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2016年01月08日

「ブルークリスマス」BLOOD TYPE:BLUE岡本喜八、倉本聰

1978年の東宝SF映画「ブルークリスマス」は、異色のSF映画である。実際はSFとういうよりポリティカルフィクション

で監督は、「沖縄決戦」の岡本喜八である。

ストーリーは、世界各地でUFOを目撃した人間の血が青くなりこの異変が人類に驚異を与えることを恐れた政治家を

含めた裏支配者とその手先になったマスコミが、青い血の人間を抹殺しようとする一種のエスニッククレンジング

の物語である。

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最初は、新人からいきなりテレビドラマ「日本元年」の主役に抜擢された高松夕子が青い血であることを恋人の

キドコロに知られ、キドコロがそれを知人の国営放送の記者南(仲代達矢)にしゃべったことが上司の裏世界の手先

五代部長にもらし、裏世界は夕子を罠にかけ、反ナチズムのミュージシャンヒューマノイドと麻薬吸引疑惑

で逮捕され番組をおろされて、自殺に見せかけて裏世界から抹殺されるのである。


この事件に巨大な謀略があることを知ったキドコロは、その調査を南に託すがやはり闇の手で殺されてしまうのだ。

南は単身アメリカに飛び秘密組織ブルーバードの行方を探るがなかなか手がかりをつかむことができない。

しかし、南はプロスティーチュートを通じて、青い血の秘密の研究をする科学者(岡田英次)とコンタクトを取ることが

できた。しかし闇の手先の手は、この国におよび兵藤は裏世界のものに捕まりロボトミー手術を受けて廃人となる。

南はすべての調査資料を渡すことと引換に命は助かるが、パリへ左遷されてしまう。

一方、支配者たちは強制的に血液検査を国民に実施し青い血のものは日本人はシベリア送りとなった。

そして日本国防省は、ひそかに特殊部隊を使って青い血の人間を隔離していたが、なぜか一部の人間は放置して

いた。

任務にあたっていた隊員のひとり沖(勝野洋)は死んだはずの元国防省のパイロット原田(沖雅也)にこの理由を


聞いて愕然とする。恋人の西田冴子(竹下景子)も青い血の持ち主だったからだ・・・

この映画の脚本を書いたのが「北の国から」の倉本聰であるのも驚きである。どちらかといえばほのぼのとした

物語を作る印象が強くこれほど政治や国家の裏側のドロドロした部分を描いたのもはじめてだろう。


音楽はベテランの佐藤勝だがテーマ曲を歌っているのが、当時売り出し中のチャーということでこれまた意外な組み合わせである。



キャストも豪華で主演の仲代や勝野、竹下景子だけでなく岡田英次、島田正吾、小沢栄太郎、八千草薫、高橋悦史、


大谷直子、キリがないのでこれくらいにするが、オールスターの様相である。

海外ロケも多く、ニューヨーク、パリとカメラがまわり予算がかなりオーバーしたらしい。


いかにも凝り性の岡本監督だが興業的には失敗しヒットしなかった。評論家にもボロカスに叩かれたが、



後のエバンゲリオンの監督庵野秀明は、この映画の題名ブラッドタイプブル

ーを自分の作品に取り入れている。

早すぎた作品の不当な評価と言えよう。カルト映画の金字塔とも言える作品である。


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posted by ハヤテ at 17:02| SF映画
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