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2016年01月21日

「ハンバーガーヒル」ベトナム戦争血染めの丘

1987年制作の「ハンバーガーヒル」は、ベトナム戦争で最も悲惨な戦いのひとつであったアパッチスノー作戦

を描いた映画だ。同時期に公開された「プラトーン」のような政治色はなくしかし戦争の惨さは真正面から

描いている。主人公は、アメリカ陸軍の精鋭である第101空挺師団の第❸旅団187連隊第3大隊ブラボー中隊の

若者たちだ。ベトナム戦争で激戦が予想されるエイショーバレーへ第101空挺師団の投入は決まる。

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新兵たちは、古参から戦場のいろはから歯の磨き方まで細かく指導される。ひとりの新兵のミスは中隊の

全滅につながるからだ。古参兵たちは、エイショーバレーでの地獄を経験していて誰ひとりとして喜ぶもはいなかった。

戦場へ投入されるまでの間、兵士たちはささいなことでけんかになったり、売春宿でハメをはずすものもいた。

商売女がアメリカのための戦いと言ったことで食ってかかる兵士もいたのだ。

だがそんな彼らの杞憂をよそについに戦いの時がきた。兵士たちはヘリで直接戦場へ投入された。

のんびりした後方とはうって変わり、ベトナム兵は問答無用で銃撃してくる。ジャングルを進む兵士たちは

次々に倒れていく。味方は航空機を投入してベトコンにナパームの嵐を浴びせかける。

間違って味方のアメリカ兵の乱射でミンチになるアメリカ兵たち、しかし戦いはあの丘を奪うまで続くのだ・・・


この映画には、英雄も登場せずプロパガンダ色もない。戦場の毎日を淡々と描くだけだがそこが返ってリアリティを

感じる。題名のハンバーガーヒルとは、兵士がひき肉になるような激しい戦いという意味だという。


だが、遮蔽物もなく上から手榴弾や弾丸を雨あられと浴びた兵隊たちは、そうとう怖かったと思う。

事実この戦いでは、士気はかなり低かったらしい。司令部は現場のこともわからず督戦したらしいが、この上層部の

間抜けさと無責任さは、米軍も旧日本軍も同じである。

与党政治家には、現場を体験してもらいたいものだ。派手さはないがなかなかの秀作である。

戦争を煽る無知な人間には、一度見てもらいたい映画である。ラストの放心状態の兵隊の表情がいい。


映画で重要な役ヴィンセント・”アルファベット”・ラングイリを演じるのは、アンソニーバリル、監督はジョンアービン。

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posted by ハヤテ at 14:48| 戦争映画

2016年01月20日

「アルジャーノンに花束を・まごころを君に」クリフロバートソン、ダニエルキイス

ダニエルキイスの小説「アルジャーノンに花束を」は、あまりにも有名だがこの原作を映画化した1968年の映画

「まごころを君に」は、公開当時日本ではあまり知られていなかった。ダニエルキイスが日本では知られておらず

このクリフロバートソン主演の映画は、ロバートソンがアカデミー賞を取ったにも関わらずその後も注目される

ことはなかったのである。その後ダニエルキイスが多重人格を描いたビリーミリガンで日本でも人気が出ると

「アルジャーノンに花束を」も人気を集めるようになり、ユースケサンタマリアや山ピー主演でドラマ化されるようになった。

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本家アメリカで映画化されたこの作品の質を左右したのは、チャーリー役のクリフロバートソンの演技の凄さである。

