2016年07月27日
猫とヨガをするスタジオ!? 思わぬ効果で人気上昇中
何と、猫と一緒にヨガをするスタジオがある。
シドニーにあるヨガスタジオ兼カフェのキティヨガでは、1時間のセッションの内、ポーズを45分間、猫を抱擁する時間を15分間とっている。
1クラスはスタッフも含めて10名で、そこに猫が17〜19匹。猫がいる中に人間が訪れてヨガをするという、猫中心の環境を設定している。猫たちは部屋を自由に歩き回り、ヨガマットの上で昼寝をしたり、ヨガのポーズに反応したりして、予期しない笑いをもたらしてくれる。それが、不安やストレスを軽減する効果を高めている。
■ヨガの目的と効果
そもそも、ヨガとは何だろうか。
「ヨガ」とはサンスクリット語で「つながり」を意味している。心と体、魂がつながっている状態のことを表し、呼吸・姿勢・瞑想(めいそう)を組み合わせて心身の緊張をほぐし、心の安定とやすらぎを得るものだ。
ポーズをとりながらヨガの呼吸法を行い、続けることで健康増進、精神安定、回復能力が得られる。運動が苦手でも取り組みやすく、体のバランスを整えて体調を改善するだけでなく、瞑想で自分の心を見つめ、感情コントロールをして不安とストレスも軽減する効果がある。
■ヨガポーズをとる参加者と猫
ヨガのポーズのひとつに、ダウンワードフェーシングドッグとよばれるポーズがある。四つばいになって顔を下に向けた犬のようなポーズだ。
最初に、肩幅に両手をつき、股関節と膝関節を90度に曲げて四つばいになる。そこから両手と膝を伸ばしてお尻を高く上げ、お尻を頂点とした三角の形になる。三角をとがらせるように、片手ずつずらして足に近づけ、体を折り曲げて頭を下げた状態になる。そして、膝、お尻、背中の順に下から体を伸ばして、立ち上がる。
この四つばいと三角形のときに、偶然に猫がその下に入ることがある。ユーモラスなしぐさだけでなく、言葉遊びとして、下を向くと猫がいるから、犬のポーズであっても猫に近いポーズ、「ドッグではなくてダウンワードフェーシングキャットだ」と笑いが出る。
■猫の習性が自然に場を和ませる
猫は自然界で身を守るために自分の側にいるものを観察する習性があるため、ヨガの参加者にも興味を持ち、その動きに反応してさまざまな関わり方をしてくれる。
ヨガポーズをとる参加者の髪を猫が触ったり、飛び跳ねたり、ポーズをとっている人の上に乗ったり、マットで爪をといだりと、意識せずに場を和ませてくれるのだ。
■猫とのヨガがストレスや不安を軽減
米国の大学の研究では、猫がいる場所で過ごす15分間で、ストレスや不安を軽減する効果が高くなると認めている。それは、ヨガをする人の多くがヨガに期待している目的でもある。
ヨガをする人は、たくさんあるヨガの方法から、自分の目的に合わせてスタジオを選ぶ。その中でも猫と一緒に行うヨガは、まだ、ごく一部のスタジオでしか行っておらず普及していない。いずれ一般的になることを期待されている方法だ。
参加者の中には猫が気になって、ヨガに集中できないという人もいるそうだ。ヨガのポーズや呼吸に集中することも大事だが、猫に和んで笑顔になると、心の緊張がほぐれやすくなり、不安やストレスが軽くなる。
機会があれば、猫と一緒に「ダウンワードフェーシングキャット」のポーズをとって、和んでみたいものだ。