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2019年08月19日

「戦争と人間完結編」北大路欣也、山本圭、吉永小百合

「戦争と人間」三部作の最後を飾る完結編は、クライマックスにノモンハン事件を描いている。

成長した標耕平は、兄の遺志を継いで反体制運動を続けていたが、ついに徴兵される。そして耕平は

兵隊に行く前の日に、伍代順子(吉永小百合)と結婚する。役所への婚姻届けは順子の兄の俊介(北大路欣也)

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が出してくれた。そのころ日本は中国との戦争を本格化させ、伍代財閥当主の伍代由介(滝沢修)は

軍に食い込み、戦争経済で莫大な利益を上げようとしていた。伍代家の次男である俊介はそんな伍代の

やり方に疑問を感じ興亜経済研究所で、経済分析員として日本の戦力を研究していた。

そしてある日関東軍に招かれ参謀の前で日本必敗の演説をぶった。このことが軍の逆鱗に触れ、俊介は

徴兵猶予を取り消され、ソ満国境に二等兵として任務につくことになる。

一方耕平は中国の最前線で兵士として戦っていたが、軍隊の暴力と不条理がまかり通る世界に憤激して

いた。そして中国人捕虜を銃剣で刺し殺すころができずに、上官に半殺しにされてしまう。

しかし耕平はどんな理不尽にも決して屈することはなかった。そのころ関東軍は中国だけでなく、

ソビエトを叩いて二正面作戦を計画していた。好戦的な東條秀樹や辻政信によってついにソ連と

ホロンバイル高原で激突したのだ。俊介たちは火炎瓶や小銃で必死にソ連軍と戦うが戦車や近代兵器で

攻めてくる相手に味方の兵は次々に殲滅されていく。そして順子の元へ耕平の戦死の知らせが届くが・・

日本映画としては唯一のノモンハン事件を描いた映画で、ソ連でロケした作品である。ソ連軍の全面

協力を得てT34などのソ連軍戦車も登場してくる。また内務班の異常ないじめや軍隊の欺瞞などが

生々しく描かれている。1973年作品なのでまだ戦争の生き残りがたくさんいたので、軍隊の描き方が

リアリティがあるのだ。監督は山本薩夫。空前絶後の戦争大河映画である。日本ではこの作品を超える

戦争映画を作るのは難しいのではないか。佐藤優の音楽も凄くいい。

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posted by ハヤテ at 19:20| 戦争映画
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