30過ぎのパン屋で働いていたチャーリーは、夜学に通っていたが自分の名前さえ書くこともできなかった。

チャーリーは、精神遅滞のせいで思考力が弱くパン屋でもバカにされていた。しかしチャーリーの学習意欲は高く

なんとか頭がよくなりたいと思っていたので、女教師のアリス(クレアブルーム)はチャーリーの願いを叶えようと

ストラウス教授のクリニックへ連れていった。教授は、ねずみの実験で知能を向上させることに成功していて

人間でも試すべく被験者を探していた。教授はチャーリーをテストしようと、紙の迷路を鉛筆でなぞるように命じた。

ねずみのアルジャーノンを迷路箱に入れて同時にゴールを目指すのだ。チャーリーは奮闘するが結果は

アルの完勝だった。この結果を見てチャーリーで実験することを渋る教授だったが、アリスの熱意でチャーリーは

手術を受けることなる。手術は無事終わったが、相変わらずチャーリーは迷路競争でアルに負けていた。

手術は失敗かにおもえたが、知能向上にはタイムラグがあった。チャーリーが不平不満や怒りといった感情を

現すようになってきてから急速に知能が向上し、哲学書や憲法、高等数学やコンピュータ理論まで学習するように


なったのだ。パン屋でイースト菌まみれになってからかわれていたチャーリーだったがいとも簡単にパンの焼き方を

覚えバカにしてた同僚たちを驚かせる。アリスに対しても恋愛感情を抱きいきなり抱きついてアリスを困惑させる。

しかし、チャーリーの高い能力や無垢さにアリスは惹かれていく。教授の実験の協力者としても認められ順風満帆

かに思えたのだが、ある日アルの変化にチャーリーが気づき・・・・

今でこそこの原作も知られるようになっているが、始めてテレビ放映されたころは予備知識なしで見たので

かなりの衝撃を受けたことを覚えている。パン屋のいじめなどは、日本のブラック企業では日常茶飯事ではないのか。

いい年してこのおっさん達の方がチャーリーよりバカだと思う。

監督のラルフネルソンは、スプリットスクリーンやスローモーションを多用した演出で成功していると思うが

今の時代の映画になれた観客はやや退屈するかも知れない。ラストのチャーリーの表情は怖く悲しい。

それにしてもクリフロバートソンの精神遅滞のときの表情やしぐさと覚醒してからの凛々しく知的な表情の使い分け

の演技には驚く。この映画のケースはしかし特殊なものではなく、高齢化や認知症の時代には多くの示唆を含んでいる

のである。シタールを使ったラビシャンカールの音楽も印象的だ。




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posted by ハヤテ at 17:02| SF映画

2016年01月18日

「アイズ1978年」フェイダナウェイ、トミーリージョーンズ

1978年のフェイダナウェイ主演の「アイズ」は、多重人格やサイコサスペンス映画の走りと言えるだ

ろう。

舞台は、ニューヨーク。売れっ子で時代の寵児として注目を集める女性カメラマンローラマース(フェイダナウェイ)は

性と暴力をテーマにした写真で賛否両論を呼んでいた。

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今日も先端のファッションに身を包んだ奇抜で美しい女性をモデルを撮影をしていたローラだったが突然カメラ越し

に幻視的な光景が浮かび上がった。何者かによって人が殺害される白昼夢である。

前日にも写真の発行者が殺される夢を見ていて、呆然としているローラに悪夢のような凶報がもたらされる。

発行者ドリスが殺されたというのだ。

しかし落ち着く暇もなく、次に知人のフォトギャラリーの経営者エレーヌが殺害される。

そしてローラの一連の写真集の注目していた変わり者の刑事がいた。刑事の名前はネビル(トミーリージョーンズ)

といい退廃的に見えるローラの写真に嫌悪感すら覚えていた。

しかし注目しているのは個人的な感情ではなく、被害者の死に様がローラの写真のモデルのポーズとそっくりな

ことだった。

ローラの周囲のモデルのミシェルやルル、運転手のトミーやローラの元夫と犯人らしい怪しい人物がたくさんいたが


今度はミシェルとルルが殺害される。ネビルの捜査は進むが謎は深まるばかりだ・・・


アイズは、当時のファッション界のトップモデルが出ていて、ディスコのヒット曲「let all chant」が背景に流れて

なかなかおしゃれだが、今ひとつ盛り上がりに欠けるところがある。

脚本を担当するのが、カルト界の大物ジョンカーペンターでテーマはなかなかいいのだが、ローラのサイキ

ック幻視能力について最後まで説明されないところが欲求不満となる。

癖のある刑事役のトミーリージョーンズもこのころは髪がふさふさして若々しい雰囲気だ。

最後の最後で犯人が意外な人物であることがわかるが、カンのいい人なら途中でわかると思う。

主人公がカメラマンということで、ヘルムートニュートンがアドバイザーとして

関わっているらしい。

テーマ曲をバーブラストライサンドが歌っているが、なかなか素晴らしいできだ。

この映画の主演は、もともとバーブラストライサンドがローラ役をやる予定だったようだ。

国内盤DVDは出ていないが、VHSと北米版がアマゾンジャパンで手に入る。微妙に惜しい作品だ。


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posted by ハヤテ at 14:28| サスペンス

