毎日、無理して仕事をしていませんか? ストレスを抱えているときに体に不調を感じることは、誰しも経験があるはず。しかし新たな研究によって、仕事などで抱えるストレスが睡眠にも大きな影響を与えることがわかっています。
■仕事によって睡眠時間の平均は異なる
イギリスのリーズ大学の研究で、現代ではストレスや緊張度合いの高い仕事によって、睡眠不足に陥る人が増えていることがわかりました。イギリス人全体の3分の1もの人々が、緊張感の高い作業を週に40時間以上続けたとき、眠れない夜に苦しんでいたのです。
一般的に健康のために推奨される睡眠時間は7〜8時間ですが、実際にそれだけ睡眠に時間をとれる人はごくわずか。リーズ大学の研究者も述べていますが、とれる睡眠時間は職種によっても差がありました。
通常の民間企業に勤めている人は7〜8時間の睡眠時間がとれやすい傾向にありましたが、教育・医療・地方行政分野に関する仕事をしている人は平均6時間睡眠。そして、社会福祉に携わる従事者の場合はなんと5時間以下という結果だったのです。
■睡眠不足で疲れを感じる人は20%も
睡眠研究の主任研究員であるアンナ・ウェーゴール博士は、ワーク・ライフ・バランスこそが健康を守るためにもっとも重要であると主張します。
ワーカホリックすぎて睡眠時間を確保できないとしたら健康的ではありませんが、単純に睡眠時間を確保しているからといって安心はできません。強いストレスを抱えていれば、睡眠の質が落ちてしまうからです。
睡眠と健康は密接な関係にあります。睡眠不足は心の病気や、肥満・糖尿病などの深刻な健康問題にもつながっているのです。仕事でストレスを抱えすぎること、長時間労働しすぎることが、睡眠不足につながることは間違いありません。
また、イギリス人1,018人を対象に行われた調査では、20%もの人が疲れによる影響を日常的に感じているという結果が出ました。
睡眠不足と疲れは連動しています。夜中まで目が冴えてしまったり、集中力が低下したりするなどの悪影響があるのです。仕事中心の生活を送っている人は、ときには自分の健康も省みないといけません。
■緊張感の高い仕事は睡眠が不足しがち
ちなみに、睡眠不足を引き起こしづらい最良な仕事は、アウトドアに関係するもの。体を動かすことは適度な疲れをもたらし、快適な睡眠につながるようです。
そして、スポーツ・フィットネス・観光に関わる仕事をしている人は、推奨されている7〜8時間の睡眠もとりやすいようです。
逆にマネジメントやコンサルティングなど緊張感の高い仕事をしている人は、比較的睡眠の質が低く、およそ半数は睡眠時間が5時間以下であることがわかりました。
「仕事に集中するのは当然のことだ」と反論もありそうですが、なにごとも程度が大事です。
体は資本の1つ。仕事をがんばりすぎて、健康に支障が出てからでは遅いのです。「仕事のストレスや過度の緊張感は睡眠不足につながる」という事実を受け止め、プライベートでは睡眠時間も大切にしましょう。