、人には言えないけどげっぷやおならが出てしまう…。
そんな悩みを持ちながら、人に言えず悩む人も多いかもしれません。
今回のテーマは「かみしめ呑気症」です。医師に詳しく聞きました。
Q.かみしめ呑気症とは、どのようなことでしょうか。
呑気症とは、空気を通常より飲み込み過ぎて胃腸に空気が過剰にたまることです。
お腹が張ったり、げっぷが多くなったり、おならが多く出るといった不快な症状が現れます。
かみしめ呑気症とは、そのなかでもかみしめをすることで起こるものです。
多くの場合、原因はあまり意識せずに奥歯をかみしめてしまっていることです。
かみしめてしまう理由は、奥歯をかみしめてしまうこと、舌を口腔内の上壁につけて唾液を飲み込むことが多くなるためと考えられています。日常生活でストレスが多かったり、知らず知らずのうちに緊張していたりすると、このような行動が起こります。
奥歯のかみしめは、人間が食べ物を咀嚼して、飲み込むときに起こる嚥下反射と呼ばれる一連の流れのひとつです。一度に5mlくらいの空気を飲み込むケースが多いと考えられています。
Q.どんな人がかみしめ呑気症になりやすいのでしょうか。
かみしめ呑気症は、以下のような行動が多い人に起こりやすいと考えられています。
・知らないうちに奥歯をかみしめる癖がある
・パソコン作業などで下向きの姿勢が多い
・落ち込みがち
・緊張やストレスの多い生活を送っている
Q.かみしめ呑気症を疑う場合、対処方法はあるのでしょうか。
かみしめ呑気症かも?と感じている場合、以下のように心がけましょう。
・意識的にストレス解消の時間を設ける
・緊張やストレスの原因を自分なりに分析する
・可能であればストレスの原因を回避する、減らす
かみしめ呑気症を疑うとき、まずは歯科を受診します。
専用のマウスピースを作り、装着して無意識のうちに噛みしめてしまうことを防ぎます。
また、かみしめ呑気症の原因がストレスや緊張感と思われるときはメンタル面でのサポートが必要になることもあります。心療内科や精神科、カウンセリングなどを併用することによって、症状が軽減することもあります。
可能であれば、歯科の面とメンタル面、どちらからもアプローチをできれば理想的です。
げっぷやお腹の張り、おならなどに悩むと、外出すら億劫になることがあるかもしれません。
頭痛や肩こり、あごの部分の痛みなども、かみしめ呑気症の症状として現れることがあります。
かみしめ呑気症は一般的にはあまりまだ認知されていない概念のため、消化管の病気などを疑って消化器内科を受診しても異常がない、頭痛で脳神経外科や神経内科を受診しても異常がない、ということで、ずいぶん悩まれる方もいらっしゃるようです。
ここまでのコラムを読んで、自分はもしかしてかみしめ呑気症かなと思い当たる方は、まず歯科を受診して相談してみるといいですね。