2016年01月17日

「メカニック」チャールズブロンソン、ジャンマイケルビンセント

チャールズブロンソン主演の「メカニック」1972年版は、ブロンソンファンにはたまらない作品である。


主人公の殺し屋アーサービショップ(チャールズブロンソン)は、クラシック音楽とワインを好むおしゃれでクールな殺し屋

である。

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題名の「メカニック」とは、一切の感情を持ち込まず機械のように殺しを淡々と実行する殺し屋を表している。

冒頭でいきなりブロンソンがヌッと表れ、ブロンソンファンの私など一気に引き込まれる。

映画はいきなり殺しのための細工が始まる。ビショップは、ターゲットの相手の部屋へドライバーのようなものでピッキン

グして忍び込む。ターゲットのガスオーブンを加工してガス漏れするようにビショップは細工する。次に本棚から

本を抜き取り表紙の裏側にプラスチック爆弾を仕掛ける。そして何事もなく部屋を出ていくと、ターゲットの部屋が

見える向かい側のアパートへ戻っていく。ビショップは、小型望遠鏡で相手を伺い夜になって相手が寝入るのを

まってライフルを取り出した。ガスが充満した部屋へ向かい、正確な射撃で爆弾を仕込んだ本を打ち抜くビショップ、

大音響を立てて建物ごとターゲットはあの世へいくのだった。

いつもながら鮮やかな手並みだったが、組織の次の仕事のターゲットは、親友のハリーだった。

しかしビショップは動揺せずいつもながら淡々と仕事をこなすだけだった。

ハリーの葬儀に出席したビショップは、息子のスティーブン(ジャンマイケルビンセント)に自分と同じような境遇を

みて殺しの仕事に誘いこむ。毎日を無為に過ごしていたスティーブンは、二つ返事で相棒となるのだ。


頭も切れ身体能力も高いスティーブンはたちまちビショップの片腕として力をつけていき、互いに強い絆が

出来たかに思えたが、ある日自宅の引き出しを開けると、次のターゲットの写真が入っていた。

唖然とするビショップだったが・・・・

ブロンソンが、「狼よさらば」に続いてマイケルウイナーと組んだアクションサスペンス映画である。、

相棒のジャンマイケルビンセントが、それまでの明るい好青年役とはうって変わって非情な若き殺し屋を演じている。

いつもへらへらと薄笑いを浮かべているのが不気味だ。恋人が自殺未遂を起こし、手首を切るのを平然と見ている

冷酷さはビンセントの地ではないのか。

また途中の場面では、クボタン考案者の空手の久保田師範も出てくる見せ場がある。

ブロンソンは、セリフも少なく計画を実行するまでのプロセスを丁寧に描いているので、引き込まれる。

全編を流れるジェリーフィールディングの音楽も緊迫感があっていい。

最後の落ちはある程度予測できるが、この映画の見所となっている。

ブロンソンファン必見の作品である。ちなみにリメイク版はまだ見ていない。


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posted by ハヤテ at 15:15| ブロンソン

2016年01月13日

「空手バカ一代」大山倍達、千葉真一、夏樹陽子

東映が千葉真一主演で作った大山倍達の映画「けんか空手極真拳」シリーズに続く大山空手の映画が、映画版

「空手バカ一代」である。

物語のプロットは、梶原一騎原作の劇画から流用しているが、大山がアメリカでプロレスラーたちと戦っていたころ

を中心に描かれているが、舞台がアメリカから沖縄へ置き換えられているが格闘シーンは迫力あるものとなっている。

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物語は、牛やくまと死闘を演じたものの空手界から不遇を囲った大山が、空手界の重鎮与那島の道場へ道場破り

