今まで、聴力にまったく異常を感じたことがなかった人でも、突然耳が聞こえなくなる「突発性難聴」になることがあるといいます。
今回は、そんな突発性難聴について、医師に詳しく伺いました。
原因は2種類、考えられる
突発性難聴の原因は、まだ完全に解明されたわけではありません。しかし、これまでの多くの研究から、次の2つが有力な原因だと考えられています。
1:内耳循環障害
内耳循環障害とは耳のもっとも内側である、内耳の血液の循環、血のめぐりが悪くなることです。
2:ウイルス感染
風邪のウイルスによって内耳に炎症が起こったと考えられています。 これは、突発性難聴の症状が出る前に、風邪をひいていたり、似たような症状があった、という患者さんが多いことが理由です。
しかしながら、突発性難聴の原因となるウイルスは完全には解明されていないのが現状です。
ウイルス性の突発性難聴の症状とは?
突発性難聴は文字の通り、突然難聴が起こります。
人間は、両耳で音を聞いている為、実際には、かなり難聴が高度にならないと発症には気づきません(片方が聞こえなくなっても、もう片方がカバーしているため )。
突発性難聴の代表的な症状は”リクルートメント現象”が見られることです。
小さな音が聞こえにくくなるにつれ、耳の感覚のバランスが崩れて、大きな音が割れて聞こえたり、頭に響くような嫌な音に聞こえたり、する現象です。
さらに、難聴が発生した際、耳鳴りが起こったり、めまいや、気持ち悪くなったり、嘔吐することもあります。
突発性難聴の治療法は?
ウイルス性の場合は、めまいが生じることもありますので、できるだけ安静を保ち、休養をとるようにしましょう。
何らかの原因で免疫が低下して、感染を起こしてしまった可能性もあります。
また、内耳の血流をよくするために血管拡張薬やビタミン剤を処方されることもあります。 その他、ステロイドを使用することもあります。
場合によっては入院が必要になるケースもあるので、適切な診断を早期に受けることが重要です。
また症状が出ている間は、騒音や大きな音で騒がしい場所に行くと、頭痛に見舞われる可能性もありますので、静かな場所で過ごすといいでしょう。
ウイルス性の突発性難聴の予防法
現状では、突発性難聴を完全に予防できる方法はありません。
ただ、ウイルス性の突発性難聴は、ウイルスに感染しないことが最大の予防法になります。一般的には、免疫力が下がった時に感染を起こしやすくなります。よって充分な睡眠と規則正しい生活を送ることが予防には不可欠です。疲れている時はしっかりと休養をとり、ストレスをためないことも大切です。
周囲でウイルス感染が流行っている時は、手洗い、うがい、マスクなどの予防策をしっかり行うとともに、バランスの良い食生活を心がけましょう。
突発性難聴では、早期に治療することが、大切と言われています。
突発性難聴の症状に気づいた場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診してください。聴力検査などですぐに診断をつけることができます。