2015年12月28日
もっとも危険なのは20代?! 侮れないバセドウ病の真実
バセドウ病をご存知ですか?
甲状腺ホルモンを出す甲状腺の機能が亢進する病気です。早期に発見、治療を受け続ければ命に関わる状態になることはありませんが、治療を中断すると甲状腺クリーゼという危険な状態になることがあります。
甲状腺は、どんな働きをしているの?
甲状腺は首の付け根、喉仏の下にある蝶々の格好をした臓器です。甲状腺ホルモンは代謝を司るホルモンで、体のさまざまな臓器に影響します。
甲状腺ホルモンが異常になると、全身に症状が!?
甲状腺ホルモンが過剰になると、体は常にかけっこをしているようなものです。
自覚症状として、
・息切れ
・脈が早くなる
・動悸がする
・イライラする
・食べても太らず、むしろ痩せていく
・月経が軽くなる、もしくは止まる
…などが現れます。
ほかにも首の付け根の腫れ、眼球突出と言った特徴的な症状がありますが、なかなか本人は気づかないものです。
バセドウ病になると……
私の周囲でも、若くしてバセドウ病を患った方がいます。若い頃から目の大きな美人さん。学生時代は目立った症状はなかったのですが、就職後、仕事が忙しくなるにつれ、食べても太らない、動悸がするなどの症状が出てきたため、メールで相談がきました。
すぐに甲状腺機能を測定するように返信したところ、やはりバセドウ病でした。その後真面目に内服加療を続け、甲状腺機能は正常化し今は2児のお母さんです。
大切なのは、治療を継続すること
このように治療をしっかり行い、甲状腺機能が正常であれば妊娠出産をはじめ、健常人と変わらない日常生活を送ることができます。
ですが、甲状腺機能が正常化する前に治療を中断してしまった時に、大きなストレス(手術や感染症など)が加わると甲状腺クリーゼという状態に陥る可能性があるのです。
甲状腺クリーゼとは?
甲状腺クリーゼになると、
・体温計では計れないほどの高熱(40℃以上)
・激しい頻脈(1分間に150以上)
・下痢、流れるような汗、意識状態の混濁
・あるいは意識不明といった状態
になります。
現在は治療の方法も進歩していますが、それでも危険な状態であることには変わりありません。死亡率は10%前後という報告もあります。
バセドウ病は若い女性に多い病気です。
先ほど書いた息切れ、脈が早くなる、動悸がする、食べても太らないむしろ痩せていく、月経が軽くなる、もしくは止まるなどの症状がある場合は早めに内科を受診して下さい。
甲状腺機能は採血でわかりますし、甲状腺そのものは超音波で観察することが出来ます。治療が早ければ、決して怖い病気ではありませんよ