に出かけるところから始まる。大山は与那島門下を空手ダンスと揶揄するが大山を恐れた与那島は、大山に百人組手

を提案する。敵に後ろを見せるのを嫌った大山はこの無謀な挑戦をうけるが、卑怯にも与那島は道場の板に油をまいて


大山の技を封じる。しかし咄嗟の機転で大山は足に帯を巻いて滑り止めとし与那島の弟子たちを粉砕する。

しかし大山には虚しさだけが残り、やくざたちと連れ立って酒浸りの日々を送る。そんなある日日系二世のプロモーター

トッド若松(南利明)より誘いを受け大山は、沖縄でプロレス興業に参加することになる。


大山は、日系の悪役レスラーグレート山下(室田日出男)と柔道家の藤田修三(本郷功次郎)とともに山下ブラザース

としてアメリカのレスラーと戦うのだ。

しかし試合は真剣勝負ととらえる大山とショーとしてのプロレスと噛み合わず、大山は相手を叩きのめしてしまう。

グレート山下は、頭を抱えるが掟破りをやった大山に闇の手が伸びるのだった。


この作品の山場は、当時日本で活躍していたリップタイラーやエディサリバン、スネーク奄美と言った現役レスラー

と千葉との格闘シーンだが、千葉のファイトはプロ相手に遜色がない。

遠藤幸吉がモデルの柔道家役の本郷も柔道有段者だけあってなかなか見せてくれる。またグレート山下のモデルは

グレート東郷であろう。

格闘以外は、大山と沖縄の少年たちとの交流や、この映画がデビュー作になる夏樹陽子とのロマンスなど

花を添えている。


大山の宿敵与那島には、お馴染みの石橋雅史が扮している。大山と暗黒組織との最後の戦いのシーンは、「燃えよ


ドラゴン
」の鏡の死闘のマルパクリで驚きである。監督は山口和彦


娯楽作品としてよくできているが、なぜか未DVDでビデオも入手が難しい。

しかし、北米版はアマゾンジャパンで入手できる。

2016年01月12日

「少林寺拳法」宗道臣、千葉真一

「けんか空手極真拳」に先立つこと1975年、我らが千葉ちゃんは少林寺拳法創始者宗道臣の苦闘の半生を

描いた「少林寺拳法」にも主演していた。

時は昭和20年8月、中国大陸で祖国日本の特務機関員として活動していた屈強な青年宗道臣は、満州の血で

日本の惨めな敗戦を歯噛みしながら迎えていた。

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満州をあとに日本へ帰った道臣だったが祖国は敗戦のショックで人々は気力を失い、列車でもマーケットでも

第三国人が横暴のかぎりをつくしていたのである。宗は、食うためにマーケットで浮浪児の面倒を見ながら

用心棒のようなことをしていたが、進駐軍ともめて捕まり留置されてしまった。

だが、宗が留置された阿倍野署長(丹波哲郎)は、かねてから宗の義侠心に感じるところがあり、進駐軍の横暴さにも

秘かに怒りを覚えていたため、宗を脱走したことにして釈放したのである。

宗は、浮浪児たちや危ういところを助けたパンパンの菊(中島ゆたか)とも別れを告げて単身四国の多度津

渡った。知り合いのいないこの土地で道臣は、暴力団の妨害を受けながら青年たちに身につけた拳法と人の

道を説いていく。そのうち地元の不良たちも道臣に感化されて拳法に打ち込んでいく。

特攻帰りの友田(誠直也)も最初は小馬鹿にしていたが、拳法の面白さや宗の人柄に惹かれて妹の美穂(志穂美

悦子)と一緒に少林寺拳法に入門する。徐々に腕をあげた友田だったが、暴力団の襲撃に遭い片腕を切り落とされて

しまう。やけ酒を煽っていた友田だったが宗のはげましで再度拳の道へ戻ってくるのだ。

少林寺拳法も少しずつ地元にも馴染んできていたが、ある日宗の馴染みのおでんやの娘が地元のチンピラ(安岡力也)

