2020年12月16日
動詞のまとめ――マニア向け(十二月十三日)
日本語に関しては、古文、漢文の勉強を通じて、さらには大学でかじった国語学のおかげで文法について事細かに考える癖がついている。英語を勉強したときには間に合わなかったが、チェコ語の場合には、それが非常に役に立っている。教科書に出てきたこと、先生に習ったことを覚えてしまうのは当然だが、覚えたことをもとに、あれこれ自分なりの理論、理解を導くために考えるのが、もちろん的外れな考えもあるけれども、チェコ語の能力の向上に大きく寄与した。それで、チェコ語について自分で説明したり文章を書いたりするときにも、ややこしいことを考えてしまう。
その成果が、以下に並べるいくつかの文章である。
Kačとať〈私的チェコ語辞典〉
動詞の人称変化形と組み合わせて使えるものに「ač」と「ať」がある。「ač」のほうは、「〜しても」「〜のに」と逆接の意味を持ち、長い「ačkoli」という形で使うこともある。「ať」は「〜しろ」と命令に近い意味で、日本語の「〜にしろ、〜にしろ」と同じような使い方もできる。問題は耳で聞いた場合には、区別ができないことである。
チェコ語で、たとえば「合法的であるにせよ、非合法であるにせよ」なんて言うのは、一見とても難しそうだけど、「ať」を使えば簡単に言えてしまう。特に教科書や授業で習うものでもないので、知らない人にはとても凄い表現を使っているように聞こえるのも、使い手にとっては嬉しいところである。
L接頭辞の迷宮序
接頭辞の迷宮一
接頭辞の迷宮二
接頭辞の迷宮三
接頭辞の迷宮四
接頭辞の迷宮第一期最終回
動詞を完了態と不完了態に分類するのは、チェコ語を使うために不可欠なことで、完了態と不完了態のペアを覚えておくことは非常に大切である。不完了態だけでペアをなさないものもあるけれども。
そしてそれらの基本となる動詞に接頭辞をつけることで微妙に意味の違う新たな動詞が作られることも重要である。接頭辞として使われるものの多くは前置詞と共通するもので、意味も前置詞と共通する場合が多い。ただしちゃんと解釈しないと前置詞との共通性が見えてこないこともある。その辺の薀蓄を語ってしまったのが、ここに羅列したいくつかの記事である。
それから、不完了態の動詞に接頭辞をつけて完了態の動詞を作り、その完了態の動詞からさらに不完了態の動詞が作られるなんて例もある。慣れてくると知らない動詞でも何となく関連性が見えてくるようになるのだけど、この手の増やされた動詞がすべて辞書に載っているわけでも、辞書に載っている動詞がすべて使われるわけでもないので、自分で使うのはなかなか厄介である。
いずれまた、まだ取り上げていない接頭辞についても取り上げる必要があるだろう。ここに挙げた接頭辞についての文章を、動詞の人称変化について書く前に書いてしまったのは、何でなんだろう。今となっては思い出せない。
M形容詞の作り方2
形容詞の作り方3
形容詞のまとめのところにも入れたが、動詞から形容詞を作られた形容詞についてである。受身から作る形容詞は汎用性が高いので、自分でも作れるように覚えておいたほうがいいと思うけれども、他は作れる動詞が限定的なので形容詞として出てきたときに動詞と関連することがわかればそれで十分な気がする。
不完了態の動詞の三人称複数に「cí」をつけて作る形容詞なんかうまく決まると嬉しいのだけど、自分でも正しいかどうか確信の持てないことが多くて嫌になる。
これまでに動詞について書いてきた文章は以上ということになるのだが、接頭辞はまだいくつもあるし、未来形の作り方とかまともに説明していないような気もする。不完了態と完了態の説明をすればそれでお仕舞いという気もするけれども、一つまとめておいたほうがよさそうだ。
2020年12月13日23時30分。
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