2016年07月07日
2016年は化粧品革命が起こる? 正式認可の「着る化粧品」って何だ?
2016年は、化粧品革命が起きた年として記憶されるかもしれない。なんと、着るだけで肌荒れを防ぎ、皮膚に潤いを与えてくれる女性用肌着が「化粧品」として発売されるのだ。「何? それっ」と思った人も多いはず。
だが、医薬品医療機器法(旧薬事法)に基づき、れっきとした「化粧品」の分類で販売されるのだ。着るだけで美しくなれる肌着って、どんなの?
■日本初の「化粧品肌着」 弱酸性の成分を配合
まずは、2016年春に発売される「身にまとうことで肌荒れを防ぎ、皮膚に潤いを与える」がうたい文句の化粧品ウエア「ラフィナン」の報道資料から。開発したのは大手繊維メーカー帝人の関連会社の帝人フロンティアだ。
発表によると「ラフィナン」は、健康な肌に近い弱酸性の化粧品成分を配合したことによって、日本で初めて女性用肌着やインナーシャツを「化粧品」として販売することが可能になった。
■「着る化粧品」で入浴後の保湿クリームや乳液、必要なし
同社によると、人間の肌の表面は弱酸性に保つことによって細菌の繁殖を防ぎ、外部からの刺激や水分の蒸発を防ぎ、健康な状態を維持する。しかし、汗をかいたり、乾燥が続いたりすると、表面がアルカリ性に傾きやすく、肌トラブルを引き起こす。
こうした悩みの解決するために、食品や化粧品などに使用されているリンゴ酸をポリエステル繊維にしみ込ませて「着られる」化粧品とした。運動や入浴後の肌が乾燥しやすい時に着れば、保湿クリームや乳液を塗る必要がなくなるという。
■肌着やヨガ向けTシャツなど13アイテムを着る化粧品として発売
この成分がいつまで効果があるかが気になるところだが、50回洗濯しても成分はほぼ落ちないという。
これを使った肌着やアームカバーなど6アイテムを、2016年3月ごろから自社通販サイトなどで販売する。スポーツウエアのデサントも同社と提携して、ヨガ向けのTシャツやパンツなど7アイテムを出すという。
■着る化粧品による化粧時間短縮は男性も歓迎!?
化粧しなくても、着ているだけで美しくなれる…そんな夢のような化粧品ができるはずはないが、メーカーのうたい文句通り、肌荒れを防いで保湿効果もあるとなれば、なかなかの代物のようだ。運動や入浴後にスキンケアをしなくてもいいのなら女性の手間や時間が省けるのはもちろん、それを待たされる男性にとってもうれしい限りだ。
■顔に“着る”マスクで顔パックはいかが?
と、ここまで書いてきて、ふと頭に浮かんだことがある。
肌荒れ防止や保湿の効果があるのなら、肌着だけでなく、いっそ、顔パックのようなものを作ってみたらどうだろう。覆面レスラーのマスクのようなものをこの素材で作るのだ。何十回も洗っても使えるのなら、経済的なような気がする。顔に“着る”化粧品。これぞ「化粧品革命」のような気もする。化粧にはとんと興味がないおじさんのたわ言と笑われるかもしれないが…。