にレイプされてしまう。事件を知った道臣は、チンピラを襲撃し断ち切りバサミでチンピラの陰部を真っ二つに

切り落とすのだった。血が噴水のように吹き出しのたうち回るチンピラ・・・・

この映画は、武道映画であるが時代背景が戦後の荒廃した時期でもあり、やくざ映画のようなシチュエーションで

ある。暴力団員に扮する俳優も、名和宏、小池朝雄、室田日出男と東映ヤクザ映画の常連ばかりである。

千葉はこの映画のために新たに少林寺拳法を訓練したようである。アクションも空手家のときはやや異なり

蹴りは使うものの、投げから関節技というバリエーションも取り入れていて器用にこなしている。

役によってアクションを使い分けることのできる俳優は、千葉真一以外にいないのではないだろうか。


それにしても、二人の武道界の巨星である大山倍達と宗道臣を演じることのできた千葉は凄い。

監督は、鈴木則史


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タグ:多度津

2016年01月11日

「けんか空手極真拳」千葉真一、大山倍達

東映製作の1975年「けんか空手極真拳」は、稀代の空手家大山倍達をモデルにした梶原一騎原作の

「空手バカ一代」を千葉真一主演で実写化したものである。

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物語の舞台は、戦後初の全日本空手道大会が京都で行われたところから始まる。大会には全国から強豪が集まり

