なつかしの映画

「戦争と人間　第二部　愛と悲しみの山河」は朝鮮人パルチザン徐在林（地井武男）が満州国軍を襲撃

するシーンから始まる。成長した伍代財閥の次男伍代俊介（北大路欣也）は伍代が軍と組んで儲ける姿勢

に疑問を感じていた。そして人妻温子（佐久間良子）との恋に一瞬のやすらぎをえていた。

そのころ、俊介の親友の標耕平（山本圭）は工場勤務のかたわら左翼運動に打ち込んでおり、官憲に追われて

いた。同志たちが次々につかまり特高の拷問を受けていて、ついに耕平も逮捕され激しく責められる。

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そのころ由紀子の恋人だった柘植中尉（高橋英樹）は軍の密命で満州で特務工作任務についていた。

そしてアヘンの密売ルートを摘発するが、なんと胴元は伍代で中尉は圧力をかけられる。

また日本国内では風雲急を告げる情勢で、陸軍の青年将校たちが相沢事件に続き226事件を起こしており

軍部独裁は進みつつあった。

また中国では石原大佐ら戦争不拡大派を無視して、武藤章たちの拡大派が力をつけつつあった。

そして満州の富豪の趙大福の娘で美人の瑞芳（栗原小巻）は、伍代英介（高橋悦史）に強姦されたこと

から抗日運動に加わり地下工作員として活動していく。しかし官憲の網にかかり逮捕寸前となる

そこで瑞芳の身を案じた医師服部（加藤剛）は鴻珊子（岸田今日子）の力を借りて瑞芳を奉天から

脱出させるが服部は憲兵隊に逮捕されてしまう。

日本の侵略に対して中国は黙っていたわけではない。張学良は西安事件を起こして蒋介石を拉致して

中国共産党と国共合作を行い日本軍と対抗していく。

そして盧溝橋事件が勃発し日中は泥沼の戦争になだれ込んでゆくのである。

第二部はメロドラマに重点を置かれているが、日中の歴史手事件や謀略工作もきちんと描かれていて

昭和史の流れを掴むことができる。戦闘シーンも特撮は非常によくてリアリティもある。

大河的な映画でこのような作品は二度と作ることはできないだろう。監督は山本薩夫