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2016年01月11日

「けんか空手極真拳」千葉真一、大山倍達

東映製作の1975年「けんか空手極真拳」は、稀代の空手家大山倍達をモデルにした梶原一騎原作の

「空手バカ一代」を千葉真一主演で実写化したものである。

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物語の舞台は、戦後初の全日本空手道大会が京都で行われたところから始まる。大会には全国から強豪が集まり

中でも洗武館の南波五段(石橋雅史)は、華麗な技で優勝候補の筆頭であった。一同集まって瓦の試割りが行われた

とき、ひとりのボロ空手着をまとった飛び入りの荒くれ男が現れた。男の名は大山倍達(千葉真一)。どうやら空手家のようだが

無名の存在で洗武館館長の中曽根は怪訝な目でみていた。大山は試割りの瓦を用意するように係のものにいい、

なんと17枚もの瓦を一撃で粉砕してみせた。中曽根も会場のものたちも大山の試割りに驚愕するが続けて組手の

部門が始まった。ルールは直接打撃は避け相手の身体の一歩前で止める寸止めである。


南波とあたった大山は、南波の反則攻撃に反応して直接打撃してしまった。もんどりうって倒れる南波だったが


大山より先に反則をしていたため試合再開し、大山有利のうちに試合は終わった。結局大会は大山が優勝するのだが

大山の存在を恐れた中曽根館長は、大山を洗武館に高待遇で迎え入れようとするが、大山の寸止めをやめて

防具をつけたうえで直接打撃するルールを取り入れようとの提案を拒絶する。


大山と中曽根はこれを機に敵対関係に入るが、山にこもって最強を追求していた大山にとって今の空手界は

軟弱なものでしかなかった。


空手界より孤立していた大山だったが、洗武館の門弟のひとり有明省吾は大山を慕い唯一の弟子となる。



有明との海岸での稽古や伴侶となる智弥子(多岐川由美)との出会いもあり大山の毎日は充実してきたかに


思えたが、大山が牛を倒したことをインチキ呼ばわりした洗武館の門弟の悪口を耳にした有明が憤激して

暴力事件を起こし警察に追われる身となるのである・・・



主演の千葉はご存知の通り極真空手の有段者でもあり、様々な空手映画でそのアクションは折り紙つきである。

有明役の弟千葉治郎との海岸での息吹のシーンは圧巻である。牛殺しのシーンも生生しく牛を角を手刀でへし折って


牛の頭から血が噴水のように吹き出すところは凄みがある。

南波五段役の石橋雅史も極真空手の有段者であり、組手シーンには真樹日佐夫も出ている。

最後の洗武館との死闘シーンは、宮本武蔵の吉岡一門との決闘シーンのコピーだろう。

この場面にはまた中国武術の達人蘇東成も出ている。そして有明省吾といえば「空手バカ一代」世代の人間なら

誰でも知っているキャラだが、モデルは実在の空手家春山一郎と言われているが、実は大山館長の勘違いで

春山と他の若者と混同しているらしい。有明省吾は実在の人物というより若者の一種の理想形と考えた方が

良いかもしれない。

いずれにしろ千葉真一がいなければこの作品の成功もなかったと思う。監督は山口和彦。

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