中でも洗武館の南波五段(石橋雅史)は、華麗な技で優勝候補の筆頭であった。一同集まって瓦の試割りが行われた

とき、ひとりのボロ空手着をまとった飛び入りの荒くれ男が現れた。男の名は大山倍達(千葉真一)。どうやら空手家のようだが

無名の存在で洗武館館長の中曽根は怪訝な目でみていた。大山は試割りの瓦を用意するように係のものにいい、

なんと17枚もの瓦を一撃で粉砕してみせた。中曽根も会場のものたちも大山の試割りに驚愕するが続けて組手の

部門が始まった。ルールは直接打撃は避け相手の身体の一歩前で止める寸止めである。


南波とあたった大山は、南波の反則攻撃に反応して直接打撃してしまった。もんどりうって倒れる南波だったが


大山より先に反則をしていたため試合再開し、大山有利のうちに試合は終わった。結局大会は大山が優勝するのだが

大山の存在を恐れた中曽根館長は、大山を洗武館に高待遇で迎え入れようとするが、大山の寸止めをやめて

防具をつけたうえで直接打撃するルールを取り入れようとの提案を拒絶する。


大山と中曽根はこれを機に敵対関係に入るが、山にこもって最強を追求していた大山にとって今の空手界は

軟弱なものでしかなかった。


空手界より孤立していた大山だったが、洗武館の門弟のひとり有明省吾は大山を慕い唯一の弟子となる。



有明との海岸での稽古や伴侶となる智弥子(多岐川由美)との出会いもあり大山の毎日は充実してきたかに


思えたが、大山が牛を倒したことをインチキ呼ばわりした洗武館の門弟の悪口を耳にした有明が憤激して

暴力事件を起こし警察に追われる身となるのである・・・



主演の千葉はご存知の通り極真空手の有段者でもあり、様々な空手映画でそのアクションは折り紙つきである。

有明役の弟千葉治郎との海岸での息吹のシーンは圧巻である。牛殺しのシーンも生生しく牛を角を手刀でへし折って


牛の頭から血が噴水のように吹き出すところは凄みがある。

南波五段役の石橋雅史も極真空手の有段者であり、組手シーンには真樹日佐夫も出ている。

最後の洗武館との死闘シーンは、宮本武蔵の吉岡一門との決闘シーンのコピーだろう。

この場面にはまた中国武術の達人蘇東成も出ている。そして有明省吾といえば「空手バカ一代」世代の人間なら

誰でも知っているキャラだが、モデルは実在の空手家春山一郎と言われているが、実は大山館長の勘違いで

春山と他の若者と混同しているらしい。有明省吾は実在の人物というより若者の一種の理想形と考えた方が

良いかもしれない。

いずれにしろ千葉真一がいなければこの作品の成功もなかったと思う。監督は山口和彦。

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2016年01月08日

「ブルークリスマス」BLOOD TYPE:BLUE岡本喜八、倉本聰

1978年の東宝SF映画「ブルークリスマス」は、異色のSF映画である。実際はSFとういうよりポリティカルフィクション

で監督は、「沖縄決戦」の岡本喜八である。

ストーリーは、世界各地でUFOを目撃した人間の血が青くなりこの異変が人類に驚異を与えることを恐れた政治家を

含めた裏支配者とその手先になったマスコミが、青い血の人間を抹殺しようとする一種のエスニッククレンジング

の物語である。

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最初は、新人からいきなりテレビドラマ「日本元年」の主役に抜擢された高松夕子が青い血であることを恋人の

キドコロに知られ、キドコロがそれを知人の国営放送の記者南(仲代達矢)にしゃべったことが上司の裏世界の手先

五代部長にもらし、裏世界は夕子を罠にかけ、反ナチズムのミュージシャンヒューマノイドと麻薬吸引疑惑

で逮捕され番組をおろされて、自殺に見せかけて裏世界から抹殺されるのである。


この事件に巨大な謀略があることを知ったキドコロは、その調査を南に託すがやはり闇の手で殺されてしまうのだ。

南は単身アメリカに飛び秘密組織ブルーバードの行方を探るがなかなか手がかりをつかむことができない。

しかし、南はプロスティーチュートを通じて、青い血の秘密の研究をする科学者(岡田英次)とコンタクトを取ることが

できた。しかし闇の手先の手は、この国におよび兵藤は裏世界のものに捕まりロボトミー手術を受けて廃人となる。

南はすべての調査資料を渡すことと引換に命は助かるが、パリへ左遷されてしまう。

一方、支配者たちは強制的に血液検査を国民に実施し青い血のものは日本人はシベリア送りとなった。

そして日本国防省は、ひそかに特殊部隊を使って青い血の人間を隔離していたが、なぜか一部の人間は放置して

いた。

任務にあたっていた隊員のひとり沖(勝野洋)は死んだはずの元国防省のパイロット原田(沖雅也)にこの理由を


聞いて愕然とする。恋人の西田冴子(竹下景子)も青い血の持ち主だったからだ・・・

この映画の脚本を書いたのが「北の国から」の倉本聰であるのも驚きである。どちらかといえばほのぼのとした

物語を作る印象が強くこれほど政治や国家の裏側のドロドロした部分を描いたのもはじめてだろう。


音楽はベテランの佐藤勝だがテーマ曲を歌っているのが、当時売り出し中のチャーということでこれまた意外な組み合わせである。



キャストも豪華で主演の仲代や勝野、竹下景子だけでなく岡田英次、島田正吾、小沢栄太郎、八千草薫、高橋悦史、


大谷直子、キリがないのでこれくらいにするが、オールスターの様相である。

海外ロケも多く、ニューヨーク、パリとカメラがまわり予算がかなりオーバーしたらしい。


いかにも凝り性の岡本監督だが興業的には失敗しヒットしなかった。評論家にもボロカスに叩かれたが、



後のエバンゲリオンの監督庵野秀明は、この映画の題名ブラッドタイプブル

ーを自分の作品に取り入れている。

早すぎた作品の不当な評価と言えよう。カルト映画の金字塔とも言える作品である。


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posted by ハヤテ at 17:02| SF映画

2016年01月07日

「エベレスト死の彷徨」史上最悪の遭難事故

2015年に公開された「エベレスト3D」は、1996年に実際にあったエベレスト遭難事件を基にしているのだが、

1997年にジョンクラカワーの原作を既にテレビ映画化した作品があった。

その作品は、「エベレスト死の彷徨」でドキュメンタリー風に作られている。

ニュージーランドの登山家ボブホールがアマチュア登山家たちを引率して最高峰のエベレスト登頂を目指したが

大嵐にあってたくさんの死者を出した事件の映画化である。

ボブのチームの他に、スコットフィッシャー率いる登山隊も合流するが、ガイドのロシア人はろくに仕事もせず

前途多難を思わせた。

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そもそもこの登山はツアー客のための観光登山であり一行は最初から浮かれていて、婚姻していないのに


性交渉を行う男女がいたり山に対する畏敬というものがなかったのである。


地元人のシェルパは、エベレストの山頂に女性が登ることさえ嫌い神の怒りを恐れていた。


この登山には、日本から難波康子も参加したが途中ではしごを踏み外したり果たして登山家としての的確性が

あるのか疑われる人もいたのだ。


ある台湾人登山家は、つるつるの長くつでスロープにたち、みんなの注意も聞かず案の定滑落して

あの世いきとなった。


また一行の予想外の大嵐と寒さで肺水腫になるものは出てくるは、酸素不足で体力を消耗するものと


次々に人が倒れていくのである。山での掟は助かりそうなものを助けることでそうでないものは酷寒の大山塊に

置き去りにされていく。

物語としてのメリハリはなくただただ寒くて辛い印象を与える作品である。吹雪のシーンが多くて俳優たちの顔も

雪で凍り誰が誰かわからないので、筋を追うのもしんどくなる。


結局リーダーのロブホールも難波康子も亡くなり最悪の悲劇となった。

監督は、ロバートマーコウィッツ。難波康子役には大谷朱美。 昨年暮れにも大雪山で日本の女性登山家が

滑落して亡くなったがやはり山は恐ろしい。

私は登山をやることはないが、なぜか登山映画は好きだ。以前このブログで取り上げた「バーティカルリミット

も合わせてみて頂きたい。しかし残念ながら「エベレスト死の彷徨」はDVD化されていない。

VHSは出ています。今年は「神々の嶺々」も公開されるのでぜひ見に行きたいと思っている。


タグ:エベレスト
posted by ハヤテ at 14:52| サスペンス

2016年01月02日

「従軍慰安婦」1993韓国映画

昨年年末に日韓の間で、一応形式的に従軍慰安婦の問題で和解した。しかし両国の言い分にはへだたりが


ありすぎてこれで終わりそうもない。

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この日韓両国の間に刺さったトゲである問題を映画化したのが、1993年の韓国映画「従軍慰安婦」である。

ビデオ公開当時は、ほとんど話題にならなかったのは当時は、日本国内でもこの問題にほとんど関心がなかったことに

もよる。

内容は、素朴な半島の少女がトラックに軍に強制的に拉致されるところから始まる。

何も知らない少女たちは、前線で兵隊の性処理をする仕事をさせられる。


映画の内容は、とにかく日本憎しということで日本兵の描き方はひどく、ひげを生やした将校は口癖のように


馬鹿野郎を叫び、少女たちが言うことを聞かないと往復ビンタを食わせるという野蛮さで血も涙もないように

描かれている。

又、上官に媚びようと少女を同衾させたり、辛さに耐えかねて脱走した韓国人少女を日本刀で首チョンパと

やりたい放題である。

舞台は、フィリピンあたりのジャングルで全編やたら旧陸軍の軍歌がかかる。

「紀元2600年」とか「空の神兵」がバックに流れるのだ。

あるとき敵に撃たれて瀕死の日本兵が、死の間際に慰安婦の胸に触れたいと哀願して死んでいくのが

哀れである。

主人公の韓国人慰安婦を何かとかばう日本兵は、実は半島出身者で上官に暇さえあれば殴られおり

日本人の描き方はひどい。

客観性にかけるプロパガンダ映画だが、やられた方はなかなか水に流すことはできないようだ。


監督は、チヨンホ、キャストはガンヘジ、カンヒョンスク 未DVDだがキワモノ映画で有名なアルバトロスフィルムが


ビデオ化している。


そして従軍慰安婦だが実はもう1本東映で作った映画があるが、DVD化の予定はない。

今の情勢では公開は難しいだろう。


ひと目でわかる「慰安婦問題」の真実

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タグ:韓国、
posted by ハヤテ at 17:42| 歴史映画
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